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知財 2020年12月号・連載

画像比較ですっきり理解!「知財侵害」回避のための着眼力
第3回 商標制度の概観と類否判断の考え方
中村洸介

企業が事業活動を進めるうえでは各種知財の見えないハードルが立ちはだかる。本連載では,普段知財に馴染みのない方にもこのハードルが見えるよう,画像比較を用いて説明する。第3回は,商標制度の概観と類否判断の考え方を説明し,その後,商標に関する一連の事件をもとに,類似とされた例と,非類似とされた例を紹介し,実務上の留意点について説明する。

知財 2020年9月号・地平線

新型コロナ危機下での強制実施権発動の可否
──長期的なイノベーションを支え得る知財制度とは?
澤井智毅

新型コロナウイルスに世界が直面するなか,プレスや有識者の方から,医薬品アクセス問題や強制実施権について,問われることが少なくない。その際,私は「医薬品へのアクセスは,その流通経路や製造能力等に依存し,必ずしも知財権がその障壁となるものではない。知財について言えば,今日の命も大事であり,10年,20年後の次世代の命も大事。医薬品や医療機器の発展を常に願わなくてはならない」と答えるようにしている。

知財 2020年9月号・実務解説

海賊版対策の実効性は担保されるか
改正著作権法等の概要と今後の課題
中嶋乃扶子・吉成あかり

2020年6月5日,著作権法等の改正法案が可決,成立した。改正法の目玉は,侵害コンテンツのダウンロードの違法化や,リーチサイト対策(侵害コンテンツへのリンク掲載を侵害行為とみなすこと等)を通じた,いわゆる海賊版対策の強化であり,一部の規定については2020年10月1日に施行される。本稿では,今般の改正に至った経緯および改正法の概要について触れたうえで,特に大きな社会的影響が予想される海賊版対策の強化について解説する。

知財 2020年9月号・連載

画像比較ですっきり理解!「知財侵害」回避のための着眼力
第1回 知財侵害リスクと著作物の類似性
飯島 歩

企業活動には,さまざまな知財侵害のリスクが潜んでいる。製品開発における特許権,工業デザインにおける意匠権,ブランディングにおける商標権,販促資料の作成やソフトウェア開発における著作権など,企業が事業活動を一歩進めるたび,各種知財の見えないハードルを越える必要がある。第1回は,知財侵害のリスクがどのようなものかについて説明し,その後,著作物の類似性に関する事例を紹介する。

知財 2020年4月号・実務解説

IoT通信規格の標準必須特許
──FRAND実施料をめぐる潜在的争点
池谷 誠

2020年3月以降、わが国の主要通信キャリアが、第5世代移動通信システム(5G)の商用サービスを開始する。5Gとはいうまでもなく、現行の4G(LTE)と比べ高速大容量、低遅延、多数同時接続を特徴とするセルラー通信規格であり、デジタル経済を進化させる中核的技術となるとみられている。そして、5Gを含むさまざまな通信技術が利用可能となることで、IoT(Internet of Things)が急速に進展することが期待されている。

知財 2020年3月号・実務解説

他社の営業秘密侵害防止のための視座と対応策 佐藤力哉

度重なる法改正による営業秘密の保護の強化とともに、他社の営業秘密を侵害したとして紛争に巻き込まれるリスクも増加している。本稿は、そのようなリスクを回避するための視座について述べるものである。

知財 2020年1月号・地平線

AI、ビッグデータ時代における著作権法
──明確性・柔軟性を実現する日本型個別権利制限規定
大渕哲也

著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)が、2019年1月に施行された(以下「本改正」という)。著作権法では、著作権者の権利保護と著作物の公正な利用との調和を図るため、著作権法30条以下に著作権の制限規定が置かれている。

知財 2020年1月号・実務解説

インターネット上の侵害に対する保護を強化
改正EU著作権指令の概要と日本企業の対応実務
関 真也

EUデジタル単一市場における著作権指令が採択・承認され、2年以内にEU加盟国内で立法化されることになった。そこで、同指令に定められた事項のなかでも、報道出版物のオンライン利用に関する著作隣接権の付与(15条)とフィルタリング制度の導入(17条)につき、その大枠と、現状把握できる限りの適用基準および企業の対応を概観したうえで、わが国における海賊版対策に向けた示唆にも若干言及する。

知財 2019年12月号・実務解説

著名表示冒用行為の該当性と取締役の責任
"マリカー事件"控訴審中間判決の概要と実務への示唆
新間祐一郎・千葉健太郎

「マリカー」およびコスチューム等の標章を用いた公道カートのレンタル事業等が不正競争・著作権侵害になるかが争われたいわゆるマリカー事件の控訴審の中間判決が言い渡された(知財高判令元5.30裁判所ウェブ。以下「本判決」という)。本判決は、商品等表示の著名性や代表者の損害賠償責任を肯定するなど、被告側の責任をより重く認めた(なお損害額等は終局判決で判断)。本稿では、判旨および実務上の影響について解説する。

知財 2019年10月号・特集2

共同研究開発の最新動向と特有の契約課題 栁下彰彦

企業がスピーディーに新商品または新サービスの開発を実現するために、近時注目されている手法として、オープンイノベーションがある。オープンイノベーションは、企業が他者(たとえば、研究開発型のベンチャー企業や大学)の技術を利用しつつ自社の新商品または新サービスを生み出すことを目指す企業活動であり、共同研究開発契約は、この企業活動において利用されることが多い。筆者は、ベンチャー企業から委任を受けて、大企業との間で締結される共同開発契約を検討する業務や、企業から委任を受けて、大学や公的研究機関との間で締結される共同研究開発契約を検討する業務を行うことがあるが、近時のオープンイノベーションの浸透によって、これまでの共同研究開発契約において留意すべきとされてきた事項とは異なる事項が重要になるのではないかとの認識を持ちつつある。

知財 2019年10月号・特集2

当事者間の齟齬を防ぐ
契約書作成上の4つのポイント
和田祐造

契約条項例やその解説を掲載した多くの文献は、共同研究開発契約書を作成するうえで大変参考になる。しかし、当該共同研究開発の成否を左右する重要な条項が、その内容如何で実際に共同研究開発やその後の各当事者の事業にどのように影響を与えるのかについては、契約の条項例等を眺めているだけではイメージしづらい。本稿では、重要な契約条項の内容が事業等に与える影響と、契約書作成につき留意すべき事項につき、事例もふまえて説明する。

知財 2019年10月号・特集2

実効的な共同研究・開発を実施するためのプロセスと工夫 八田裕之・村上慎也

当社は、富士通株式会社の完全子会社として研究・開発に特化した組織であり、他の大学、研究機関、企業とのオープンイノベーションを積極的に進めている。本稿では、当社が共同研究・開発を実施する際のプロセスおよび共同研究・開発契約を締結するにあたって実務上留意している事項について紹介する。

知財 2019年10月号・特集2

開発の進捗に応じた柔軟な対応を
共同研究開発のベストプラクティス
吉田麻子

共同研究開発では、契約締結前のスキームの整理からはじまり、ビジネス目標の契約への反映、秘密保持契約書との関係の整理、成果規定の設定、そして、研究開発中に派生する諸問題への対応等、さまざまな課題が発生する。課題解決の際には、共同研究開発の意思決定の構造の把握、リスク分担のバランス感覚や研究開発の現場への配慮も重要である。本稿では、当社における取組みをベースとした留意点をピックアップして紹介したい。

知財 2019年10月号・特集2

大学研究室側の事情 梅田綾子

本学では、電気自動車の技術を船舶に応用した電池推進船および遠隔操船や自律運航の実現を目指した自動運航船に関する研究を行っているが、昨今の電気自動車や人工知能のブームに伴って社会的な関心が高まり、さまざまな問合せを受けることが多くなってきた。とはいうものの、技術動向の把握にとどまり、必ずしも実際に共同研究契約に至るとは限らないのが現状である。研究テーマをみつけること自体を目的として大学にアプローチしてきている企業もあり、事前に何度もミーティングを重ねたうえで、どのような共同研究を行うか決定していく。

国際 知財 2019年10月号・実務解説

中央労働委員会の判断基準にみる
コンビニオーナーの「労働者性」

2019年3月、中央労働委員会が、コンビニエンスストア(以下「コンビニ」という)のフランチャイズ加盟店を経営する加盟者は労働組合法上の労働者にあたらないとし、加盟者側の組合が求めていた団体交渉にコンビニ本部側が応じる必要性はないと判断した。 コンビニ業界においては、現在、労働法において加盟者側の保護を図るべきかということが課題であり、本稿はこの点につき概説する。

国際 知財 2019年10月号・実務解説

外国企業の事業リスクが大幅に低減
中国知財関連法の最新改正と企業実務への影響
原 洁

近時中国では知的財産権に関する法令の改正が頻繁に行われている。そのなかには、行政法規である「技術輸出入管理条例」(技术进出口管理条例)や「中外合弁経営企業法実 施条例」(中外合资经营企业法实施条例)のほか、法律である「商標法」(商标法)や「不正競争防止法」(反不正当竞争法)も含まれている。これらの法令の改正は、主に、技術輸入規制の緩和と知的財産権保護の強化を基本としつつ、中国政府がさらに外資を引き入れ、国際技術協力を強化する姿勢と決意を示した内容となっている。

知財 2019年9月号・実務解説

登録対象・関連意匠制度の拡充等
改正意匠法・意匠審査基準の概要
青木博通

改正意匠法が2019年5月17日に公布され、一部の規定を除いて、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることになっており、2020年4月1日に施行される可能性が高い。デジタル技術を活用したデザインの保護やブランド構築等のため、意匠制度を強化することが、意匠法改正の趣旨である。

知財 2019年9月号・実務解説

査証制度の新設、損害賠償額算定方法の見直し
改正特許法の概要
松山智恵・髙梨義幸

令和元年5月10日、第198回国会にて「特許法等の一部を改正する法律案」が可決・成立し、同月17日に法律第3号として公布された(以下「本改正」という)。本改正においては、特許訴訟制度をより充実したものにするという観点から、1専門家が被告の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行うという新たな証拠収集制度(以下「査証制度」という)が新設され、2損害賠償額算定方法の見直しがなされた。1査証制度については、令和2年10月1日に施行、2損害賠償額算定方法の見直しについては、令和2年4月1日に施行される予定である。本稿においては、本改正の概要を説明し、実務に与える影響について解説する。

知財 2019年8月号・特別企画

青色発光ダイオードの特許をめぐる東京地裁判決 升永英俊

紀元前数千年ごろ中東で農業が発見され、地球上で初めて農産物が富を具現するという富のルールが誕生した。その後、19世紀に始まった工業の時代の富のルールは、工業製品が農産物より有利に富を具現するというものである。さらに、1990年代に、工業の時代から知的財産の時代に突入し、富を生み出す源は、工業製品から知的財産や知的財産で保護される工業製品、サービスに変わった。を生む知的財産を創造するには、技術者に発明の動機づけを与えることが有効である。

知財 2019年8月号・特別企画

知財立国へ向けた取組み 塚原朋一

産業界は、知財高裁の発足当時、「知財立国」の要になることを期待したが、発足後の数年間は、拒絶査定の審決の多くを維持し、「同一技術分野論」を多用して特許無効判断を頻発した。2010年以降はプロ・パテントに移行した。

知財 2019年4月号・特集2

EC事業者への削除申請を意識した出願が鍵
商標権侵害への対応
安田和史

EC市場のなかでも比較的模倣品などの問題が発生しやすいB2CおよびC2Cにおいて模倣品などの被害を受けた場合の対応および法的根拠について明らかにする。また、SEOや広告などの手段を用いて顧客を自己のサイトに引き寄せる場合において、無断で商標が用いられる場合の法的問題点について従来の判決を参酌しながら解説する。

知財 2019年4月号・特集2

侵害の悪政に応じた検討とEC事業者との協力
著作権侵害への対応
関 真也

ECサイト運営者にとって、侵害品のないクリーンな市場環境を整え、そのイメージを確立することが、利用者の信用獲得や市場拡大のために重要性を増している。また、出品者の属性等に応じた程よい柔軟な対応を可能にし、コンテンツのファンを教育・啓蒙しながら適切に侵害品を排除することは、権利者にとっても重要な課題である。そして、その実現には、ECサイト運営者のリスクに配慮しながら、ECサイト運営者と権利者との協力関係を構築することが不可欠である。そこで、ECに関して問題となりやすい著作権法上の課題を整理するとともに、好ましい協力関係の一例を示す。

知財 2019年4月号・特集2

楽天株式会社
最新技術を取り込んだEC特許実務の進展

今枝真一

eコマースのビジネスモデルは加速度的に複雑化しており、それらの複雑なビジネスモデルに対応する技術開発が求められている。本稿ではeコマースのビジネスを取り巻く環境をふまえ、そこに用いられる代表的な技術分野について楽天の技術動向とそれら技術をサポートする特許実務を紹介する。

知財 2019年4月号・特集2

株式会社メルカリ
権利者・官公庁と協力した不正出品物対策
上村 篤

CtoC(ConsumertoConsumer、一般消費者間の取引)のeコマースプラットフォームでは、一般の利用者がさまざまな商品の取引を容易に行うことができるが、ファッションブランドの模倣品やインターネットでの取引が規制される商品が出品されることがある。筆者が所属する株式会社メルカリ(以下「メルカリ」という)では、これらの出品物に対し、法務、公共政策、カスタマーサービスなど複数の担当者で連携して対策に当たるだけでなく、同業者や官公庁・自治体とも連携して、利用者が安心して取引を行える環境づくりをしている。本稿では、これらの取組みの一部を紹介する。

知財 2019年4月号・実務解説

新規事業における競争力に資するための
「ビジネスモデル特許」を活用した知財戦略
杉尾雄一

近年、ビジネスモデル特許の出願が増加傾向にあり、注目を浴びている。ビジネスモデル特許の呼称からは、ビジネスモデル自体が保護されるかのような誤解が生じることがあるが、基本的には、ビジネスモデル特許も、通常のプロダクトやシステムの特許と同様に考えることができる。本稿は、ビジネスモデル特許の一般論から具体的な事例まで説明をすることにより、ビジネスモデル特許を活用し、新規事業の知財戦略の立案に資することを目的としたい。

知財 2019年3月号・地平線

スタートアップを支える技術法務

─弁護士に求められる気概と信念
鮫島正洋

スタートアップとは、いわば会社の赤ちゃんである。赤ちゃんだから、周りの世話なくしては生きながら得ない。スタートアップに対する法律支援の根本はここにある。

知財 2019年2月号・地平線

著作権法改正が拓く日本の"機械学習パラダイス" 上野達弘

まもなく迎える新しい年。改正著作権法も2019年1月1日に施行される。多岐にわたる改正項目のなかで、ひょっとすると日本経済にプラスの効果をもたらすと思われるものがある。「情報解析」のための著作物利用を自由とする規定(新30条の4第2号)がそれだ。

知財 2019年1月号・実務解説

共同研究における発明者の認定 山田剛志・氏家隆国

2018年10月、京都大学の本庶佑特別教授が、免疫療法に関する基礎研究の成果が認められ、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは記憶に新しい。本庶教授の基礎研究をもとに小野薬品工業株式会社が開発したがん治療薬「オプジーボ」にはさらなる期待、注目が集まることとなったが、治療薬開発は本庶教授(京都大学)と小野薬品工業との間の共同研究として行われたということであり、産学連携の一例といえよう。文部科学省の主導もあり、以上のような大学と企業との共同研究の例は増えてきているが、その共同研究において一定の成果が出た場合、権利の帰属等を含め、さまざまな問題が生じることがある。その1つとしては、発明者の認定があげられる。本稿では、近年増えつつある発明者の認定が裁判で争われる場合に関連して、発明者の認定方法、大学と研究者、共同研究における権利の帰属などを概説するとともに、そのようなケースに遭遇し得る研究者、大学、企業等において、発明者の認定に備えてどのような点に留意しておくべきかを述べることしたい。

知財 2018年9月号・トレンド・アイ

漫画・アニメ海賊版サイトのブロッキングにみる憲法的課題 唐津真美

本年4月13日、政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議は「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」(以下「緊急対策」という)を決定し、漫画やアニメ、映画などを権利者に無断で掲載するいわゆる海賊版サイトへの接続を遮断するための法整備に乗り出す方針を示した。さらに、特に悪質な3つのサイトを名指しして、「法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置」としてインターネットサービスプロバイダ(ISP)がこれらのサイトへのアクセスを遮断すること(ブロッキング)は適当という見解を示した。これを受けて4月23日にはNTTグループ3社がブロッキングを実施する方針を発表したが、サイトブロッキングについては通信の秘密や表現の自由の観点から憲法に違反する可能性があると指摘されており、複数の団体が反対意見を表明するなど波紋が広がっている。本稿では、背景事情もふまえつつ、サイトブロッキングの法的問題を整理してみたい。

知財 2018年8月号・実務解説

標準必須特許(SEP)利用・交渉における実務ポイント 石原尚子

Internet of Things(IoT)の利活用に向けて、標準必須特許およびそのライセンスについて注目が集まっている。欧州における複数の競争法関係調査事件や裁判例を受けて、欧州委員会による標準必須特許ライセンスについての政策ペーパーが発表され、日本特許庁も標準必須特許ライセンスの手引きの策定を進めている。本稿では、標準必須特許とそのライセンスの特性を理解し、欧州委員会や日本特許庁が提示するベストプラクティスをふまえて、法務担当者が押さえておきたい要点を整理する。

知財 2018年7月号・実務解説

データの法的保護・利活用に向けた
不正競争防止法改正案の概要と実務対応
松本 慶

「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という)が閣議決定のうえ、平成30年2月27日に公表され、現在開会中の通常国会に提出されている。その内容としては、1いわゆる「データ知財」の保護としてデータの不正取得・使用等に対する民事措置の創設、および2暗号等のプロテクト技術の効果を妨げる行為に対する規律の強化である。本稿では、このうち1を取り上げ、その内容、さらには施行後に考えられる実務上の留意点を紹介する。

知財 2018年6月号・実務解説

「柔軟な権利制限規定」によるデジタル社会への対応
改正著作権法案の概要
林 いづみ

IoT時代に伴う著作物利用の円滑化ニーズに対応するため、「柔軟な権利制限規定」の整備を目指す改正著作権法案が2018年2月23日に国会に上程された。いわゆる一般的・包括的なフェアユース条項の導入ではなく、①デジタル化・ネットワーク化の進展、②教育の情報化、③障害者の情報アクセス機会の充実化、④アーカイブ利活用促進に対応するために、個別の権利制限規定を拡充するものである。

知財 2018年6月号・実務解説

2017年の裁判例を振り返る
商標法・意匠法・不正競争防止法の判例動向と実務家が注目すべきポイント
佐藤力哉・茜ヶ久保公二・栗下清治

本稿は、裁判所ウェブサイトの裁判例検索システムにおいて、2017年1月1日から同年12月31日までの期間について、「商標権」、「意匠権」および「不正競争」を権利種別とする民事訴訟ないし行政訴訟を対象に検索したところに基づき、それぞれの分野の裁判例の動向について概観するものである。

知財 2018年5月号・トレンド・アイ

服飾デザインの保護をどうはかる?
日本における"Fashion Law"
高瀬亜富・山本真祐子

ファッションビジネスにかかわる法律、いわゆるFashionLawが注目を集めるようになっている。ひとくちにFashionLawといっても、ブランドネームの保護、ファッションビジネスにかかわる技術(FashionTechとも呼ばれる)の保護等さまざまな問題が含まれるが、近時特に注目されているのがファッションデザインの保護に関する問題である。

知財 2018年4月号・実務解説

開放特許の活用で広がる法務・知財部門の可能性 富澤 正

大企業が持つ特許権を開放し中小企業が新商品開発を行う開放特許ビジネスマッチングが注目されている。そのなかでは特許権を扱う企業の法務・知財部門の役割が大切になる。法務・知財が活動を広げることで開放特許が使われる可能性は広がる。本稿では開放特許ビジネスマッチングの魅力と法務・知財の活動方法について解説する。

知財 2018年3月号トレンド・アイ

ナブテスコの知財経営戦略
IPランドスケープの実践
菊地 修

現在の企業経営環境は、中国に代表される新興国の急激な発展と、第4次産業革命の渦中における技術革新の急速な進展による、市場の覇権争いがグローバルに展開される大変革期を迎えている。経営者はこの市場環境の変化を逸早く把握し、今後の事業戦略の策定や経営体制の再構築を行う必要がある。近年このためのマーケティング手法として「IPランドスケープ」が、欧米の先進企業を中心に活用され始めてきた。

知財 テクノロジー・AI 2018年2月号・特別企画

知財法 ビッグデータ、学習済みモデル、AI生成物の保護 柴野相雄・松村将生

昨今のAIブームの火付け役となったのは、機械学習という方法の中の、深層学習(ディープラーニング)という手法が登場したことによる。深層学習を含む機械学習においては、いわゆるビッグデータを用いて、特定の機能を持たせることを目的として学習を行い、いわゆる「学習済みモデル」を生成する。この学習済みモデルに新たなデータや指示を入力することで、AIは「AI生成物」を出力する。

競争法・独禁法 知財 2018年2月号・特別企画

独禁法 デジタル・カルテルが問う「合意」要件 植村幸也

独占禁止法(競争法)の分野では、近時、「デジタル・カルテル」が大きな話題だ。それが何を意味するのかはっきりしないが、人工知能(AI)や高度な価格設定アルゴリズムによりカルテル類似の結果が生じる場合を指していることが多い。AIの時代には、人間が合意しなくても価格をつりあげることができるようになるのではないか、そのため、合意の存在を要件とする現在のカルテル規制ではデジタル・カルテルを規制するのに不十分ではないか、というのがここでの問題意識である。