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タグ:会社法 」と一致する記事一覧
会社法 2020年4月号・地平線

何のための市場改革か
──価値創造の主体たる「上場企業の3要件」
大場昭義

昨年末、金融審議会は東京証券取引所の市場改革に関する報告書を公表した。東京証券取引所は新市場の骨子を今年の2月までに示す予定となっている。そもそも市場の再編は東京証券取引所と大阪証券取引所の統合以来の課題であった。最近では上場企業が増え続け、その6割が東証一部に集中したため時価総額1兆円以上の企業と100億円未満の企業が混在するという事態も生じ、加えて、東証株価指数に連動するインデックスファンドの拡大とともに、流動性が乏しい企業のファンダメンタルズと株価が乖離するという課題も指摘されていた。

会社法 国際 2020年4月号・実務解説

日・米との比較で検討する
対イスラエル投資、M&Aの最新実務
田中真人

最先端技術を生み出し続ける、スタートアップ大国イスラエル。2014年1月にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が訪日したころから、日本との間のビジネスが急激に発展し、2012年に約2億円だった日本からイスラエルへの投資額は、2017年には約1、300億円に到達した。また、2013年に25社だったイスラエルに進出した日系企業数は、2018年には70社を超えた。2020年3月に念願の日本との定期直行便の就航が決まっており、今後ますます日本企業の進出が予想される。筆者は、2018年9月からイスラエルの大手法律事務所に出向し、多くの日系企業のイスラエル進出・投資等をサポートしてきた。本稿では、筆者の経験をふまえて、主にイスラエルでの投資取引、M&Aにおいて検討すべき法的問題点等について紹介する。

会社法 国際 2020年4月号・連載

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第4回 経済条件に関する条項
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

本連載は、米国にて、米国の州法を準拠法として組成されたジョイントベンチャー(以下、「JV」または「米国JV」という)について、公開情報をもとに、米国JVの実例や件数、その一般的なスキーム等を検討し(第1回ないし第3回)、英文のJV契約のサンプル条項を明示しながら、米国JVに係る検討事項および問題点を紐解く(第4回以降)連載である。第4回以降は、上記のとおり、JV契約の各条項の趣旨の検討と、記載例に係る分析に移る。

会社法 2020年3月号・特集1

お土産の是非、機関投資家との建設的対話、社外取締役の説明責任
2020年株主総会環境整備の工夫
松山 遙

株主総会は、会社にとって「株主との対話」のための重要な会議であり、これを通じて個人株主との間でどのようなリレーションを築くのか、機関投資家との間でいかに建設的な対話を行うのかを検討・工夫する必要がある。さらに、これからの株主総会においては、経営陣だけでなく社外取締役・社外監査役にも一定の説明責任を果たすことが求められる。

会社法 2020年3月号・特集1

電子提供制度を見据えた対応を
招集通知の任意開示、インターネット開示の最新トレンド
新見麻里子

本稿では、株主総会招集通知におけるインターネット開示の動向およびCGコード等をふまえた非財務情報等の任意開示の動向を解説する。なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、筆者が所属する組織の見解ではないことをあらかじめお断りしておく。

会社法 2020年3月号・特集1

2019年の提案内容・最新議論を押さえる
活発化する株主提案の動向と実務対応
太田 洋・松原大祐・政安慶一

2019年6月総会において株主提案を受けた上場会社の数は過去最高の54社となった。そのうち、機関投資家からの株主提案においては株主還元を求める提案が多い。株主提案権の限界が争われた裁判例も登場しており、2019年12月4日に成立した改正会社法では、株主提案権の濫用的な行使を制限する見直しが行われている。上場会社においては、株主提案の予兆をモニタリングしたり、日頃から機関投資家を含む株主と継続的に対話を行い、会社の経営戦略等について理解を得ておくことが重要となろう。

会社法 2020年3月号・特集1

役員報酬、パワハラ問題、市場再編等
2020年総会の質問予想テーマと準備のポイント
奥山健志

2019年の定時株主総会では、各社とも、引き続き株主との対話を意識した株主総会運営が行われており、総会当日に株主からの質問があった会社も、引き続き増加する傾向にあった(質問がなかった会社は20.7%(前年調査比0.6ポイント減)であり、5社に4社は総会当日に質問があった)1。2020年の定時株主総会でも、この傾向は継続する可能性が高い。本稿では、2020年の総会問答で予想されるテーマに関して、自信をもって回答するため、各社において事前に準備しておくべきポイントを簡潔に整理する。なお、本稿の記載中意見にわたる部分はすべて筆者の個人的見解であり、所属する法律事務所の見解ではない。

会社法 2020年3月号・特集1

column新たな株主総会像
──ハイブリッド型バーチャル株主総会の議論
北村雅史

株主総会プロセスの電子化の新たな動きとして、会議体としての株主総会を電子化するいわゆるバーチャル株主総会の実施が検討されている。自宅パソコン等からインターネットを通じて株主総会に参加・出席することには、法的・実務的にどのような問題があるのだろうか。経産省の「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」における議論をもとに、バーチャル株主総会に係る論点について考察する。

会社法 2020年3月号・地平線

令和元年会社法改正における
取締役報酬に関する規律の意義と実務への期待
田中 亘

今般の会社法改正(令和元年法律第70号)は、取締役の報酬等(会社法[以下、新設条文も含め条文番号のみで引用する]361条1項)についての重要な改正を含んでいる。

会社法 2020年2月号・特集1

要綱からの変更点を押さえる
改正に至る経緯と施行までの見通し
三笘 裕・小宮慶久

今回の改正は、政府や東京証券取引所がこれまで実施してきたコーポレート・ガバナンス強化のための一連の取組みの延長線上に位置づけられ、実務にも影響のある内容が多く含まれている。本稿は、改正法の個別の項目の解説に先立ち、改正法の決定に至る経緯や施行時期の見通し、変更が予想される実務内容の全体像を概観するものである。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER1 株主総会に関する規律
1-1 株主総会資料の電子提供制度の新設
黒田 裕・金田 聡

今般の改正による会社法により、株主総会資料の電子提供制度が導入されることとなった。これは、株式会社が、株主総会参考書類等(株主総会参考書類、議決権行使書面、計算書類、事業報告および連結計算書類)を紙媒体による送付に代えて自社のウェブサイト等に掲載することにより、株主に対して適法に提供したものとする制度である。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER1 株主総会に関する規律
1-2 株主提案権の濫用的行使の制限
黒田 裕・金田 聡

株主提案権については、近年、一人の株主により膨大な数の議案が提案されたり、会社を困惑させる目的で議案が提案されるなど、株主提案権が濫用的に行使され、それによって株主総会における審議の時間等が無駄に割かれる事例が散見される。そこで、改正法では、株主提案権の濫用的な行使を制限し、株主総会の意思決定機関としての機能を確保するための措置として、株主が提案することができる議案の数を制限することが規定された。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER2 取締役等に関する規律
2-1 報酬等の方針決定義務化と情報開示
石井裕介

現行法では、報酬等の決定方針の決定は、指名委員会等設置会社の報酬委員会にのみ義務づけられているが(会社法409条1項)、改正法361条は、以下の①②の会社につき、定款または株主総会の決議による会社法361条1項各号に定める取締役(監査等委員である取締役を除く。以下同じ)の報酬等の定めがある場合には、定款または株主総会決議で個人別の報酬等の内容を直接定めていない限り、取締役会に取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針として法務省令で定める事項(以下「報酬等の決定方針」という)を決定することを義務づけている(改正法361条7項)。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER2 取締役等に関する規律
2-2 会社補償・役員等賠償責任保険
小林雄介

改正法430条の2は、役員等にその職務の執行に関して発生した費用や損失の全部または一部を会社が負担することを認める会社補償の制度を定めている。会社補償については、適切な経営の促進、外国人材の招聘、適切な防御活動による会社の損害抑止といった意義が認められる一方で、その運用のあり方によっては役員等の職務の適正性が損なわれたり、構造上会社との利益が相反するといった懸念が存する。この点、現行法においては会社補償に関する規定はなく、その解釈は必ずしも確立されていなかったところ、改正法は会社補償が適切に運用されるように会社補償をすることができる範囲や手続等の明確化を図っている。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER2 取締役等に関する規律
2-3 社外取締役の活用促進、設置の義務化
小林雄介

平成26年会社法改正に係る会社法の一部を改正する法律の附則25条において、「政府は、この法律の施行後2年を経過した場合において、社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、企業統治に係る制度のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、社外取締役を置くことの義務づけ等所要の措置を講ずるものとする」こととされていた。この点について、平成26年会社法改正で導入された

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER3 その他の規律
3-1 株式交付制度の新設
森田多恵子

株対価M&Aは、特に企業のイノベーションや成長戦略を支える手段として、欧米企業が幅広く使っている手法である。たとえばGoogleは多くの会社と提携して成長してきたが、著名なYouTubeの取得を含め、株式対価と現金対価との混合対価での取得を行っている。これまで日本に株対価M&Aの手法が(会社法上の組織再編行為以外に)整備されていなかったこと自体、日本企業の国際競争力において大きなハンディ・デメリットであった。今回の改正法により新設される「株式交付」は、こうした株対価M&Aの基本となる手法を会社法が条文化したものである。

会社法 2020年2月号・特集1

CHAPTER3 その他の規律
3-2 社債管理補助者制度の新設
森田多恵子

社債管理者を設置する必要がないときは、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することを認める制度が新設された。社債管理補助者の設置は任意であるが、設置する場合は、その旨を募集事項に含めなければならない(改正法676条8号の2)。

会社法 2020年2月号・速報解説

「出席」は法的評価か?
アドバネクス株主総会決議取消請求事件控訴審判決
弥永真生

令和元年10月17日に、東京高等裁判所は、総会会場に入場した法人株主の使用人は職務代行者としてではなく、傍聴者として入場したと判断し、法人株主の事前の書面による議決権行使は撤回されたとは認められず、当該使用人は、修正動議との関係では欠席したものと扱われるとの判断を示した(平成31年(ネ)第1603号)。

会社法 2020年2月号・実務解説

登用を考える企業へ向けた
外国人社外取締役活用の実際的効果
ブルース・アロンソン

このエッセイでは、筆者自身の経験というより、主として上記の同僚、友人らから寄せられた体験談に基づいて、日本企業における外国人社外取締役が果たすべき役割をできる限り具体的に考察したいと考える。

会社法 2020年2月号・連載

最新判例アンテナ
第22回 いわゆる事前警告型買収防衛策の廃止について株主提案権の対象とはならないとした事例
三笘 裕・小宮慶久

会社法 2020年1月号・LAWの論点

クローバック条項をめぐる法律関係と課題 髙橋陽一

業績連動型報酬の前提に誤りがあった場合などに報酬の返還を求めるクローバック条項は、欧米企業では一般的に導入されており、わが国でも導入の動きがみられる。もっとも、クローバック条項の具体的内容はさまざまであり、不当な利得の返還という性格にとどまるもののほか、制裁色を強く有するものもある。クローバック条項をめぐる法律関係については不明確な点も少なくなく、今後の議論の蓄積が期待される。望ましいクローバック条項の具体的内容は会社ごとに異なると思われ、各社が役員報酬のポリシーをふまえて自主的に決定すべきである。

会社法 国際 2020年1月号・連載

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第3回 米国ジョイントベンチャーの組成とStructureの選択③
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

本連載は、米国にて、米国の州法を準拠法として組成されたジョイントベンチャーについて、公開情報をもとに、米国JVの実例や件数、その一般的なスキーム等を検討し(第1回および第2回、第3回)、英文のJV契約のサンプル条項およびその和訳を明示しながら、米国JVに係る検討事項および問題点を紐解く(第4回以降)連載である。本連載第3回目は、第2回目に引き続き、米国JVが組成される際に選択される法人の種類とその考慮要素について実例をふまえて検討する。

会社法 2019年12月号・実務解説

転換社債の有利発行と取締役の任務懈怠責任
――東京高判令和元年7月17日の解説と分析
柴崎 暁

東京高裁は、令和元年7月17日、CBの募集価格・転換価額を、オプション評価モデルを用い、ブックビルディング方式で定めた場合は、「客観的資料に基づく一応合理的な算定方法」によるものとなり、「特段の事情」のない限り有利発行に当たらないとの判断を示した。

会社法 2019年12月号・実務解説

ESG情報の開示を通じた企業価値向上
――国際比較からみる日本の課題と強化策
土屋大輔

日本企業においてESG情報の開示を積極化する動きが盛んである。その一方で、機関投資家からは日本企業が開示するESG情報はCSRの視点が強すぎて正しい企業価値評価に結び付きにくいといった指摘がなされている。日本にはESGに関する情報開示の指針となる規則・ガイドラインが不在であることが、情報開示を行う企業とその利用者である投資家の負担感を高めている。本稿では、諸外国の動向をふまえ、日本においてあるべきESG情報の開示の方向性について考察する。

会社法 2019年12月号・実務解説

近時の裁判例から検討する
M&A・組織再編時の否認規定適用をめぐる最新論点
小山 浩

M&A・組織再編を行う際には、一般的に取引当事者の税負担を考慮してストラクチャーを決定する。しかし、税務当局から過度の租税回避であるとして、一般的な否認規定に基づき否認される可能性がある。令和元年6月27日、東京地裁において、一般的な否認規定に基づき否認された2つの事件に対する判決があった。かかる2つの判決を紹介するとともに、M&A・組織再編を行う際の税務上のポイントを整理する。

会社法 2019年12月号・連載

最新判例アンテナ
第20回 金融商品取引法(平成23年法律49号による改正前のもの)166条1項5号による取引規制の対象とされるための要件(東京地判令元.5.30金判1572号14頁 )
三笘 裕・平野裕佳

会社法 国際 2019年12月号・連載

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第2回 米国ジョイントベンチャーの組成とStructureの選択②
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

本連載は、米国にて、米国の州法を準拠法として組成されたジョイントベンチャー(以下、「JV」または「米国JV」という)について、公開情報をもとに、米国JVの実例や件数、 その一般的なスキーム等を検討し(第1回、第2回および第3回)、英文のJV契約のサンプル条項およびその和訳を明示しながら、米国JVに係る検討事項および問題点を紐解く(第4回以降)連載である。本連載第2回目は、第1回目に引き続き、米国JVが組成される際に選択される法人の種類とその考慮要素について検討する。

会社法 2019年12月号・連載

異業種M&Aの成功ポイント
最終回 買収後の留意点(子会社ガバナンス方針の変更)
菊池 武・森 詩絵里

第6回(前回)では、子会社のガバナンス方針の設計は買収前に検討を完了しておくべき事項であるということやその理由、子会社ガバナンスのカスタマイズパターンについて紹介させていただいた。子会社のガバナンス方針を決める際には、対象会社の力量と対象企業の事業に対する理解度をもとに、両社の関係性に合わせたガバナンス方針を定めることが重要となるといった内容である。

会社法 2019年11月号・特集3

実務指針を読み解く視点
日本のグループ・ガバナンスをめぐる現状と課題
翁百合

日本企業は、多角化やグローバル化を目指しグループ経営を展開しており、子会社不祥事などを防ぐ「守り」のガバナンスに加え、第4次産業革命という環境激変のなか、付加価値生産性向上のための「攻め」のガバナンスも重要になっている。「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」は、コーポレートガバナンス・コードを補完し、グループ経営のガバナンスのベストプラクティスを示すものである。

会社法 2019年11月号・特集3

攻めのグループ・ガバナンス
――適切なグループ設計、事業ポートフォリオマネジメント
石井裕介

経済産業省「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下「本ガイドライン」という)は、日本のグループガバナンスのあり方につき、概念的な整理と他社の実務の紹介を行うことで、各社に理論・実務の両面で示唆を与えている。本稿では、このうち、「攻めのガバナンス」と位置づけられた「グループ設計の在り方」(第2章)と「事業ポートフォリオマネジメントの在り方」(第3章)の内容を概説するとともに、各社の本ガイドラインへの向き合い方にも言及する。

会社法 2019年11月号・特集3

守りのグループ・ガバナンス
――内部統制システム、子会社経営陣の指名・報酬
松本絢子・香川隼人

2018年6月15日に閣議決定された「未来投資戦略2018-「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革-」において、引き続きコーポレート・ガバナンス改革が取り上げられており、そのなかでグループ・ガバナンスのあり方について新たに講ずべき具体的施策として言及されている。これを受け、2019年6月28日、経済産業省から「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)」(以下「実務指針」という)が公表された。この実務指針においては、従来単体で議論されてきたコーポレート・ガバナンスについて、グループ経営における実効的なガバナンスのあり方とは何かという視点でさまざまな提言がなされている。ここでは、そのなかから、I内部統制システムのあり方およびII子会社経営陣の指名・報酬のあり方について、実務指針での議論をふまえて、企業が改めて検討すべきポイントを概説する。

会社法 2019年11月号・特集3

構造的な利益相反の解消策は?
上場子会社のガバナンスと親会社の対応
笠野さち子

特に今年に入り、主要株主と上場子会社との対立が世間の耳目を集めており、国内外から、日本の上場子会社に関するガバナンスのあり方が今一度問い直されている。本稿においては、親会社と上場子会社における構造的な利益相反リスクへの実務的な対応を中心に紹介する。

会社法 2019年11月号・実務解説

取締役の報酬決定方式をめぐる近時の動向
──代表取締役への「再一任」を中心に
新木伸一・大島岳

上場企業(指名委員会等設置会社を除く)において一般的とされていた取締役報酬の決定の代表取締役への「再一任」をめぐる環境が大きく変化している。そこで、現在、取締役個人の報酬の決定類型にどのようなものがあるかを整理しつつ、報酬決定方法に影響を与える①法人税法の改正、②企業内容等開示府令の改正、さらに③会社法の改正について解説することで今後を展望する。

会社法 2019年11月号・連載

最新判例アンテナ
第19回 不正競争防止法(平成27年改正前のもの)21条1項3号にいう「不正の利益を得る目的」があるとされた事例(最二小決平30.12.3刑集72巻6号569頁)
三笘裕・小林雅人

会社法 国際 2019年11月号・連載

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第1回 米国ジョイントベンチャーの組成とStructureの選択①
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

米国は依然として日本にとって重要なビジネスパートナーと認識されているところ、日本企業の米国進出または事業拡大にあたっては、国内外の企業との間で、米国にて、米国の各州法に基づき設立される法人を利用してジョイントベンチャー(以下、「JV」または「米国JV」という)を組成するケースが数多く見受けられる。このようなJV組成の際の検討事項や契約上規定される項目は、案件の性質の違いを考慮しても、ある程度定型化が可能であるが、これらの検討事項および契約書上の対応方法等に関し、実務の視点を交えながら考察した日本語の論稿は、当職らが認識する限り、存在しないように思われる。

会社法 2019年11月号・連載

異業種M&Aの成功ポイント
第6回 買収前の留意点3(子会社ガバナンス方針の決定)
平野義明

M&Aを経験した会社からは、たとえば親会社側の不満として「子会社に裁量を持たせようと、経営にはなるべく口を挟まないようにとした結果、コントロールが効かなくなった」という話を、子会社側の不満として「親会社の経営基盤活用を期待していたにもかかわらず、放任されてしまったことに不満を感じている」という話を、しばしば耳にすることがある。よくある打ち手として、KPI(主要業績評価指標)の再設計を行い、子会社からの経営報告の質を上げただけでは、子会社へのガバナンスが十分に効いているとは言い切れないのではないか。

会社法 2019年10月号・実務解説

株主提案の内容・賛成率に変化
2019年6月総会振り返り
阿部真理子

改訂コーポレートガバナンス・コード(以下「改訂CGコード」、あるいは単に「CGコード」という)が昨年6月に公表され、その後、昨年末までの間には、改訂CGコードに基づくCG報告書が上場各社より提出された。本稿では、本年6月総会が、改訂CGコード対応後の初めての3月決算上場会社の定時株主総会であることをふまえ、執筆時点で確認することのできる各種公開資料のほか、三井住友トラスト・グループにおける証券代行業務の受託会社(以下「当社グループ受託会社」という)を対象とする調査結果による本年6月総会の概況を説明するとともに、改訂CG コードに対する上場各社の取組状況、今後の留意点等についても若干触れるものである。

会社法 2019年10月号・実務解説

「公正なM&Aの在り方に関する指針」の概要と実務上の留意点(下) 西村修一・濱口耕輔

前号では、本指針の全体像とそこで取り上げられている公正性担保措置の概要について、実務上問題となり得る論点を中心に解説をした。本号では、公正性担保措置のうち最も重要性が高くかつ実務上の影響が大きいと思われる特別委員会について、特に本指針の公表により従前の実務がどのように変わっていくことが予想されるのかという点に焦点をあてて解説をする。

会社法 2019年10月号・実務解説

ガバナンス改革の注目点となるか
社外取締役を取締役会議長とする際の留意点
塚本英巨

上場会社をめぐるガバナンス改革において、今後、「取締役会議長と最高経営責任者 (CEO)の分離」、とりわけ、社外取締役を取締役会議長とすることが求められることが予想される。社外取締役を取締役会議長とする上場会社はまだ少ないが、本稿では、そのような会社が今後増えることを見据えて、取締役会議長たる社外取締役およびそれを支える 取締役会事務局における留意点を解説する。

会社法 2019年10月号・実務解説

アメリカにおけるコーポレート・ガバナンスをめぐる視点の転換と日本への示唆 佐藤 剛

2008年の金融危機から約10年、アメリカ経済は金融市場をコアにして安定を回復したが、その恩恵を受ける少数の富裕層と取り残された大多数の勤労者層にアメリカ社会は分断され経済格差は拡大している。マックスヴエーバーが1905年に「鉄の檻のアメリカの資本主義は、異常な尊大さで粉飾された機械的化石と化する道を歩んでいく」(マックスヴエーバー著、大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫、1989)と予見したとおり、現在のアメリカの資本主義はデモクラシーとのパワーバランスを失い機能不全に陥っている。

会社法 2019年10月号・地平線

「Nice Compliance」の追求を ----弁護士が果たすべき役割 今井和男

企業にとってコンプライアンスが何よりも優先すると言われて久しい。平成8年から10年にかけて起こった企業不祥事の反省から「企業倫理の確立」が叫ばれ、コンプライアンスと内部統制 システムの確立が急務とされた。米国 SOX法・日本版SOX法(金商法)の内部統制システムの元となった米国トレッドウェイ委員会が1992年に公表したCOSO報告書のフレームワークの目的の 1つとして掲げられていた「compliance」が、「法令遵守」と当初訳されて日本に導入された。これが誤解の原因であった。

会社法 2019年10月号・トレンド・アイ

日産は"日本企業"か?
比較コーポレート・ガバナンスから検討する日産・ゴーン事件の教訓
ブルース・アロンソン

日産自動車・ゴーン事件をめぐる基本的な事実関係は、今なお明らかになっていない。 2つの相反する見解が存在し、そのどちらが正しいかを判断するのは時期尚早であろう。2つの見解とは次のようなものである。

会社法 2019年10月号・連載

最新判例アンテナ
第18回 不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続につき、 民事訴訟法118条3号の手続的公序の適合性を判断した事例
(最二小判平31.1.18民集73巻1号1頁)
三笘 裕・小宮慶久

会社法 2019年10月号・連載

異業種M&Aの成功ポイント
第5回 買収前の留意点2(異業種DD~スタンドアロンの見極め~)
菊池 武・田中大貴・森 詩絵里

企業がM&Aの目的や狙いを発表する際には、「シナジー」という言葉が常套句としてよく用いられる。M&Aにおけるシナジーとは、買った会社と買われた会社のトータルでみて、買収前よりも経済的利益が生み出されている状態を指す。つまり、単純合算以上の効果があれば、シナジーが創出されたといえ、必ずしも両社がプラスになる必要はない。たとえば、買収することで自社の売上が落ちるとしても、子会社の売上が自社の売上の落ち込み分以上に伸びるのであれば、シナジーが創出されたといえる。コストに関しても同様である。

会社法 2019年8月号・実務解説

米国M&Aにおけるサイバーセキュリティ、データプライバシーの実務 ジョゼフ・カステルチーオ・田中健太郎

世界中でサイバーセキュリティおよびデータプライバシー(以下「サイバーセキュリティ等」という)に関する関心が強まっており、これらに関する議論が活発になされているが、日本では、M&Aの文脈においてこれらの問題点を中心に検討した論考は必ずしも多くないように思われる。サイバーセキュリティ等に関する問題は、小さな綻びが広範囲かつ壊滅的な被害を企業に及ぼすリスクを含んでいること等から、企業価値に大きな影響を与える可能性があるため、M&Aの文脈において、これらの問題を検討することの重要性が増してきている。本稿では、米国実務をふまえ、M&Aにおけるサイバーセキュリティ等に係るリスクのうちいくつかのポイントを紹介するが、これらは日本においても当てはまる部分も多いことから、M&Aに関わる実務家にとっての一助になれば幸いである。

会社法 2019年9月号・実務解説

「公正なM&Aの在り方に関する指針」の概要と実務上の留意点(上) 玉井裕子・濱口耕輔

本年6月28日に公表された「公正なM&Aの在り方に関する指針」は、MBOおよび支配株主による従属会社の買収において求められる公正性担保措置について実務上のガイドラインを示すものであるが、特別委員会の機能・役割等、これまでの実務対応を大きく変え得る内容を含むものであり、M&A関係者においてその内容を十分に理解しておく必要性が高い。本稿では、この指針の内容を概説するとともに、そこで提示されている公正性担保措置の実施にあたり実務上問題となり得る論点を中心に解説する。

会社法 2019年9月号・連載

最新判例アンテナ
第17回 上場会社の株主総会決議について持株会理事長による権限を逸脱した議決権行使を理由に取消しを認めた事例(東京地判平31.3.8資料版商事法務421号31頁)
三笘 裕・坂口将馬

会社法 2019年9月号・連載

事業承継におけるM&Aの基本と心構え
最終回最良のM&Aアドバイザーとめぐりあうには?
福谷尚久

M&Aという手法を利用する際には、さまざまな観点からアドバイザーが必要になる。別の言い方をすると、M&Aを利用する事業承継の成否は、アドバイザーの善し悪しで決まるといっても過言ではない。ただその際に、最初の相談をどこにどのようにすればよいのかについての具体的なノウハウは、残念なことにあまり知られているとはいえない。

会社法 2019年8月号・特別企画

会社法の制定 江頭憲治郎

会社法制定の当初の目的は、条文の「現代語化」と会社法制を「一つの法律」にまとめることであったが、ふたを開けると、大幅な実質改正となった。とりわけ、中小会社法制に大きなインパクトをもたらした。

会社法 2019年8月号・特別企画

会社法の制定 藤縄憲一

会社法の制定作業は、会社法が経済のインフラであることが強く意識され、法律実務家が制度設計に積極的に関与した。会社法をより良いものにしていくうえで、法律実務家の責任は、今後ますます重くなっていく。