最新号

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2026年7月号

発売号   1,850 円(税込)

特集1

最新 英文契約実務の留意点
――AI活用,一般条項,特別条項

特集2

26年10月施行「カスハラ・就活セクハラ」対応のポイント

特集1
最新 英文契約実務の留意点
――AI活用,一般条項,特別条項
英文契約は,日本企業どうしで締結する和文契約書とは異なる点も多く,単に和文契約を英訳しただけでは通用しない場合も多々あります。また,最近ではAI も進歩しており,効果的に使うことができると業務の効率化につながります。
そこで,英文契約実務においてAI はどのように活用できるのか,また,一般条項や各契約における特別条項の作り込み方などを,解説します。
国際 テクノロジー・AI

「使える実務」がわかる
AI活用の重要ポイント
久保山愛生

英文契約書の作成は,テクノロジーの進歩によって飛躍的に簡単になり,非ネイティブの弁護士,ましてやインハウスの法務部員もAIを活用することにより,日本語で質問や文例を入れて,英語のサンプルを取得することが容易になった。本稿では,AI黎明期に英文契約を作成するにあたり注意すべきポイントを検討したい。

国際

一般条項
――「要・不要」の見極め方
熊木 明

英文契約には,一般条項が必ず規定されている。名称は,「Miscellaneous」,「GeneralProvisions」,「Other Agreements」等さまざまであるが,通常は,10から20くらいの条項で構成させ,契約書の最後にまとめて規定されていて,基本的に無害な内容が多い。そのため,英文契約実務では対応がおろそかになりがちである。
しかし,あくまで「無害な内容が多い」だけであり常に無害なわけではなく,最低限の確認作業は必要になってくる。本稿ではこの点をふまえて,一般条項における実務上のポイントを概説する。

国際

秘密保持契約
――国際的取引に先立つ締結の際の注意点
髙橋 玄

秘密保持契約は,企業法務担当者が日常的に最も多く取り扱う英文契約の1つである。比較的シンプルな契約類型ではあるものの,国際的な取引の場面においては,相手方による義務違反が生じる可能性も格段に上がるため,緻密な契約作成を心がけることが重要である。秘密保持契約の締結に際しては,企業内で進める場合が実務的には多いため,必須となる要注意ポイントを認識してもらうことを目指し,解説する。

国際

売買契約
――和文契約との相違に着目して
辰野嘉則

本稿では,海外企業との物品の売買に係る取引における英文契約書の条項のうち,特に国内企業間の和文の契約とは考慮要素が異なり特殊な検討を要する項目や,近時注目が増している項目等に絞って,留意すべき点を解説する。

国際 知財

共同研究開発契約
――知的財産の帰属・独占性・努力義務
鈴木惇也・ハリー・エヴァンズ・ピーター・デガノン

多くの共同研究開発は,資金・人員・設備・技術・データ・知的財産など多大な先行投資を必要とする一方,成功の保証はなく,失敗すれば多大なコストが残るハイリスク・ハイリターンのプロジェクトである。当事者が共同研究開発に至る動機は,互いのリソースを補いながら,そのようなリスクとリターンを分かち合うことにある。
共同研究開発契約は,既存の技術へのアクセス・利用の規律に加えて,共同研究開発を通じて将来創出される技術の帰属・活用・保護をも規律するものであり,開発フェーズから商業化フェーズまでまたはそれ以降のプロジェクトのライフサイクルの全体を見据えたデザインを必要とする。このデザインを誤れば,良好な関係で始まったはずの当事者間の協力関係が,深刻な紛争へと発展することもありうる。
本稿では,共同研究開発契約において特に紛争へと発展しやすい3つの領域(①知的財産の帰属,②独占性および③努力義務)に焦点を当て,関連条項をデザインするうえでの実務的留意点を解説する。

国際 M&A

M&A契約に関するトレンド
――アーンアウト条項の活用
大久保 涼・小山田柚香

近年,市場の不確実性や地政学的リスクの高まりにより,特に非公開会社のM&Aの当事者間において,企業価値評価に関する意見の相違が生じやすくなっているが,このような相違を調整する仕組みとしてアーンアウト条項の活用が国内外を問わず増加している。アーンアウト条項については,利用例や裁判例の数において先行する米国における実務動向が参考になると思われるため,米国における実務動向を紹介し,利用例が増えつつある日本の実務への示唆を検討する。

地平線
AI時代の法と交渉
テクノロジー・AI

太田勝造

ロバート・アクセルロッド氏は1980年ごろにゲーム理論家を集めてコンピュータ選手権を開催し,繰返し囚人のディレンマ・ゲームの必勝戦略プログラムを互いに競わせた。その結果,勝利したプログラムは「しっぺ返し戦略」であった(『協力の進化』[原題]。邦題は松田裕之氏の名訳『つきあい方の科学:バクテリアから国際関係まで』(ミネルヴァ書房,1998)である)。まさに「つきあい方」の科学であり,ビジネス交渉や和解交渉への多大の示唆に富む。

Trend Eye
自動運転の事業化に関する法制度の動向
テクノロジー・AI

齋藤悠輝

自動運転は,実証段階から実用化・事業化への移行期にあり,ロボットタクシーや自動運転バス,トラックといった新たなビジネスモデルの実現に伴い,法制度面での整理の重要性が高まっている。こうした動きがあるなかで,2027年度にはロボットタクシーや自動運転トラックの社会実装が見込まれている。

特別企画
26年12月施行
改正公益通報者保護法が人事労務に与える影響
コンプライアンス

清水 咲・柊木野一紀・平井 彩

2026年12月1日より施行される「公益通報者保護法の一部を改正する法律」(令和7年法律第62号。以下「改正法」という)1では,通報を理由とした不利益取扱いの抑止・救済制度として,①公益通報後1年以内の解雇または懲戒に係る民事訴訟上の推定規定,②公益通報を理由として解雇または懲戒をした個人・企業に対する罰則規定が新設された。
企業としては,通報を理由とした不利益取扱いが行われないよう厳に徹底すべきであることは当然であるが,他方で,実務上少なくない濫用的な通報を行う者に対しては,人事権行使に抑制的になることなく毅然と対応する必要がある。そして,改正後も人事権行使を萎縮せず適切に対応するためには,上記①・②の内容を正確に把握する必要性が高い。
そこで,本稿では,①・②に関する改正内容の解説を行うとともに(Ⅰ,Ⅱ),改正法を受けた訴訟対応と平時の人事権行使において留意すべきポイント(Ⅲ)を解説する。

国際

「地政学リスク」最新情勢と有事対応の総点検
――初期対応から平時の契約書整備まで
松本 拓・横井 傑・高嵜直子

中東情勢の緊迫化は,遠隔地の紛争が自社の契約・供給網に直結するということをあらためて示した。本稿では,中東情勢を起点に,地政学リスクによる直接被害から制裁,輸出管理,供給混乱など経済安全保障上の課題を整理した。また,拠点別に生じうるリスクをふまえ,危機発生時の初動対応から契約の見直し,事業撤退判断等についての平時からできる備えまで,今点検すべき自社体制について,チェックリストと実践的な対応実務を解説する。

特集2
26年10月施行「カスハラ・就活セクハラ」対応のポイント
2025年の労働施策総合推進法等の改正により,本年10月より「カスタマーハラスメント」および「求職者へのセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)」対策が事業者の義務となります。
そこで,施行に向けて,法改正の全体像を振り返りつつ,2026年2月26日に公表された指針から,施行までにどのように準備を進めるべきなのか,そのポイントをまとめました。

【執筆者】鈴木蔵人(色川法律事務所 パートナー弁護士)
労働法 コンプライアンス

令和7年労働施策総合推進法等改正の概要

2025年6月4日に労働施策総合推進法等の一部を改正する法律が可決され,同月11日に公布された。同改正は,概要,ハラスメント対策の強化,女性活躍の推進等を図るもので,その施行日は内容に応じて2026年4月1日,同年10月1日等とされているため,施行日の前後にあらためてその概要を確認する。

労働法 消費者関連法

5つの措置義務とは
「カスハラ」に対する具体的な準備

2026年2月26日にカスハラ指針が公表された。本稿においては,カスハラ指針の内容をもとに,すでに企業において対応済みであるパワハラ指針の内容と比較しつつ,カスハラに関する事業主の措置義務について定めた労働施策総合推進法の改正法の施行( 2026年10月1日)に向けて,企業が準備すべき事項等について説明する。

コンプライアンス

4つの措置義務とは
「就活セクハラ」に対する具体的な準備

2026年2月26日に就活セクハラ指針が公表された。本稿においては,就活セクハラ指針の内容をもとに,すでに対応済みであるセクハラ指針の内容と比較しつつ,就活セクハラに関する事業主の措置義務について定めた男女雇用機会均等法の改正法の施行( 2026年10月1日)に向けて,企業が準備すべき事項等について説明する。

時事を斬る
働き方改革の「総点検」の結果は総点検になっているのか?
労働法

岡芹健夫

2026年3月13日に開催された第207回労働政策審議会(労働条件分科会)にて,「働き方改革の『総点検』について」と題する資料(以下「総点検資料」という)が公表された。詳細な内容は厚生労働省のサイトを参照されたく,ここではごく簡単に内容を紹介すれば,総点検資料1頁目に,「働き方改革関連法施行後5年の総点検(結果概要)」と掲載され,大要,以下のとおりの数値が紹介されている。

実務解説
企業価値担保権の実務
――事業性融資や伴走支援の新たなツール
民法・PL法等

冨川 諒

2026年5月25日,「事業性融資の推進等に関する法律」(以下「推進法」という)が施行される。同法には,事業者が,不動産担保や経営者保証等によらず,事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくなるための制度として,企業価値担保権等が規定されている。本稿では,企業価値担保権の概要および想定される実務について解説する。

知財

知的財産の取引適正化に関する最新動向
――知的財産取引適正化WG報告書等をふまえて
松田世理奈

2025年の骨太の方針をふまえ,中小企業の知的財産の保護および活用の促進に向けて,公正取引委員会(以下「公取委」という)は,独占禁止法に関する指針の策定に取り組むべく,実態調査を実施した。この実態調査の結果を受けて,2026年3月11日,「知的財産取引適正化ワーキンググループ」の報告書(以下「本報告書」という)等が公表された。本稿では,知的財産の取引適正化に向けた一連の動きと本報告書のポイントを解説する。

企業法務総合

経済安保推進法改正案のポイントと実務への影響
福冨友美・湯浅 諭

本稿は,2026年3月19日に国会に提出された経済安保推進法改正案について,有識者会議の提言をふまえ,その改正内容と企業実務への影響のポイントを整理するものである。特に,安定供給確保制度の拡張,基幹インフラへの医療分野の追加,海外事業促進制度の創設および官民連携の制度化に焦点を当て,経産省への出向経験のある筆者が,企業に求められる対応の方向性を検討する。

消費者関連法

景品表示法における期間限定表示をめぐる最新実務
――「繰り返し・同一」の誤解を解消する
綿 秀斗

景品表示法(以下「景表法」という)が禁止する不当表示になりやすい表示(広告)の類型の1つとして,いわゆる「期間限定表示」と呼ばれるものがある。同表示については,消費者庁による執行が活発であるが,連続で期間限定キャンペーンを実施することが禁止されている,同一のキャンペーンを繰り返さなければ不当表示に該当しないといった誤解が散見される。本稿は,そのような誤解を解き,同表示における最新実務を紹介・検討し,事業者における適切な期間限定表示の実施に資することを目的とするものである。

会社法

報告書が整理するベンチャーデット実務の論点
――新株予約権付融資における利息の範囲
糸川貴視・大島 岳

2026年2月19日に新株予約権付融資に関する検討会(事務局:一般社団法人全国銀行協会)の「新株予約権付融資に関する検討会報告書」(以下「本報告書」という)が公表された。本報告書は,新株予約権付融資導入の法務面の課題となっていた金利規制等の検討結果を整理・取りまとめたものである。本稿では,本報告書をふまえ,ベンチャーデット実務に携わる者が理解しておくべきポイントを解説することで今後を展望する。

連載
【新連載】
各国別 上場会社買収制度のポイント
第1回 米 国
国際

稲葉正泰

近時,日本企業による外国企業の買収,いわゆるアウトバウンドM&Aは引き続き活発に行われており,外国の上場会社を買収対象とする案件についても,今後,検討対象となる機会が増加していく可能性がある。もっとも,上場会社の買収においては,公開買付制度,開示規制,少数株主保護の仕組み等が国ごとに異なっており,国内M&Aや非上場会社を対象とするクロスボーダー案件で培った実務感覚が,そのまま通用しない場面も少なくなく,これらの制度差を十分に理解しないまま取引を進めた場合,取引スケジュールやストラクチャーに重大な影響を及ぼす可能性がある。一方で,英国連邦に加盟するオーストラリアやカナダの上場会社買収法制や,ヨーロッパ諸国の規制など,各国の制度を横断的に理解することは,上場会社買収に関する全体的な制度理解を深めるうえで有益な場合も少なくない。
本連載では,第1回および第2回においてそれぞれ米国および英国の上場会社買収法制の基礎を取り上げるとともに,第3回以降は対象国を広げ,各国の上場会社買収制度の概要および基礎的な論点について概説する。

国際

【新連載】
最新事例に学ぶ EUの競争法制度と実務
第1回 法制度の全体像と執行機関
亀岡悦子

EU競争法は,EU域内の公正な競争を確保する重要な政策であり,欧州委員会が中心となって執行する。厳しい制裁と私訴による実効性も担保され,日本企業も審査対象となる。近年は,従来のカルテル規制や取引の届出だけでなく,デジタル規制やEU外国補助金規制も加わり,さらに多層的な執行体制のもとで発展を続けている。
EU競争法は,形式的な法規範のみならず,実務運用や,競争法以外のEU政策目標との相互作用のなかで,常に進化し続けている点にも特徴がある。本連載では,こうした制度的特徴にも目配りしつつ,日本企業の実務対応に資する視点から解説する。

企業法務総合

LEGAL HEADLINES
森・濱田松本法律事務所外国法共同事業編

3月、4月の法務ニュースを掲載。

■「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」およびQ&Aの一部改定を公表
■GPIF,「優れたサステナビリティ開示」等を公表
■東証,「少数株主保護に関する上場制度の見直し等について」を公表
■公正取引委員会,「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」(案)および「契約書ひな形」(案)を公表
■国土交通省,「宅地建物取引業におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与・拡散金融対策に関するガイドライン(案)」に関する意見募集の結果を公表
■令和8年度税制改正成立
■法務省,「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見募集を開始
■厚生労働省,「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を改訂
■政府,「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」を閣議決定
■政府,「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定
■金融庁・東証,「コーポレートガバナンス・コードの改訂案」を公表
■金融庁,「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」等(案)を公表

知財

法務担当者のための著作権入門
第4回 譲渡かライセンスか
竹内 亮

著作権に関する契約は,出版,音楽,映像等のコンテンツビジネスの事業者においては慣行も含めて契約実務が確立している。他方で,コンテンツビジネス以外の事業者にはなじみにくいところがある。今回は,一般事業者において著作権契約になじみにくい理由を示しつつ,非コンテンツビジネス事業者を含めた著作権契約について必要な注意点を解説したい。

国際

一口海外法務ニュース
石田雅彦・藤河家知美・小菅直人

EUにおいて,デジタル製品の脆弱性を悪用したサイバー攻撃の増加を背景に分野横断的に適用されるサイバーセキュリティ規制であるサイバーレジリエンス法(Regulation( EU)2024/2847)(以下「CRA」という)が制定された。CRAは,IoT機器等のデジタル要素を有する製品について,セキュリティ・バイ・デザインや脆弱性対応を含むライフサイクル全体での継続的なリスク管理を製造者に義務づける。

企業法務総合 労働法

最新判例アンテナ
第96回 国立大学非常勤講師の労働契約法上の労働者性を肯定した事例
(東京高判令8.1.15労働判例ジャーナル168号1頁)
三笘 裕・平松慶悟

国立大学法人Yは,2005年度以降,Xを数学の非常勤講師として「委嘱」する期間1年の契約(以下「本件契約」という)を更新していたが,2021年度を最後に雇止めをした。

会社法

企業法務のための外為法入門
最終回 経済制裁②
大川信太郎

本連載の最終回では,経済制裁に関する規制のうち,金融機関の適法性確認義務および本人確認義務について解説する。
外為法では,経済制裁の実効性確保およびマネー・ローンダリング防止等の観点から,金融機関に対して,支払等に関する適法性確認義務ならびに支払等および資本取引等に関する本人確認義務が定められている。

コンプライアンス

「正しい」が生む組織の死角――沈黙・緊張・不安を読み解く視座
第2回 ゼロを掲げた瞬間に,何が止まるのか
木曽 裕

今朝も,掲示板に並ぶ数字を皆が眺める。「無事故継続○○日」あと数日で前回記録を更新できる。あと少しで,今期のKPIが達成できる。今年こそ,無事故表彰を受けるぞ。現場には,静かな連帯感が漂っている。

民法・PL法等

基礎の基礎から始める要件事実・事実認定の徹底的入門
第9回(最終回) 第6章 要件事実の具体的現れ方(第2節)
伊藤滋夫

要件事実は,訴訟物との関係を離れては考えられません。民事訴訟の基本構造は,要件事実の存否の判断の組合せ(わかりやすく言うとそうなりますが,理論上は,要件事実が存在したか〔たとえば,売買契約が締結されたか〕という判断の組合せであって,存在しなかったか〔売買契約が締結されなかったか〕の判断の組合せではありません)で訴訟物について判断をするからです。

サステナビリティ・人権

業種別 環境法務の最新トレンド
第3回 化学・石油化学業
川端健太・一井梨緒

本稿では,化学・石油化学業において特に注意すべき環境法制について概観する。

企業法務総合

ビジネスはワインとともに~ソムリエ社労士の発想法~
第3回 乾杯はナポレオンのように
石田恵三

ビジネスパーソンになると,いろいろな場面で挨拶をする機会が増えます。たとえば,同僚の結婚披露宴で乾杯の挨拶を依頼され,どんな話をしようかと悩まれた方もいるのではないでしょうか。今回は,「ソムリエ流 乾杯」を紹介します。

テクノロジー・AI

AI時代のコーポレート変革
第4回 技術が苦手でもAIは扱える
――法務人材に問われる「最低限の理解」と組織を動かす力
工藤照久・淵邊善彦・照山浩由

第1回では,AIを整備したのに現場が使わない「静かなる拒絶」の構造を解き明かした。第2回では,法務を「NGを出す門番」から「ガードレール付きの高速道路を敷く設計者」へ転換するための思考法と実装論を議論した。第3回では双日株式会社の守田達也氏を迎え,事故はゼロにできないという前提に立ち,「止血の速度」と「学習のループ」を組み合わせた事故対応力を設計することが,現場が安心してアクセルを踏む条件であると確認した。
では,そのガバナンス設計と組織実装を担う法務人材には,具体的に何が求められるのか。「技術がわからないから,AIにはかかわれない」という思い込みは,どこまで正当で,どこから先は言い訳になるのか。第4回は,AI実装の現場を熟知するAIエキスパートの工藤照久氏を迎え,法務人材が最低限理解すべきAIの輪郭と,「組織を動かすチーフ・AI・オフィサー(CAIO)的役割」の本質を掘り下げる。

書評
PICK UP 法律実務書
中国法務最前線――実務担当者のリアル
企業法務総合

相澤周平

企業の中国法務担当者には,中国特有の法規制や商慣習を正確に理解すること,変化の激しい政策動向や当局の執行状況を適時に把握することが求められる。それにとどまらず,これらの情報をふまえて「当社としてどう対応するか」を具体的に示すことが不可欠となる。法務担当者は,日々この難題に向き合い,ときに専門家の助力も得ながら,「自社にとっての最適解」を探り,判断を積み重ねていく。中国法務の難しさ,そして制約のなかで解を構築していく面白さは,まさにここにある。

特別収録
ビジネス実務法務検定試験® 
1級演習問題/3級模擬試験問題
企業法務総合