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企業法務総合 国際 2024年6月号・特集1

海外債権の実務管理
――コモン・ローとシビル・ローの相違点
栗田哲郎

信用取引を日常的に行うビジネスでは,債権管理を適切に行わなければならないのは言うまでもない。ただし,文化も言葉も法律も違う海外において債権管理を行うことは,日本企業のみならず海外企業にとって常に課題である。本稿では,東南アジアの債権回収を中心に,海外での債権管理の実務を紹介する。

国際 争訟・紛争解決 2024年6月号・連載

【新連載】
ストーリーでわかる 国際仲裁の基本
第1回 国際仲裁手続における初期対応
伊藤 遼・魚住 遼

本誌の「ストーリーでわかる 訴訟手続の基本」(2019年10・11月号,2020年1〜11月号)および「ストーリーでわかる 労働審判の基本」(2023年6〜12月号)では,各訴訟手続の流れをストーリーに沿って概観し,手続に係る基礎知識や実務上の留意点について解説する連載を行ったが,本連載は,これまでの連載と同様のコンセプトで,国際仲裁の手続についての解説を行うものである。 本連載も,具体的なストーリーを設定し,その進展を追う形で,国際仲裁の基礎知識や実務上の留意点について解説する。なお,本連載では日本商事仲裁協会(JCAA)の定める商事仲裁規則(2021年版)(以下「JCAA規則」という)にもとづき,日本で行われる国際仲裁の事例をもとに解説するが,国際仲裁の手続の枠組みは,基本的に他の仲裁機関における仲裁規則とも共通する点が多いため,可能な範囲で国際仲裁の手続の共通項を抽出して解説を試みるものとする。

企業法務総合 国際 2024年5月号・特集1

英米法の理解をベースとした英文NDAの考え方・作り方 飯島 歩

「英文契約書」の語は,単に「英文で書かれた契約書」との意味を超えて,「英語圏の法制度や文化を背景に作成された契約書」といった意味をもつことが多い。また,英文契約書は,多くの場合海外企業との国際契約に用いられる。そのため,英文NDAのドラフティングにおいては,英文契約書の背景にある英米法の文化を理解し,国際契約に特有の留意点を理解しておくことが重要である。

労働法 国際 2024年5月号・Lawの論点

外国人の技能育成に関する新しい視点
――国際労働基準をふまえた問題点と今後の課題
熊谷謙一

わが国の技能実習制度をめぐり,本年2月9日に,政府が新たな「育成就労」制度の創設を決定したことで,今後の展開が注目されている。また,ILO(国際労働機関)が,移民労働に関する条約・勧告をふまえた諸対策を進めるとともに,「質の高いアプレンティス制度」に関する勧告を採択したことも,新しい視点を与えている。それらをふまえ,外国人労働者の技能育成に関するわが国での問題点と今後の課題を示す。

国際 2024年5月号・実務開設

海外法務ニュース2024 石田雅彦

2023年は,人権や環境問題,AI等の新技術をめぐる規制に関する議論の高まり,アクティビズムと同意なき買収の活性化など,国際企業法務と国内法務の垣根がどんどん低くなっていく方向にあることを示唆する1年であった。今後もこの流れが続くことが予想されるなか,本稿が,今後の国際企業法務,ひいては国内企業法務の動向を理解するうえでお役に立てれば幸いである。

国際 争訟・紛争解決 2024年5月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
最終回 訴訟を回避するための英文契約書
――ボイラープレート条項を中心に
奈良房永・笠継正勲

日米の企業間の契約では,ビジネスの取引条件を定めた実質的な条項に傾注することが多いため,英文契約書に共通してみられるボイラープレート条項(一般条項)はあまり議論されることなく合意に至るケースが多い。しかし,訴訟リスクを最小化し紛争が生じた場合のセーフガードを担保するためには,ボイラープレート条項の基本的な目的や機能を十分に理解する必要がある。最終回では英文契約書のボイラープレート条項を中心に解説する。

国際 テクノロジー・AI 2024年5月号・連載

海外契約条項の「知らない世界」
最終回 AIと契約条項
コリン・トレハーン・辰野嘉則

急速に発展・拡大するAI市場のもと,企業にとってAIに関連する契約を締結する機会は増加しており,今後さらにその傾向が強まると予想される。本稿では,AI特有の論点を紹介するとともに,特にポリシー遵守義務条項や法令遵守義務条項といった,しばしば軽視されがちな条項が,AIとの関係で重要となりうる点について解説する。

国際 テクノロジー・AI 2024年5月号・連載

Web3とコンテンツ産業の最新法務
第7回 Web3に係る海外関連法規制
――NFTおよびDAOを中心に
稲垣弘則・神谷圭佑・堤 直久・ 田中大二朗

近時,日本の映画・アニメ・漫画業界を中心に,さまざまなコンテンツをNFTとして海外に展開するビジネスが検討されている。 このような現況をふまえて, 自民党web3PTは,2023年4 月1 日に公表した「web3ホワイトペーパー~誰もがデジタル資産を利活用する時代へ~」において,「web3を活用したわが国のコンテンツ産業の海外展開支援」を項目に掲げ,当該項目においてアート,スポーツ,ゲーム,映画,放送,アニメ,漫画,音楽等の幅広いコンテンツ産業を,国際的競争力を有する豊富かつ上質な知的財産を保有する日本にとって大きな強みとなる産業であると評価している。また,Web3にかかわるビジネスのなかでも,特にDAOに関する関心は近時著しい高まりをみせており, 同PTは, 同年11月以降,DAOをめぐる現状認識と事業者間の連携の促進を目的としたDAOルールメイクハッカソンを開催し,2024年1月に「DAOルールメイクに関する提言~我が国における新しい組織のあり方について~」を公表して,DAOをめぐる各論点と次のアクションを提示した。

競争法・独禁法 国際 2024年4月号・特集1

海外贈賄規制の概要と動向 鹿 はせる

【Q17】 海外で行われる贈賄行為について日本で処罰されるのはどのような場合か。日本法以外にも留意すべき外国法令はあるか。

企業法務総合 国際 2024年4月号・特別企画

ウクライナで事業を始めよう! ウリバチョバ・イリーナ・ホロブコブ・セルヒー・芦原一郎

日本は,ウクライナ支援で,その豊富な復興の経験から復興支援を中心に重要な役割が期待されている。ウクライナ政府も,EU加入に向けた市場ルール・規制環境の整備や電子公共サービスの導入など,先進の制度を積極的に導入し,外国投資の拡大を促進する条件整備を進めている。 読者には,ぜひウクライナでビジネスを進めてほしいが,まずは,この特集がウクライナでのビジネス環境の概要の理解に役立つことを祈念する。 【章構成】 ・投資環境と投資政策 ・税制と紛争解決制度の概観 ・法人事業(Корпоративний бізнес) ・個人事業・就労

労働法 国際 2024年4月号・連載

技能実習制度の発展的解消と「育成就労(仮称)」制度の創設 大嵜将史・伏見純子

技能実習制度を発展的に解消して創設される新制度「育成就労(仮称)」は,現行の特定技能の在留資格と連続性のある在留資格として設計されており,これにより未熟練労働者の日本での長期就労が可能となることから,今後の企業の外国人雇用に大きな影響を与えることになる。

国際 争訟・紛争解決 2024年4月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第9回 和解による紛争解決
奈良房永・笠継正勲

アメリカは訴訟社会といわれ,もめ事があるとすぐに訴える,訴えられるという展開に発展することは少なくない。しかし,訴訟に至る場合でも多くは最終的に和解により解決する。訴訟当事者は,常に和解戦略を念頭において訴えの初期段階から落としどころを模索し,和解によるメリット・デメリットと訴訟継続に要するコストや敗訴リスク等を慎重に分析したうえで,和解のチャンスを見計らうことが重要になる。

国際 サステナビリティ・人権 2024年4月号・連載

海外契約条項の「知らない世界」
第5回 サプライチェーンの人権課題に取り組むための契約条項
田中亜樹・ダニエル・アレン・辰野嘉則

本連載第4回ではESG投資の隆盛などを背景に,ESGのE(環境)に着目して,温室効果ガスの排出に関する契約条項を紹介した。第5回ではESGのS(社会)に着目して,ビジネスと人権に関する契約条項を取り上げたい。

国際 争訟・紛争解決 2024年3月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第8回 再審申立てと控訴審
奈良房永・笠継正勲

前回までは第一審手続について解説してきたが,今回は第一審の判決に対して不服がある場合の上訴手続を解説する。米国連邦民事訴訟の事実審は第一審においてのみ行われるため,控訴審では主に法律問題が争われ新たな証拠の提出は認められない。控訴することで事実認定の問題も争うことが認められる日本の控訴審とは考え方が異なるため,不服がある場合は第一審の判決とこれが覆る見込みを慎重に検討し,上訴方針を策定する必要がある。

企業法務総合 国際 2024年2月号・特集1

国際業務提携契約を締結する場合の留意点 岸本 愛

岡田稿ないし石津稿の解説で指摘した業務提携契約のパターン別留意点は,海外企業との業務提携契約でも基本的には該当する。ただ,海外企業との業務提携契約の場合,相手が海外企業であるがゆえに,別途考慮が必要となる問題がある。本稿ではそれら留意点について解説する。

国際 争訟・紛争解決 2024年2月号・実務解説

渉外民事訴訟手続への影響とは
「中国民事訴訟法」改正のポイント
裘 索・洪 一帆

中国の新民事訴訟法が2024 年1月1日より施行された。渉外民事訴訟手続において中国人民法院管轄権の拡大や送達方法の改善などがなされ,今後国際民商事紛争解決の効率向上が期待される。

国際 争訟・紛争解決 2024年2月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第7回 トライアル(公判)手続
奈良房永・笠継正勲

裁判を題材にした映画では,弁護士が陪審員に向かって弁論を行っていたり証人に対して厳しい反対尋問をしていたりする光景が多い。これはトライアルの様子を表しているが,このようなドラマチックな部分は裁判手続のごく一部に過ぎず,実際のトライアルにはさまざまな手続が存在し,遵守する必要がある。短期間の集中審理となるトライアルに踏み切る場合,相当な準備期間と膨大なリソースが必要であることを理解しておくべきである。

国際 サステナビリティ・人権 2023年1月号・Trend Eye

反ESG圧力の高まりとアメリカの立法動向 奈良房永・ステーシー・イー

ESG(環境,社会,ガバナンス)を考慮した投資や経営方針を前向きに進めるべきという認識が日本でも広まってきた。しかし,アメリカの一部の州では,近年これに対抗する「反ESG」の動きが強まってきている。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・特別収録

判例からひも解く国際裁判管轄のフロンティア 山崎雄大

国際取引に関する紛争の解決手段として裁判手続を選択する場合,契約締結時に設けるべき管轄条項の内容,最初に訴訟を提起する裁判所の選択については,いかなる点に留意すべきなのか。本稿では,国際裁判管轄に関する近年の動向をふまえつつ,日本の裁判所の国際裁判管轄の有無や管轄条項の有効性・効力の範囲について整理し,実務上の留意点を指摘する。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・特集2

コスト・コントロールに効く仲裁条項の工夫
――サード・パーティー・ファンディングの秘めたる可能性
クリストファー・スチュードベーカー・松本はるか

仲裁条項は実に多くのクロスボーダー取引の契約書に含まれている。しかし,実際に取引に問題が発生し,協議による解決が困難な状況に至ると,しばしば手続費用が足枷となって仲裁の申立てを躊躇させてしまう,という現実に直面する。国際商事仲裁手続が世界で勝負する企業にとって現実的な紛争解決手段となるよう,コスト・コントロールに効く仲裁条項のポイントと,サード・パーティー・ファンディングを利用することで,日本企業が手続費用のハードルを越えて仲裁での勝負に挑むためのポイントを紹介する。

競争法・独禁法 国際 サステナビリティ・人権 2024年1月号・特集2

サステナビリティ協定に対する競争法のアプローチ
――グリーン社会の実現に向けた各国競争当局の動き
植村直輝

本稿は,グリーン社会の実現に向けた事業者の共同の取組(サステナビリティ協定)に関する競争法上の問題について,各国の最新状況と考え方を紹介するものである。サステナビリティ協定に対する各国のアプローチは,ガイドラインの策定や改定,競争法自体の改正など,さまざまである。今後も,グリーン社会の実現に向けて,各国で事案を蓄積・公表していき,適宜ガイドライン等をアップデートするなどして適切に対応していく必要がある。

国際 AI・個人情報 2024年1月号・特集2

生成AIをめぐる法規制の国際動向
――導入企業・プロバイダー双方の視点から
山田広毅・岩崎 大・中田マリコ

生成AIをめぐり,日本では,政策的な後押しもあり,導入の動きや独自の大規模言語モデルの開発等の取組みが活発化している。しかしながら,生成AIに対する姿勢は国や地域によって差があり,一部の国・地域との間で法規制のギャップが生じているため,生成AIの導入や開発を行う企業はむしろそれらの国・地域の法規制を意識した対応を行う必要がある。本稿では,生成AIをめぐる世界の主要な法整備の状況を紹介したうえで,導入企業・プロバイダーそれぞれに対する留意点を解説する。

国際 AI・個人情報 2024年1月号・特集2

各国の司法判断から導く生成AIの法的評価想定 石原尚子

現在,官民等主体を問わず生成AIの対応に追われている。導入自体も始まっているものの,その法的な影響については,いまだ裁判例の集積もない状況のため手探りのまま進めざるを得ない。技術の進歩の早さに法的評価は必ずしも同時進行とはならず,手探りで随時対応していかざるを得ないが,少しでも予測可能性を得るため,現時点での諸外国の裁判所での法的評価をみつつ,日本法上の解釈想定と留意点の提示を試みる。

企業法務総合 国際 2024年1月号・特集2

国際EPC契約の実務留意点
――大規模プロジェクトにおける交渉のカギ
荒井陽二郎

ロシアによるウクライナ侵攻,中東緊迫化,脱炭素化の潮流を背景に,世界各国において再生可能エネルギーや水素・原子力発電の開発・導入が進むなか,多くの日本企業がその技術力を生かして,発電プロジェクトに参画している。そこで,日本企業がEPC(設計・調達・建設)業務を担う事例を念頭に,EPC契約の実務上の留意点について解説する。

企業法務総合 国際 2024年1月号・特集2

アウトバウンドM&Aを成功させるDD・最終契約のポイント
――クロスボーダーM&Aの新規制をふまえた対応
堀池雅之

米中対立が激化し,ロシアのウクライナ侵攻等により世界的に安全保障の環境が悪化していくなかで,各国の外国投資規制が強化されている。このような状況下で日本企業がアウトバウンドM&Aを行う際に,交渉上どのような点に留意すべきかを解説する。

企業法務総合 国際 2024年1月号・連載

Introduction 宇宙ビジネス
第4回 打上げビジネスとルール
――打上げ契約の特殊性と事故発生時の賠償責任
岩下明弘・毛阪大佑・北村尚弘

「宇宙ビジネス」という言葉を聞いたとき,真っ先に思いつくものの1つがロケットの打上げビジネスだろう。ただ,この打上げビジネスに関して,契約当事者が誰であって,どのような契約の内容となっているのか等については,あまり考えたことがないのではなかろうか。本稿では,打上げビジネスに関する仮想事例を用いながら,打上げビジネス特有の契約条項や,契約の枠組み,万一事故が生じた場合の損害賠償責任などについて概説する。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・連載

海外契約条項の「知らない世界」
第3回 紛争解決条項でコストを削減しよう
髙松レクシー・辰野嘉則

紛争が仲裁などの終局的な手続に至ってしまった場合,もう重いコストを負担するしかないのだろうか。この点,特に国際仲裁の場合,事前に契約の中で仲裁条項をドラフトする際に,コスト削減のためにとり得る戦略がある。本稿では,海外契約の実例をふまえ,紛争解決条項におけるコスト削減策について解説する。

民法・PL法等 国際 2023年12月号・特集1

海外事業で心得ておきたい
米国・欧州製造物責任法の手引き
ライアン・ゴールドスティン

現代のグローバル経済において,多国籍企業は世界の主要な市場で事業を展開し,さまざまな法的責任を負う可能性がある複数の法的管轄権の適用を受けている。このような環境下にあって,自社の事業が関係し得る法律について知識を得ることは有益である。本稿では,欧米市場で製品を販売する企業が,米国・欧州の製造物責任法および潜在的責任をよりよく理解できるよう,製造物責任法に関する手引きを提供する。

国際 2023年12月号・実務解説

米国司法省による「企業犯罪摘発指針」改訂の影響 井上 朗

バイデン政権下にて,米国司法省は,FCPA を含む不正行為の摘発方針を変更するに至っているが,日本企業にはどのような影響があるのだろうか。本稿では,重要な変更点と内外で事業をしている日本企業にとっての留意点を概説する。

民法・PL法等 国際 2023年12月号・連載

海外契約条項の「知らない世界」
第2回 「信義則条項」に意味はない?
ダニエル・アレン・辰野嘉則

わが国の国内契約においては,信義誠実の原則をあえて規定するような条項は,民法上の義則に屋上屋を架すようなものとも思われるところであろう。しかし,それは世界共通のことではない。本稿では,特にコモン・ロー(判例法系)の法域における信義則条項の効果や,その限界について解説する。

国際 争訟・紛争解決 2023年12月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第6回 トライアル前の申立て
(Pretrial Motions)
奈良房永・笠継正勲

訴訟開始からトライアル(公判)が始まる前までの段階にはさまざまな手続があり,ディスカバリーのように当事者間で進められる手続も多いが,当事者間で合意ができない場合は裁判官の判断を仰ぐことになる。訴訟の節目ごとに紛争の最終的な決着を裁判所に求めることもあり,これらは当事者が裁判所に申立てをすることにより進んでいく。今回は各段階のさまざまな申立ての中から,訴訟の行方に影響を及ぼす代表的な申立てを紹介する。

国際 争訟・紛争解決 2023年11月号・連載

【新連載】
海外契約条項の「知らない世界」
第1回 多段階紛争解決条項(MTDR条項)
辰野嘉則

海外企業との英文契約をドラフトまたはレビューしていると,日本国内の契約では見かけない条項を目にすることがあるのではないか。そういった海外契約条項の中には,わが国の法制度のもとでは使いにくいものがある一方,わが国でも十分に実用に足り利活用の可能性を秘めているものがある。本連載では,紛争解決からESG,AI,人権等の最新のトピックまで分野横断的に,海外における興味深い契約条項を紹介する。初回となる本稿では,いわゆる多段階紛争解決条項(MTDR条項)を取り上げる。

国際 争訟・紛争解決 2023年11月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第5回 情報を守るカギは秘匿特権(privilege)
奈良房永・笠継正勲

アメリカ法には秘匿特権という概念があり,訴訟において弁護士と依頼者間のやり取りについては開示の対象から除外する権利が認められている。米国民事訴訟ではディスカバリーで広範な証拠資料の提出が義務づけられているため,一定の情報をディスカバリーの対象から除外することを認める秘匿特権は訴訟戦略上極めて重要となる。本稿では,秘匿特権の内容を正しく理解し適切に利用するための留意点について解説する。

企業法務総合 国際 2023年11月号・連載

Introduction 宇宙ビジネス
第3回 月開発ビジネスとルール
――人類は再び月を目指す(後編)
大島日向・本間由美子・山崎臨在

本稿では,前回に引き続き,以下の月探査の仮想事例を用いて,各事例において問題となる法的論点を概説する。

競争法・独禁法 国際 2023年10月号・Lawの論点

デジタル・プラットフォームをめぐる新規制の動向
――EU,英国の立法とわが国の進むべき方向
土田和博

デジタル・プラットフォームの規制は,日本では独占禁止法の執行に依るより,いわゆる透明化法の自主規制+モニタリング・レビューが中心的位置を占めるが,透明化法は,施行後2年以上が経過して,その有効性と限界がみえてきた。デジタル市場の競争性や公正性を確保するうえで自主的な取組みを基本とする透明化法では対応が困難なものは,EUのデジタル市場法など国際的な立法動向を参照しつつ,日本も適切な法規制を検討する必要がある。

競争法・独禁法 国際 2023年10月号・連載

米国FTCによる「競業避止義務条項」規制案と今後の展望 飯谷武士・伊藤祐太朗

本年1月,米国の連邦取引委員会(以下「FTC」という)は,競業避止義務条項を原則として禁止する規制を導入する方針を公表した。グローバルに展開する企業にとって,その概要を把握する必要性は高いと思われる。本稿では,FTCの今般の規制案の概要と今後に向けた留意点を紹介する。

国際 争訟・紛争解決 2023年10月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第4回 Eディスカバリーの基本
奈良房永・笠継正勲

ディスカバリーにおける文書等提出請求の対象となる情報は,以前は大部分が紙媒体の情報であったが,IT化に伴い電子情報の開示が必要不可欠となり,Eディスカバリーの重要性が飛躍的に増大している。ディスカバリーの基本ルールは変わらないが,電子情報が開示対象になることにより訴訟実務は劇的に変化している。日本企業としては,米国での実務の動向をふまえ,Eディスカバリーの制度を的確に理解し効率的な体制を構築すべきである。

労働法 国際 2023年9月号・Lawの論点

DX時代における雇用政策はどうあるべきか
――Googleの人員整理が問いかけるもの
大内伸哉

DX(デジタル変革)の影響により,長期雇用を前提とした日本型雇用システムは変容し,このシステムと密接に関係していた解雇規制も変化し,雇用の流動化が起こることは避けられない。政府には,雇用流動化を前提に,キャリアの自己決定をサポートする政策が求められ,企業には,丁寧な手続で雇用調整を進めることが求められる。

国際 コンプライアンス 2023年9月号・特集3

グローバル内部通報制度構築とグリーバンスメカニズム 礒井里衣 ・岡田奈々

グループガバナンス体制の構築の重要性が高まっていることから,グローバル内部通報制度の設置を検討する事業者が増加している。本項の前半では,グローバル内部通報制度の概要やその構築プロセスを概観する。また,後半では,近時注目を集めているグリーバンスメカニズムの概要を説明し,これと内部通報制度との関係を検討する。

国際 コンプライアンス 2023年9月号・特集3

内部通報制度運用にあたっての頻出Q&A 白 泰成

事業者は,公益通報者保護法(以下「法」という),指針および指針解説2をふまえ,内部通報制度を構築し,運用することになる。本稿では,内部通報制度の運用に関連して実務上よく受ける質問について,検討する。

国際 コンプライアンス 2023年9月号・実務解説

「外国公務員贈賄罪に係る規律強化に関する報告書」の解説と諸外国の規制動向 眞武慶彦・井上孝之

経済産業省は,2023年3月,外国公務員贈賄に関するワーキンググループによる議論の結果を取りまとめた「外国公務員贈賄罪に係る規律強化に関する報告書」を公表した。本報告書は,OECD贈賄作業部会による優先勧告に対応するための制度的手当の方向性を示すものである。本稿では,外国公務員贈賄罪をめぐる諸外国における規制動向等にも触れながら,本報告書の要点を解説し,若干の考察を加える。

企業法務総合 国際 2023年9月号・連載

米国法上の不動産所有権および賃借権の基礎
――日本法との比較
最終回 外資規制・不動産の使用に関する規制
ティモシー・ハマースミス・加藤奈緒・ 白井潤一・髙橋梨紗

本連載では,米国における不動産の所有権・賃借権に関する概念・制度等について日本法と比較しながら解説している。最終回は,外資規制および使用に関する規制を取り上げる。

国際 争訟・紛争解決 2023年9月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第3回 米国民事訴訟におけるディスカバリー対応
――日本にはない証拠開示手続
奈良房永・笠継正勲

米国の民事訴訟で最も時間・コストがかかり,当事者の負担が大きいといわれるのがディスカバリーと呼ばれる証拠開示手続である。当事者主導でトライアル前に相手方および第三者が保有する証拠を入手するための手続で,訴訟の行方,勝敗を大きく左右する重要な手続である。ディスカバリー対応を適切に行わないと,訴訟が不利になるばかりか場合によっては制裁措置の対象となる。今回は実務上利用される代表的なディスカバリー手続を解説する。

労働法 国際 2023年8月号・実務解説

越境リモートワーク実施上の法的留意点 西原和彦・阪口英子

新型コロナウイルス感染症の流行を機に日本でも広くリモートワークが普及し,今や国境を越えたリモートワークを実現している企業も多くある。リモートワークは情報通信技術の発達によって可能となった新しい働き方で,国内でも従来と異なる対応が求められるところ,国境を越えるリモートワークには外国法も適用されるためさらに法律関係も複雑になる。本稿では,企業と従業員が直接労働契約を締結するケースを対象として検討する。

企業法務総合 国際 2023年8月号・連載

双日法務部のリーガルオペレーション
第5回 グローバル法務
澤井信宏

総合商社は海外での事業展開とセットで歴史を重ねており,その時点における事業環境に応じる形で進出と撤退を繰り返しつつも,一貫して世界各地に支店,現地法人あるいは駐在員事務所等の拠点を置き,現地の従業員とともに業務を展開してきた。現在の双日においても世界各地に拠点を置き,日本の本社の経営方針をふまえつつ現地の法令やルールに則った運営を行っている。本稿では,双日の海外における法務体制をご紹介しつつ,海外の法務組織との連携においてこれまで行った試行錯誤と課題について振り返ってみたい。

国際 争訟・紛争解決 2023年8月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第2回 訴訟はどのように開始されるか
奈良房永・笠継正勲

米国連邦裁判所で正式に訴訟が開始されるためには一定の手続が必要であり,訴状が裁判所に提出されると最初の攻撃・防御の段階となる。原告側の手続に不備があれば被告側はまずそれを争うことになる。被告側は最初の選択肢を理解し,初期段階で応訴方針を定める必要がある。訴訟開始段階での争い方は,当事者間の和解に向けた交渉力や駆け引き,裁判官の心象にも影響するため,送達を含めた手続を正確に理解しておくことが重要である。

企業法務総合 国際 2023年8月号・連載

米国法上の不動産所有権および賃借権の基礎――日本法との比較
第3回 米国不動産の賃借権
ティモシー・ハマースミス・加藤奈緒・白井潤一・髙橋梨紗

本連載では,米国における不動産の所有権・賃借権に関する概念・制度等について日本法と比較しながら解説している。第3回では,米国不動産の賃借権について取り上げる。

国際 2023年7月号・Lawの論点

中国「市場主体登記管理条例」公布に伴う
商業登記制度改正の大要
金 錫華

2021年8月24日,中国において,「市場主体登記管理条例」(以下「本条例」という)が国務院により公布され,2022年3月1日から施行されることになった。本条例は,従来の会社に関連する商業登記制度の改正,および,新たに採用された重要な変更を含むものである。本稿では,これら改正および変更の内容のうち主な内容を紹介する。

企業法務総合 国際 2023年7月号・特別企画

経済制裁に対応する契約条項の検討
――商社のトレードビジネスから
石山綾理

ロシアによるウクライナ侵攻以降,物理的・経済的な影響に加え,欧米諸国の経済制裁措置・ロシア側からの対抗措置等,あらゆる「制裁リスク」が同時に顕在化してきた。米中の覇権争い,台湾有事のおそれ,反外国制裁法の制定・執行等,同様の事態の再来も懸念される。日本企業としては,日本その他の国の適用制裁法を遵守しつつ,他方で被制裁国がとり得る対抗措置の影響を最小化しながら事業活動を行いたい。本稿では,制裁リスクの高い相手方への輸出取引に着目し,経済制裁の発動に伴って生じる取引上のリスクを回避・軽減するための契約条項(「制裁条項」)を概観する。各条項の規定は,各取引の規模・性質および地政学リスクに応じて個別に検討する必要がある。

国際 争訟・紛争解決 2023年7月号・実務解説

仲裁法改正の最新動向と実務上の要点 辰野嘉則

2023年4月21日,仲裁法の一部を改正する法律案等が国会で可決され,成立した。これらの改正法は,仲裁廷による暫定保全措置への執行力の付与や,国際調停や認証紛争解決手続を経た当事者間の和解への執行力の付与といった,実務上重要な項目を含んでいる。本稿では,これらの改正法のうち,実務上特に影響が大きいと思われる項目について,その概要およびポイントを解説する。