雑誌詳細

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2019年7月号

2019年5月21日発売号   1,609 円(税込)

特集1

適切な理解が実効的対応の鍵
下請法実務の総点検

特集2

Q&Aでざっくり解説 最新SNSリスクの予防と対応

特集1
適切な理解が実効的対応の鍵
下請法実務の総点検
下請法違反は勧告を受ければ社名が公表され、レピュテーションの低下を招くおそれがあるため、企業にとって無視できないリスクとなっています。ところが、下請法のカバーする対象取引や禁止行為などは多岐にわたり、油断していると、うっかり、違反をしてしまいがちです。本特集では、法規制の概要、法違反を防ぐ社内マニュアル作成時の視点、法遵守のための社内監査の方法など、下請法をめぐる実務を総点検するポイントを解説しています。いま一度、自社の対応を見直していただけると幸いです。
競争法・独禁法

取引の時系列にみる
下請法・関連規制の概要と対応ポイント
石井輝久

下請法に関しては、近時、運用基準の改正(平成28年12月14日)、下請代金の支払の現金化、手形サイトの短縮を要請する通達の発出(同日)、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の改正(平成30年12月28日)、業種別下請ガイドラインの改正などの動きがみられるところであるが、本稿では、まず、下請法上の義務・禁止事項について、基本的な事項を確認してみたい。

競争法・独禁法

近時の勧告事例等の論点から考える
下請法のボーダーラインと実務対応
池田 毅・川﨑由理

公取委等による下請法の解釈や適用のパターンは、勧告事例が積み重なり、指導件数が増大するとともに徐々に発展している。ビジネスの形態が多様化しているなか、企業としては、みずからのビジネスの下請法上の問題を的確に把握することが望まれる。本稿では、問題となりやすい、代金減額、不当な経済上の利益の提供要請、購入・利用強制、買いたたきを例に、近時の勧告事例等から読み取れる下請法のボーダーラインについて検討する。

競争法・独禁法

7つの視点が欠かせない
下請法遵守マニュアル作成のポイント
板崎一雄

下請法は、適用対象取引、禁止行為などが多岐にわたり、うっかり違反などをなくすためには、わかりやすく、自社の業務、実情に合わせたマニュアルを整備し、その運用を正しく行うことが有用である。マニュアルの内容はさまざま考えられるが、自社の業務や実情をふまえてどのような下請法違反行為が起こりやすいか、リスク分析をして優先順位やメリハリをつけ、業務フローに基づき各業務段階の注意事項を整理するなどの工夫が考えられるので、本稿ではそれらを例示的に記載する。

競争法・独禁法

時間をかけた慣行の是正を
社内監査の方法と実施のための体制整備
村田恭介

下請法違反行為が発覚する端緒として典型的なものは、公正取引委員会、中小企業庁による調査に基づくものであろう。ちなみに、平成29年度の下請法違反の処理に関していえば、9件については下請法7条の規定に基づく勧告が行われ、6、752件については親事業者に対して違反行為などの改善および再発防止のために、社内研修や監査などにより社内体制を整備するよう指導の措置がなされている(平成29年度公正取引委員会年次報告215頁以下)。このような当局の調査以外で発覚する場合としては、たまたま、社内で下請法違反の疑いのある行為が認められたので、法務部などが調査を行った結果発覚するものなどに限られるのではないかと思われる。本稿では、このように外部からの調査や偶然にみつかったことを端緒とするものではなく、定期的に下請法違反をみつけ出すための有効な社内監査としてはどのようなものが考えられるか、筆者が見分した他社事例などを参考に、検討するものである。

競争法・独禁法

公取委との折衝をスムーズに進めるには?
違反発覚から再発防止策策定までの対応
花本浩一郎

下請法違反の発覚の経緯としては、主として、事業者内部での発覚、書面調査を契機とする発覚および外部要因による発覚が考えられる。発覚した際の対応としては、速やかな全社的内部調査を実施したうえで違反行為の取りやめ・原状回復措置を行うとともに公正取引委員会の勧告相当事案か否かを見極めること、公取委に対する違反行為の自発的申出を検討すること、公取委等と見解が相違する場合に適切に対応すること、および再発防止策を講じることがあげられる。

競争法・独禁法

freee株式会社
現場に遵守を徹底させる書類・規程整備と研修
桑名直樹・中山一道・五十嵐沙織・渡邉涼子

IT事業においても、昨今、システム開発を担当するエンジニアを中心に業務委託の利用が活発化している。システム開発を行う業務委託先の事業者は、小規模法人または個人事業主であることも多く、下請法違反防止の体制構築は、IT事業者のバックオフィスにとって重要な課題となっている。本稿では、クラウドサービスの開発および提供を行う当社において、下請法違反を防止するために行っている取組みを紹介する。

競争法・独禁法

塩野義製薬株式会社
下請法違反を生じさせないシステム導入・教育
和田壮史

製造メーカーとして下請法対象取引を多く行っている当社では、当該取引を主に担当している調達部門において、下請法による各種規制に対応したシステムを導入し、かつ部門内での教育研修を重点的に行っている。本稿では、主にこのシステムおよび教育研修の概要、そして今後の課題について記載する。

特集2
Q&Aでざっくり解説 最新SNSリスクの予防と対応
労働法

Q1「従業員が個人SNSを利用してトラブルを起こした際の対応内容」ほか
大村剛史

従業員が、社内の出来事について虚偽の事実を述べて、会社を誹謗中傷する内容をSNS上に発信したことが、第三者からの問合せの電話により発覚しました。こうしたSNSトラブルについて、会社としてはどのような対応をとることを検討しなければいけないのでしょうか。

労働法

Q5「採用活動におけるSNSを用いた調査」ほか
佐藤剛史・濱㟢友彦

当社は、採用活動に際し、SNSを用いた調査を行うことを検討しています。具体的には、応募者の氏名をインターネット上で検索してヒットしたSNSアカウントを閲覧するほか、当社に提出された履歴書等に記載された情報をもとに応募者本人のSNSアカウントをできる限り特定して、それを閲覧して採用活動の参考にしたいと考えていますが、問題ないでしょうか。

労働法

Q9「従業員が会社の回線を使って誹謗中傷を行った場合の会社の責任」ほか
深澤諭史

Y社に勤務する従業員Aは、休み時間に会社のパソコンと回線を利用して、Xを中傷する内容の投稿(本件投稿)をSNSにした。本件投稿はXの知るところとなり、Xは本件投稿について発信者情報開示請求訴訟をY社が契約しているプロバイダZに行った。その後、発信者情報の開示を命じる判決が言い渡されて確定し、ZはXに対し投稿に用いられた回線の契約者はYであるとの情報を開示した。Xは、Yに対して、本件投稿について、損害賠償を請求(本件請求)した。①Yとしては、Xの請求に対してどのように対応をするべきか。②投稿をしたのがAであると判明した場合、Yはどのように対応をするべきだろうか。

実務解説
実務解説
ファイナンス

利用者の保護・取引の適正に向けて
暗号資産をめぐる改正法案の概要と影響
滝琢磨・白澤光音

本年3月15日、第198回国会に「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「本法律案」という)が提出された。本法律案は、「暗号資産の交換・管理に関する業務への対応」、「暗号資産を用いた新たな取引や不公正な行為への対応」「その他情報通信技術の進展を踏まえた対応」を主な内容とするものである。本稿においては、紙幅の関係上、資金決済法および金融商品取引法の主要な改正内容に限って解説を行う。

会社法

チェックリストで確認する
2019年株主総会の直前対策
寺岡隆樹

株主総会招集通知の原稿が校了になっても、総会担当者としては、シナリオやビジュアル化のスライド等の作成、想定問答の見直し、リハーサルの実施、総会場の設営など、総会当日に向けた準備に追われることとなる。本稿では、本年株主総会の直前対策ポイントとして、株主総会招集通知発送後の実施事項および当日の運営(議事に関する事項を除く)について留意点の解説をするとともに、チェックリスト(本稿末尾62頁〜64頁)を提示させていただく。

会社法

具体的な開示例が示され、利便性が向上
経産省「『攻めの経営』を促す役員報酬」改訂の概要
石井裕介・酒井 真・小山 浩

経済産業省産業組織課は、2019年3月8日、「『攻めの経営』を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~」を一部改訂したことを公表した。今回は、従来のQ&Aのうち実務からの問合せが多かった項目を中心に改訂が行われており、より利便性が高まっている。本稿では、改訂されたQ&Aにつき実務上重要なポイントを解説する。

国際

保護範囲拡大による好機と試練
中国"外商投資法"の成立と進出企業の対応
原 洁

中国は新たな「外商投資法」を制定し、現行の「外資三法」にとって代わることになる。新法は、外商投資の範囲を拡大し、参入前内国民待遇とネガティブリストの制度を確立するとともに、外商投資に対する保護をいっそう強く打ち出している。新法は、中国の外商投資企業の発展にとって、好機と試練の両方をもたらすものである。中国に進出している日系企業は、新法の動向を注視しつつ、適切な対応をする必要がある。

企業法務総合 危機管理

5つの類型ごとに検討する
従業員が刑事事件を起こした際の法務部対応(上)
沖田美恵子・魚住 遼

刑事事件は従業員不祥事の最たるものであるが、「従業員の刑事事件」とひと口にいっても、それが企業に与えるダメージは、当該刑事事件と会社業務との関連の有無、被害者の有無、被害者の属性等によって大きく異なる。法務部門としては、その類型に応じて、会社へのダメージを予想し、場面に応じて的確に対処することが肝要である。刑事事件は突発的に発生するため、事が起こってから対応を検討しても後手に回るおそれがある。本稿では2回にわたり、事が起こったときに参考になる視点や知識について論じる。

会社法 国際

近時の法改正をふまえた
米国デラウェア州LLCの概要と実務
竹田公子・田中健太郎

2018年1月から10月にかけての対米買収案件は211件と、過去最多であった1990年(193件)を28年ぶりに上回ったが、デラウェア州の法律に準拠したC-Corporation(以下「Corporation」という)またはLimitedLiabilityCompany(以下「LLC」という)を M&Aの対象会社とするケースも多く見受けられる。また、米国にジョイントベンチャーを設立する比較的多くの案件でも、ジョイントベンチャーのエンティティとして、デラウェア州CorporationまたはLLCが選択されている。しかしながら、デラウェア州CorporationおよびLLCの相違点を正確に理解している日本の実務家は必ずしも多くないように思われる。また、米国デラウェア州は、最新の判例等をふまえた先進的な法令を次々と導入していることから、日本の今後の実務を検討するうえで参考になる点も多い。そのため本稿では、デラウェア州LLCの概要、LLCとCorporationの相違点を説明したうえで、LLCに関連するデラウェア州会社法の改正内容を簡単に解説することとしたい。

会社法

求められる取締役会の監督機能と現実対応のはざまで
柿﨑 環

「わが社では、取締役会の会議を丸テーブルにして、社外と社内の役員を交互に座らせることにしました」。これは、上場企業の役員らの集まりで、取締役会の議論をどうやって活性化するかを話していたときのある役員の発言である。一見、机の配置に何の意味がと思われる向きもあろうが、この一言には、教科書ではわからない取締役会の現場が抱える深い悩みが窺える。

トレンド・アイ
支援ツールを主体的に使うことが肝要
フリーランスのバックオフィス業務
企業法務総合

菅沼聖也

民間の調査結果(ランサーズ株式会社「フリーランス実態調査2018年版」)によれば、フリーランスとして働く人は1、100万人以上、その経済規模は20兆円に達しているという。これは副業等を含めての数字であるが、もはやフリーランスは特別な「働き方」ではなくなっているようだ。そうしたフリーランスが企業等から独立してまず直面する課題に、経理、総務、法務、労務といったバックオフィス業務がある。フリーランスの場合、これらの業務はみずからが本業の傍らでこなすよりほかなく、本業の時間や労力をとられてしまう、という問題である。

書評
『SNS公式アカウント運営者のための企業の信頼失墜を防ぐ法的リスク・炎上対策』小山博章[編著]、西頭英明[著]、町田悠生子[著]、木田翔一郎[著]、寺下雄介[著]

高柳昌弘

連載

企業法務総合

LEGALHEADLINES
森・濱田松本法律事務所

2019年3月〜4月

会社法

最新判例アンテナ
第15回 金融商品取引法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額として、裁判所が民事訴訟法248条の類推適用により相当な額を認定することができるとした事例
(最一小判平30.10.11民集72巻5号477頁)
三笘裕・小宮慶久

企業法務総合

先輩・後輩で描く企業法務のグランドデザイン
第1回 これからの法務を考える
須㟢將人・中山剛志・宮下和昌

商社の法務部門に配属されたのが大学を卒業した1975年の4月。以来2017年6月にソフトバンクの法務責任者を退き、監査役に就任するまでの42年の間、主に企業法務に携わってきた。この42年間に法務の仕事の内容・やり方もずいぶんと変わった。これからはさらに変化が求められる時代が来るであろう。こうした変化に対応するには、法務担当者(責任者はもちろん)の意識を変えることも必要だが、日本の経営者がもっと法務部門を上手に利用・活用できるようにならないといけない。

企業法務総合

ロイヤーの使い方を押さえる!法務のための英単語辞典
第3回 「権利」を表す表現
豊島 真

rightという単語をみてまず思い浮かぶ訳は、普通の人であれば「右」や「正しい」であろうか。真っ先に「権利」という訳が思い浮かんだとしたら、あなたは少々法律の分野に染まりすぎているかもしれない。筆者は米国留学中、大学の構内で、自転車に乗った男性が後方から「Yourright!」と叫ぶのを聞き、「『あなたの権利!』?人権活動家かな?」と思ったことがあったが、「あなたの右側を通りますよ!」という意味であった(略さずにいうとI'mpassingonyourright!)。

企業法務総合

法務部に伝えたい"実効的"内部監査のコツ
第3回 その行動は合理的か?----違和感を大切に
樋口 達

残念ながら、たとえ上場企業であっても、毎年のように、不正・不祥事が報道されています。不正・不祥事が発生しない年はありません。では、なぜ不正は発生するのでしょうか。その分析の視点として、「不正のトライアングル」と呼ばれる仮説があります。これは、アメリカの犯罪学者であるクレッシーが唱えたものです。

会社法

異業種M&Aの成功ポイント
第3回 異業種M&Aとのれんの減損
森岡夏海・田中大貴・佐藤光伸

連載3回目の本稿では、前回定義した「異業種」の分類に則り、M&Aを「異業種/同業種」、「国内/海外」という観点で分類したうえで、のれんの減損が生じやすいM&Aについて明らかにし、法務部門の減損抑止への貢献について提言を行いたい。

労働法

会社がすべきこと・しなくてよいこと
メンタルヘルス不調者への対応実務
第4回 精神疾患従業員の問題行動
向井 蘭

精神疾患に罹患した従業員にもさまざまなタイプがあり、なかには他人を攻撃したり、妄想や幻覚による被害を訴えたり、休職期間中に問題行動を起こす者もいる。治療や休養のための休職命令を行うべきか、秩序維持のために懲戒処分を行うべきか、実務では迷う点が多い。本稿では、精神疾患従業員の問題行動に対する対応についてとり上げる。

企業法務総合

第2キャリアとしての弁護士
第4回 評論家で終わるのではなく、当事者と汗をかける存在に
鈴木悠介

「ここで、現場の鈴木記者と中継がつながっています。鈴木さーん!!」スタジオのキャスターからの呼びかけに応じて、連日、事件・事故の現場からの生中継を繰り返していたのは、もう10年以上前のことである。私は、故・筑紫哲也氏に憧れて、株式会社TBSテレビに入社し、外信部や社会部(警視庁・捜査一課担当)の記者として、キャリアを重ねていた。

民法・PL法等

いまさら聞けない登記実務の基本
最終回 動産・債権譲渡登記
鈴木龍介・小野絵里

本連載の6回目(最終回)は、動産・債権譲渡登記についてとり上げます。動産・債権譲渡登記は、金融機関からの資金調達や取引先に対する売掛債権の保全に活用されるほか、与信管理における調査の観点からも重要です。

企業法務総合

若手弁護士への箴言
第10回 衰えぬ法律事務所とは
髙井伸夫

労働人口の減少によりあらゆる業界で生産性向上が求められるなか、AIやIoTを活用したIT化の波は、司法業界にも押し寄せつつある。政府の「裁判手続等のIT化検討会」がとりまとめたe提出、e事件管理、e法廷という「3つのe」の実現に向け、今年度から法整備等が始まる。2つ穴で綴じた書面と対面式という民事裁判の大原則が変わろうとしている。

会社法

事業承継におけるM&Aの基本と心構え
第1回 M&Aの始めから終わりまでを時系列で一気に概観
福谷尚久

近年社会問題化してきた事業承継。世代間の交代がうまくいくケースを除いてM&A(会社の合併・買収)が多用されているが、実際どうすればよいのか戸惑う向きも多い。本連載では、全体像を時系列で概観する本稿に続き、「譲渡先のヒント」、「M&Aのアドバイザーについて」など、事業承継におけるM&Aの実務対応や心構えを3回にわたって解説する。

会社法 国際

法務が主導するアジア子会社管理
第5回 競争法遵守体制の構築方法
栗田哲郎

各国の競争法は、競争制限合意・支配的地位の濫用・企業結合を規制している点で、他の法律に比べても共通点が多い。そのため、日本独禁法等の理解があれば対応が可能な部分はあるが、日本独禁法に存する不正な取引方法が存しない法域があるなど、各国の競争法にはそれぞれの特徴があり、他国よりも厳しい規制がかけられている場合やそうでない場合もある。また、企業結合審査の届出基準・審査手続にもさまざまな違いがあり、M&Aのスケジューリングにおいてはその違いを理解することが重要である。

民法・PL法等

債権法改正企業対応の総点検
第3回 債権法改正の留意点(施行日・経過措置)
吉住豪起・中村和也

平成29年(2017年)5月26日、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号。「以下、改正後の民法を「改正民法」という)が成立し、同年6月2日に公布された。これにより民法のうち第3編債権の部分が大きく改正されることとなった。改正の具体的な内容については、すでに多くの有意義な解説がなされているが、その施行や経過措置についてはあまり解説がされていないようである。施行および経過措置に関する理解は、改正法の適用の有無を判断するのに不可欠であり、実務上極めて重要である。そこで、本稿では、今回の民法改正の施行および経過措置について、概説することとする。

ファイナンス

スッキリわかる金商法の基礎
最終回 インサイダー情報の管理──適時開示、フェア・ディスクロージャー・ルール等
上島正道・木下郁弥

本連載では、金融商品取引法(以下「金商法」という)に関する事例紹介、解説を行う。最終回となる本稿においては、証券市場をめぐり、さまざまな場面で登場する投資判断上重要な情報の適切な管理、情報開示について触れる。特に、金商法そのものではなく、取引所での適時開示、金商法上求められる臨時報告書による開示、インサイダー取引を予防するための情報伝達規制および平成29年の金商法改正により導入された、上場会社による公平な情報開示(いわゆるフェア・ディスクロージャー・ルール。以下「FDルール」という)を中心に、横断的に情報管理・開示体制についてとり上げることとしたい。

民法・PL法等

要件事実・事実認定論の根本的課題──その原点から将来まで
第22回 売買─新民法(債権関係)における要件事実の若干の問題
伊藤滋夫