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企業法務総合 争訟・紛争解決 2024年6月号・特集1

ケース別 有事における自社債権「回収」最大化の要点 渡邊 徹・山口聡子

債務不履行やその他の契約違反という状況まではないものの取引先に信用不安が生じた場合,実際に取引先が支払い等の債務の履行を怠った場合,取引先が,破産,民事再生や私的整理等の倒産処理手続を行うことが判明した場合等,それぞれの有事の場面において自社の債権を最大限に回収するには,どのように対応すべきであろうか。本稿では,各場面において,検討すべき事項やとりうる具体的な方策を整理し,解説する。 なお,本稿では,誌面の制約上,日本国内においての債権回収を念頭に解説を行うが,海外取引においては,執行の観点等,本稿記載の観点とは別の観点からも対応が必要となりえるので,留意されたい。

国際 争訟・紛争解決 2024年6月号・連載

【新連載】
ストーリーでわかる 国際仲裁の基本
第1回 国際仲裁手続における初期対応
伊藤 遼・魚住 遼

本誌の「ストーリーでわかる 訴訟手続の基本」(2019年10・11月号,2020年1〜11月号)および「ストーリーでわかる 労働審判の基本」(2023年6〜12月号)では,各訴訟手続の流れをストーリーに沿って概観し,手続に係る基礎知識や実務上の留意点について解説する連載を行ったが,本連載は,これまでの連載と同様のコンセプトで,国際仲裁の手続についての解説を行うものである。 本連載も,具体的なストーリーを設定し,その進展を追う形で,国際仲裁の基礎知識や実務上の留意点について解説する。なお,本連載では日本商事仲裁協会(JCAA)の定める商事仲裁規則(2021年版)(以下「JCAA規則」という)にもとづき,日本で行われる国際仲裁の事例をもとに解説するが,国際仲裁の手続の枠組みは,基本的に他の仲裁機関における仲裁規則とも共通する点が多いため,可能な範囲で国際仲裁の手続の共通項を抽出して解説を試みるものとする。

国際 争訟・紛争解決 2024年5月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
最終回 訴訟を回避するための英文契約書
――ボイラープレート条項を中心に
奈良房永・笠継正勲

日米の企業間の契約では,ビジネスの取引条件を定めた実質的な条項に傾注することが多いため,英文契約書に共通してみられるボイラープレート条項(一般条項)はあまり議論されることなく合意に至るケースが多い。しかし,訴訟リスクを最小化し紛争が生じた場合のセーフガードを担保するためには,ボイラープレート条項の基本的な目的や機能を十分に理解する必要がある。最終回では英文契約書のボイラープレート条項を中心に解説する。

知財 争訟・紛争解決 2024年5月号・連載

責任追及を見据えた従業員不正の対処法
第5回 ソフトウェアの不正利用等
木山二郎・渡邉 峻・馬場嵩士

従業員によるソフトウェアの不正利用等は,多くの企業において発生しており,権利者から多額の損害賠償を受けることもめずらしくはなく,企業の刑事責任も問題となりうる。そこで,本稿では,従業員によるソフトウェアの不正利用等について取り上げる。

競争法・独禁法 争訟・紛争解決 2024年4月号・特集1

独禁法に関連する企業訴訟の類型と動向 柳澤宏輝

【Q12】 企業が当事者となる独禁法に関連する訴訟にはどのような類型があるか。また,法務担当者として留意しておくべき近時の訴訟の傾向はあるか。

国際 争訟・紛争解決 2024年4月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第9回 和解による紛争解決
奈良房永・笠継正勲

アメリカは訴訟社会といわれ,もめ事があるとすぐに訴える,訴えられるという展開に発展することは少なくない。しかし,訴訟に至る場合でも多くは最終的に和解により解決する。訴訟当事者は,常に和解戦略を念頭において訴えの初期段階から落としどころを模索し,和解によるメリット・デメリットと訴訟継続に要するコストや敗訴リスク等を慎重に分析したうえで,和解のチャンスを見計らうことが重要になる。

争訟・紛争解決 2024年4月号・連載

責任追及を見据えた従業員不正の対処法
第4回 営業秘密の侵害
木山二郎・蔦 大輔・兼松勇樹

営業秘密の持出し事案は,多くの企業において発生しており,巨額の損害賠償請求事件や大きく報道される刑事事件に発展するケースもしばしばみられる。そこで,本稿では,企業における営業秘密侵害への対応方法を解説する。

争訟・紛争解決 2024年3月号・連載

責任追及を見据えた従業員不正の対処法
第3回 従業員による不正書き込み
木山二郎・今泉憲人・加瀬由美子

従業員によるインターネット上の不正な書き込みは,企業のレピュテーションの毀損や営業秘密の漏えい等のさまざまな問題を引き起こす可能性がある。そこで,本稿では,従業員によるインターネット上の不正書き込みに関し,企業としての対応方法を解説したい。

国際 争訟・紛争解決 2024年3月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第8回 再審申立てと控訴審
奈良房永・笠継正勲

前回までは第一審手続について解説してきたが,今回は第一審の判決に対して不服がある場合の上訴手続を解説する。米国連邦民事訴訟の事実審は第一審においてのみ行われるため,控訴審では主に法律問題が争われ新たな証拠の提出は認められない。控訴することで事実認定の問題も争うことが認められる日本の控訴審とは考え方が異なるため,不服がある場合は第一審の判決とこれが覆る見込みを慎重に検討し,上訴方針を策定する必要がある。

国際 争訟・紛争解決 2024年2月号・実務解説

渉外民事訴訟手続への影響とは
「中国民事訴訟法」改正のポイント
裘 索・洪 一帆

中国の新民事訴訟法が2024 年1月1日より施行された。渉外民事訴訟手続において中国人民法院管轄権の拡大や送達方法の改善などがなされ,今後国際民商事紛争解決の効率向上が期待される。

国際 争訟・紛争解決 2024年2月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第7回 トライアル(公判)手続
奈良房永・笠継正勲

裁判を題材にした映画では,弁護士が陪審員に向かって弁論を行っていたり証人に対して厳しい反対尋問をしていたりする光景が多い。これはトライアルの様子を表しているが,このようなドラマチックな部分は裁判手続のごく一部に過ぎず,実際のトライアルにはさまざまな手続が存在し,遵守する必要がある。短期間の集中審理となるトライアルに踏み切る場合,相当な準備期間と膨大なリソースが必要であることを理解しておくべきである。

争訟・紛争解決 2024年2月号・連載

責任追及を見据えた従業員不正の対処法
第2回 キックバック
木山二郎・今泉憲人・大屋広貴

本稿においては,キックバック事案を取り上げたい。キックバック事案は,典型的な従業員不正であるものの,証拠収集に困難が伴う等,事実関係の調査や責任追及等に一定のハードルがあり,その留意点について解説する。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・特別収録

判例からひも解く国際裁判管轄のフロンティア 山崎雄大

国際取引に関する紛争の解決手段として裁判手続を選択する場合,契約締結時に設けるべき管轄条項の内容,最初に訴訟を提起する裁判所の選択については,いかなる点に留意すべきなのか。本稿では,国際裁判管轄に関する近年の動向をふまえつつ,日本の裁判所の国際裁判管轄の有無や管轄条項の有効性・効力の範囲について整理し,実務上の留意点を指摘する。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・特集2

コスト・コントロールに効く仲裁条項の工夫
――サード・パーティー・ファンディングの秘めたる可能性
クリストファー・スチュードベーカー・松本はるか

仲裁条項は実に多くのクロスボーダー取引の契約書に含まれている。しかし,実際に取引に問題が発生し,協議による解決が困難な状況に至ると,しばしば手続費用が足枷となって仲裁の申立てを躊躇させてしまう,という現実に直面する。国際商事仲裁手続が世界で勝負する企業にとって現実的な紛争解決手段となるよう,コスト・コントロールに効く仲裁条項のポイントと,サード・パーティー・ファンディングを利用することで,日本企業が手続費用のハードルを越えて仲裁での勝負に挑むためのポイントを紹介する。

国際 争訟・紛争解決 2024年1月号・連載

海外契約条項の「知らない世界」
第3回 紛争解決条項でコストを削減しよう
髙松レクシー・辰野嘉則

紛争が仲裁などの終局的な手続に至ってしまった場合,もう重いコストを負担するしかないのだろうか。この点,特に国際仲裁の場合,事前に契約の中で仲裁条項をドラフトする際に,コスト削減のためにとり得る戦略がある。本稿では,海外契約の実例をふまえ,紛争解決条項におけるコスト削減策について解説する。

労働法 争訟・紛争解決 2023年12月号・連載

ストーリーでわかる 労働審判の基本
最終回 労働審判,異議の申立て,訴訟への移行
福谷賢典・山下 諒

乙社の福岡事業所に3年間勤務し(1年の有期労働契約を2回更新。給与月額20万円),2022年12月末をもって雇止めとなった甲が,2023年4月,雇止めの無効を主張し,乙社を相手方として福岡地方裁判所に労働審判の申立てを行った。第1回期日での審理を経て迎えた同年7月5日の第2回期日において,労働審判委員会からは,甲が期間満了による労働契約の終了を認める代わりに,乙社が甲に対して解決金100万円を支払うとの調停案が示された。

国際 争訟・紛争解決 2023年12月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第6回 トライアル前の申立て
(Pretrial Motions)
奈良房永・笠継正勲

訴訟開始からトライアル(公判)が始まる前までの段階にはさまざまな手続があり,ディスカバリーのように当事者間で進められる手続も多いが,当事者間で合意ができない場合は裁判官の判断を仰ぐことになる。訴訟の節目ごとに紛争の最終的な決着を裁判所に求めることもあり,これらは当事者が裁判所に申立てをすることにより進んでいく。今回は各段階のさまざまな申立ての中から,訴訟の行方に影響を及ぼす代表的な申立てを紹介する。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

「いつか出会う」に備える
不動産事件簿

筆者らは,依頼者が所有,管理または賃借する不動産に係る相談や裁判への対応を日々行い,これまで数多くの「事件」と出会いました。その一部を,基本的な事項の解説も加えながら「事件簿」としてご紹介します。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

契約不適合責任に基づく損害賠償請求事件
――土壌汚染が判明した場合の対応
大久保由美・石川智史

購入する土地の土壌から,または,買収する会社の所有する土地の土壌から,有害物質が検出された場合にはレピュテーション上の問題があるとして,その対応について企業から相談を受けることが以前よりも増えている。本稿では,購入した土地の土壌から有害物質が実際に検出されたという「事件」への対応を検討したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

相隣関係事件
――令和3年の民法等改正をふまえて
大久保由美・石川智史

令和3年の民法等改正により,相隣関係の規定が大幅に改正された。本稿では,このうち,隣地使用権の改正内容を概観したうえで,囲繞地通行権に係る「事件」への対応について,裁判例をふまえて検討したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

賃料減額請求事件
――借地借家法の適用有無と請求の可否
大久保由美・石川智史

建物賃貸借契約は長期にわたることから,建物を賃貸借する企業から賃料増減額請求についての相談,調停,訴訟対応の依頼を受けることが多い。賃料増減額請求については多数の判例が集積しており,それらをふまえた対応が欠かせないが,本稿では,借地借家法32条の適用の有無と適用された場合の請求の可否に絞り検討したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

所有権確認請求事件
――真の境界が判明した場合の対応
大久保由美・石川智史

一般に,企業は,所有している土地について,隣接地所有者との間で境界確認書を締結している。本稿では,境界確認書で確認した境界と異なる線が真の境界であることが判明したという「事件」への対応について,境界に係る基本的な概念,判例を挙げながら検討したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

賃料滞納事件
――建物明渡しの早期実現に向けて
大久保由美・石川智史

不動産賃貸に携わっている企業においては,賃料不払いが生じた場合に,賃貸借契約の解除,訴訟提起および強制執行を経て建物明渡しを実現すべきことは,基礎的な事項に属すると考えられる。かかる建物明渡しは,未払い賃料額が嵩むことを避けるために早期に実現すべきものであるから,本稿では,諸手続に要する期間という点に着目して,一連の実務対応を概観したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

建物外壁タイルの剥落事件
――不動産危機管理としての工作物責任
大久保由美・石川智史

ビル等の建物の瑕疵に起因して何らかの事故が発生した場合,建物の所有者や占有者は,民法717条1項の工作物責任を追及される訴訟の被告となる可能性がある。建物の所有等に伴うリスクをあまり意識していない建物オーナーも少なくないと思われるが,本稿は,不動産の危機管理の1つとして,建物にかかる工作物責任の理解を深化させることを目的とするものである。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

原状回復費用請求事件
――事業用建物における通常損耗を中心に
大久保由美・石川智史

同じ建物賃貸借でも,マンションやアパートのような居住用建物と,オフィスや店舗のような事業用建物とでは,問題となる事情が異なることから,民事紛争では事業用建物の特殊性が主張されることがある。その一例として,本稿では,原状回復義務をテーマとして,事業用建物の賃貸借契約の留意点について検討したい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年11月号・特集3

孤独死問題
――心理的瑕疵に関する近時の動向を含めて
大久保由美・石川智史

不動産における人の死は,不動産を所有・管理する企業にとって避けられない事態の1つといえる。また,不動産業界では,心理的瑕疵の問題が長年の懸案事項であり,この点に関して国土交通省は2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表した。本稿では,当該ガイドラインをふまえ,高齢化に伴い社会問題となっている「孤独死」を念頭に置いて,法的問題を検討したい。

国際 争訟・紛争解決 2023年11月号・連載

【新連載】
海外契約条項の「知らない世界」
第1回 多段階紛争解決条項(MTDR条項)
辰野嘉則

海外企業との英文契約をドラフトまたはレビューしていると,日本国内の契約では見かけない条項を目にすることがあるのではないか。そういった海外契約条項の中には,わが国の法制度のもとでは使いにくいものがある一方,わが国でも十分に実用に足り利活用の可能性を秘めているものがある。本連載では,紛争解決からESG,AI,人権等の最新のトピックまで分野横断的に,海外における興味深い契約条項を紹介する。初回となる本稿では,いわゆる多段階紛争解決条項(MTDR条項)を取り上げる。

国際 争訟・紛争解決 2023年11月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第5回 情報を守るカギは秘匿特権(privilege)
奈良房永・笠継正勲

アメリカ法には秘匿特権という概念があり,訴訟において弁護士と依頼者間のやり取りについては開示の対象から除外する権利が認められている。米国民事訴訟ではディスカバリーで広範な証拠資料の提出が義務づけられているため,一定の情報をディスカバリーの対象から除外することを認める秘匿特権は訴訟戦略上極めて重要となる。本稿では,秘匿特権の内容を正しく理解し適切に利用するための留意点について解説する。

労働法 争訟・紛争解決 2023年11月号・連載

ストーリーでわかる 労働審判の基本
第6回 第1回期日②,第1回期日終了後の進行
福谷賢典・山下 諒

乙社の福岡事業所に3年間勤務し(1年の有期労働契約を2回更新),2022年12月末をもって雇止めとなった甲が,2023年4月,雇止めの無効を主張し,乙社を相手方として福岡地方裁判所に労働審判の申立てを行った。同年6月15日,第1回期日が開かれ,乙社からは,東京本社の人事部担当者,福岡事業所で甲の上司であったA1課長,および同事業所総務グループのBマネージャーが,代理人のY弁護士とともに裁判所に出頭した。期日当日は,労働審判委員会と,甲本人や乙社関係者との間で,質疑応答が繰り広げられた。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・特集2

同一労働同一賃金
重要判例総まとめ

2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」において,第一の柱の「物価高騰・賃上げへの取組」として同一労働同一賃金の遵守の徹底が挙げられていることから,都道府県労働局長による是正指導が増えることが予想される。 そのため,各企業においても,いわゆる同一労働同一賃金の遵守状況を再度確認する必要があり,その確認にあたっては,これまでに下された裁判例や判決が参考になることから,本稿では,これまでの重要な裁判例や判決を取り上げて説明する。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・特集2

同一労働同一賃金に関する現状 山浦美紀・山浦美卯

有期雇用労働者と無期雇用労働者とに係る均衡待遇を定めた改正前の労働契約法20条(以下「旧労働契約法20条」という)が平成25(2013)年4月1日に施行され,短時間労働者と通常の労働者とに係る均衡待遇を定めた改正前のパートタイム労働法8条(以下「旧パートタイム労働法8条」という)が平成27(2015)年4月1日に施行された後,短時間・有期雇用労働者と無期雇用労働者とに係る均衡待遇を定めたパートタイム・有期雇用労働法8条が令和2(2020)年4月1日(中小企業においては令和3(2021)年4月1日)に施行された。また,派遣労働者と派遣先の通常の労働者とに係る均衡待遇を定めた労働者派遣法30条の3第1項が令和2年4月1日に施行された。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・特集2

旧労働契約法20条違反の効果等に関する裁判例・判例 山浦美紀・山浦美卯

旧労働契約法20条は,私法上の効力を有し,有期雇用労働契約のうち同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるものの,同条の効力により当該有期雇用労働者の労働条件が比較の対象である無期雇用労働者の労働条件と同一のものとなるものではなく(補充的効力の否定),同条違反の効果としては,不法行為責任を負うに過ぎない(ハマキョウレックス事件・最二小判平30.6.1労判1179号20頁)。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・特集2

7つの最高裁判例 山浦美紀・山浦美卯

ハマキョウレックス事件(大津地彦根支判平27.5.29労経速2292号26頁,大阪高判平27.7.31労判1135号59頁, 大津地彦根支判平27.9.16労判1135号59頁,大阪高判平28.7.26労判1143号5頁,最二小判平30.6.1労判1179号20頁,大阪高判平30.12.21労判1198号32頁)は,正社員に支給される無事故手当,作業手当,給食手当,住宅手当,皆勤手当,家族手当が,契約社員には支給されておらず,また,通勤手当については,正社員は,距離に応じて支給されているにもかかわらず,契約社員には定額の支給であり,さらに,正社員には,定期昇給があり,賞与・退職金の支給も原則あったが,契約社員には,原則それらがなかったことから,当該相違が旧労働契約法20条に反するか否かが争われた事案であって,最高裁判所が旧労働契約法20条に関して初めて判断を行った事案である。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・特集2

その他重要な判例・裁判例 山浦美紀・山浦美卯

7つの最高裁判例が出された前後も,同一労働同一賃金が争点となる重要な判例・裁判例が出されている。以降は,実務上問題となる点をクリアする際に参考となる重要な判例・裁判例について,解説する。

争訟・紛争解決 税務 2023年10月号・特別企画

法務はどう動く⁉
はじめての「税務紛争」対応

「税務」と聞くと,法務の管轄ではないと遠ざけてしまう方も少なくないでしょう。実際に,複雑な税務をマスターし,実務で使いこなすことは容易ではありません。 しかし,税務に関する紛争が発生した場合,法令の解釈が問題となったり,課税庁等に対して説得的な主張・立証をする必要が生じたりします。ここで本領を発揮するのが法務担当者であり,きたる税務紛争に備え,「税務にも強い○○さん」と言われるような人材になるための視点を提供します。

争訟・紛争解決 税務 2023年10月号・特別企画

かかわる前に押さえておくべき
税務紛争の要点と手続の流れ
川畑 大

「税務」は「法務」とは別分野であり経理部・財務部の仕事と思われる方は多いだろう。現に,税務紛争の始まりともいえる税務調査を担当する部署は,経理部や財務部であることがほとんどであり,また,不服申立てや税務訴訟の数も多いとはいえないため,法務部が「税務」に関わる機会は決して多くはない。しかし,税務調査から税務訴訟に至るまでの手続は,複数の段階に分かれており,専門的知識を必要とする特別な手続もあるため,事前に知っておかなければいざという時の対応が困難となる。以下においては,国税当局による処分を争う場合を中心に税務紛争に関する各手続の説明を行う。

争訟・紛争解決 税務 2023年10月号・特別企画

税務争訟解決に貢献する法務部員の役割 堀 招子

課税処分がなされることが予想される場合,企業としては,修正申告に応じるか,課税処分について争うことにして,不服申立てや税務訴訟を提起するかにつき検討・判断し,争うことにした場合は,その後の対応をしなければならない。本稿では,その際の,法務部における検討のポイントや,専門家等との連携等について解説する。

争訟・紛争解決 税務 2023年10月号・特別企画

取引類型別・当局が着目するポイント 小山 浩

法務部員が税務調査において調査官が着目するポイントを理解しておくことで,財務・経理部員と協力して税務調査に的確に対応することが可能となる。本稿では,調査官と議論になりやすいM&A取引,グループ内取引および国際取引を取り上げて解説したい。

争訟・紛争解決 税務 2023年10月号・特別企画

税法を知るために最初にみるべき判例5選 木山泰嗣

税法の対象は多岐にわたるが,国税の主要税目を中心に「最初にみるべき判例」を挙げるとすれば,①ホステス源泉徴収事件,②武富士事件,③節税マンション事件,④制限超過利息事件,⑤雑所得貸倒事件の5つになる。5選は,いずれも税法の重要論点を内在する。

労働法 争訟・紛争解決 2023年10月号・連載

ストーリーでわかる 労働審判の基本
第5回 第1回期日①
福谷賢典・山下 諒

乙社の福岡事業所に3年間勤務し(1年の有期労働契約を2回更新),2022年12月末をもって雇止めとなった甲が,2023年4月,雇止めの無効を主張し,乙社を相手方として福岡地方裁判所に労働審判の申立てを行った。乙社東京本社人事部では,顧問弁護士のYに代理人を委嘱し,福岡事業所で甲が所属していた部署のA1課長,A2主任や,同事業所総務グループのBマネージャーらから事情聴取のうえ,答弁書等を作成,提出した。そして,2023年6月15日,第1回期日を迎えた。

国際 争訟・紛争解決 2023年10月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第4回 Eディスカバリーの基本
奈良房永・笠継正勲

ディスカバリーにおける文書等提出請求の対象となる情報は,以前は大部分が紙媒体の情報であったが,IT化に伴い電子情報の開示が必要不可欠となり,Eディスカバリーの重要性が飛躍的に増大している。ディスカバリーの基本ルールは変わらないが,電子情報が開示対象になることにより訴訟実務は劇的に変化している。日本企業としては,米国での実務の動向をふまえ,Eディスカバリーの制度を的確に理解し効率的な体制を構築すべきである。

労働法 争訟・紛争解決 2023年9月号・特集2

同一労働同一賃金 西本良輔

同一労働同一賃金は,働き方改革の一環として世間の耳目を集めている。紛争の中心はいわゆる均衡待遇であり,関連する最高裁判決が相次いだ。この間,根拠法令が労働契約法からパートタイム・有期雇用労働法に交替し,今後も事例が集積していくと予測される。大企業ほど確認事項は多くなり,かつ法的リスクも高まってしまうことは避けがたい。最新の状況をふまえて社内点検に努めるなど,有事を見据えた平時の準備を余念なく進めておきたい。

労働法 争訟・紛争解決 2023年9月号・特集3

未払残業代(事業場外みなし) 西本良輔

事業場外みなしは,IT化の進展等も手伝って,「労働時間を算定し難いとき」という要件を満たすことが容易ではなくなり,潜在的な未払賃金請求のリスクをはらむ。しかし,営業職を中心とする従前の利用のほか,テレワークの普及もあり,根強い需要は存在する。もちろん,裁判例や行政通達を参考に正しく利用することは必要かつ可能である。企業としては,業務の性質等や指示・報告のあり方等を普段から検討整備し,対外的にも説明できるようにしておきたい。

労働法 争訟・紛争解決 2023年・特集2

懲戒処分手続 西本良輔

懲戒処分においては,手続的相当性も重要である。その典型が「弁明の機会」であるが,社内規程に特段の定めがなくとも,これが欠けると懲戒処分の有効性に疑義が生じかねない。弁明の機会は,懲戒処分に向けた手続である旨を明示し,処分事由を明確にしたうえで,処分対象となる労働者の言い分を聞いたといえる実質を伴ったものであることが望ましい。社内規程に定めるか否かや定める場合の内容は慎重な検討を要するが,弁明の機会を適切に付与したことは証拠化しておくべきである。

労働法 争訟・紛争解決 2023年9月号・特集3

副 業 西本良輔

副業は,政府の方針転換や社会的要請の高まりから,世の中に浸透しはじめている。労働法的には未成熟で多くの論点が残っているが,紛争の最たるものは不許可や懲戒処分の問題であろう。企業においては,副業は原則として労働者の自由であると捉えたうえで,自社の利益を守りつつ,いかに間違いなく許否の判断を行い,紛争に備えてエビデンスを残しておくことに意を用いるべきである。それとともに,社内手続および必要書類を整備して,紛争の未然防止についても心掛けておきたい。

労働法 争訟・紛争解決 2023年9月号・特集2

偽装請負 西本良輔

かつて巷間を賑わせた偽装請負は,近時も裁判例が相次いでいる。そこでは主に,平成27年に施行された改正労働者派遣法による労働契約申込みみなしが争点となっている。コンプライアンスの観点からは,まずは偽装請負の状況に陥ることを避けることが喫緊の課題であり,いわゆる37号告示が最重要の指針となる。企業は,行政解釈や裁判例等を参考に37号告示の解釈や勘所を把握して,ビジネスの現場においてしかるべき備えをしておくことが必要である。

労働法 争訟・紛争解決 2023年9月号・連載

ストーリーでわかる 労働審判の基本
第4回 答弁書の作成等②,第1回期日までの準備
福谷賢典・山下 諒

【前回までのあらすじ】 乙社の福岡事業所に3年間勤務し(1年の有期労働契約を2回更新),2022年12月末をもって雇止めとなった甲が,雇止めの無効を主張し,乙社を相手方として福岡地方裁判所に労働審判の申立てを行った。乙社の東京本社の人事部担当者は,ウェブ会議を設定し,代理人のY弁護士とともに,福岡事業所で甲が所属していた部署のA1課長およびA2主任,ならびに同事業所総務グループのBマネージャーから事情を聴取した。

国際 争訟・紛争解決 2023年9月号・連載

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第3回 米国民事訴訟におけるディスカバリー対応
――日本にはない証拠開示手続
奈良房永・笠継正勲

米国の民事訴訟で最も時間・コストがかかり,当事者の負担が大きいといわれるのがディスカバリーと呼ばれる証拠開示手続である。当事者主導でトライアル前に相手方および第三者が保有する証拠を入手するための手続で,訴訟の行方,勝敗を大きく左右する重要な手続である。ディスカバリー対応を適切に行わないと,訴訟が不利になるばかりか場合によっては制裁措置の対象となる。今回は実務上利用される代表的なディスカバリー手続を解説する。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2023年8月号・連載

考える法務――基本と初心とささやかな試み
第2回 次は勝つ
大島忠尚

裁判所ウェブサイトには,「我が国は,正しい裁判を実現するために三審制度,すなわち,第一審,第二審,第三審の三つの審級の裁判所を設けて,当事者が望めば,原則的に3回までの反復審理を受けられるという制度を採用しています。第一審の裁判所の判決に不服のある当事者は,第二審の裁判所に不服申立て(控訴)をすることができ,第二審の裁判所の判決にも不服のある当事者は,更に第三審の裁判所に不服申立て(上告)をすることができます」とあります。裁判に関する基本中の基本です。今回はこの三審制について,実際のデータを確認しつつ,考えてみたいと思います。

労働法 争訟・紛争解決 2023年8月号・連載

ストーリーでわかる 労働審判の基本
第3回 答弁書の作成等①
福谷賢典・山下 諒

【前回までのあらすじ】乙社の福岡事業所に3年間勤務し(1年の有期労働契約を2回更新),2022年12月末をもって雇止めとなった甲が,雇止めの無効を主張し,乙社を相手方として福岡地方裁判所に労働審判の申立てを行った。乙社の東京本社の人事部担当者は,顧問のY弁護士に相談し,乙社の代理人に就いてもらうことにした。Y弁護士は,福岡事業所の関係者から詳しく話を聞きたいと希望した。