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会社法 2024年6月号・Lawの論点

事業譲渡における商号続用責任と債務引受広告の留意点 山下眞弘

事業譲渡に伴い譲渡会社Aの商号を譲受会社Bが続用すると,A社の債権者Cに対しB社も責任を負うことになるが(会社法22条1項),その理由は何か。商号を続用しない場合でも,B社が債務引受広告をすれば,CはB社に対して弁済の請求をすることができる(同23条1項)が,この債務引受広告の方法と内容はどのようなものか。詐害事業譲渡に関する会社法23条の2が追加されたことで,22条は不要となったとする声も一部にはあるが,同条は実務界で十分機能しており,当面これは維持されるべきではないか。

企業法務総合 会社法 2024年6月号・特集2

コーポレート・ガバナンス 緑川芳江

日本のコーポレート・ガバナンスは急速に進化を遂げ,海外からの日本企業に対する評価も高まっている。ソフトローによる要請のうち,2021年のコーポレートガバナンス・コード改訂で盛り込まれた点を中心に取り上げ,上場企業の行動に影響を与える議決権行使基準にも触れる。

会社法 2024年5月号・実務開設

電子提供制度適用後の実務課題と株主からの書類閲覧等請求対応 森田多恵子・江口大介

株主総会資料の電子提供制度は,昨年3月1日以後に開催される株主総会から適用が開始され,各社それぞれの対応が行われたところ,近時の株式市場においていっそう活発化されているアクティビストによる株主提案が行われた場面をふまえ委任状勧誘との関係性の整理が必要になる場面があると考えられる。また,そのような場面では,株主・投資家から書類閲覧等請求がなされ,対象会社の実務担当者において,対応を迫られる場面が多くあるものと考えられる。以下では,このような観点から,2023年11月17日に公表された「株主・投資家への対応を巡る実務課題」をふまえた実務上の留意点等の説明を行う。

会社法 2024年5月号・連載

最新判例アンテナ
第70回 吸収合併消滅株式会社の株主が,吸収合併契約を承認する株主総会に先立ち,会社に議決権行使に係る委任状を送付した行為が,会社法785条2項1号イの反対通知に該当すると判断された事例
(最決令5.10.26裁判所ウェブサイト等)
三笘 裕・金田裕己

非上場会社であるA社は,株主であるXに対し,自社を消滅会社とする吸収合併(以下「本件吸収合併」という)に係る吸収合併契約の承認を決議事項(以下「本件議案」という)とする株主総会(以下「本件総会」という)の招集通知を発するとともに,本件総会に出席しない場合には,招集通知に同封された委任状用紙を用いて委任状を作成し,返送するように議決権の代理行使を勧誘した。

会社法 金商法・資金決済法

2023重要判例まとめ・前編
(会社法・金商法編)

日々,各地の裁判所で多くの判決・決定が示されているところ,そのなかには企業活動において大きな影響を与えるものが少なくありません。しかし,それらをすべからく把握したうえで重要性を判断することは至難の業です。 そこで,今年は2号にわたって,2023年に出された特に重要な判例の総まとめを行います。前編となる今回は,会社法・金商法にかかわるものを10本まとめました。特に押さえておくべき判例について「見落とし」がないか総チェック!

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

引当金の計上に関する違法な会計処理によって会社が被った損害(課徴金,上場契約違約金等)について執行役等が賠償責任を負うとされた事例(東京地判令5.3.28資料版商事473号87 頁,金判1679号2頁) 菅原滉平

株式会社東芝(以下「東芝」という)および同社株主が,執行役等に対し,違法な会計処理によって生じた損害について会社法423条1項にもとづき損害賠償を請求した。会計処理の違法が主張された案件は,⑴インフラ案件(損失引当金の過小計上),⑵バイセル案件(利益の過大計上)および⑶キャリーオーバー案件(利益の過大計上,損失引当金の過小計上)の3つから成る。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

譲渡制限株式の売買価格決定において,非流動性ディスカウントが認められた事例(最三小決令5.5.24裁判所ウェブサイト参照) 吉田 新

相手方X1およびX2は,株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある会社である。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

二段階取引における株式買取請求に係る「公正な価格」(東京地決令5.3.23資料版商事470号130頁) 清野訟一・栗原歩夢

本事案は,I社が行った子会社F社の少数株主のキャッシュアウト,具体的には,I社の子会社を公開買付者とするF社株式の公開買付け(以下「本公開買付け」という)とこれに続く株式併合によるF社少数株主のキャッシュアウト(以下,一連の手続を「本取引」という)について,本公開買付けが一般に公正と認められる手続により行われたか否かが争われた事案である。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

株式総数引受契約締結後に当該契約の引受人に対する募集株式の発行を撤回する取締役会決議が有効であると判断された事例(東京高判令5.3.9〔Westlaw Japan 文献番号 2023WLJPCA03096001〕) 高谷裕介・宇田 聖

株式会社Y(被告・被控訴人)は建物総合管理等を目的とする取締役会設置会社であり,民事再生手続の開始決定を受けている。Y社は,2021年6月23日,監督委員の同意を得て,X株式会社(支援企業)との間でスポンサー契約(以下「本件スポンサー契約」という)を締結した。本件スポンサー契約では,Y社の再生計画に関し,Y社は,裁判所の許可を得た再生計画案の認可決定確定後,速やかに100%減資のうえ,発行価額4,000万円の募集株式の発行を行い,新たに発行する株式のすべてをX社に割り当て,X社はこれを引き受けることなどが定められていた(そのため,本件スポンサー契約は会社法205条1項の総数引受契約である)。同年11月25日,上記再生計画の認可決定が確定した。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

株主が誰かを認定するにあたり,対外的な株主の表示や身分関係等の変化等を総合考慮して判断した事例(大阪高判令5.4.27〔D1-Law.com 28311184〕) 熊谷真喜・小栗麻由

Y社(原告・控訴人)は,Aが設立した株式会社であり,当初はAが代表者を務めていたが,Aは,1999年1月23日にY社の取締役および代表取締役を辞任し,同日,Aの二女の配偶者であるBが,Y社の取締役および代表取締役に就任した。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

デッド・ロック状態に陥った株式会社において会社法833 条1項にもとづく解散請求が認められた事例(東京高判令5.3.9金判1674号28頁) 江口真理恵

本件は,Y株式会社の株主である株式会社Xが,会社法833条1項所定の事由があるとして,Yの解散を求めた事案である。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

上場会社の株式の短期大量取得に関連し,上場会社が公開した質問状において言及された特定の個人の前科等を含む報道内容への言及について,名誉棄損およびプライバシー侵害による損害賠償請求が否定された事例(東京地判令5.7.7資料版商事474号82頁) 川村一博

被告である株式会社ナガホリは,東京証券取引所スタンダード市場(2022年時点では東証2部市場)に上場する上場会社である。被告は,2022年4月15日付で変更報告者を提出した株主2社が実質的に共同して被告株式の買付けを行っている可能性が否定できないとして,そのうちの1社であるリ・ジェネレーション株式会社(以下「リ社」という)に対して複数の質問状を送付するとともに,その内容を被告ウェブサイト上で開示した。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

株式取得に関する仲介業者の不法行為責任が認められた事例(東京地判令5.4.17金判1673号42頁) 奥苑直飛

本件は,X社(原告)が,A社の一人株主兼代表取締役であるBからA社の株式全部(以下「本件株式」という)を取得するにあたり,株式取得の仲介を委託したY社(被告)に対し,自らがY社から提供された誤った情報にもとづいて株式譲渡契約を締結したために,事後的に同契約を錯誤取消しすることになったとして,不法行為にもとづき,損害賠償を求めた事案である。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

会社の執行役員に対して訴訟提起しようとした従業員に対し,服務規律違反の可能性を指摘して当該訴訟内容について回答するよう求めた人事担当者の行為について不法行為の成立が認められた事例(東京地判令5.4.10金判1676号22頁) 西岡祐介

本件は,インターネット銀行を業とする株式会社Y1のコンプライアンス統括部次長であったXが,同部部長,総務人事部長,執行役員らおよび法人であるY1ら10名に対して,被告らの行為がXに対する不法行為を構成するなどとして1,100万円の支払いなどを求めて提訴した事案である。

会社法 金商法・資金決済法 2024年4月号・特集2

性同一性障害である職員に対するトイレ使用制限等が違法とされた事例(最三小判令5.7.11裁時1819号1頁) 村松頼信

医師から性同一性障害の診断を受け,戸籍上は男性である国家公務員Xが,職場の女性トイレの使用等を要望したのに対し,経産省は,所属部署の職員に対する説明会(以下「本件説明会」という)においてXの執務階の女性トイレの使用につき数名の女性職員がその態度から違和感を抱いているようにみえたこと等をふまえ,執務階とその上下の階の女性トイレの使用を認めない旨の処遇(以下「本件処遇」という)等を実施することとした。Xは,国家公務員法86条にもとづいて女性職員と同等の処遇を行う行政措置を要求したが,人事院はそれを認めない判定(以下「本件判定」という)をしたため,Xは本件判定の取消しと国家賠償を求めて訴えを提起した。

会社法 2024年3月号・特集1

会社機関
――定款,取締役会規則,監査役会・委員会規則
塚本英巨

定款,取締役会規則および監査役会・監査(等)委員会規則といった会社機関関連の規程は,会社法が改正される際に,それへの対応として変更がされることが多い。また,これらの規程は,ガバナンスに関するものであるため,自社のガバナンスのあり方に対応して変更を検討すべき点もある。これらの観点のほか,定款については事業目的の定めも含め,見落としがちな部分について述べる。

会社法 2023年12月号・実務解説

過年度決算訂正における会社法実務上の問題点 緒方文彦

過年度決算訂正は,実務上頻繁に生じる。本稿では,過年度決算訂正に関する実務があまり浸透していない非上場会社において,過年度決算訂正が生じた場合の会社法上の実務的な問題点を検討する。具体的には,過年度決算訂正が生じた場合に,修正後の過年度の計算書類を再度株主総会で承認する必要があるのか,承認が必要とされる分水嶺はどこにあるのかが中心的な検討事項である。

会社法 2023年11月号・連載

IPO準備における会社法の基礎
最終回 監査役会の適切な運営
青野雅朗

本連載では,上場準備において比較的論点になりやすいトピックという切り口から,会社法の基礎を振り返ってきた。本連載の最後は,取締役会に劣らず会社運営上重要な機関である監査役会に関する論点について取り上げる。

会社法 2023年10月号・連載

IPO準備における会社法の基礎
第5回 取締役会の適切な運営⑶
青野雅朗

本連載は,上場準備において比較的論点になりやすいトピックという切り口から,全6回の予定で,会社法の基礎を振り返るものである。取締役会は株式会社の要となる機関であり,その運営に関する論点も多岐にわたることから,第5回も前回に引き続き,取締役会の運営に関する論点について取り上げる。

会社法 2023年9月号・連載

IPO準備における会社法の基礎
第4回 取締役会の適切な運営⑵
青野雅朗

本連載は,上場準備において比較的論点になりやすいトピックという切り口から,全6回の予定で,会社法の基礎を振り返るものである。取締役会は株式会社の要となる機関であり,その運営に関する論点も多岐にわたることから,複数回に分けて取り扱っている。そこで,第4回も前回に引き続き,取締役会の運営に関する論点について取り上げる。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

会社法の歩き方~軌跡と展望~

「ビジネス法務」は,旧誌名より通算して,1998年の創刊から25周年を迎えました。 数回の旧商法会社編の改正を経て会社法が制定されたのが2005年。本誌は会社法とともに20年弱の歩みを遂げたことになります。企業法務における会社法の位置づけは「最も基本的なルール」,それはすなわち,本誌の誌面をさまざまに彩ってきた法律といえます。 最近に目を向ければ大きな動きがみられない会社法ですが,企業法務の根幹をなす事実には変わりがなく,そんな会社法の歴史といま,そして未来の姿を「ビジネス法務」の軌跡と重ね合わせるように見つめる特集。 さあ,「会社法を最大限に味わう旅」へ出発です!

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

株主総会の法制と実務の変遷 松井秀樹

本稿は,平成と令和の約30年間超にわたる株主総会に関する主要な法令改正や実務の軌跡を概観するとともに,株主総会についての今後の展望について所感を述べるものである。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

勧告的決議 福島洋尚

会社法の制定前後に現れ,その後広く普及したものとして,いわゆる勧告的決議がある。会社法制定前にはほぼ議論がなかったにもかかわらず,会社法の制定前後に株主の意思確認手段として理解されるようになったが,近時,勧告的決議の意義そのものについて変容ともいえる状況が生じている。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

少数株主による株主総会招集請求・業務財産調査者選任請求 太田 洋

近時,少数株主による株主総会の招集請求や業務財産調査者の選任請求が,少数株主によるガバナンス是正といった従来の想定とは異なる形で用いられている。これらの問題に対処するため,近時の用いられ方を前提とした新たな制度のあり方が議論されるべきである。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

株主平等の原則 山下徹哉

平成17年制定の会社法は株主平等の原則の一般原則について明文規定を置き,また,裁判実務でも,法制度の濫用的利用に対する対抗法理として用いられることが増えている。本稿では,以上のような変化の理論的含意について解説する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

定款自治 大川 治

平成17年会社法の立法においては,「当事者の選択肢の拡大」が最も基本的な視点とされ,「会社の機関の設置等における定款自治の範囲の拡大」が企図されるなど「定款自治」が大きくクローズアップされた。本稿では,定款自治をめぐる経緯や論点を振り返りつつ,定款自治の現状とこれからを展望してみたい。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

商業登記 鈴木龍介

わが国の商業登記制度は,いわゆる旧商法(明治23年法律32号)が明治26年に施行されたことにより始まったわけであるが,時代の要請等を背景にさまざまな変遷をたどり,現在に至っている。本稿では,商業登記,とりわけ会社登記について,その歩みを概観しつつ,今後重要になるであろう視点をふまえ,これからのあり方に若干の考察をくわえることとする。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

株主代表訴訟 本村 健

株主代表訴訟制度は,時代背景を背にしつつ,法改正とインパクトある判例群に彩られている。判例を通じた法規範形成は,役員責任制度の進化を促し,取締役会の行為規範も示す。訴訟事件と改正事項を交え振り返り,高度化・精緻化が進む状況を念頭に展望を考える。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

役員責任追及訴訟以外の会社訴訟 圓道至剛

広義の会社訴訟のうち,取締役会議事録の閲覧謄写許可請求事件と,経営統合差止めの仮処分命令申立事件を取り上げる。前者については,多くの学説に反して,裁判所による慎重な審理判断を希望する私見を示す。後者に関しては,会社訴訟にも日本版アミカス・キュリエを導入することを提言する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

取締役の義務と責任 伊藤靖史

わが国の取締役の義務と責任に関する議論は,ここ25年の間に大幅に進展した。裁判例の蓄積によって,取締役の善管注意義務の内容は相当程度明確化しており,これは判例による法形成とも評価できる。もちろん,なお明らかでない点もあり,一人会社や,利益相反の要素を含む行為に関する取締役の義務内容は,その例といえる。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

役員報酬・ストックオプション 高田 剛

業績連動報酬や株式報酬に関する一通りの法的規制が整備された今,企業価値を創造する仕組みとして経営者報酬の設計効率を高め,透明度の高い運用をすることが求められる。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

社外取締役の今昔 中西和幸

社外取締役の歴史は意外と新しい。そして,社外取締役に期待されている職務や機能は,時代とともに変化している。このような社外取締役の歴史のなかでは,裁判や機関投資家の考え方,また日本の証券市場における株価低迷など,さまざまな要素が絡み合っている。しかし,会社法を担う者の世代交代により,こうした歴史が忘れられてしまう可能性もある。そこで,短いながらも社外取締役の歴史を振り返ってみたい。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

社外取締役の役割・実効性 島田邦雄

理念と現実が乖離することは珍しくないが,社外取締役に関しては,その問題が常に議論を呼ぶところである。期待される役割をふまえつつ,現実に生じている事象の紹介を通じて,社外取締役のあるべき姿とその実効性を検証する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

会社法学にとっての経済学の必要性 田中 亘

会社法学にとって,経済学の知見は,有用というよりは必要不可欠である。本稿では,株主第一主義の是非という論点を例に挙げて,そのことを示してみたい。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

機関設計 川井信之

本稿では,会社法における機関設計のうち,上場会社における機関設計について,具体的には,上場会社が現在選択可能な3類型(監査役会設置会社,監査等委員会設置会社,指名委員会等設置会社)について,それぞれの歴史を振り返りつつ,それらの現在の状況と将来の展開等について述べることとする。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

M&A・買収防衛策,株主提案のパラダイム変化 森 幹晴

変わりゆくM&A・買収防衛策,株主提案の実務。株式持ち合いの解消,ガバナンス改革,社外役員の責任強化,アクティビストの存在感の高まり。パラダイム変化に乗り遅れるな。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

公開買付け 松尾拓也

2006年以降大きな改正が行われていない公開買付規制であるが,2023年3月2日,金融審議会総会が開かれ,公開買付規制の適用範囲(市場内取引の取扱い,閾値等)の見直しを含む具体的な課題が掲げられた。改正が実現した場合には,わが国の上場会社のM&A実務に重要な影響を及ぼす可能性があり,注目に値する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

組織再編の差止請求と子会社株主による親会社等の責任追及 後藤 元

平成26年改正会社法では,組織再編等の差止請求権の対象が拡大された一方で,子会社少数株主による親会社等の子会社に対する責任追及の導入は見送られた。本稿では,これらの制度に関する同改正後の動向をふまえて,今後の課題を明らかにする。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

スクイーズアウト取引における「公正な価格」 藤原総一郎

株式買取請求権を行使した場合の買取価格が,「ナカリセバ価格」から「公正な価格」に変わったため,今後は,合併等の組織再編に伴ってシナジーが生ずる場合であれば,そのシナジーも織り込んだ価格で買い取られることになる。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

比較法の方法論 森田 果

本稿では,比較法の一般論,および,会社法とファイナンスにおける比較法の展開,の2点について簡単に検討したい。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

モデルとしての英国会社法の展開 内藤央真

英国会社法の歴史的展開と現行法を振り返り,改正案や技術革新による課題を紹介する。信頼できる枠組みとして機能するために,英国会社法にはいま,変革が必要である。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

新株予約権・社債 栗林康幸

新株予約権が実務においてストックオプション,資金調達,買収防衛策,M&Aの手法などさまざまな方法で利用され,それに対して会社法がどのように対応してきたか,また,社債について,社債管理者があまり利用されなかった状況に対応して社債管理補助者制度が導入された背景について,それぞれ概観するとともに今後を展望する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

IFRS適用と分配可能額規制 髙木弘明

会社法会計が企業会計を前提としているなかで,将来的に個別計算書類へのIFRS適用が再検討される場合,分配可能額規制・資本制度について改めて検討を迫られる可能性がある。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

分配規制のパラダイム転換 弥永真生

連単分離を図るか,そうでなければ支払不能テストによる分配規制を導入することによって,有用な連結会計情報を提供できるようにすることが検討されてもよいのではないか。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

内部統制システム 三浦亮太

内部統制システムに関する会社法の規律は平成26年改正以降変更されていない。取締役会において決議すべき事項が法務省令で規定されている理由は機動的な改正のためであり,時機に応じた改正やプリンシプル・ベースへの変更等も検討に値する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

ガバナンスと企業不正 山口利昭

企業不正への対応として会社法で語られてきたガバナンスについては,主に不正予防的見地による議論が多かった。しかし企業統治改革の流れにおいて,経営者の法的責任よりも経営責任に光があたることが増え,むしろ危機対応に関する議論が主流となりつつある。今後は危機対応を想定したガバナンスを検討する必要がある。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

ソフトロー活用の進展 浜辺陽一郎

会社法分野でもハードローの限界を克服するため,ソフトローの活用が模索されてきており,企業社会はその対応に迫られている。今や企業法務においてソフトローも無視できない重要領域である。ソフトローの弱点をふまえながらも,前向きに取り込むことが持続的成長を目指す企業にとっては賢明な選択となろう。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

サステナビリティとコーポレート・ガバナンス 久保田安彦

本稿では,サステナビリティ論を取り上げ,その背景事情や近時の動向を概観したうえで,株主主権の評価やコーポレート・ガバナンス上の課題に言及する。

会社法 2023年8月号・創刊25周年記念特集

コーポレート・ガバナンスと執行役員制度 澤口 実

本誌創刊とほぼ時を同じくして誕生した執行役員制度は,今日に続くガバナンス改革の端緒であった。法令に根拠のない動きであることや,グローバルスタンダードを意識した点においても,近時のコーポレート・ガバナンスの潮流を象徴する動きであったといえる。

会社法 2023年8月号・地平線

会社法が紡ぐ未来──次世代の訪れに寄せて 中村直人

会社は,企業価値を向上させて,株主に利益を配分するためにある。経営の最終決定権は株主に帰属する。バブル崩壊後の経済危機の中で規制緩和の商法の改正が続き,最終的に平成17年に会社法が制定された。株主主権といわれる考え方をとり,企業の世界的な競争力の向上を目指した。会社法は完成品として登場した法律である。その後平成26年と令和元年に改正がなされたが,根本的な改正ではない。現在,経済界からも学会からも重要な改正要望は示されていない。