検索結果


275件見つかりました。
(151~200件目)

タグ:労働法 」と一致する記事一覧
労働法 2021年2月号・Lawの論点

日本における「合意型正社員」の可能性
――「ジョブ型」から「合意型」への道筋
野川 忍

ポストコロナ時代の労働が,従来の働き方から一変し,いわゆるジョブ型を中心とする方向に変更を迫られていることは共通の認識となっている。本稿は,問題なのはメンバーシップ型かジョブ型かではなく,無合意型から合意型への改革であることを,これまでの経緯をふまえたうえで提示したい。

労働法 2021年1月号・実務解説

独禁法・労働法の視点から検討する
社外人材活用における企業コンプライアンス 
吉村幸祐/菰口高志

多様な働き方を選択できる社会の実現が模索されるなか,企業に属さない社外人材(フリーランス)を志向する働き手が増加し,企業には社外人材を活用すべき要請が高まっている。また,働き方改革やコロナ禍を受けた副業・兼業への関心の高まりを背景に,好きなときを選んで仕事を引き受けたい働き手(ギグワーカー)を活用するギグエコノミーの拡大も予想される。本稿では,社外人材の活用にあたって留意すべき法的リスクを概観する。

労働法 国際 2021年1月号・Lawの論点

ドイツ「在宅勤務権」をめぐる議論の動向と法的検討 緒方桂子

新型コロナウイルスの発生・拡大により,世界中で「在宅勤務」が広がっている。ドイツも例外ではない。ドイツは,もともと,情報や技術のデジタル化の発展に合わせて,オフィスにしばられない働き方(モバイルワーク)を進めることを政策目標に掲げていたが,今般,突発的に発生した「在宅勤務」の普及とそれに伴う法的課題に対処するために「モバイルワーク法」の制定に向けて動き始めている。

労働法 2020年12月号・特集2

第1章 経済的・社会的背景から今後の意義を問う
成果主義人事・賃金制度の全体像
榎本英紀

本特集の主要なテーマは成果主義制度の導入に伴う法律実務の確立であるが,企業実務において,成果主義制度の導入として極めて広範な制度変更を対象とすることが想定される。成果主義制度を定義することによって初めて,本特集のテーマに即した制度変更を遍く,本特集の検討対象に取り込むことができるのである。

労働法 2020年12月号・特集2

第2章 不利益変更への該当性と有効性
成果主義制度導入が争われた裁判例の検討
吉永大樹

成果主義制度の導入は就業規則の変更によって行われることが通常であり,この変更はほぼ例外なく不利益変更に該当する。就業規則の不利益変更の有効性判断においては,さまざまな考慮要素が総合的に考慮されるため,結果の予測可能性は低いと言わざるを得ないが,過去の裁判例から考慮要素を抽出して整理・検討することが有益である。本章では,裁判例を概観して考慮要素を整理したうえ,各考慮要素につき検討を行う。

労働法 2020年12月号・特集2

第3章 現在の制度検証から労働組合との交渉まで
制度変更時のプロセスに即した実務課題と紛争予防の視点
中川洋子

本章では,既存の人事・賃金制度を(新しい)成果主義制度に変更するにあたっての留意点について,実際に制度変更を行う際のプロセスを考慮しつつ,検証する。

労働法 2020年12月号・特集2

第4章 今後の雇用契約のあり方を見据えて
移行後の制度運用で留意すべき「実体的公平」の内容と手続的担保
髙津陽介

成果主義制度の運用においては公正さが何よりも重要になる。しかし,公正さの確保は容易でなく,実体的に正しい評価を可能とするための手段をあらかじめ制度に組み込んでおくべきであり,正しい手続を踏んでこそ初めて正しい評価が可能になると考えるべきである。本章ではその注意点を整理し,今後の雇用契約について展望する。

労働法 2020年12月号・実務解説

休暇,時差出勤,テレワーク等の待遇差はどうなる?
同一労働同一賃金の視点からみた新型コロナ労務
大庭浩一郎・若林 功

各企業において新型コロナウイルス感染症への各種対策が講じられるなか,同一労働同一賃金に関する働き方改革関連法が本年4月より施行されている(中小企業を除く)。そこで,本稿では新型コロナウイルス感染症への対策を同一労働同一賃金の視点で論じることとしたい。

労働法 2020年11月号・連載

最新判例アンテナ
第30回 歩合給の計算にあたり,残業手当等の割増賃金相当額を控除する賃金規則が,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分との判別性を欠くとした事例
三笘 裕・大住 舞

今回は,タクシー事業等を営むY社(被告,第二次上告審被上告人)に雇用され,タクシー乗務員として勤務していたXら(原告,第二次上告審上告人)が,歩合給の計算にあたり,売上高(揚高)等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨を定めるY社の賃金規則上の定めが無効であるとして,Y社に対し,未払賃金等の支払を求めた事案である。

労働法 2020年9月号・特集1

テレワーク勤務,時差出勤,検温・マスク着用の義務づけ
規定例付 「新しい生活様式」に対応した企業体制の整備
山浦美卯

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が本年4月7日に発出され,各企業は,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,テレワーク勤務,ローテーション勤務,時差通勤,従業員の検温報告,社内でのマスク着用等といったさまざまな措置を講じてきた。緊急事態宣言自体は,本年5月25日に全面解除となったものの,厚生労働省から公表された「新しい生活様式」の実践例の記載内容からしても,各企業は,今後も同様の措置を講じていくことになろう。そこで,本稿では,上記の各措置を講ずるにあたって必要な事項を検討したうえで,具体的な規定例を示して,どのような企業体制を整備する必要があるのかについて解説する。

労働法 2020年9月号・特集1

労働時間管理,安全配慮義務への具体的対応
規定例付「従業員シェアリング」活用に関する法的課題
渡邊 徹

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で雇用不安は高まったまま推移している。中国では,対策として2月ごろから外食産業の従業員を小売店の配達員として就労させる従業員シェアリングが話題となり,米国の大手ホテルも,他企業と提携して従業員シェアリングを展開した。国内でも,5月ごろから外食産業における休業店舗の従業員人材を,小売業に臨時出向させる動きが話題になった。本稿では,いわゆる「従業員シェア」と呼ばれる現象について,法的な検討を加えて実務的な留意点を概観する。

労働法 2020年8月号・トレンド・アイ

健康・安全に働くために法務が「対話」を支援
withコロナ時代の70歳就業
小島健一

70歳就業時代が始まる。高年齢者にとって、雇用ではなく業務委託のもとで就業することは、労働安全衛生法と健康・安全配慮義務に裏づけられた企業の管理・支援の"傘"の外に出るということであり、傷病手当金(健康保険)も労災補償(労災保険)もなく、就業の健康・安全リスクに個人で向き合うことを意味する。

労働法 2020年8月号・実務解説

兼業・副業、フレックスタイム、テレワーク
働き方改革時代における従業員・会社間の「利益相反」と対応策
白石紘一

働き方改革の具体的施策として取り上げられることの多い、兼業・副業やリモートワークをはじめとした多様・柔軟な働き方に対する関心は、引き続き高いように思われる。他方で、これらの施策の実施は、新たな手法や制度の導入であるため、従業員や会社の意識や業務体制が追いついていないことによって不都合も生じているようである。本稿では、働き方改革によって従業員が得る"自由"と会社の"利益"との利益相反をいかに調整するかを論じる。

労働法 2020年8月号・連載

最新判例アンテナ
第27回 有効な労使協定がない計画年休制度の有効性が否定され、雇止めが無効であるとされた事例
三笘 裕・武原宇宙

本件は、英会話講師X(原告・控訴人)が、英会話スクールを運営するY社(被告・被控訴人)と締結していた1年間の有期労働契約について、1回目の更新は行われたものの、2回目の更新をY社から拒否されたため、労働契約上の地位確認と未払賃金の支払を求めた事案である。

労働法 2020年7月号・緊急解説

規程例つき出社拒否・休業時の手当の要否、感染発覚時の公表可否ほか
新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時的労務対応
佐々木晴彦

2019年末頃に中国武漢市で端を発した新型コロナウイルス感染症は、今や全世界で猛威を奮っており、わが国でも、感染拡大を阻止すべく、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を経て、2020年4月7日付けで緊急事態宣言が発令(4月16日には対象地域が全国に拡大)されている。本稿では、こうした臨時的状況において、企業がとり得る労務対応について整理したい。

民法・PL法等 労働法 2020年7月号・実務解説

今後の労務管理、裁判対応を考える
改正労働基準法における賃金請求権の消滅時効
高仲幸雄

民法改正によって、使用人の給料等に関する短期消滅時効(1年間)が廃止されるとともに、通常の債権は、①債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年間行使しないとき、または②権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年間行使しないときに時効消滅することになった。上記改正を受け、労働基準法(以下「労基法」という)でも、賃金請求権の消滅時効期間が5年(ただし、当分の間は3年)に延長される等の改正が行われた。本稿では、法改正の内容を概説したうえで、実務への影響や対応方法を説明する。

労働法 2020年7月号・実務解説

6月1日の適用開始へ向けた最終チェックを
事業主が知っておくべき各種ハラスメント指針への対応
大村剛史

今年6月1日より事業主はパワハラ防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが義務化され、セクハラ等についてもその防止対策が強化された。当該措置の内容は、今年初めに公表された厚労省策定のパワハラに関する指針、改定されたセクハラ等の指針により具体化されている。そこで本稿では、当該指針の概要を紹介し、各種ハラスメント対策のため、事業主として要求される対応を整理して説明する。

労働法 2020年4月号・特集3

安全配慮義務の観点からの検討を
「カスハラ」の定義と企業に求められる対応姿勢
有賀隆之

カスタマーハラスメント(カスハラ)に関しては、厚労省において、企業が顧客等からの著しい迷惑行為に関し行うことが望ましい取組みを示した指針が策定されるなど、セクハラやパワハラ等に次ぐ「ハラスメント」の問題として、今後、企業としての対応が求められることになるものと考えられる。そこで、現在カスハラの何が問題とされ、また企業としてカスハラに対してどのような対策を講じる必要があるのかについて概説する。

労働法 2020年4月号・特集3

まず何から・どう対策すべきか
対応方針策定・社内体制構築の視点
町田悠生子

パワハラ指針・セクハラ指針ともにカスハラへの言及があるが、企業に防止措置を義務づけているのはセクハラ指針のみであり、パワハラ指針は顧客等からのパワハラに関して防止措置を行うことが望ましいとするにとどまる。しかし、従業員に対する快適な就業環境の提供や安全配慮義務の履行の観点からは、顧客等からのセクハラとパワハラとで差はないため、顧客等からのセクハラへの対応レベルに合わせる形で統一的な対策を講ずるべきである。

労働法 2020年4月号・特集3

事実確認・訴訟の検討等
「カスハラ」発生時の対処法
南谷健太

近年、顧客からの著しい迷惑行為(以下「カスハラ」という)が社会的な問題としてクローズアップされ、従業員の精神的な負担への配慮を含めた対応が重要な問題となっている。しかし、具体的にいかなる対応をとるか判断が難しいケースが多く、仮に対応を誤った場合に、状況がより悪化したり、SNS等を通じて世間に否定的に拡散されレピュテーションが毀損されたりする可能性がある。本稿では、実際にカスハラと思わしき事態が発生した際における望ましい対応について、検討を行うこととする。

労働法 2020年3月号・特集2

日本人の「働き方」と「労働時間」再考のポイント
――労働経済学の視点から
八代尚宏

2019年度から、時間外労働の上限が月45時間・年360時間と、はじめて法律で明確に定められた。また、高度プロフェッショナル制度では年間の休業日数の制限が、また一般の労働者には有給休暇の最低取得日数も法定化された。これは残業手当さえ支払えば無制限な労働時間が容認されるという、旧来の働き方の抜本的な改革である。しかし、仕事量が変わらず人手不足も解消されないなかで、労働時間だけを削減することは容易ではない。今後は、社会全体で労働時間の抑制を通じた時間当たりの労働生産性の向上等を目指すことが、本来の働き方改革といえる。

労働法 2020年3月号・特集2

多様な働き方における「労働時間」該当性と管理のあり方 荒井太一・原田 昂

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以下「働き方改革関連法」という)が、2018年6月29日に成立し、同年7月6日に公布された。働き方改革関連法により、終身雇用制を始めとした従来の日本的雇用慣行のあり方が見直され、新しい働き方の誕生や働き方の多様化が予想される。こうした動きにより、これまであまり意識する機会が少なかったイレギュラーな労働時間の考え方について再度整理する必要性が高まっている。本稿では、働き方改革関連法による労働時間規制の概要、新しい働き方の誕生や働き方の多様化により生じる労働時間の考え方について、実務上の法律問題を取り上げ説明を行う。

労働法 2020年3月号・特集2

Q&Aで検討する「労働時間」該当性
総論正しい「目線合わせ」のために
小鍛冶広道

2017年1月20日に策定された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(以下「適正把握ガイドライン」という)は、それまでの「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平13.4.6基発339号)のいわば「アップデート版」であって、人事労務に携わってきた実務家からすれば、さほど目新しい内容が含まれたものではなかったのであるが、そのなかでも、適正把握ガイドラインの冒頭に「労働時間の考え方」、つまり労基法上の労働時間(実労働時間)該当性に関する記載が追加された点は注目されるべきであろう。

労働法 2020年3月号・特集2

Q&Aで検討する「労働時間」該当性
Q1移動時間①/Q2移動時間②/Q3企業外研修/Q4小集団活動
町田悠生子

労働法 2020年3月号・特集2

Q&Aで検討する「労働時間」該当性
Q5着替え時間/Q6自己研鑽/Q7ゴルフコンペ
小山博章

労働法 2020年3月号・特集2

Q&Aで検討する「労働時間」該当性
Q8不活動仮眠時間/Q9SEの電話当番/Q10入院検査
湊 祐樹

労働法 2020年3月号・特集2

Q&Aで検討する「労働時間」該当性
Q11接待/Q12休憩時間/Q13持ち帰り残業
西頭英明

労働法 2020年2月号・トレンドアイ

中立スキームという新たな仕組みづくり
組織を元気にする「職場ガバナンス」の構築
森淳二朗

職場ガバナンスを育てたいと考えるようになってから、もう3年になる。ガバナンスとは、よい経営を引き出すために経営者を規律づける機能や仕組みのことをいう。それを経営ガバナンスと呼ぶなら、職場ガバナンスとは、よい職場をつくるための機能または仕組みということになるが、今は企業の人と組織を元気にするための実践的工夫の段階にすぎない

労働法 2020年1月号・特集2

導入の意義から労務管理の具体的手法まで
テレワークの疑問解決Q&A
川久保皆実

いよいよ間近に迫った東京オリンピック。開催期間中の公共交通機関の混雑を避けるため、都内の企業は続々とテレワークの導入に乗り出している。また、労働力不足が深刻化するなかで、人材確保の切り札として戦略的にテレワークを導入する企業も増えている。本章では、テレワーク導入へのファーストステップとして、テレワークについてのよくある疑問をQ&A形式でまとめた。

労働法 2020年1月号・特集2

テレワーク勤務規程策定のポイント 毎熊典子

人手不足が深刻化するなか、人材の確保や柔軟な働き方が可能な組織づくり等を目的として、テレワーク勤務制度の導入を検討する企業が増えている。導入にあたり、就業規則の作成・届出が義務づけられている事項に関して、新たなルールを設ける場合は、就業規則の変更が必要となる。

労働法 2020年1月号・特集2

テレワークに適した環境整備
ICT活用と情報セキュリティ対策
義経百合子・小柏光毅・秋元勇研

テレワークとは、労働者が情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)を利用して行う事業場外勤務のことをいう。ICTを用いたツールは、その活用により効率的なテレワークを実施できる一方で、情報セキュリティ面でのリスクを伴う。本稿では、テレワークにおいて活用される各種ツールを紹介したうえで、テレワークを行ううえでの留意点等について検討する。

労働法 2020年1月号・特集2

従業員のライフスタイルに寄り添ったテレワークを可能にする
株式会社ISパートナーズの取組み
緑川恵子・和泉久美子

当社はコスメ・美容の総合サイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルの連結子会社として、2016年3月に設立した会社です。当初からフレキシブルな勤務形態を導入しており、そのなかの1つとして「テレワーク」という働き方を採用しております。

労働法 2020年1月号・特集2

活動の幅をひろげ、知的生産性を高める
弁護士事務所におけるテレワークの導入
古家野晶子

弁護士は基本的に自由業であり、業務の裁量性が高いことから、古くから、必要に応じて時間・場所を問わず、依頼事件のために働くのが通常であった。しかし、昨今の情報通信技術を活用することで、働き方の自由度は一段と高まり、新たな選択肢が増えている。日本の弁護士事務所の90%以上は、弁護士1名から5名の小規模な事業所であるそこで、本稿では、小規模な法律事務所でのテレワークの取組みを紹介する。

労働法 2020年1月号・実務解説

「不利益取扱い」の認定を避けるには
"パタハラ"をめぐる法律問題と企業対応
山畑茂之

2019年6月にカネカの男性社員が育休明け直後に遠方への転勤を命じられたことについてSNS上で「炎上」する騒ぎとなり、同じく6月にアシックスの男性社員が育休明けに配置転換が行われたことを争う訴訟提起を行うなど、立て続けに「パタハラ」が社会を賑わし注目を集めている。男性社員に対するパタハラ問題は、法的には育児介護休業法10条等が禁止する「不利益取扱い」に該当するか否かという形で争われることになり、企業はパタハラ認定を受けないように法律の判断枠組みを十分に理解して対策を講じる必要がある。

労働法 国際 2020年1月号・実務解説

事例で考える外資系企業の労務問題
──"PIP"と解雇規制を中心に
荻原雄二

外資系企業における労務問題は、グローバル組織の構造に起因して、案件処理のプロセスが日本の組織内において完結しない場合が多く、そのために法的リスクが発生することを理解することが重要である。また、PIP(業績改善計画)は、外資系企業の雇用契約や組織構造から制度目的を正確に理解すべきであり、そのうえで、日本法の解雇の正当事由に基づき内容を策定することで、解雇の正当事由を補強する手段ともなり得る。

労働法 2020年1月号・実務解説

義務化より対話を
男性育休推進の現状・課題・あり方
池田心豪

男性の育休を増やすために取得を義務化することには慎重になったほうがよい。会社からの独善的な育休の押しつけは従業員にとってベネフィットどころかペナルティになりかねない。そうならないためには、男性育児に関する理解を社内で深める対話が重要である。

労働法 2020年1月号・連載

最新判例アンテナ
第21回 労働組合と使用者との間の合意により当該労働組合に所属する労働者の賃金債権が放棄されたということはできないとされた事例
三笘 裕・坂口将馬

労働法 2019年12月号・実務解説

待遇差の内容・理由説明義務の履行へ向けた
「同一労働同一賃金」時代の人事評価・賃金制度づくり
安中 繁

同一労働同一賃金にまつわるいわゆる非正規3法(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)の改正では、非正規と正規社員間の不合理な待遇差の解消、非正規に対する待遇差の内容および理由の説明義務、法改正の実効性確保のためのADR規定等の整備、という、大きく3つの改正が行われ、企業は、自社内における正規・非正規間の待遇差が不合理なものではない理由を明らかにし、これを、非正規を含む社員に説明する必要に迫られている。待遇差の内容およびその理由の説明義務の履行(改正パート有期法14条、改正派遣法31条の2)にあたっては、非正規をも含む人事制度(評価制度・賃金制度を含む)の整備によることが最短ルートであると筆者は考える。そこで、本稿では、人事制度の整備についてLポジション®マップという手法を解説する。

労働法 2019年11月号・特集1

規制の背景をおさえ全体像を理解する
労働法の基本理念
原 昌登

本稿では、まず労働法とは何か、なぜ存在するのかを確認した後、労働法の全体像をイメージとして示す。そのうえで、労働法の基本的な考え方を明らかにしながら、労働法が企業を規制する際の手法を紹介する。「ごく基本的なことだが知っておくと実務で役に立つ」という内容を盛り込んだ。本特集を理解する土台にしてほしい。

労働法 2019年11月号・特集1

働き方の多様化でどう変わる?
使用者が責任を負う「労働者」の判断基準
岡芹健夫

労働法においては、使用者は「労働者」に対して一定の責任を負う旨が各種の法律で定められているが、「労働者」の判断には微妙なものがあるうえに、規定されている法律の種類によって、「労働者」の範囲が異なることには、注意が必要である

労働法 2019年11月号・特集1

勤怠管理だけでは不十分
「労働時間」、「休憩」該当性と把握のポイント
高仲幸雄

労働実務で裁判等のトラブルとなることが多い割増賃金の問題では、勤怠記録にない時間が「労働時間」に該当するか否か、が大きな争点となることがある。その際は、「労働時間」や「休憩」に該当するかについて、抽象的な議論ではなく、入退場記録やパソコンのログオン・ログオフ記録、業務用パソコンや携帯電話におけるメールの送受信記録や業務日報等から、実際に業務を行っていたのか?会社からの業務指示があったのか?業務からの離脱が保障されていたのか?が問題となる。

労働法 2019年11月号・特集1

選出プロセス上のリスクと回避の手法
最新判例にみる「労働者代表」の問題点
峰 隆之

改正労基法施行通達(平成30.9.7.基発0907第1号)において、「過半数代表者」は「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」とされ、適法に選任されていない者と締結した労使協定の効力が否定されるリスクが高まった。その対応について検討する。

労働法 2019年11月号・特集1

給与前払サービス、仮想通貨による支払の可否
労基法の「賃金5原則」とFinTech
安藤源太

令和元年7月1日に開催された第153回労働政策審議会労働条件分科会では、同年6月21日に閣議決定された規制改革実施計画に「フィンテックによる多様な金融サービスの提供」が定められたことを受けて、資金移動業者の口座への賃金支払が検討され、早期に検討・結論・措置を行うこととされた。ここにいうフィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語であり、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指すものとされている。

労働法 2019年11月号・特集1

企業が持つべき基本姿勢を再確認
「同一労働同一賃金」の概要と対応ポイント
近衞 大

改正労契法20条の施行以後、いわゆる「同一労働同一賃金」の問題がクローズアップされていたところ、働き方改革関連法の実行に伴い、パート法、派遣法が改正され、非正規雇用労働者全般について、企業が「同一労働同一賃金」問題に対処する必要が生じている。しかし、根本的な概念である「同一労働同一賃金」の意味が不明確であるため、議論が錯綜している。本稿は、最高裁判例をふまえた現時点での議論を概説するものである。

労働法 2019年11月号・特集1

労使双方の行動変化を見据えた検討を
賃金等請求権の「消滅時効」をめぐる議論の概要
安藤至大

改正民法では、短期消滅時効の規定が廃止され、一般債権の消滅時効が5年または10年に統一される。それにより賃金等請求権の消滅時効は、改正民法の水準を労働基準法が2年に短縮する形になる。そこで厚労省において時効を2年よりも伸ばすべきかの検討が進められている。ただし検討の際は、現行制度下での人々の行動を前提とはせずに、新制度下の行動を分析する必要がある。

労働法 2019年9月号・特集1

該当性判断の基準と企業の防止義務
パワハラ法制の概要と施行までの準備対応
安倍嘉一

令和元年の5月29日、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(旧雇用対策法。以下「労働施策総合推進法」という)の改正案が成立し、いわゆるパワーハラスメントに関する法律が新たに設けられた。そこで本稿においては、法律の概要と施行までに企業がしておくべき対応について概説することとする。

労働法 2019年9月号・特集1

どのような言動がパワハラと判断されるか?
裁判例にみる業務指導との境界線
近藤圭介・益原大亮

今般、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」が改正され、同法により、パワハラ防止措置義務が新設されたことで、パワハラについて世間の関心は高まっているが、パワハラと業務指導との境界線が曖昧なこともあり、パワハラに該当するかどうかの判断は困難を伴う。本稿では、パワハラ該当性につき、過去の裁判例を通して、どのような事実に基づいて判断されるのかをみていくこととする。

労働法 2019年9月号・特集1

調査、事実認定の際に持つべき担当者の視点
申告から会社対応決定までの思考フロー
秋月良子

社員からパワハラの申告を受けた場合、使用者としては、どこまでが事実として認められるか、その事実がパワハラに当たるといえるか、あるいは調査後の対応等、いろいろなことを考えなければならない。しかし、これらを順序よく、またそれぞれを区別して考えないと、使用者として最終的な対応を誤りかねない。本稿は、使用者がパワハラの申告を受けた際に、何をどのような手順で行うべきかを整理したものである。

労働法 2019年9月号・特集1

パワハラの程度に応じた裁判所の判断ポイント
適切な懲戒基準の策定・運用
中井智子

社内でパワハラと思われる事案の申告を受けた場合、会社はまず迅速に事実関係の把握に努め、これらの事実調査を行ったうえで、パワハラと評価される行為か否かを判断する。パワハラと評価されれば、その結果に応じて、行為者に対する懲戒処分や配転などの必要な人事上の措置を行う必要がある。本稿では、事後措置の1つとして行為者に対する懲戒処分を検討する際の留意点を紹介する。特に、懲戒処分の程度について悩む会社も多いであろうと思われるため、懲戒処分の程度について争点になった裁判例を取り上げて検討する。

労働法 2019年9月号・特集1

争うべき事案・和解すべき事案の分かれ目は?
訴訟追行、和解における留意点
盛 太輔

本稿では、たとえば、社員が会社でパワーハラスメント(以下「パワハラ」という)を受けたと主張して、会社に対して損害賠償請求訴訟を提起した場合のような、パワハラに関する紛争が訴訟となった場合(以下、便宜的に「パワハラ訴訟」という)を想定して、会社側の対応上の留意点について検討する。近時、労働をめぐるトラブルについては、労働者側が記者会見その他の方法による情報発信を行うことが多い。それらはメディアやインターネット等を通じて社会に拡散され、会社のレピュテーションの低下をもたらすことになる。パワハラは、労働者側が会社に対して怒り、恨み等の感情を強く持ちやすい紛争類型であること等から、労働者側による情報発信も多く、それによる会社のレピュテーション低下のリスクを無視することはできない。