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会社法 2019年3月号・特集1

わが社の総会活性化策・準備対応
グリー株式会社 
電子化への試み・イベントノウハウを生かしたIT総会の進化
松村真弓

上場会社の株主総会を取り巻く環境は大きく変わりつつある。各社の状況も異なり、株主総会のあり方はますます多様化するだろう。実務はどのようにアップデートされるのか。グリー株主総会の数年間を振り返りながら、今後について考えてみたい。

会社法 2019年3月号・特集1

わが社の総会活性化策・準備対応
ライフネット生命保険株式会社 
日曜開催などリアルな交流を促進する
オンライン生保が取り組む「顔のみえる株主総会」運営の工夫
加藤あゆみ

ライフネット生命は、2008年5月に開業し、2012年3月に東証マザーズに上場した、インターネットを主な販売チャネルとする生命保険会社である。当社は、オンライン生保だからこそ、株主総会を株主のみなさまをはじめとするステークホルダーと直接お会いすることができる貴重な接点と位置づけている。「オープンな対話」「わかりやすさ」「公平性」「長期的視野」「挑戦」という当社のIR活動における5つの基軸を掲げたIRマニフェストに基づき、「顔のみえる株主総会」をテーマに運営している。

会社法 2019年3月号・特集1

わが社の総会活性化策・準備対応
サイボウズ株式会社株主との関係性を変える
「ワクワクする総会」実現のための具体策
田中那奈・山羽智貴

株主総会について考えたときワクワクすることはあるだろうか。準備や当日の運営の大変さを思い浮かべてゲッソリする方も多いのではないだろうか。「チームワークあふれる社会を創る」「チームワークあふれる会社を創る」を企業理念に置く当社では、数年前から総会や株主との関係について模索し、試行錯誤している。自分たちの理想とする総会や株主との関係を実現するにはまだまだ道のりは長そうだが、それでも毎年少しずつ変化してきており、その変化に毎年ワクワクしながら進めている。

会社法 2019年3月号・特別寄稿

日産自動車事件から考える有価証券報告書の虚偽記載罪

─役員報酬・関連当事者との取引
弥永真生

日産自動車株式会社をめぐるマスコミの報道では、有価証券報告書において、ゴーン氏の役員報酬が過少に計上されていたことが主要な問題の1つであるとされ、また、ゴーン氏の姉に対する財産上の利益供与があったともされている。そこで本稿では、これをヒントに、以下の【設例】により、金融商品取引法上の有価証券報告書虚偽記載罪との関係での問題点を考察する。

会社法 2019年3月号・連載

会社法改正後の株主総会電子提供制度への実務対応
第3回 Q13〜Q16
伊藤広樹・茂木美樹

Q13:会社が株主総会資料の電子提供制度を採用する場合、招集通知に法定記載事項以外の事項(任意的記載事項)を記載することや、他の資料を同封することは許されるのでしょうか。

会社法 2019年3月号・連載

法務担当者のための非上場株式評価早わかり
第3回 DCF法を理解する(上)
明石正道・内村匡一

第1回および第2回の解説から、非上場株式の評価においてもDCF法が重要であることはご理解いただけただろう。しかしながら、DCF法による算定書には専門用語が多く並び、法務担当者の方にとっては難解に映る面があるのは否めない。第3回では、ファイナンスの知識に極力依存しない形で、DCF法に関する直観的、概括的な解説を試みる。

会社法 コンプライアンス 2019年2月号・特集2

対談 鋭敏なセンスを養う
レピュテーションリスクの本質と法務の役割
國廣 正・竹内 朗

目に見える書かれたルールに違反するリスクを管理するのが法務の役割といった古い考え方があります。しかし、社会が企業を見る目が時代の変化とともに厳しくなり、ステークホルダーからの社会的要請も、より高度なものになっている現代の企業法務は、法令遵守対応にとどまっているのでは時代遅れです。法務は、まさに今回取り扱うレピュテーションリスクを想定しリスク管理をしなければなりません。ところが、レピュテーションリスクという概念は、明確な定義はありません。そこで、レピュテーションリスクはステークホルダー論、企業価値論であり、法務の主戦場なのだということを理解する必要があります。これが今回、レピュテーションリスクを「ビジネス法務」誌でとりあげる意味です。

会社法 コンプライアンス 2019年2月号・特集2

概念の整理と可視化の手法
レピュテーションリスクとは何か
五木田和夫

今、企業にはビジネスを通じて社会を豊かにする価値の拡大が求められている。経済的な価値だけでなく、社会的な価値の側面が注視される。一方、昨今は、品質不正や加重労働自殺にみられるような企業不祥事が頻発している。社会的責任を大きく逸脱する重大な不祥事や事件・事故の影響でレピュテーションが著しく低下し(レピュテーションリスクの顕在化)、業績の悪化や倒産の憂き目に遭う企業もある。本稿では、まず「レピュテーションとは何か?」という視点から、その用語の使われ方の変遷や背景、類似概念との相違点を整理したうえで、レピュテーションリスクの正体として定義や概念の検討を深めるとともに、レピュテーションの評価やリスク影響度の計測の手法も考察する。

会社法 コンプライアンス 2019年2月号・特集2

INTERVIEW 株式会社メルカリ
リスクの発現を防ぐ社内連携と法務の姿勢
岡本杏莉

企業にとってレピュテーションリスクの重要性は増してきています。法務部も、純粋な法的リスクがある場面ではなくとも、自社のビジネスや行動・姿勢等が社外からみてどのようにみえるのかを考えていかなければなりません。純粋な法的リスクであれば、検討しなければならない範囲が比較的限定的であったり、回避方法が明確な場合もあります。対してレピュテーションリスクは、リスクになり得るかをより広い範囲で考えなければならず、なり得るとしてどのように対応するかは企業のポリシー次第であり、大きな裁量があります。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

投資家が期待するガバナンス体制の構築 高山与志子

対話が進んだ主な背景としては、2014年と2015年にそれぞれ制定されたスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード両方において、企業と投資家の対話が強調されていることがあると思います。3年後の改訂版においてもそうです。スチュワードシップ・コードでは「対話」「エンゲージメント」という言葉が数多く出てきますが、それは単に互いに話をすることを意味しません。投資家は目的をもったうえで企業との対話に臨みます。同コードでもエンゲージメントは「目的を持った対話」とされています。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

議決権行使結果の個別開示をふまえた対話の必要性 依馬直義

最近の動きとして、2017年5月に日本版スチュワードシップ・コードの改訂が行われましたが、最も注目されたポイントは、議決権行使結果の個別開示といえます。来は誰がどの議案に賛成、または反対したかということは公にはならなかったのですが、これが開示されるようになり、機関投資家がどの企業のどの議案に対して賛成、あるいは反対したかということがわかるようになりました。企業としても、反対理由の一部も含め誰が反対したかという事実を特定できるようになりましたので、対話のきっかけになったと考えられます。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

バランスシートマネジメントに不可欠な資本コスト認識 三瓶裕喜

"建設的な「目的を持った対話」"(エンゲージメント)を当社が推進するにあたっての統括をしています。当社ではアナリストやポートフォリオマネジャーらが投資判断をするために各社にさまざまな情報を確認しますが、スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードでは一方的な質疑ではなく双方向の対話が求められています。アナリストらが確認した情報をふまえ企業価値向上に必要な改善点について企業と共有するために、建設的な対話を計画・実践するのが私の仕事になります。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

ESGで進化するコーポレート・コミュニケーション 平田 智・佐原珠美

投資家がESGを投資判断軸の1つとして考えるようになったためです。ESG投資は、2006年に国連が機関投資家に対してESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI)を提唱したところから始まります。ESG投資は、徐々に全世界に広がりをみせ、2016年には、世界の運用資産残高に占める割合が4分の1以上にまでなりました。ESG投資拡大の背景には、財務情報だけで企業を判断することが難しくなってきたことがあります。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

企業実例ガバナンスを支える取締役会室の働き 藤原幸一

取締役会室は2017年5月に発足してまだ1年半ほどの組織です。従前は法務部長が取締役会の事務局も兼務しておりましたが、ガバナンス強化の流れのなかでその機能を独立させ、現在3名で業務をしております。取締役会室は、経営企画や広報、さらに秘書部とともに戦略本部という執行側に属しており、取締役会の運営を支えその実効性を高め、ガバナンスの向上を図ることを目的としています。議案のまとめ、資料作成や議事録作成等を行い、同時に、取締役へのさまざまなサポートを行っております。

会社法 2019年2月号・インタビュー特集

実務の視点改訂CGコードで検討するアクティビスト対応 小室 亘

2018年6月1日にコーポレートガバナンス・コードが改訂されましたが(以下「改訂コード」という)、指名・報酬委員会を設置するなど新たな対応検討が必要になる上場企業も多いかと思います。一方で、投資先企業の経営陣に積極的な提言を行い、企業価値の向上を目指す、いわゆる「物言う株主」(アクティビスト)の動きも活発化している状況です。最近のアクティビストの株主提案内容をみると、改訂コードに即した提案をしているようなケースも散見されます。

会社法 2019年2月号・INTERVIEW

外国人社外取締役登用の理念と事務局サポートの心得 田中久美恵・奥須賀勇二郎・村岡有紀子

当社は指名委員会等設置会社であり、取締役は現在12名おります。昨年まで業務執行を行っていた会長と現職の社長を除く10名がいわゆる社外取締役・非業務執行取締役であり、そのうち2名が外国人です。1名は、米国弁護士のジョン・ルース氏です。同氏はシリコンバレーのテクノロジー関係・企業法務に強い弁護士事務所にて長年勤務しており、2009年から13年までは駐日大使を務めた経験があります。ビジネス・行政・国際渉外に精通しており、そうした経験・知見が指名理由となりました。なお、現在は、指名委員会・報酬委員会の委員も務めています。

会社法 2019年2月号・実務解説

国際機関による初の手引書
「責任ある企業行動に関するOECDデューディリジェンス・ガイダンス」の概要
宇都宮智会・久禮由敬

2018年5月、経済協力開発機構(OrganisationforEconomicCo-operationandDevelopment、OECD)は、「責任ある企業行動に関するOECDデューディリジェンス・ガイダンス」(OECDDueDiligenceGuidanceforResponsibleBusinessConduct)を公表した。企業に対してサプライチェーン全体でのデューデリジェンスを求める声が世界的に高まるなか、本文書は実務における1つの道標となり得ると考えられる。本稿では、本文書の概要を俯瞰したうえで、日系企業の経営上の対応や意味合いについて考察する。なお、本稿における見解は、筆者らの私見であることをあらかじめご了承いただきたい。

会社法 国際 2019年2月号・連載

法務が主導するアジア子会社管理
第1回 アジアにおける法務・コンプライアンス体制の現状と課題・提言
栗田哲郎

今般、日本企業内部の不祥事が明るみに出る事例が多発しており、そのような場合、監督省庁からの行政処分、株主・消費者からの経営責任を追及する訴訟などの法的リスクの発生はもちろん、企業の健全性に対する信頼が損なわれるレピュテーションリスクは計りしれない。また、日本企業の経営がグローバル化するなか、アメリカのFCPAやイギリスのBriberyActなど域外適用がなされるコンプライアンス法規が浸透し、日本・アジア地域でのコンプライアンス違反の影響は当該地域に限定されず、全世界のビジネスに多大な影響を与えかねない。こうしたなか、日本企業は、日本国内の法令、省庁ガイドライン・通達、民間の自主ガイドライン、企業倫理などだけではなく、海外のコンプライアンスに係る規律も遵守する必要があり、海外子会社において法令の遵守体制を構築する必要がある。

会社法 2019年2月号・連載

法務担当者のための非上場株式評価早わかり
第2回 非上場株式の評価手法
明石正道・中川宗典

第1回では、最近の公表事例を題材に、第三者機関による評価結果から実際の取引価格が決まるまでの流れを概観した。今回は、そのなかで登場した一般的な評価手法の特徴と機能を整理するとともに、評価手法との関連性を有するとされる非流動性ディスカウントおよびマイノリティ・ディスカウントの考え方について概説する。

会社法 2019年2月号・連載

会社法改正後の株主総会電子提供制度への実務対応
第3回 Q9〜Q12
伊藤広樹・清水博之

Q9:社が自社のウェブサイトで電子提供措置を実施する場合、電子提供措置事項以外に、実務上、どのような情報を掲載することが考えられるのでしょうか。

会社法 2019年1月号・実務解説

補償範囲などに大きな違いが
米国型・欧州型の表明保証保険の比較と利用検討
宍倉浩司

世界的なカネ余りも追い風となっており、M&A全体では2018年上期には前年同期実績から6割超増え、約2.5兆円と過去最高を記録したようだ。また、空前の低金利や国内マーケット縮小に対する懸念が後押しして、日本企業によるクロスボーダーM&Aの件数も増えている。M&Aは、新規事業の立上げや事業の多角化・国際化などの経営戦略を実践するうえで有効な手段だが、その反面、ターゲット企業に内在するさまざまなリスクへの対処を誤ると、買収後に大きなトラブルを抱え込むことにもなりかねない。そのようなリスクをヘッジする手段として、表明保証保険の活用が脚光を浴びている。

会社法 2019年1月号・実務解説

「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」改訂の概要と企業対応 松村謙太郎

経済産業省は2018年9月28日に「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」(以下「CGSガイドライン」という)の改訂を公表した。かかる改訂により、社長・CEOの後継者計画に関する内容の充実が図れるとともに、取締役会議長、社外取締役、指名委員会・報酬委員会等に関してもいくつか興味深い提言が追加されている。今後の企業の実務対応として、CGSガイドラインの内容をふまえて自社に適した取組みを模索することが求められる。

会社法 2019年1月号・連載

会社法改正後の株主総会電子提供制度への実務対応
第2回 Q5〜Q8
伊藤広樹・中川雅博

Q5:株主総会資料の電子提供措置として、株主総会資料を自社のウェブサイト以外に掲載することも許されるのでしょうか。たとえば、EDINET(開示用電子情報処理組織)を利用して株主総会資料を掲載することも可能なのでしょうか。

会社法 国際

海外最新コンプライアンス事情
最終回 ロシア
小林英治・松嶋希会

ロシアでは、法令遵守に多くの書面の作成が要請され、また、各行政機関が定期的に調査に入るため、企業の事務負担は重いといわれてきた。しかし、ロシア政府は、近年、事業者の行政対応の負担を軽減するため、行政調査の効率性を高め、形式的な調査を抑制する方針を打ち出している。さらに、各行政機関に対して、調査対象となり得る事業者の基準を設定して公開するよう指示するとともに、事業者に対して、かかる基準に照らして自社を査定し、積極的に法令遵守体制を整備することを推奨している。

会社法 2018年12月号・実務解説

改正法の概要と規定令
M&A契約における対米外国投資委員会(CFIUS)対応
関本正樹

米国の国家安全保障の観点から外国資本による米国企業の買収等を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告に基づき、米国大統領の買収禁止命令が近年相次いで出されていたところ、CFIUSの権限を強化する法律が2018年8月に成立した。かかるCFIUS改革法の概要を整理するとともに、M&A契約におけるCFIUS対応について検討する。

会社法 2018年12月号・実務解説

子会社売却・再編の進め方と部門間連携のあり方 小川嘉太郎

子会社売却・再編では、法務部が関与すべき場面が多々あるにもかかわらず、他部からは"蚊帳の外"として扱われることも少なくない。これまでの子会社売却・再編の経験をふまえて、法務部が他部にどのような働きかけをすべきかを共有したい。

会社法 2018年12月号・連載

法務担当者のための非上場株式評価早わかり
第1回 算定書の評価結果をどう読むか
明石正道・岡野健郎

平成28年7月に下されたジュピターテレコム事件最高裁決定は、わが国における企業買収の実務に多大な影響を及ぼすものとして注目された。当該決定では、一般に公正と認められる手続により公開買付けが行われ、公開買付価格と同額で二段階買収が行われた場合、原則として公開買付価格を取得価格とするのが相当との判断が下された。これを契機として、株式価値が争われる裁判の争点は手続の公正性に移っている。しかしながら、このような流れは、必ずしも株式価値算定の重要性が低下したことを意味するものではない。「一般に公正と認められる手続」が行われたかどうかの認定は、第三者委員会の設置、専門家の意見の聴取といった事実の存在だけを基準に行われるものではなく、それぞれの手続に実効性があったかどうかについての検討を伴うからである。かかる検討の対象には、株式価値算定書の記載内容の合理性も含まれるため、法務担当者がその意味するところを理解すべき必要性はむしろ高まっている。本連載では、年間数百件の企業価値評価に携わっている筆者らが、4回にわたり、法務担当者として非上場株式の評価結果から何を読み取るべきかを伝授する。

会社法 2018年12月号・連載

会社法改正後の株主総会電子提供制度への実務対応
第1回 Q1〜Q4
伊藤広樹・茂木美樹

Q1:現在、政府では会社法制(企業統治等関係)の見直しが検討されていますが、その見直しのなかでは、「株主総会資料の電子提供制度」という制度を新たに創設することが検討されているようです。これはどのような制度なのでしょうか。

会社法 国際 2018年12月号・連載

海外最新コンプライアンス事情
第4回 ベトナム
三木康史

ベトナムは、よくも悪くも、贈答・接待がビジネスにおいて重要な役割を果たす国である。企業同士の取引では担当者レベルでの贈答・接待は日常茶飯事であるし、税関・警察・許認可当局を含む公務員であっても例外ではない。日系企業の現地法人でも、税務調査における税務署員からの賄賂の要求、通関時の通関職員からの賄賂要求、投資・事業ライセンスの取得・拡張時の許認可当局からの賄賂要求、購買担当者によるサプライヤーからのキックバックの受領など、贈答・接待をめぐる問題は枚挙に暇がない。「日系企業の購買担当になると家が建つ」という笑い話があるほどである。

会社法 2018年11月号・特集1

「法務が強い」とはどういうことか
企業の意思決定過程と法務部門の権限・組織
伊藤ゆみ子

本年4月、「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」(以下「研究会」という)の報告書(以下「報告書」という)が経済産業省により公表された。筆者は、研究会の臨時委員として、その議論の一部に参加する機会を得たのであるが、本稿では、「企業の法務能力」を向上させるという観点から、研究会が課題の一類型とした「組織・オペレーション」について、報告書の内容にも触れつつ、筆者の考えを述べることとしたい。

会社法 2018年11月号・特集3

社外取締役に求められる役割と選任時の視点 中西和幸

上場している大企業にとって、社外取締役を選任することは、今や普通のこと、常識ともいえる。現在は、単に社外取締役を選任するだけでなく、社外取締役の独立性や多様性、専門性などの要素を、どの程度求めるか、がポイントとなっている。そのため、社外取締役を実際に選任するためには、社外取締役に求めるものや社外取締役に必要とされる要素を考慮し、探し方から候補者を適切に絞り込む過程において、十分な工夫と検討が必要である。

会社法 2018年11月号・特集3

社外取締役の再任・交代の留意点 松山 遙

会社法改正およびコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」という)の適用開始を受けて、社外取締役の選任が本格的に進み始めてから、すでに数年が経過した。多くの上場企業において、複数の社外取締役が選任されるようになり、取締役会の議題の選定や資料の作成・事前説明の方法等が工夫され、指名・報酬に関する諮問委員会も設置されるなど、社外取締役を活用したガバナンス体制の構築・運用が進んでいる。社外取締役の果たすべき役割・機能が大きくなってくるなか、次なる課題として、社外取締役のサクセッションについても検討しておかなければならない。

会社法 2018年11月号・特集3

経験から語る
女性社外取締役活用の有用性と課題
金野志保

私は2005年に初めて上場企業の社外役員を拝命した。就任当時、社外役員業務を行うためにコーポレート・ガバナンスを学ぶにつけ、「まもなく企業に女性役員が必要とされる時代が来る」と感じていたが、はたして時代の波が押し寄せ、現在は3社の上場企業の社外取締役(および1社の社外監査役)を務めさせていただいている。「女性社外取締役」という、これまでに先例があまりなかったポジションに就くということは、企業側も就任側も何かと苦労が多く、本稿ではその試行錯誤をお伝えしたい。もっとも、私は単なる一実務家であり、必ずしも学術的なエビデンスに基づかない稚拙な考察も多々あるかもしれないが、その点はどうかお許しいただきたい。

会社法 コンプライアンス 2018年11月号・実務解説

今秋より運用開始!
内部通報制度に関する認証制度の概要
遠藤輝好

いよいよ企業の内部通報制度の認証制度がスタートする。具体的には、この秋には「自己適合宣言制度」が、そして、平成31年度には「第三者認証制度」が始まる。コンプライアンス経営の要である内部通報制度に対する評価は、取引先や投資家等ステークホルダーの重要な関心事であり、企業の対応は喫緊の課題である。そこで、本稿では、企業が認証制度にどう向き合えばよいか、ポイントを解説する。なお本稿では以下、後掲の報告書で提案されている「内部通報制度認証」を制度の名称として用いる。

会社法 2018年11月号・実務解説

日米の裁判事例から読み解く
株式価値評価における「取引価格」採用の考え方
池谷 誠

本誌2016年12月号の拙稿において、少数株主の締出し(スクイーズド・アウト)を伴う組織再編に係る反対株主による株式買取請求事件について、株式価値評価に係る主要な論点について整理したが、本稿では、それらの論点のうち、組織再編等において当事者間で合意された実際の取引価格(合併価格)が公正な価格として認められるかどうかという論点につき、最近の事例を基礎として検討する。また、わが国の事件とともに、株式価値評価に係る豊富な事例が蓄積されているデラウェア州の事件についても同様の論点が存在するため、基本的な考え方の違いがどこにあるか、比較検討する。なお、本稿において意見に係る部分は筆者の所属する組織とは関係がなく、筆者の個人的見解である。

会社法 2018年11月号・LAWの論点

議決権のない株主と総会決議取消しの訴え 近藤光男

従来の通説によれば、株主総会決議取消しの訴えを起こす権利は議決権の存在を前提とするものであり、議決権のない株主にはこの権利を否定する。しかし、最近の下級審判決には議決権のない株主にも提訴権がある旨の判示がみられた。本稿は、株主が議決権を行使できない場合をいくつかに分けて、決議取消しの訴えを起こす権利と議決権の関係を検討する。

会社法 2018年11月号・地平線

勇気ある社外取締役に逃げられない
実効的なガバナンス体制の構築を
岡 俊子

6月の株主総会シーズンが終わると、決まってこういったメールが届く。「某大企業から、女性の社外取締役の候補を尋ねられています。この質問にはいつも困ってしまうのですが、どなたかお心当たりの方はおられませんでしょうか?」知人の女性社外取締役からである。2015年にコーポレートガバナンス・コードが策定されて以来、コーポレート・ガバナンス先進企業と、社外取締役をお飾りにしている企業との差はさらに開いてきている。

会社法 国際 2018年11月号・連載

海外最新コンプライアンス事情
第4回 インド
大河内亮

インドにおいては1990年代に市場開放や外国からの投資の誘致を積極的に進める方向に政策を大きく転換し、ナレンドラ・モディ首相が率いる現政権は、その流れをさらに強力に推し進めようとしている。先進国の企業活動がインド国内で盛んになるにつれて、徐々にコンプライアンスの重要性に対する意識も高まりをみせている。また、2000年代に入ると、近代的な競争法が制定された。さらに、労務においてもセクシャル・ハラスメントに関する立法・施策が導入されており、個人情報を保護するための法制度の一層の整備のための検討も進められている。このように、インドにおいてコンプライアンスが求められる事項は増加し、その水準は引き上げられている。

会社法 2018年9月号・実務解説

M&AでのExitを想定した
ベンチャー投資契約における条項作成の留意点
小名木俊太郎・小林哲士

時価総額6、000億円超で新規上場を果たしたメルカリのように、ベンチャー企業は、日本の経済成長に大きな影響を与える存在となってきている。このようなベンチャー企業にとって、投資(エクイティ・ファイナンス)は必要不可欠なものであり、その際に締結される投資契約の重要性は非常に高いものである。本稿では、経済産業省が公表した資料をもとに、M&AによるExitを想定した投資契約について解説する。

会社法 2018年9月号・連載

最新判例アンテナ
第6回 取締役解任議案の株主総会への上程に係る取締役会決議につき、当該取締役が特別利害関係取締役に当たるとされた事例(東京地決平29.9.26金商1529号60頁)
三笘 裕・金田 聡

会社法 国際 2018年9月号・連載

海外最新コンプライアンス事情
第2回 タイ
安西明毅

タイは、東南アジア諸国連合(ASEAN)における製造業を中心とした日系企業の最大の集積地として成長を遂げたという歴史的経緯より、多くの日本企業のタイ拠点が存在し(2018年4月現在のバンコク日本人商工会議所の会員数は1、764社である)、近年ではサービス業の進出も盛んとなり消費市場としても発展をしている。そこで、世界的な潮流に従い子会社のコンプライアンスを充実させるという多くの日本企業にとり、タイ子会社のコンプライアンス問題というのは非常に関心の高いところである。本稿では近年法改正のあった事項を中心に、タイのコンプライアンス上重要と思われる点につき、解説する。

会社法 2018年8月号・特集1

資本コストの的確な把握で攻める
投資家と企業の対話に期待すること
小口俊朗

コーポレートガバナンス・コード改訂と対話ガイドラインに反映された5つの論点は、コード策定後に浮き彫りとなった克服すべき課題であり、企業年金に関する事項を除けば、資本コストがキーワードとなる。コードが目指す「攻めのガバナンス」を実現させる原動力として、投資家と企業の対話への期待は大きいが、今回の反映をもって、痛みを伴う課題の実現に向かうと考えるのは早計であり、対話の真価を問われるのはこれからである。

会社法 2018年8月号・特集1

数値にみるあるべき姿
独立社外取締役と取締役会構成
酒井 功

本年6月1日、東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コードを改訂し、同時に金融庁は「投資家と企業の対話ガイドライン」(以下「対話ガイドライン」という)を公表した。今回のコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」という)の改訂は、独立社外取締役の3分の1への増員を求める内容とはならなかったが、独立社外取締役の適格性と多様性を明確に要求する内容となっている。取締役会の実効性を高めるためには、形式基準である独立社外取締役の人数に注目するだけでは十分でないことは明らかである。改訂CGコードが、適格性と多様性を備えた独立社外取締役の存在こそが、実効性のある取締役会の前提条件となることを明確にした点は極めて意義深いと考える。

会社法 2018年8月号・特集1

指名委員会等を適切に活用する
CEO選解任手続と後継者計画の策定・運用
濱口耕輔・小宮慶久

CEOの選解任基準・手続や後継者計画は、近時のガバナンス改革において注目を集めている最も重要なテーマの1つである。もっとも、現状ではCEOの選解任基準・手続や後継者計画の策定・運用の方法は必ずしも明確とはいえず、対応に苦慮している会社も少なくない。本稿では、CEOの選解任基準を策定する際の留意点とともに、後継者計画の整備を含めた選解任の手続について若干の整理を試みる。

会社法 2018年8月号・特集1

コードの要求事項と一歩先の対応
政策保有株式の縮減と開示
後藤晃輔

政策保有株式は、現在、縮減傾向にあるものの、事業会社における縮減は緩やかで、その議決権の割合も引き続き高い水準のままである。今般のコーポレートガバナンス・コードの改訂により、政策保有株式を縮減させていくことが原則とされ、保有することの合理性について積極的な説明・開示が求められるとともに、保有させている側にも一定の行動が求められることとなった。また、議決権行使基準についても、具体的な基準を策定・開示することが明文化された。

会社法 2018年8月号・特集1

スチュワードシップ責任を果たすカギは?
企業年金のアセットオーナーとしての実務対応
市川佐知子

新たに加えられている原則2−6は、上場企業に、年金アセットオーナーとして機能すること、具体的には人材の配置・予算の確保を求めている。上場企業が投資家の側に立つことを求められるのはなぜなのか。従業員の老後生活を支える年金基金のガバナンスは、法的に、およびインベストメント・チェーンのなかでどのように守られるべきか。上場企業が実施すべき活動について海外年金基金の例、厚生労働省のガイドライン等から考えてみたい。

会社法 2018年8月号・特別企画

国際比較・経済分析で検討するガバナンスの強化 太宰北斗

ガバナンス強化に向けた取組みは、非上場企業にも必要だろうか。企業の財務データを用いた昨今の研究を振り返ると、実は、非上場企業であるからこそ、適切なガバナンスが必要だ、ともいえる。これはコーポレート・ガバナンスという考え方自体が、いかに資本効率を高めるかを目的としているからに他ならない─。さて、コーポレート・ガバナンスとは何だろうか?経済学の視点からいえば、「資本の提供者が提供額に見合った適切な利益を自分の手元に取り戻すための仕組み作り」と定義できる。つまり、不正防止といった側面は必ずしも重要ではない。問題は、資金を託された経営者などのエージェントが、プリンシパルたる資本提供者の期待どおりに動くとは限らず、両者の間にエージェンシー問題が生じることにある。これを解決することがコーポレート・ガバナンスの焦点なのだ。

会社法 2018年8月号・地平線

新コード、対話ガイドラインが求める「待ったなし」の経営改革 三瓶裕喜

新コーポレートガバナンス・コードでは、従前の73項目のうち10項目が改訂され、5項目が新設された。企業は部分最適的に改訂・新設項目のコンプライ・オア・エクスプレインを検討するのではなく、今一度全体を俯瞰して再考することが重要である。投資家は「投資家と企業の対話ガイドライン」に沿って順に質問するのではなく、個々の企業の状況によって課題、優先順位、適切な時間軸が異なることをふまえ、焦点を絞り企業価値向上への取組全体の整合性を検証する姿勢で対話に臨むべきである。ガイドラインには、3つの重要なメッセージが込められていると理解する。

会社法 2018年8月号・連載

最新判例アンテナ
第5回 金融商品取引法116条1項5号の「知った」の意義を示したうえで、金融庁長官による課徴金納付決定を取り消した事例(東京高判平29.6.29金商1527号36頁)
三笘 裕・大澤 大

会社法 2018年8月号・連載

会社法改正議論を追う
最終回 社外取締役関係規定等の新設
西村 賢・中島雪枝・矢野亜里紗

昨今、会社の不祥事が話題になるにつれ、海外機関投資家を中心に、株主の利益を確保する等の観点から、取締役等業務執行者の業務執行に対する監督機能を強化すべきとの声が高まってきており、独立した客観的な立場から会社経営の監督を行い、また、経営者または支配株主と少数株主との間の利益相反の監督を行う者として、社外取締役の役割が重視されてきている。