雑誌詳細

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2020年5月号

2020年3月21日発売号   1,700 円(税込)

特集1

起案の思考回路から、実際の書き方まで
勝つ「訴状」の作り方

緊急特集

新型コロナウイルス感染拡大への法務対応

特集2

上場準備の"実質"を見極める
IPO審査の最新トレンド

特集1
起案の思考回路から、実際の書き方まで
勝つ「訴状」の作り方
「訴状」(準備書面)には法理論と言葉を武器にする弁護士の力量がすべて表れるといっても過言ではありません。しかし、要件事実に基づいた基本的な書き方以上の"プラスαの技術"(特に他の弁護士の考え方や工夫)につき、触れる機会は多くないのではないでしょうか。訴状起案にあたりどのような心構えを持つべきか、ストーリーが浮かび上がるような文章で、裁判官にわかりやすく・説得的に届く「訴状」を作成するにはどうすればよいのか、依頼者から必要な情報を得るための工夫は何か......。本特集では、勝訴を導く「訴状」作成のプロセスと技術を検討します。
争訟・紛争解決

「良い訴状」とは何か?
訴訟における訴状の位置づけと起案の視点
中村直人

筆者の経験では、難しい事件で勝訴したり、有利な和解が成立した事案がいくつかある。そのような事件の本来のスジとは異なる結論が出てしまう原因を考えると、その多くは最初の訴状に問題があったと思われる。それ以外の原因としては、証人尋問で失敗したというようなことがあるが、ごく少数だ。途中の準備書面が原因で敗訴することもほとんどない。今、本稿執筆にあたって、過去に担当した大事件と呼ばれるような事件を30件ほど思い返すと、そのなかで訴状に問題があったと思われる事案は、2割から3割にも及ぶと思う。これは大変な数字である。訴状が適切であれば、2割から3割の事件は、結果が異なっていたということだ。

争訟・紛争解決

ケース研究 細かく書き過ぎない、相手方の主張・反論を活用する
事案の詳細が不明確・決定的な証拠がない場合の起案のコツ
水川 聡

企業間の紛争では、契約書のほか、社内での報告文書や取引先との間でやりとりしている電子メールなど、訴訟になった場合に決定的な証拠となる記録が残っていることが少なくない。他方で、たとえば、かなり昔の案件に関して、相手方に損害賠償請求等を行うことを検討しなければならない場合などには、事案の詳細が不明確であったり、証拠の散逸などのため決定的な証拠がなかったりすることもまれではない。

争訟・紛争解決

ケース研究 専門用語・業界慣行を説明するには?
専門性が高い事案の起案のコツ
影島広泰

専門性が高い事案の主張書面を起案する際には、専門的用語や業界特有の慣行などを裁判所に理解してもらうための工夫が必要となる。これが不十分であると、裁判所が事案を誤解して誤った結論を導いてしまったり、審理が不必要に長引いたりするからである。

争訟・紛争解決

"シンプル"かつ"わかりやすい"説明を
裁判官は「訴状」のどこを見ているのか
髙山崇彦・中田萌々

本稿では、裁判官の視点から見た主張書面一般における作成上の留意点を概観したうえで、「訴状」において注意すべきポイントについて検討する。「訴状」は裁判の判断対象を設定する書面であり、裁判官のファースト・インプレッションを決定付ける書面でもあることから、提訴時には推敲を重ね、自信のあるものを提出したい。

争訟・紛争解決

正確・十分な情報収集と信頼獲得の方法論
「良い訴状」作成のための依頼者コミュニケーション
金丸和弘

訴状を作成するためには、案件の内容を理解し、勝訴に導くための戦略を構築しなければならず、そのためには案件に関する正確かつ十分な情報の入手が必要である。また、案件が抱える問題点や弁護士が構築した戦略を依頼者に説明し理解を得るとともに、弁護士に対する信頼を獲得することも重要である。かかる情報収集および信頼獲得には、依頼者との適切なコミュニケーションが不可欠である。

争訟・紛争解決

事案調査、社外弁護士コミュニケーション
企業における訴訟対応と法務部門の役割
飯田浩隆

本稿は、被告事件を念頭において企業における訴訟対応について説明する。文中意見にわたる部分は筆者の個人的見解である。

争訟・紛争解決

全体構成と「強調」の仕方
具体例にみる訴状作成の工夫とポイント
升永英俊

1 訴状、準備書面の作成の際、筆者は、以下のことを心掛けている。 ⑴原則として、訴状または答弁書の段階で、出し惜しみすることなく、主張したいポイン トを簡明に記述する。 ⑵目次を見て文書全体の構成がわかるような目次を作成する。 ⑶判例文体は、本文中で引用するものと、脚注で引用するものに使い分ける。 ⑷キーワードや強調したい部分は、太字、下線などを使って、目立たせる。 ⑸繰り返しはできるだけ避けるべきであるが、特に重要な部分は、繰り返し主張する。 2 筆者、久保利英明弁護士、伊藤真弁護士らの弁護士グループ(以下、筆者ら弁護士グループ)が現在取り組んでいる2019年7月施行参院選挙(選挙区)〈以下、本件選挙〉無効請求訴訟の訴状を取り上げて、訴状作成の工夫とポイントを以下、説明したい。

緊急特集
新型コロナウイルス感染拡大への法務対応
民法・PL法等

新型コロナウイルス感染症に起因する契約不履行への対応
中国法における"不可抗力"
川合正倫

中国で発生した新型コロナウイルスに関し、中国では都市や道路の封鎖、自己隔離期間の設定を含むさまざまな感染拡大防止措置がとられている。物流やサプライチェーンも一部麻痺状態にあり、事業活動に重大な影響が生じている企業も少なくない。このような事態を受け、新型コロナウイルスが契約上の不可抗力に該当するかという点が大きな論点となっている。
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労働法

中国政府・各地方政府の見解からみる
人事労務上の諸問題Q&A
向井 蘭

2020年は年明けから中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる感染が蔓延し、中国全体がパニック状態になった。春節中から中国政府も矢継ぎ早に対策を発表し、人事労務上の対応も発表した。ただし、五月雨式に発表されたことと、中国は細かい部分については各省や直轄都市の裁量に委ねているため、各地方で対応方法が異なる場合があり、わかりづらい面がある。そのため、中国政府と各地方政府が発表した通知を中心に想定される人事労務の諸問題についてQ&A方式で記載した。
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会社法

新型コロナウイルス流行時の株主総会に関する論点整理
伊藤広樹

現在、新型コロナウイルスの影響が関係各所で生じており、大規模なイベントの自粛が相次いでいるが、株主を始めとする多くの関係者が一堂に会する株主総会も決して無関係ではない。会社法上、定時株主総会は、「毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない」と定められており(会社法296条1項)、また、定時株主総会では、通常、役員の選任、剰余金の配当等の重要事項を決議する必要があるため、基本的には、これを開催する前提で、開催にあたりどのような工夫が可能かを検討することになると考えられる。本稿では、新型コロナウイルス感染症の流行を想定した場合に問題となる、株主総会に関する実務上の論点を整理する。具体的には、①株主総会の開催日時・場所の変更、②決算手続への影響、③株主総会での実務対応について取り上げることとする。なお、本稿は、2020年3月4日に執筆されたものであり、同日現在の情報を前提としているものである。
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特集2
上場準備の"実質"を見極める
IPO審査の最新トレンド
会社法

IPO審査の最新トレンド
対談 IPOに向けた法令・ガバナンス上の実務的課題
村田雅幸・尾下大介

本対談では、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という)にて執行役員として上場推進業務などに携わっていた村田雅幸氏と、東証(日本取引所自主規制法人)の上場審査部初の弁護士として上場審査業務に携わっていた弁護士の尾下大介氏をお招きした。お2人とも現在は東証を離れIPO準備企業の支援をされているということで、東証の視点をふまえつつ、日ごろ接しているIPO準備企業の実情に即して、IPOに向けた実務的課題についてお話をうかがう。

会社法

近時の審査動向をふまえた上場準備のポイント
佐藤竜明

市場構造の見直し、上場会社の不祥事の頻発等の市況を取り巻く動向を反映し、証券取引所の新規上場(IPO)審査は従来よりも本質的かつ具体的なものへと進化している。そのため、上場審査をクリアできるコーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制の構築には、形式的な対応にとどまらない入念な準備と、高度なコンプライアンス意識の醸成、企業文化の形成が求められる。

会社法

上場後まで見据え、実効的に機能させるために
内部監査体制整備の基本と工夫
樋口 達・山内宏光

IPOにより、会社は、広く一般投資家から資本参加を求めることとなる。会社は、「上場」会社となり、「プライベート」カンパニーから、「パブリック」カンパニーへと移行することとなるから、上場会社としてふさわしい体制を構築する必要がある。具体的には、業績の拡大は当然のこととして、その規模に応じた管理体制の整備および運用が求められる。会社の内部管理のために必要不可欠な機能の1つとして、内部監査制度がある。本稿では、IPO(株式上場)に際して求められる内部監査の内容について解説したい。

会社法

上場後まで見据え、実効的に機能させるために
内部監査体制整備の基本と工夫
樋口 達・山内宏光

IPOにより、会社は、広く一般投資家から資本参加を求めることとなる。会社は、「上場」会社となり、「プライベート」カンパニーから、「パブリック」カンパニーへと移行することとなるから、上場会社としてふさわしい体制を構築する必要がある。具体的には、業績の拡大は当然のこととして、その規模に応じた管理体制の整備および運用が求められる。会社の内部管理のために必要不可欠な機能の1つとして、内部監査制度がある。本稿では、IPO(株式上場)に際して求められる内部監査の内容について解説したい。

会社法

ポジティブにガバナンスに取り組める工夫を
株式会社サイバー・バズにみるIPO成功の秘訣
礒村奈穂

株式会社サイバー・バズは2019年9月にマザーズに上場したソーシャルメディアマーケティングを手がけている会社である。筆者は直前期に当社監査役に就任し、就任当初から上場準備にあたってきたが、社内規程について、近年の上場審査で求められることや、それに対してどのような対応をしてきたか、監査役監査の視点から述べていく。

地平線
今求められる「法律事務所」の進化と改革
企業法務総合

大井哲也

現在、大手法律事務所の従来の法律業務以外の領域、特にリーガルテック領域に業務範囲を拡大する動きが活発化している。長島・大野・常松法律事務所がMNTSQ株式会社との資本・業務提携、森・濱田松本法律事務所が東京大学松尾研究室および株式会社イライザとの共同実証研究を開始するなど人工知能(AI)を利用した先端的でチャレンジングな取組みが昨年来、立て続けに発表されている。

トレンド・アイ
米国カリフォルニア州における
ギグワーカー保護法と日本への示唆
労働法

植松貴史

本年1月1日より、米国カリフォルニア州において、AssemblyBill5(AB5)が州法として施行され、独立事業主(IndependentContractor)と労働者(Employee)の区別に関する基準が明確に規定された。独立事業主であれば、最低賃金や労働時間に関する規制は使用者に課されない。したがって、少なくとも法形式上は、独立事業主ではなく労働者に該当するほうが、労働に従事する者をより保護することとなる。

実務解説
会社法

2020年3月期強制適用項目を詳細解説
改正「企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づく開示上の留意点
中村慎二

昨年の「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正により、本年3月期の有価証券報告書から適用される改正項目は、「記述情報の充実」と「会計監査の状況に関する情報の充実」である。前者は財務情報を補完する情報として有用であり、「記述情報の開示に関する原則」および好事例集を参考に企業内で開示方法につき深い検討が期待される。後者は財務情報の質を確保するために有用であるが、情報収集のための負担に留意が必要である。

企業法務総合 国際

事前届出免除制度の創設、対内直接投資等の定義の見直し
改正外為法が対日投資に与える影響
木村 裕・篠崎 歩・比嘉隼人

2019年11月22日、改正外為法(以下「改正法」という)が成立し、2020年春に施行される見込みとなった。安全保障上重要な技術等を有する日本企業への出資に対し政府による事前審査の範囲を拡大する一方で、事前届出免除制度の創設といった改正もあり、注目が集まっている。本稿では、本稿執筆時に判明している情報に基づき今回の主な改正事項を解説し、改正法による実務的影響の考察を行う。

国際

何が決まり、何が決まっていないのか
日本企業が検討すべきBrexitへの対応
岩村浩幸

2020年1月31日のロンドン時間の23:00(ブリュッセル時間の2月1日の0:00)に、英国はEUから離脱した。現在は移行期間に入っており実質的な変化は何もないが、移行期間終了後に英国とEUの関係に何らかの変化が起こることは確実である。本稿では英国とEUの現在の関係について説明を行うとともに、今後起こり得る変化とそれに対して日系企業にどのような法的な影響を与えるかについて説明を行う。

AI・個人情報

行動ターゲティング広告と
日米欧のプライバシー保護規制(下)
鈴木翔平・松永耕明

前々月号および前月号では、行動ターゲティング広告の仕組みと、行動ターゲティング広告に関連するEU、米国のプライバシー保護規制について説明した。今回は、日本における規制について解説する。

労働法

ユニオン(合同労組)にどう立ち向かう?
企業が労働委員会を活用する際の留意点
小池啓介

使用者が労働委員会にあっせん手続を申請する案件が増えているという。背景には、使用者が抱えている漠然とした「ユニオンとは、いったいどういう団体なのか」という不安があるようだ。労働分野にありがちな専門用語をできるだけ使わずに、平易な言葉でユニオンの実態とあっせん手続について解説する。

競争法・独禁法

デジタル分野の企業結合案件に対する公取委の見解
改定「企業結合ガイドライン」「企業結合手続対応方針」の概要
内田清人・小原 啓

今回の「企業結合ガイドライン」および「企業結合手続対応方針」の改定では、デジタル分野の企業結合案件の審査を念頭に、多面市場が形成される場合や競争上重要なデータ等の評価に関する公取委の考え方が明らかにされた。デジタルサービス等を提供する企業においては、今回の改定をふまえて、企業結合計画を慎重に検討し、また、公取委への事前相談も積極的に活用すべきである。

企業法務総合 危機管理

日本企業における苦情処理・問題解決制度強化への指針
「対話救済ガイドライン」の特徴と実践方法
蔵元左近・高橋大祐

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(「GCNJ」)、ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク(「BHRLawyers」)を幹事協力団体として、多様なマルチステークホルダー関係者から構成される「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン研究会」は、2019年12月、日本企業が苦情処理・問題解決制度(グリーバンスメカニズム)を強化するための指針として、「責任ある企業行動及びサプライ・チェーン推進のための対話救済ガイドライン」(以下「対話救済ガイドライン」という)を発表した。本稿は、上記研究会の事務局・委員としてガイドライン策定のとりまとめに関わった筆者らにおいて、ガイドラインの背景、意義、特徴、実践方法を解説するとともに、日本企業の実効的な苦情処理・問題解決における法務・コンプライアンス・サステナビリティ部門や社外弁護士の役割の重要性についても問題提起を行うものである。

連載
企業法務総合

LEGALHEADLINES
森・濱田松本法律事務所

2020年1月〜2020年2月

AI・個人情報

「個人情報保護法」世界の最新動向
第4回 ベトナム──本年中に新政令が制定予定
石川智也・村田知信

今回(第4回)は、東南アジア諸国のなかでも近年急速に経済発展しており、日本企業の投資も増えているベトナムの個人情報保護法制について解説する。ベトナムには現時点で包括的な個人情報保護法令はないが、複数の法令が個人情報に関する規制を定めている。また、2019年12月には、GDPRの概念を取り入れた個人情報保護に関する政令案がパブリック・コメントのために公表され、2020年中に制定予定と報道されている。本稿では、現在適用されている規制の内容を説明する。

企業法務総合

対話で学ぶ法務対応の勘所
第6回 合弁案件(共同開発契約)
朝倉 亮

大学卒業後、総合商社の法務部に配属された新人Aは、法律事務所での勤務経験がある社内弁護士Bが率いるチームに所属し、さまざまな案件を担当することになった。

企業法務総合

株式会社以外のビークルの実務
第3回 一般社団法人
本橋寛樹

一般社団法人は、平成20年に施行された比較的新しい法人類型です。公益性が高いイメージがあり、事業としては、業界団体等の「サービス業」・「学術研究、専門・技術サービス業」・「医療、福祉事業」等で活用されています。そこで、本連載の3回目は、一般社団法人について取り上げます。

争訟・紛争解決

ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(民事編)
第7回 控訴、上告等(民事編最終回)
大久保由美・福谷賢典

甲社が製造し顧客の工場に納入した機械が、乙社から供給を受けた部品の腐食による折損が原因で運転を停止し、甲社はこれにより損害を被ったため、乙社に対する損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。同裁判所は、請求金額約6000万円に対し、約4000万円の限度で甲社の請求を認める請求一部認容判決を下した。甲社が同判決に対して控訴するか否かを検討している最中、乙社は早々に控訴を提起した。

競争法・独禁法

証拠からみる 独禁法違反認定の鍵
第5回 ニンテンドーDS用液晶モジュール事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為の当時の文書が、証拠としてどのように評価されることになるのか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、一方的な情報提供がなされたに止まるようにもみえる状況で、カルテル行為に関する「共同して」等の要件についての判断が示されたニンテンドーDS用液晶モジュール事件(以下「本件事案」という)を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

国際

世界の法律実務・遊歩録
第6回 トレイニー編 「トレイニーの心の叫び」
サマンサ・タン

国によって制度は違いますが、多くの国の弁護士を目指すロースクールの卒業生は、弁護士となる前に法律事務所で「トレイニー」として実務を学ぶ期間を持つことが求められます。弁護士になる前の関門ですが、実際の業務を通じて弁護士の仕事について学ぶチャンスでもあります。

ファイナンス

トークン・ビジネス法務入門
第5回 暗号資産(仮想通貨)の規制上の取扱い②
芝 章浩

今回も前回に引き続き暗号資産の規制上の取扱いについて、2020年1月14日にパブリック・コメント手続に付された政令・内閣府令案等(以下「パブコメ案」という)をふまえ、今春施行予定の改正後の規制に焦点をあてて概説する。なお、パブコメ案については変更があり得る点にご留意されたい。

会社法

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第5回 ガバナンスに関する条項
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

本連載は、米国にて、米国の州法を準拠法として組成されたジョイントベンチャー(以下、「JV」または「米国JV」という)について、公開情報をもとに、米国JVの実例や件数、その一般的なスキーム等を検討し(第1回ないし第3回)、英文のJV契約のサンプル条項およびその和訳を明示しながら、米国JVに係る検討事項および問題点を紐解く(第4回以降)連載である。本稿は、第4回に引き続き、JV契約の各条項の趣旨の検討と、記載例に係る分析を行う。

民法・PL法等

要件事実・事実認定論の根本的課題──その原点から将来まで
第27回 要件事実論における基本的視点
─要件事実論の視点からみた所得税法
伊藤滋夫

会社法

株主・株式からみた中小企業M&Aの実務
第1回 実務論点概観
横井 伸

これから約1年間にわたり「株主・株式からみた中小企業M&Aの実務」の連載を始めることになるが、初回である本稿では、導入として中小企業M&Aの実態や論点の全体像を概観する。一言で「M&A」と言ってもさまざまなものがあり、中小企業M&Aの大半は後継者問題に起因する「事業承継型M&A」である。背景にあるのは日本社会の現代的課題である少子高齢化問題であり、国策と合致することから大変な盛り上がりをみせている分野である。

民法・PL法等

債権法改正企業対応の総点検
第11回 工事請負契約に関する債権法改正の留意点
三輪貴幸

請負契約は、請負人が注文者から仕事の完成を引き受け、仕事の完成に対する報酬を注文者から受領する契約類型である。請負人が注文者に対し役務・労務を提供する対価として報酬を受領する点で、雇用契約、委任契約に類似する。しかし、大きな相違点として、仕事の完成のためにいかなる役務・労務等を行うかという裁量が請負人にある点で雇用契約とは異なるし、仕事の完成を要素とする点で委任契約とは異なる。