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タグ:競争法・独禁法 」と一致する記事一覧
競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

法的措置・警告・注意の動向と確約手続の活用
優越的地位の濫用に対する公正取引委員会の取組み
南部利之

取引上優越した地位にある事業者が、その地位を利用して正常な商慣習に照らして不当に、取引の相手方に対して不利益を与える行為を行うことは、不公正な取引方法の1つ(優越的地位の濫用)として禁止されている(独占禁止法2条9項5号、19条)。事業者が優越的地位の濫用に当たる違反行為をしたときには、排除措置命令(同法20条)の対象となるとともに、当該違反行為の相手方との間における売上額または購入額の1%の額に相当する額の課徴金の納付を命じられる(同法20条の6)。優越的地位濫用行為の規制内容、近時の指針、審決・判決等の状況については、本特集の他稿に譲ることとし、本稿では、執行当局である公正取引委員会(以下「公取委」という)の取組みを中心にみていくこととしたい。

競争法・独禁法 国際 2020年7月号・特集1

デジタルエコノミーの進展で問われる競争法の役割
海外における濫用規制の考え方
島田まどか

近年、グローバルに対処すべき支配的な事業者の行為に対して、競争法の枠組みにおいてどのように規制ができるのかについて注目が集まっている。海外において、支配的地位あるいは優越的地位を持つ単独の事業者による反競争的な行為を規制する濫用規制としてどのようなものがあるのか、さらに規制のあり方をめぐる現在の議論の流れについて概観する。

競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

優越規制との関係整理、新型コロナ蔓延下の留意点ほか
近時の下請法規制の傾向と対策
村田恭介

本稿は、下請法違反の近時の規制について考察するものである。下請法は企業にとって遵守すべき重要な法律の1つであるが、近時の規制には一定の傾向がみられるので、統計の分析を通して、この点について俯瞰してみたい。なお、これらを論じる前提として、下請法と優越的地位の濫用との関係に関して、幾つかの論点を考察している。末尾に新型コロナウイルス蔓延下における下請法の執行について、当局において検討していただきたい事項を述べてみた。

競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

メーカー・流通業、コンテンツ制作、運送業等
下請法規制の業種別留意点と社内対応策
籔内俊輔

下請法の適用対象となる取引は、さまざまな業種に存在するが、メーカー・流通業(プライベートブランド商品)等での製造委託、コンテンツ制作等での情報成果物作成委託、運送業等での役務提供委託に大別して、「企業における留意点」(問題となりやすい点や規制当局が注力している点)、各留意点に対応する「企業での社内対応策」を整理する。

競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

フェデックスエクスプレスの取組み
大量発注でも違反を生じさせない仕組みづくりの検討
清水貴久

物流事業においては、配送業務の一部や、貨物のハンドリング・保管業務を外部発注するなど業務委託先との接点が多いと思われる。業務委託先の事業者は、小規模法人であることも多く、下請法違反防止の体制構築は重要な課題となっている。本稿では、当社における直近の下請法違反防止のための取組みを紹介する。なお、本稿の記載はあくまで筆者個人の見解であり、筆者が所属する組織の意見等とは無関係であるのでご了解願いたい。

競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

ニトリホールディングスの取組み
現場に寄り添った「トレーニング」と「モニタリング」の実践
青谷賢一郎

「製造物流IT小売業」をうたう当社では、企業グループ全体を見渡すと、さまざまな取引が存在している。下請法および優越的地位濫用規制が「取引」を規制するものである以上、社内にいかなる取引が存在しているのか、現状を把握する必要がある。そうして把握した種々の取引が法令に違反することのないよう、企業の対策として「トレーニング」と「モニタリング」の2本柱が重要である。本稿では、この2本柱の対応について、概要を説明する。

競争法・独禁法 2020年7月号・特集1

業規制の遵守とあわせた体制整備が鍵
金融機関の優越・下請規制への実務対応
徳山佳祐

金融機関として、独禁法を中心とする競争法を意識する場面は多くない。しかし、金融機関の事業規模や取引相手への影響力に照らすと、競争法が適用される可能性は決して低いものではない。本稿では、あまり取り上げられることの多くない金融機関としての競争法対応として、優越的地位の濫用規制および下請法につき、実務上の留意点を検討する。

競争法・独禁法 2020年7月号・実務解説

4月2日公表の規則案にみる運用の詳細
改正独禁法における「協力減算制度」、「秘匿特権制度」の実務対応
井上 朗

公正取引委員会は、令和2年4月2日、「調査協力減算制度の運用方針(案)」(以下、「減算規則」という)および「事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容が記録されている物件の取扱指針(案)」(以下、「秘匿特権規則」という)を含む「独占禁止法改正法の施行に伴い整備する公正取引委員会規則案等に対する意見募集について」(以下、「本規則案」という)を公表し、これに対する意見募集を開始した。本稿では、本規則案の概要を解説する。

競争法・独禁法 2020年7月号・実務解説

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」の概要と実務上の留意点 小川聖史

2020年2月18日、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」(以下「本法律案」という)が閣議決定され、令和2年の通常国会に提出された。近年、さまざまな分野においてデジタルプラットフォーム(以下「DPF」という)が重要な役割を果たし、その存在感を高めている。それは、DPFにおいて商品・役務を提供している利用者・事業者(以下、本法律案の定義に従い「商品等提供利用者」という)のみならず、一般の利用者・消費者にとっても同様である。

競争法・独禁法 2020年7月号・Lawの論点

競争法と個人情報保護法の交錯点 泉水文雄

「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」は、消費者に対して優越的地位の濫用規制が適用されることを明らかにし、その適用の方向性を示した。これは各国・地域の動きと共通し、個人情報に対する独禁法と個人情報保護法のそれぞれの射程と役割を明らかにしようとしている。

競争法・独禁法 2020年4月号・実務解説

下請法違反のリスクを減らせるか
「型取引の適正化推進協議会報告書」が実務に与える影響
中野竹司

2019年12月に「型取引の適正化推進協議会報告書」が公表された。報告書では、金型等、「型の所有・取引条件」の明確化、書面化を求めると同時に、「型代金・型相当費の支払」「型の廃棄・保管」「廃棄年数・保管費用項目等の実効的目安」「型の技術・ノウハウ」について適正な取引条件設定を求めている。今後、下請法運用にも影響を与えると考えられ、従来あいまいだった型取引の明確化、適正化が産官学を巻き込み進んでいくことが予想される。

競争法・独禁法 2020年4月号・連載

証拠からみる独禁法違反認定の鍵
第4回 モディファイヤー事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為の当時の文書が、証拠としてどのように評価されることになるのか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、本連載第1回の東芝ケミカル事件の判示をふまえつつ、カルテル行為に関する「共同して」等の要件についての判断が示された事例である塩化ビニル樹脂向けモディファイヤー事件(以下「本件事案」という)を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

競争法・独禁法 2020年3月号・連載

証拠からみる独禁法違反認定の鍵
第3回 元詰種子事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為の当時の文書が、証拠としてどのように評価されることになるのか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、カルテル行為に関する「相互拘束」等の要件についての基本先例とされる元詰種子事件1(以下「本件事案」という)を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

競争法・独禁法 2020年2月号・連載

証拠からみる 独禁法違反認定の鍵
第2回 安藤造園土木事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為が行われていた当時の、関係従業員の手帳等の物的証拠が、違反の有無の判断のなかでどのように評価されることになるか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、違反となる合意(入札談合)の意思形成の過程について日時場所等をもって特定する必要はない等の判断を示した事例とされる安藤造園土木事件(以下「本件事案」という)を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

競争法・独禁法 2020年1月号・実務解説

公取委実態調査から読み解く
ノウハウ・知的財産権に係る優越的地位濫用規制への実務対応
谷 英樹

公取委は、2019年6月14日に「製造業者のノウハウ・知的財産権を対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」(以下「実態調査報告書」という)を公表した。実態調査報告書ではノウハウ・知的財産権に係る優越的地位の濫用規制上問題となり得る参考事例が公表されており、取引活動におけるコンプライアンスを構築するうえで、実際に問題となり得る事例を知り、それに応じた対策を講じていくことが有益であると思われる。本稿は、実態調査報告書の概要を解説したうえで、優越的地位の濫用とされないために講ずべき社内コンプライアンスのポイントを考察する。

競争法・独禁法 2020年1月号・連載

証拠からみる独禁法違反認定の鍵
第1回 東芝ケミカル事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為が行われていた当時の、社内メール等の物的証拠が、違反の有無の判断のなかでどのように評価されることになるか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、カルテル行為に関する「共同して」(意思の連絡)という要件についての基本先例とされる東芝ケミカル事件(以下「本件事案」という)を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

競争法・独禁法 国際 2019年12月号・特集2

新たな規制基準は必要か?
"GAFA規制"の競争法上の難点と目指すべき方向性
植村幸也

世界各国でデジタル・プラットフォーマーに対する規制が強化されている。プラットフォームでは間接ネットワーク効果がはたらくことから、独占が長期間持続する懸念もある。しかしながら、巨大な独占だからという理由だけで規制するのは誤りである。この点で、わが国の公正取引委員会が個人情報保護のために優越的地位の濫用を用いようとしているのは問題である。

競争法・独禁法 2019年11月号・実務解説

合算市場シェアが高くてもクリアランスのチャンスあり
平成30年度主要企業結合事例にみる公取委の判断基準と審査対応策
石垣浩晶・矢野智彦

2019年6月19日に公取委により公表された「平成30年度における主要な企業結合事例について」(以下「平成30年度事例」という)は、詳細な審査なしでクリアランスが得られた軽微な事案から、厳しい問題解消措置が求められた困難事案まで幅広く紹介されており、独占禁止法上の企業結合規制の全体像を理解するための有益な資料となっている。そこで、本稿では、平成30年度事例を題材にして企業結合審査対応の指針を示すべく、企業結合事案のクリアランス条件、証拠として重視されるアンケート調査への対応、公取委による実施が一般化している経済分析活用の最新動向について解説する。また、筆者が委員を務めた「業務提携に関する検討会」の報告書についても簡単に説明する。

競争法・独禁法 2019年9月号・特集2

基礎売上額、算定料率、違反期間等が変更
新しい課徴金算定方法の全体像
多田敏明

課徴金算定の全体像と現行法および改正の大枠は、おおむね【図表1】のとおりであり、本稿では、主として算定要素のうちの最初の3つ、すなわち、1「課徴金算定の基礎となる売上額」(以下「基礎売上額」という)、2算定料率、3違反期間に関する改正を扱うこととする。また、令和元年改正は主として不当な取引制限(カルテル・談合)に関する課徴金制度を対象とするものではあるが、私的独占および不公正な取引方法に関する課徴金制度にも改正が及んでいる部分があるため、必要に応じてそれらの改正についても言及することとしたい。

競争法・独禁法 2019年9月号・特集2

2位以下の課徴金減額率も大幅に変更
調査協力インセンティブ導入と妨行為への制裁
内田清人・中村竜一

令和元年6月19日成立の独占禁止法改正(以下「改正法」という)により、公正取引委員会による調査の実効性を高めるためにさまざまな改正がなされた。たとえば、調査に協力するインセンティブを事業者に対して付与すべく、課徴金減免制度においては、これまで減免の基準であった申請時期および順位に加え、減算率の考慮要素として調査協力の程度を加味することになった。また、減免対象者の上限は撤廃された。他方、調査への非協力に対するディスインセンティブとして、調査妨害行為をした事業者に対する課徴金の加算、減免の失格事由の拡充および検査妨害罪における法人に対する罰金刑の引上げが図られた。

競争法・独禁法 2019年9月号・特集2

適正手続の保障は進むか?
弁護士・依頼者間の「通信秘密保護制度」の概要と対応上の留意点
中野雄介

今回の改正法の施行に、公取委規則および指針という形で、弁護士・依頼者間における通信の秘密保護の制度が導入される見通しである。しかし、制度の趣旨や根本的な設計自体に問題があり、今回の改正でペナルティが強化されることを考慮すると、適正手続の保障が十分に進むのかは不透明である。本稿は、制度の評価のほか、制度が導入された場合における実務上の留意点も検討する。

競争法・独禁法 2019年9月号・特集2

未然防止・有事対応の2つの視点で準備を
施行へ向け企業が確認すべきこと
宮川裕光

欧米を中心とする諸外国の法執行においては、企業側の調査協力による罰金・制裁金の減額が認められており、今回のわが国における独占禁止法改正も、こうした企業と競争当局との協力による競争制限行為の排除と抑止の推進を図るものである。新たな課徴金制度に係る具体的な手続や運用については、今後、規則やガイドラインの整備等が行われることにより明確にされるものと考えられる。本稿においては、公布後1年6カ月以内とされている改正法の施行に向けて、各企業が確認、準備等を行うべき内容について検討する。

競争法・独禁法 2019年8月号・特別企画

独占禁止法と課徴金制度 村上政博

2005年改正の課徴金減免制度の導入により、日本で初めてカルテル(価格協定、入札談合)の禁止が実効性をもつことになった。2019年改正で証拠価値に応じた調査協力による減額が導入され、この結果、カルテル事件の行政調査についてEU競争法上のカルテル調査に近いものになると見込まれている。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

取引の時系列にみる
下請法・関連規制の概要と対応ポイント
石井輝久

下請法に関しては、近時、運用基準の改正(平成28年12月14日)、下請代金の支払の現金化、手形サイトの短縮を要請する通達の発出(同日)、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の改正(平成30年12月28日)、業種別下請ガイドラインの改正などの動きがみられるところであるが、本稿では、まず、下請法上の義務・禁止事項について、基本的な事項を確認してみたい。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

近時の勧告事例等の論点から考える
下請法のボーダーラインと実務対応
池田 毅・川﨑由理

公取委等による下請法の解釈や適用のパターンは、勧告事例が積み重なり、指導件数が増大するとともに徐々に発展している。ビジネスの形態が多様化しているなか、企業としては、みずからのビジネスの下請法上の問題を的確に把握することが望まれる。本稿では、問題となりやすい、代金減額、不当な経済上の利益の提供要請、購入・利用強制、買いたたきを例に、近時の勧告事例等から読み取れる下請法のボーダーラインについて検討する。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

7つの視点が欠かせない
下請法遵守マニュアル作成のポイント
板崎一雄

下請法は、適用対象取引、禁止行為などが多岐にわたり、うっかり違反などをなくすためには、わかりやすく、自社の業務、実情に合わせたマニュアルを整備し、その運用を正しく行うことが有用である。マニュアルの内容はさまざま考えられるが、自社の業務や実情をふまえてどのような下請法違反行為が起こりやすいか、リスク分析をして優先順位やメリハリをつけ、業務フローに基づき各業務段階の注意事項を整理するなどの工夫が考えられるので、本稿ではそれらを例示的に記載する。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

時間をかけた慣行の是正を
社内監査の方法と実施のための体制整備
村田恭介

下請法違反行為が発覚する端緒として典型的なものは、公正取引委員会、中小企業庁による調査に基づくものであろう。ちなみに、平成29年度の下請法違反の処理に関していえば、9件については下請法7条の規定に基づく勧告が行われ、6,752件については親事業者に対して違反行為などの改善および再発防止のために、社内研修や監査などにより社内体制を整備するよう指導の措置がなされている(平成29年度公正取引委員会年次報告215頁以下)。このような当局の調査以外で発覚する場合としては、たまたま、社内で下請法違反の疑いのある行為が認められたので、法務部などが調査を行った結果発覚するものなどに限られるのではないかと思われる。本稿では、このように外部からの調査や偶然にみつかったことを端緒とするものではなく、定期的に下請法違反をみつけ出すための有効な社内監査としてはどのようなものが考えられるか、筆者が見分した他社事例などを参考に、検討するものである。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

公取委との折衝をスムーズに進めるには?
違反発覚から再発防止策策定までの対応
花本浩一郎

下請法違反の発覚の経緯としては、主として、事業者内部での発覚、書面調査を契機とする発覚および外部要因による発覚が考えられる。発覚した際の対応としては、速やかな全社的内部調査を実施したうえで違反行為の取りやめ・原状回復措置を行うとともに公正取引委員会の勧告相当事案か否かを見極めること、公取委に対する違反行為の自発的申出を検討すること、公取委等と見解が相違する場合に適切に対応すること、および再発防止策を講じることがあげられる。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

freee株式会社
現場に遵守を徹底させる書類・規程整備と研修
桑名直樹・中山一道・五十嵐沙織・渡邉涼子

IT事業においても、昨今、システム開発を担当するエンジニアを中心に業務委託の利用が活発化している。システム開発を行う業務委託先の事業者は、小規模法人または個人事業主であることも多く、下請法違反防止の体制構築は、IT事業者のバックオフィスにとって重要な課題となっている。本稿では、クラウドサービスの開発および提供を行う当社において、下請法違反を防止するために行っている取組みを紹介する。

競争法・独禁法 2019年7月号・特集1

塩野義製薬株式会社
下請法違反を生じさせないシステム導入・教育
和田壮史

製造メーカーとして下請法対象取引を多く行っている当社では、当該取引を主に担当している調達部門において、下請法による各種規制に対応したシステムを導入し、かつ部門内での教育研修を重点的に行っている。本稿では、主にこのシステムおよび教育研修の概要、そして今後の課題について記載する。

競争法・独禁法 2019年4月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
最終回 中国の企業結合審査対応 ─ 各 論
宇都宮秀樹・鈴木幹太 ・井上諒一

前回は、中国の企業結合審査について、総論として、審査手続の概要を説明した。連載の最後に当たる今回は、中国における企業結合審査の内容と問題解消措置、ガンジャンピングについて説明する。審査を円滑かつ安全に進めるためには、過去事例等をふまえ、審査のポイントを中国当局に対して的確に説明することと、問題解消措置が必要となった場合には、的確な措置を適時に提案し、中国当局と十分に交渉することが重要である。また、中国当局は届出の遅滞・懈怠に対して厳格な執行態度をとっているため、届出の要否を慎重に検討し、適時に届出を行うことが重要である。

競争法・独禁法 2019年2月号・実務解説

2018年12月30日より施行
確約手続利用検討のポイントと実務上の留意点
多田敏明

2018年12月30日より施行される確約手続は、公正取引委員会と独禁法違反を疑われている事業者との合意のもとに独禁法上の懸念に対応するという、当局と企業との協調型の手続であり、主として排除型私的独占や優越的地位濫用の事件での活用が見込まれている。本稿では、「確約手続に関する対応方針」の策定を契機として、主として企業側の立場から、確約手続を利用するかどうか、また利用する場合の実務的な留意点を検討する。

競争法・独禁法 2019年2月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
第5回 中国の企業結合審査対応─制度の全体像
宇都宮秀樹・井上諒一

前回までは、企業結合審査対応のうち、日本における審査対応の実務を説明してきた。今回と次回は中国の制度と実務を説明する。日本企業が当事者となるM&Aにおいて、中国における審査の遅延を理由としたスケジュール変更が公表されることが散見される。中国の規制および手続を事前によく理解し、計画的に対応するための一助となれば幸いである。

競争法・独禁法 2019年1月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
第4回 日本の企業結合審査対応③
宇都宮秀樹・藤田知也

本号では、日本の企業結合審査手続の最終回として、公取委が問題点を指摘した場合の対応(問題解消措置)について説明し、最後に、企業が知っておくべき公取委の審査手法について説明する。

競争法・独禁法 国際 2018年12月号・実務解説

Coty事件判決にみる
ネット販売・取引へのEU競争法適用の最新動向
ピーター・マイヤー・押野雅史・樋口陽介・花本浩一郎

本稿では、選択的流通システム(対象商品・サービスの供給者が、一定の基準により選択された販売業者(認定販売業者)に対してのみ当該商品・サービスを供給し、販売業者はみずからに割り当てられた地域内においては当該商品・サービスを選択されなかった非認定販売業者に販売しないこととするシステムをいう)におけるオンライン取引の制限に対するEU競争法上のルールの適用について扱った最新の判例を考察するとともに、今後の見通しについても述べる。

競争法・独禁法 2018年12月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
第3回 日本の企業結合審査対応②
宇都宮秀樹・藤田知也

本号では、水平型企業結合の締めくくりとして協調的行動による競争の実質的制限に関するポイントについて説明した後、垂直型企業結合および混合型企業結合について解説する。

労働法 競争法・独禁法 2018年11月号・実務解説

公取委の想定事例を分析
働き方改革に起因する下請法・独禁法違反の概要と企業対応
板崎一雄

平成30年6月、働き方改革を推進するための法律が遂に成立したが、その前月、公正取引委員会は、働き方改革に関連して起きる可能性がある下請法、独占禁止法違反の事例を公表していた。働き方改革によって、なぜ、下請法等違反が起きるというのだろうか。従業員の労働時間減少のために、外注は1つの有効手段と考えられるが、どういった行為が問題になるのか。その概要や対応策について述べたい。

競争法・独禁法 2018年11月号・実務解説

管理部門の分掌と連携がカギ
下請法違反の早期発見へ向けた社内調査のポイント
沖田美恵子

近時、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という)に関する当局の執行が活発化しており、企業や世間の関心も高まっている。悪質事案として勧告を受ければ企業名が公表されレピュテーションの低下を招くが、公正取引委員会は、調査開始前に自発的に違反を申し出た親事業者については一定の要件のもとに勧告を行わない取扱いとしており、違反の早期発見は企業にとっても有益である。そこで、企業が下請法違反を早期かつ効率的に発見するための端緒の把握や調査について、管理部門が行うものを中心に解説する。

競争法・独禁法 2018年11月号・実務解説

平成29年度主要企業結合事例
─地銀間統合における公取委対応を中心に
石垣浩晶・矢野智彦

今年6月6日、公正取引委員会(以下「公取委」という)は、「平成29年度における主要な企業結合事例について」(以下「『公表事例』」という)を発表した1。今年の届出数は306件であり、平成25年以降の増加傾向は維持されているが、平成28年度よりも4.1%減少した。第二次審査へと移行したものは1件に留まり例年に比べて大きく減っている(【図表1】)。「公表事例」で報告されている12事案の審査内容および公取委の判断の概要は【図表2】のとおりである。

競争法・独禁法 2018年11月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
第2回 日本の企業結合審査対応①
宇都宮秀樹・藤田知也

本号では、企業結合審査の対象となる「一定の取引分野」の画定と、独禁法上問題となりやすい水平型企業結合について、実務上のポイントを解説する。

競争法・独禁法 2018年9月号・連載

企業結合審査対応の最新実務
第1回 企業結合審査対応の概要
宇都宮秀樹・藤田知也

M&Aの成否やスケジュールを左右し得るものとして、日本の独占禁止法をはじめとする各国の競争法上の企業結合審査が重要な意味を持つことは、もはや常識と言ってよいであろう。競争当局による審査は、近時ますます厳格化・精緻化が進んでおり、実務上の重要性は一層高まっている。そこで本連載では、日本企業が当事者となるM&Aを念頭に、企業結合審査の実務について幅広く触れ、近時の傾向をふまえたベストプラクティスを紹介することとしたい。第1回となる本稿では、M&Aにおける競争法関連手続の全体像について解説し、第2回から第4回にかけ、日本における企業結合審査の実務について、論点ごとに掘り下げて解説し、第5回・第6回では、海外での審査のなかで特に日本企業を悩ませることが多い、中国での審査の実務について解説する予定である。

労働法 競争法・独禁法 2018年8月号・LAWの論点

人材市場における労働法と独占禁止法の役割
─「人材と競争政策に関する検討会報告書」をふまえて
荒木尚志

芸能人やスポーツ選手の移籍問題をはじめ、人材市場規制に公正取引委員会が乗り出すかと、各種メディアで注目されていた公正取引委員会・競争政策研究センターの「人材と競争政策に関する検討会報告書」(座長:泉水文雄神戸大学教授。以下「報告書」という)が2018年2月15日に公表された。 もっとも、同報告書は、芸能界やスポーツ界等の特定の業界の人材取引問題に焦点を当てたものではなく、役務提供者たる人材をめぐる市場(人材市場)における人材獲得競争全般について、独占禁止法(以下「独禁法」という)の適用の基本的な考え方を、労働法との関係もふまえて、整理したものである。

競争法・独禁法 2018年6月号・特集1

必修分野④ 独禁法・下請法 菅野みずき

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という)は、「公正かつ自由な競争の促進」という目的を達成するため、競争を制限または阻害する行為である不当な取引制限、私的独占および不公正な取引方法を禁止するとともに、企業結合に対する規制を設けている。本稿ではそのうち、不当な取引制限の典型であり、高額の課徴金が課されるリスクのある入札談合・カルテルと、近年運用が強化されている下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という)およびその前提となる優越的地位の濫用(不公正な取引方法の一類型)の規制について紹介する

競争法・独禁法 2018年6月号・特集2

なぜ談合はなくならないのか
─歴史的・産業構造的背景と再発防止への視座
樋口陽介

課徴金制度や課徴金減免制度が導入され、独占禁止法の執行が強化された現在においても、入札談合の摘発は続いている。本稿では、談合がなくならない要因について、歴史的な法執行の経緯や産業構造的観点から考察する。また、これらをふまえたうえで、コンプライアンス体制整備の基本的な視座を示すとともに、従業員にどのように意識付けを行うべきか、役員・従業員の談合への意識改革および談合への理解の醸成のための具体的方策について考察する。

競争法・独禁法 2018年6月号・特集2

事例でみる
正当な営業活動とカルテルのボーダーライン
池田 毅・水口あい子

ビジネスにおいて、営業部門等が可能な限りの情報を取得するのは、ビジネスの基本の「き」である。一方で、営業活動が行き過ぎ、談合等の違法行為に問われるリスクは避けなければならない。とはいえ、正確な独禁法上の検討・評価を行うことなく、一見リスクがあると思える営業活動を何でも制限してしまうと、「法務がビジネスを妨害している」といった営業サイドの不満が噴出することは避けられない。本稿では、独禁法違反を防ぎつつ、適法なビジネスを阻害しないようにするための考え方について、いくつかの具体例を交えながら検討する。

競争法・独禁法 2018年6月号・特集2

再入札データの分析による
談合検知手法の可能性
中林 純

経済学、とりわけ産業組織論の教科書には、たいてい、談合について1章設けられていて、談合のメカニズムやそれが維持されやすい環境に関する研究が紹介される。その中には、「大規模な談合はめったに存在しない」という記述がしばしばみられる。その理由は、談合は維持することが難しいからだ。

競争法・独禁法 2018年6月号・実務解説

ジョイントベンチャー・業務提携における独禁法上の留意点(下) 髙宮雄介・水口あい子

前号では、他の企業との業務提携契約の締結、少数持分の出資、合弁会社(ジョイントベンチャー、以下「JV」という)の設立等、「部分的な協業」を行う際に、独禁法がどのように適用されるかを検討し、実務上の対応・留意点につき「2実務担当者間の協議(1)企業結合規制の検討」の途中まで検討した。本号では、(上)回に引き続き、時間軸に沿った検討を行うとともに、他法域における企業結合届出の要否につき、検討する。

競争法・独禁法 2018年5月号・実務解説

ジョイントベンチャー・業務提携における独禁法上の留意点(上) 髙宮雄介・水口あい子

昨今、企業による事業展開の一環として、他の企業の支配権の取得や合併等、全面的に事業活動を一体化する態様だけではなく、他の企業との業務提携契約の締結や少数持分の出資、合弁会社(ジョイントベンチャー)の設立等、部分的に協業を行うケースが多い(いわゆる「部分的な協業」)。かかる部分的な協業は、コスト削減や経営資源の相互補完、研究開発のリードタイムの短縮等、効率性の向上をもたらす。一方で、競争の状況によっては独禁法の問題を引き起こしうる。特に、有力な事業者が当事者となる部分的な協業においては、市場における競争が制限される効果や他の事業者を市場から排除するような結果を伴う場合もある。さらに、部分的な協業を実行するに際し生じる情報交換に関しても独禁法上留意が必要となる場合がある。本稿では、部分的な協業に関しての独禁法上の考え方および留意すべき事項について、実務上重要と思われる点に絞って概説する。

競争法・独禁法 知財 2018年2月号・特別企画

独禁法 デジタル・カルテルが問う「合意」要件 植村幸也

独占禁止法(競争法)の分野では、近時、「デジタル・カルテル」が大きな話題だ。それが何を意味するのかはっきりしないが、人工知能(AI)や高度な価格設定アルゴリズムによりカルテル類似の結果が生じる場合を指していることが多い。AIの時代には、人間が合意しなくても価格をつりあげることができるようになるのではないか、そのため、合意の存在を要件とする現在のカルテル規制ではデジタル・カルテルを規制するのに不十分ではないか、というのがここでの問題意識である。

競争法・独禁法 2018年1月号・実務解説

Google事件にみる
プラットフォーム事業者をめぐる競争法上の最新論点
渥美雅之

独占禁止法・競争法は、あらゆる産業セクターにおける反競争的行為を取り締まる法律である。ITセクターなどの最先端技術市場から、製造業・建設業などの伝統的な産業に至るまで幅広いセクターに同一の条文が適用され、適用の際には、問題となる市場における競争の実態をふまえ、それに即した法執行が行われる(少なくとも行われることが期待されている)。本稿では、革新的なビジネススキームで事業活動を拡大してきているデジタルプラットフォーム事業者に対する競争法の適用について、日本における議論状況を紹介し、最近欧州委員会が発表したGoogleに対する制裁金決定を通じて欧米における議論を紹介する。