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タグ:争訟・紛争解決 」と一致する記事一覧
争訟・紛争解決 2021年1月号・Trend Eye

暫定保全措置に係る規律整備,仲裁関連事件に関する裁判所手続の改革
「仲裁法改正」議論の最新動向
手塚裕之/小枝未優

近時,日本仲裁人協会や日弁連などから仲裁法の改正を求める意見が出されていることなどをふまえ,2019年12月に仲裁法制の見直しを中心とした研究会が設置された。本稿では,2020年7月に発表された同研究会による報告書を基に,仲裁法の改正に向けた議論の現時点における動向を,特に重要な点に絞って紹介する。

争訟・紛争解決 2021年1月号・連載

知って,活用! 国際仲裁・国際調停
最終回 国際調停の実務,主要な調停条項
岡田春夫

第6回は,最近世界的に脚光を浴びるようになってきた国際調停の特長および最新動向について解説した。とりわけ日本は,調停に非常に親和性の高い文化を持ち,京都国際調停センターが開設されるなど,国際調停は大変使い勝手のよいものとなってきており,今後の普及が大いに期待されている。最終回は,国際調停の実務および主要な調停条項について解説する。

争訟・紛争解決 2021年1月号・連載

最新判例アンテナ
第31回 強制執行に要した費用のうち,民事訴訟費用等に関する
法律2条各号に掲げられた費目のものを不法行為に基づく損害として
主張することは許されないとされた事例 
三笘 裕/武原宇宙

争訟・紛争解決 2020年11月号・連載

ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(刑事編)
最終回 第一審判決と控訴審,受刑者の情報取得
沖田美恵子・門田和幸

本連載では、民事・刑事訴訟の全体像について読者の概括的理解に資するべく、ある具体的なストーリーを設定し、その進展を追う形で、各局面における訴訟手続の概要や実務的な留意点を解説する。連載期間は約1年を予定しており、前半が民事訴訟編、後半が刑事訴訟編となる。最終回では、第一審判決と控訴審,受刑者の情報取得について解説する。

争訟・紛争解決 2020年9月号・Trend Eye

多様化すべき「正義へのアクセス」,弁護士の役割は?
オンライン裁判外紛争解決手続(ODR)の活用可能性
石原遥平

ODR(Online Dispute Resolution) は,「IT・AI等の先端技術を用いたオンラインでの紛争解決手続」と定義されている。ただ,書籍や文献をみても統一的な定義はいまだ確立されておらず, ICTを活用して紛争の処理,管理,解決,そして将来の紛争の予防まで繋げようとするものや,民事紛争解決の場でICTが活用されるありとあらゆる場面を含むものなど,広範な概念として議論されていることも多い。

争訟・紛争解決 2020年8月号・実務解説

選任・判断の迅速性で得られる実効的救済措置
「緊急仲裁人制度」の概要と活用上の留意点
武藤佳昭・吉田武史・ドミニク・シャーマン

多くの主要な仲裁機関で導入されている「緊急仲裁人制度」は、仲裁合意のある当事者間で、仲裁廷の成立を待たずに、緊急的な現状保全や義務履行等の暫定的救済措置を求めることができる制度である。本稿では、緊急仲裁人の発令する暫定的または保全的な救済措置について解説する。

争訟・紛争解決 2020年8月号・連載

知って、活用! 国際仲裁・国際調停
第5回 国際仲裁の手続②(主張書面・証拠の提出、ヒアリング、仲裁判断、簡易仲裁制度)
岡田春夫

本連載の前半では、仲裁とはどのような紛争解決手続か理解を深めるために、日本の裁判や米国の裁判とも適宜比較しながら国際仲裁の基礎知識について述べる。後半では、このような国際紛争を解決する手段としての調停の動向と実務ならびにこれに対応すべく昨年2018年11月に開設された京都国際調停センターについても述べる。今回は、主張書面・証拠の提出、ヒアリング、仲裁判断について解説するとともに、簡易仲裁制度についても解説する。

争訟・紛争解決 2020年8月号・連載

ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(刑事編)
第3回 捜査手続②
沖田美恵子・本多茂雄

本連載では、民事・刑事訴訟の全体像について読者の概括的理解に資するべく、ある具体的なストーリーを設定し、その進展を追う形で、各局面における訴訟手続の概要や実務的な留意点を解説する。連載期間は約1年を予定しており、前半が民事訴訟編、後半が刑事訴訟編となる。刑事編第3回では、前回に引き続き捜査手続について解説する。

争訟・紛争解決 2020年9月号・連載

ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(刑事編)
第4回 公判手続①
沖田美恵子・門田和幸

本連載では、民事・刑事訴訟の全体像について読者の概括的理解に資するべく、ある具体的なストーリーを設定し、その進展を追う形で、各局面における訴訟手続の概要や実務的な留意点を解説する。連載期間は約1年を予定しており、前半が民事訴訟編、後半が刑事訴訟編となる。刑事編第4回では、公判手続について解説する。

争訟・紛争解決 コンプライアンス 2020年7月号・Lawの論点

日本版司法取引制度の概要と日産自動車事件からみた運用上の問題点 指宿 信

日産株式会社元会長カルロス・ゴーン氏(有罪が確定していないため敬称を用いる。以下同様)の逮捕・起訴そして国外逃亡という一連の経緯は、わが国の刑事司法制度について国内のみならず海外からも大いに注目を集めることとなった。本稿は、ゴーン氏の逮捕・起訴のきっかけとなった、検察が日産株式会社と取り交わしたとされる合意に基づいた、捜査・公判協力型「協議・合意制度」、いわゆる「日本版司法取引」について制度の概要や手続の解説と問題点の提起を行うことを目的としている。

争訟・紛争解決 2020年7月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(刑事編)
第2回 捜査手続①
沖田美恵子・本多茂雄

甲社は、内部通報をきっかけに、A部長が、発注権限のある本部長を騙して仕入先の乙社に対して架空発注を行わせて甲社にその代金を支払わせ、そのうちの7割を乙社のX社長から受け取っていた事実を把握した。甲社は、Y弁護士に依頼し、A部長を詐欺の事実で警察に告訴した。

争訟・紛争解決 2020年4月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第6回 和解、判決言渡し、控訴提起の判断等
大久保由美・福谷賢典

甲社が製造し顧客の工場に納入した機械が、乙社から供給を受けた部品の腐食による折損が原因で運転を停止し、甲社はこれにより損害を被ったため、乙社に対する損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。請求金額は、訴訟の中途での増額分も含め、約6000万円である。当該訴訟では、部品購入前の甲社・乙社の担当者間の打合せに参加した甲社のA主任および乙社のB部長の証人尋問が実施されることとなり、2月21日に開かれた証拠調期日において、まずはA主任の尋問が終了した。

争訟・紛争解決 2020年4月号・連載

知って、活用!国際仲裁・国際調停
第3回 主要な仲裁条項・緊急仲裁人手続
岡田春夫

前回(第2回、2020年2月号掲載)では、日本企業に利用されている世界の仲裁機関の比較と、日本の企業等にとって、仲裁機関をどのように選択すればよいのかを解説した。第3回となる本稿では、仲裁条項について解説する。また、次回(第4回、2020年6月号掲載予定)からは仲裁手続の解説に入るが、本稿では、最近重要性を増している、仲裁廷の成立を待っていたのでは間に合わない場合に利用される仲裁手続開始前の緊急仲裁人手続(緊急保全措置命令申立手続)についても解説する。

争訟・紛争解決 2020年3月号・連載

対話で学ぶ法務対応の勘所
第4回 Claim Letter対応
大串嘉誉

大学卒業後、総合商社の法務部に配属された新人Aは、法律事務所での勤務経験がある社内弁護士Bが率いるチームに所属し、さまざまな案件を担当することになった。今回は、ClaimLetter対応である。

争訟・紛争解決 2020年3月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第5回 証拠調期日
大久保由美・福谷賢典

甲社が製造し顧客の工場に納入した機械が、乙社から供給を受けた部品の腐食による折損が原因で運転を停止し、甲社はこれにより損害を被ったため、乙社に対して損害賠償請求訴訟を提起した。当該訴訟では、部品購入前の甲社・乙社の担当者間の打合せにおいて、機械中の部品の使用環境についてどのような説明がなされていたかが主要な争点と整理され、当該打合せに参加した甲社のA主任および乙社のB部長の証人尋問が実施されることとなった。

争訟・紛争解決 2020年2月号・連載

知って、活用!国際仲裁・国際調停
第2回 仲裁機関の比較と選択
岡田春夫

前回(第1回、2019年12月号掲載)では、仲裁地の重要性を説明し、日本企業にとって日本を仲裁地にすることがよいこと、仲裁を日本に持ってくる方法としては、できればJCAA(仲裁地日本)、難しければICC(仲裁地日本)やSIAC(仲裁地日本)も検討に値することを述べた。第2回となる本稿では、日本企業に利用されている世界の仲裁機関の比較と、日本の企業等にとって、仲裁機関をどのように選択すればよいのかを解説する。

争訟・紛争解決 2020年2月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第4回 尋問申請・尋問準備
大久保由美・福谷賢典

甲社が製造し顧客の工場に納入した機械が、乙社から供給を受けた部品の腐食による折損が原因で運転を停止し、甲社はこれにより損害を被ったため、乙社に対して損害賠償請求訴訟を提起した。同訴訟の第1回弁論準備手続期日において、乙社は、「乙社部品が腐食したのは、甲社機械中で高温かつ酸性の液体に長時間さらされたためであるが、そのような使用環境について甲社から説明を受けていない」旨を準備書面で主張した。しかしながら、甲社は、乙社から部品を購入する前に、当該部品の使用環境をメール等で連絡しており、担当者間の打合せでも使用環境について議論していたことから、第2回弁論準備手続期日において、その旨反論することとした。

争訟・紛争解決 2020年1月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第3回 続行期日
大久保由美・福谷賢典

第1回口頭弁論期日が開かれた後、次回期日は弁論準備手続期日として指定され、大阪に本社がある乙社は、大阪の弁護士を代理人とし、電話会議によって期日に参加することとなった。

国際 争訟・紛争解決 2019年12月号・LAWの論点

米国法との比較で検討する
日本法における「弁護士依頼人間通信の秘匿特権」
中川丈久

「弁護士依頼者間通信の秘匿特権」(attorney-clientprivilege)という米国法で古くから認められている権利を、日本法においても認めることができるだろうか。これは、刑事捜査や行政調査、そして裁判の証拠調べ等において、「わたしたちには、弁護士への法的相談の内容を秘密扱いにしてもらう権利があるか」という問いである。「秘匿特権」という言葉は、日本の法令には存在せず、判例や学説もこの概念を使ってきたわけではない。にもかかわらず近年、この概念は幅広い法分野で話題に上っている。民事訴訟法(証言や文書提出)、刑事訴訟法(捜査や公判)、そして行政法(行政調査のほか、行政手続や行政不服審査、行政訴訟にも拡がり得る)の各分野から関心が示されているのである。本稿は、米国法の「秘匿特権」を説明したあと、日本での議論状況(なぜこれまで論じなかったのか、なぜ今になって論じているのか)を振り返り、最後に、上記の問いについての私の考えを述べる。

争訟・紛争解決 2019年12月号・地平線

令和時代、民事裁判手続に求められる「攻めのIT化」 山本和彦

IT化は世界の潮流であり、司法もその例外ではない。世界的には、アメリカを先頭に、シンガポール、韓国、中国などで司法のIT化が進展し、遅れていたドイツ・フランスなど欧州諸国も近時その進展は著しい。他方、日本の民事訴訟のIT化は遅れている。ただ、日本も平成前半期は世界最先端に近い状況にあった。

争訟・紛争解決 2019年12月号・連載

知って、活用!国際仲裁・国際調停
第1回 国際紛争解決手続の種類と特徴
岡田春夫

仲裁(Arbitration)は、調停(Mediation)とともに、裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)の1つとされる。Alternative(代替手段)という表現からすると、紛争解決手続のメインは裁判であり、仲裁はあくまでもサブであるという印象を与える。しかし、ことに国際紛争の場合、仲裁は単なるAlternativeではない。仲裁こそが、Mainstream(主流)である。海外においては常識とされるこの事実が、案外、日本においては浸透していない。

争訟・紛争解決 2019年11月号・地平線

国際商事紛争の解決地としての日本 一色太郎

国際商事紛争の解決地としての日本のプレゼンスを高めるための取組みが、官民をあげて急ピッチで進められている。本稿では、日本における国際裁判・仲裁・調停を活性化するための取組みの現状と展望について考察する。

争訟・紛争解決 2019年11月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第2回 訴訟提起から第1回口頭弁論期日まで
大久保由美・福谷賢典

甲社が製造し顧客の工場に納入した機械が突如運転を停止してしまい、甲社は顧客に対して当該機械の補修費用および逸失利益等の合計5、000万円の負担を余儀なくされるという損害を被った。機械停止の原因は乙社から供給を受けた部品の腐食による折損であり、甲社は、顧問のX弁護士に委任し、前記損害の賠償を求める書面を乙社に送付したが、乙社から拒絶されたため、やむなく訴訟を提起することとした。

争訟・紛争解決 2019年10月号・連載

ストーリーでわかる訴訟手続の基本(民事編)
第1回 訴訟提起に至るまで
大久保由美・福谷賢典

一定以上の規模を有する企業にとって、民事訴訟の当事者となることはそう珍しくはないが、従業員個人という視点で見れば、その職務において民事訴訟に深く関与するのは、 法務セクションの担当者等ごく一部の従業員に限られるであろうし、これらの従業員も、人事異動等があるため、解決まで年単位の期間を要することが多い民事訴訟に最初から最後まで携わることは、実は少ないように思われる。これが刑事訴訟となると、ますますもってレアケースであり、手続の流れを十分に知っている人間は、法務セクションにもあまりいないのではないだろうか。

争訟・紛争解決 2019年8月号・実務解説

改正民事執行法の概要と企業実務への影響
──債務者の財産開示手続を中心に
今井和男・有賀隆之

民事執行法の一部を改正する法律(以下「改正法」という)が、令和元年5月10日の参議院本会議において可決成立した。改正法においては、民事裁判制度に対する国民の信頼を確保することなどを主な目的として民事執行法に大幅な改正が加えられており、今後の企業法務に与える影響も少なくないと考えられる。本稿では、企業法務に対する影響が特に大きいと思われる債務者の財産状況の調査に関わる改正部分を中心にポイントを解説する。

争訟・紛争解決 2019年6月号・実務解説

Third Party Funding(紛争解決費用の第三者提供)の仕組みと国際潮流 西 理広

近年、紛争の当事者ではない第三者が当事者に対して訴訟や仲裁費用の提供をする代わりに、紛争解決の結果として当事者が回収した金銭の一部を報酬として受領する仕組みが海外でよく利用されている。このように第三者が紛争解決費用を支援することをThird Party Funding(TPF)といい、特に「訴訟」費用の支援の場合はThird Party Litigation Funding(TPLF)という。本稿では、TPF/TPLFの概要を説明し、日本国外での利用状況とその功罪を論じたうえで、日本企業にとっての利用可能性や注意点を検討する。

争訟・紛争解決 コンプライアンス 2019年6月号・連載

匿名レポート
第1回 日本版司法取引適用1号案件の公判手続

平成30年6月施行の刑事訴訟法(以下「法」という)改正により導入された合意制度(日本版司法取引)の適用1号案件では3名が起訴された。うち1名は事実関係を争うとのことで手続が分離されたが、3名とも平成31年1月までに第1回公判が開かれた。その際、合意内容書面が書証として取り調べられたことにより、その内容が明らかとなった。これを契機に、公判手続からみた合意制度について若干の考察を述べたい。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2019年3月号・トレンド・アイ

判決推論プログラム開発すすむ
AIの法律学への応用
佐藤 健

現在、いろいろなAI技術が法学分野に応用されている。たとえば、IBMWatson技術を使ったROSSIntelligence社の関連法律文書検索技術は、アメリカのパラリーガルに取って代わろうとしている。また、LawGeex社の契約文書条項レビューAIが弁護士の問題条項平均正答率を上回ったり、Case-Crunch社のCaseCruncherプログラムが、英国金融オンブズマンの保険支払クレームに対する承認予測平均正解率が弁護士のそれを上回ったりしている。したがって、一見すると、AIの法学への応用は大きな成功を収めつつあるようにみえる。

国際 争訟・紛争解決 2019年3月号・連載

日本人に知ってほしいアメリカ紛争解決の現場感
最終回 デジタル社会における訴訟対応─アメリカの訴訟における頭痛のタネ"ディスカバリー"
奈良房永・合嶋比奈子

本連載は最終回を迎えるが、デジタル時代の今日、日米の訴訟の最大の相違点であるディスカバリー(証拠開示)が判例の影響を受けてどのように変遷してきたかを検討したい。第1回で説明したとおり、日米の訴訟システムの最も大きな違いが、ディスカバリー制度の有無であろう。ディスカバリーがない日本では、提訴前にある程度の情報を持っていないと訴訟提起すら難しい。他方アメリカでは、とりあえず訴えてディスカバリー請求をして情報を探り出すことができる。だから訴訟の数も増える。訴えられた側は、ディスカバリーに応じる義務があるので、何も悪いことをしていなくても費用をかけて対応せざるを得ない。まさに火のない所に煙が立ってしまうのである。

国際 争訟・紛争解決 2019年2月号・連載

日本人に知ってほしいアメリカ紛争解決の現場感
第5回 制定法と判例法の駆け引き─「クラスアクション」の変遷
奈良房永・合嶋比奈子

今回はアメリカのクラスアクション制度を例にとって、判例がどのように制定法の形成を促し、さらに制定法がいかに判例に影響を与えるかを考えてみたい。クラスアクションは、公害、薬害をはじめ深刻な欠陥商品などの被害者に対する賠償や、人種差別や性差別への救済を促し、アメリカ社会に貢献してきた。他方、虚偽表示を請求原因とするクラスアクションのなかには、「言いがかり」ではないかというクレームもあり、クラスアクションには問題点もある。日本企業が後者の類に当たるクラスアクションに巻き込まれた例は多数あるが、これは極めて頭の痛い話である。

争訟・紛争解決 2019年1月号・実務解説

債務名義の実効性強化でどう変わる?
民事執行法改正要綱の概要と実務への影響
古賀政治

平成30年10月4日、法務省法制審議会民事執行法部会総会において平成28年11月から審議されてきた民事執行法改正についての要綱が採択された。民事執行法部会で主要なテーマとして審議されたのは以下の3つであった。第一は、現行の財産開示手続(民事執行法196条以下)の見直しと、金融機関あるいは公的機関等の第三者が保有する債務者財産情報を債権者に取得させるための第三者からの情報取得制度創設である。

国際 争訟・紛争解決 2019年1月号・連載

日本人に知ってほしいアメリカ紛争解決の現場感
第4回 時と場合によって変化するreasonableの意味
奈良房永・合嶋比奈子

本連載ではこれまでに日本とアメリカの法制度を比較しながら、判例法に基づくアメリカの制度では法律に変化が起きやすいこと(第3回「訴状送達」参照)、裁判官の裁量が大きいこと(第2回「アメリカの裁判官はどのような役割を果たすか」)、またその結果として訴訟弁護士の役割が日本と若干異なること(第1回「訴訟における弁護士の役割」)を紹介してきた。今回は、米国のさまざまな分野の判例法で用いられる「reasonablepersonstandard」という基準について説明したい。この基準こそ社会とともに変化する判例法の性質をよく表しており、この基準が適用される分野の多さからも、米国で訴訟に対応する企業が知っておくべき概念の1つである。

争訟・紛争解決 2018年12月号・トレンド・アイ

弁護士業界の国際化進む
「外弁法制」改正の概要
出井直樹

法曹界にも国際化の波が押し寄せている。その1つが、政府が臨時国会に提出しようとしている「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」(いわゆる「外弁法」)の改正案である。外弁法は、外国で法曹資格を有する者で一定の要件を満たした者が、法務大臣から外国法事務弁護士の資格承認を受け、日本弁護士連合会に外国特別会員として登録することによって、日本で原資格国法 (資格を取得した国の法律)その他指定外国法の法律事務に従事することを認める法律であり、弁護士および弁護士法人以外は日本で法律事務に従事できないとする弁護士法の例外規定という性格を有する。以下、今回の外弁法改正の要点とその考えられる影響を解説する。

国際 争訟・紛争解決 2018年12月号・連載

日本人に知ってほしいアメリカ紛争解決の現場感
第3回 訴状送達
奈良房永・合嶋比奈子

日本と米国の訴訟制度にはさまざまな違いがあるが、特に知っておきたいのが、訴状の送達に関するルールである。従来、米国の裁判所で日本企業を訴える場合、訴状の送達は「民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約」(以下「ハーグ条約」という)に基づいて行われてきた。米国内の被告に対しては通常、手渡しによる送達が1日で完了するのに対し、ハーグ条約のもとでの日本の被告への送達は米国の国務省、日本の外務省、そして日本の裁判所を経由して行われ、3〜4カ月の時間を要する。

国際 争訟・紛争解決 2018年11月号・連載

日本人に知ってほしいアメリカ紛争解決の現場感
第2回 アメリカの裁判官はどのような役割を果たすか
奈良房永・合嶋比奈子

今年5月、米国連邦最高裁判所の女性裁判官、ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事(85)の半生を描いたドキュメンタリー映画「RBG」が公開された。女性弁護士やロースクールの学生を中心に人気を集め、5月の母の日には母親を誘って映画館へ出かけたという話も聞いた。2015年にタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ表紙を飾ったギンズバーグ判事は、この冬公開予定のハリウッド映画「OntheBasisofSex」のモデルでもある。今、世界で彼女ほど注目を集める裁判官はいないのではないだろうか。そこで今回、ギンズバーグ判事を例として、米国の司法制度における裁判官の役割を紹介したい。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

和解の技術向上を目指す人たちへ 草野芳郎

和解技術は、裁判関係であれビジネス関係であれ和解実務に携わるものにとって必要不可欠のものであり、常にその向上を目指さなければならないものである。なぜなら、当該紛争において、和解が成立して紛争が解決することと、和解が成立しないで紛争が継続していくこととの差は、天と地で、あまりに大きいからである。誰がやっても解決できないような紛争もないではないが、多くの紛争は担当する人によって成功したり、失敗したりする現実が厳にあるのである。

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

「良い訴状」とは何か?
訴訟における訴状の位置づけと起案の視点
中村直人

筆者の経験では、難しい事件で勝訴したり、有利な和解が成立した事案がいくつかある。そのような事件の本来のスジとは異なる結論が出てしまう原因を考えると、その多くは最初の訴状に問題があったと思われる。それ以外の原因としては、証人尋問で失敗したというようなことがあるが、ごく少数だ。途中の準備書面が原因で敗訴することもほとんどない。今、本稿執筆にあたって、過去に担当した大事件と呼ばれるような事件を30件ほど思い返すと、そのなかで訴状に問題があったと思われる事案は、2割から3割にも及ぶと思う。これは大変な数字である。訴状が適切であれば、2割から3割の事件は、結果が異なっていたということだ。

国際 争訟・紛争解決 2018年7月号・実務解説

欧州版クラスアクション制度の構築へ
EUにおける集団訴訟をめぐる現状と最新の立法提案
大沼真・マタイス・カウパース

2018年4月11日、欧州連合(EU)の欧州委員会が、欧州議会および理事会に対して、「消費者のためのニューディール」(ANewDealforConsumers)と題した消費者保護に関する立法提案を行った(以下「2018年委員会提案」という)。同提案では、オンライン市場の透明性の確保などとともに、EUにおける消費者の権利を守る手段としての集団訴訟制度の構築が、提案の柱の1つとなっている。EUが多くの日本企業にとって重要なマーケットの1つであることは周知のとおりであり、また2017年12月には日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉が妥結し、今後、日・EU間のビジネスがさらに活発化することも予想される。このような状況下において、EU域内で事業を行う日系企業、とりわけ一般消費者向けの事業を行う企業にとって、集団訴訟対応は避けがたい法律問題となりうる。そこで本稿では、欧州における集団訴訟の最新動向として、2018年委員会提案の背景となった事情とEUにおける集団訴訟の現在の法的枠組みを概観したうえで、その提案の内容を概説する。

企業法務総合 争訟・紛争解決 2018年6月号・トレンド・アイ

「3つのe」の実現なるか 裁判手続IT化への動き 平岡 敦

民事訴訟手続に関与する皆さんはご存じのことと思うが、日本の現行民事訴訟制度において裁判所に提示される情報(主張や証拠)は、紙に記録されて提出される。また、口頭弁論や弁論準備等の期日は、例外的な場合を除いて、当事者や弁護士が裁判所に出頭して開催される。また、どんな事件記録が提出されているのかとか、次の期日はいつであるかといった事件情報は、裁判所によって一元的に管理・開示されておらず、裁判所と各当事者が個別に管理している。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

適切な方法を選択するために
和解の種類別メリット・デメリットと利用上の留意点
圓道至剛

和解は、紛争当事者間の合意による紛争解決の方法であるが、その具体的な方法は事実上ないし法律上いくつか存在し、それぞれにメリット・デメリットがある。本稿では、本特集「企業法務の手腕が問われる和解の流儀」の総論として、企業が和解について検討する際の前提知識となる、紛争解決における和解の意義とその種類・使い分けについて説明し、あわせて和解による紛争解決に関する一般的な注意点を指摘することとする。

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

ケース研究 細かく書き過ぎない、相手方の主張・反論を活用する
事案の詳細が不明確・決定的な証拠がない場合の起案のコツ
水川 聡

企業間の紛争では、契約書のほか、社内での報告文書や取引先との間でやりとりしている電子メールなど、訴訟になった場合に決定的な証拠となる記録が残っていることが少なくない。他方で、たとえば、かなり昔の案件に関して、相手方に損害賠償請求等を行うことを検討しなければならない場合などには、事案の詳細が不明確であったり、証拠の散逸などのため決定的な証拠がなかったりすることもまれではない。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

和解観の変遷と現在地
裁判官が和解を勧めるポイント
加藤新太郎

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

ケース研究 専門用語・業界慣行を説明するには?
専門性が高い事案の起案のコツ
影島広泰

専門性が高い事案の主張書面を起案する際には、専門的用語や業界特有の慣行などを裁判所に理解してもらうための工夫が必要となる。これが不十分であると、裁判所が事案を誤解して誤った結論を導いてしまったり、審理が不必要に長引いたりするからである。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

当事者双方の最大利益を追求する
裁判外の紛争解決に向けた交渉の技術
小林秀之・斎藤輝夫

ビジネスの一線で働く人々や企業の法務部門にとって実践的交渉をどのように行えばよいかは、悩ましい問題であろう。「交渉」や「ネゴシエーション」についての本もたくさん出ているが、読んでも中々身につかないという企業法務パーソンも多いと思われる。本稿では、「企業法務のための実践的交渉とは何か」という議論について、交渉理論と交渉戦術(交渉テクニック)の2段階に分けて、説明したい。この2段階をマスターするだけでも、あなたの交渉は各段と上達していくはずである。後は、ロール・プレイや実際の交渉の1つひとつで理論と戦術を体得していくことが、「ネゴシエーター」への道であると言ってもよい。交渉は「誠実さが一番」とか「はったりも当然必要」といったレベルよりは格段上になっていこう。本稿における実践的交渉とは、契約交渉やトラブルになったときの裁判やADR前の当事者間交渉を主として念頭に置いているが、本稿での説明は基礎的な理論やテクニックなので、すべての局面に当てはまるはずである。

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

"シンプル"かつ"わかりやすい"説明を
裁判官は「訴状」のどこを見ているのか
髙山崇彦・中田萌々

本稿では、裁判官の視点から見た主張書面一般における作成上の留意点を概観したうえで、「訴状」において注意すべきポイントについて検討する。「訴状」は裁判の判断対象を設定する書面であり、裁判官のファースト・インプレッションを決定付ける書面でもあることから、提訴時には推敲を重ね、自信のあるものを提出したい。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

「正当性」・「利益」の考慮で正しい見極めを
会社が和解を利用する際の留意点
髙橋利昌

会社関係法務においても和解は重要な技術である。ただし、和解の選択により、過去の企業活動につき違法・不当、コンプライアンス上の問題があるとの誤解を受けないような配慮が必要である。会社の法務担当者において、当事者を和解に導く技術や、裁判上・裁判外の和解の効果の違い、和解内容たる合意を実現・執行する方法など、理解しておくべきポイントは多い。

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

正確・十分な情報収集と信頼獲得の方法論
「良い訴状」作成のための依頼者コミュニケーション
金丸和弘

訴状を作成するためには、案件の内容を理解し、勝訴に導くための戦略を構築しなければならず、そのためには案件に関する正確かつ十分な情報の入手が必要である。また、案件が抱える問題点や弁護士が構築した戦略を依頼者に説明し理解を得るとともに、弁護士に対する信頼を獲得することも重要である。かかる情報収集および信頼獲得には、依頼者との適切なコミュニケーションが不可欠である。

争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

製品事故の事例にみる
社内負担を考慮した和解の検討
伊達裕成

企業活動を行っていると、あってはいけないことではあるが、製造した製品の欠陥または不具合によって事故が起こってしまうことがあり、不幸にも訴訟へと発展してしまうことがある。訴訟になると、事故の原因追究のため、現場担当者は多大なる労力と時間を費やすことになり、その結果、会社の士気も大きく下がることになる。多額の訴訟費用も発生し、敗訴すれば損害賠償も支払わなければならない。訴訟は原則、公開の法廷でなされるため、事故の事実は公表されることになる。それにより、会社の信用を大きく落とすことにつながり、事故を起こした製造部門だけではなく、会社自体の存続も危うくなってしまうこともある。そうならないためにも、訴訟での解決前に、ぎりぎりまで和解での解決の可能性を探ることが望ましい。本稿はどうやって和解での解決を図るのか実例をあげて考察していくこととする。また、法務担当者として、実務的にどのような点に注意を払い対処すればよいのか、ぜひとも参考にしてほしい。

争訟・紛争解決 2020年5月号・特集1

事案調査、社外弁護士コミュニケーション
企業における訴訟対応と法務部門の役割
飯田浩隆

本稿は、被告事件を念頭において企業における訴訟対応について説明する。文中意見にわたる部分は筆者の個人的見解である。

労働法 争訟・紛争解決 2018年10月号・特集1

対談 労働者側弁護士×使用者側弁護士が語る
労働紛争における和解選択・交渉の着眼点
佐々木亮・横山直樹