最新号

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2026年6月号

2026年4月21日発売号   1,850 円(税込)

特集1

いまさら聞けないを解消 !
必携法務キーワード50

特別企画

新しい社外役員のあり方
――多様な知見を企業価値向上につなげる視点

特集1
いまさら聞けないを解消 !
必携法務キーワード50
スクイーズ・アウトや秘密保持契約,善管注意義務など,よく目にする用語でも,いざその内容や留意点を問われると,言葉に詰まるものではないでしょうか。本特集では企業法務の担当者が押さえておきたい重要用語を50 個選び,定義と実務上のポイントを簡潔に解説しています。はじめて法務に携わる方の手引きとして,また,経験を重ねた方の知識の確認にご活用ください。

【執筆】三浦法律事務所 弁護士
企業法務総合 民法・PL法等 労働法 争訟・紛争解決

取引一般・契約条項

■秘密保持契約(NDA) (岩崎啓太)
■取引基本契約 (伊藤大智)
■業務委託 (皆元大毅)
■定型約款 (藤﨑大輔)
■契約不適合責任 (遠藤政佑)
■時効 (金井悠太)
■準拠法・紛争解決条項 (吉田悟巳・小枝未優)

会社法

会社法・機関運営

■善管注意義務・任務懈怠責任 (金井悠太)
■利益相反取引 (中村朋暉)
■競業避止義務 (中村朋暉)
■取締役会決議事項 (前田優理香・金井悠太)
■書面決議 (高瀬 篤)
■株主総会資料の電子提供制度 (前田優理香・金井悠太)
■剰余金の配当 (稲垣大輔・金井悠太)
■株主代表訴訟 (伊藤大智)

会社法 M&A

M&A・組織再編

■基本合意書(MOU / LOI) (倉橋宏幸・高瀬 篤)
■デューデリジェンス(DD) (小林昇太郎・金井悠太)
■企業結合規制 (花城 凪・阪本 凌)
■株式譲渡契約(SPA) (豊島 諒・辻 勝吾)
■公開買付け(TOB) (豊島 諒・辻 勝吾)
■スクイーズ・アウト (小林昇太郎・高瀬 篤・後藤徹也)
■会社分割・事業譲渡 (谷貝龍一・高瀬 篤)
■合併 (吉田悟巳・伊藤大智)
■株主間(合弁)契約 (谷貝龍一・所 悠人)

金商法・資金決済法

金商法・資本市場

■適時開示 (吉田悟巳・伊藤大智)
■インサイダー取引規制 (金井悠太・後藤徹也)
■有価証券報告書 (倉橋宏幸・伊藤大智)
■大量保有報告制度 (小椋 匠・藤﨑大輔・大草康平)
■第三者割当増資 (伊藤大智)
■自己株式取得 (小林昇太郎・高瀬 篤)
■種類株式 (吉田悟巳・所 悠人)
■ストックオプション・株式報酬 (高瀬 篤)
■ファンド (眞榮平和花・藤﨑大輔)

競争法・独禁法 消費者関連法

競争法・消費者法

■優越的地位の濫用 (小田切文・阪本 凌)
■取適法 (森本悠暉・阪本 凌)
■フリーランス法 (近藤知央・阪本 凌)
■優良誤認表示・有利誤認表示 (榮村将太・阪本 凌)
■ステルスマーケティング規制 (榮村将太・阪本 凌)

知財

知的財産

■ライセンス契約 (髙橋宗鷹)
■AIと著作権 (大出 萌)
■職務発明 (土居大起・髙橋宗鷹)
■営業秘密 (土居大起・髙橋宗鷹)

労働法

労務

■競業避止義務 (清水 咲・岩崎啓太)
■出向・転籍 (眞榮平和花・岩崎啓太)
■懲戒処分 (滝本真希・清水裕大)
■解雇 (近藤知央・近藤知央)
■ハラスメント (河尻拓之・岩崎啓太)

国際 情報法

外資規制

■外為法上の投資規制 (中村朋暉・大草康平)
■セキュリティ・クリアランス制度 (中村朋暉・大草康平)

地平線
新たな分野に生きる あなたの経験
企業法務総合

三村まり子

子どものころ,シャボン玉を吹いて遊ぶのが大好きだった。強く吹くと細かい玉がたくさん生まれ,ゆっくりと吹くと大きな玉ができた。いくつかの玉がくっついてしばらくすると1つの大きなシャボン玉になるのが不思議で,見ているのがとても楽しかった。
ところで,今回編集部からいただいたお題は,医療・製薬分野を中心に弁護士業務を行いながら,玩具・エンターテインメント企業,貴金属メーカー,飲料メーカーなど,さまざまな産業分野で社外役員を務めているのはなぜか,コーポレート・ガバナンスなどの共通点はあるものの,産業分野における特有の実務もあると思われるところ,それらの経験を練り合わせてどのように日々の実務に生かしているのか,というものだった。

Trend Eye
AIエージェント時代の法務
テクノロジー・AI

増田雅史

近時,生成AIの発展に伴い,「AIエージェント」と呼ばれる概念が注目されている。AIエージェントとは,単に文章や画像を生成するにとどまらず,一定の目標の下で自律的に行動し,外部のシステムやサービスと連携しながら一連の処理を遂行するAIないしそのサービスを指す。

時事を斬る
会社法改正の中間試案の検討に必要な視点
――株主側から見た検討の重要性
会社法

川井信之

法制審議会の会社法制(株式・株主総会等関係)部会は,2026年3月18日開催の第12回会議で「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」を取りまとめた。本稿執筆時点(2026年3月30日)では中間試案やその補足説明は未公表だが,本誌が発売される頃はすでに公表され,パブリック・コメント(意見公募)の手続の期間中であると思われる。

特別企画
新しい社外役員のあり方
――多様な知見を企業価値向上につなげる視点
企業を取り巻く環境は,地政学リスクの高まり,規制環境の複雑化,サイバーリスクの顕在化,ならびに非財務情報開示の高度化など,かつてない速度で変化している。このような状況下において,社外取締役に求められる役割は,形式的な監督にとどまらず,企業価値向上に向けて実質的に関与する点へと明確に移行している。
企業法務総合

社外取締役の具体的な役割
――取締役会議長,指名・報酬委員長,監査(等)委員長
松山 遙

社外取締役が取締役会議長や指名・報酬委員長,そして監査(等)委員長を務めている場合,株主総会においてはそれぞれ,自身の職責に関する点については自ら説明することが適切である。そしてその説明は,形式的な回答に終始するのではなく,必要に応じて具体的であるべきである。また,社外取締役を務めている企業で不祥事が起きた際には,その独立した目線で,どのように不祥事にかかわったのか,説明できることが望ましい。

企業法務総合

実際に想定される質疑への対応ポイント
――運営部門の留意点をふまえて
田原一樹・片瀬麻紗子

企業のガバナンスにおいて社外取締役に期待される役割・機能が拡大するなか,株主総会において,株主らの質問に対し,回答者に社外取締役において自ら回答することが適切な場面が増加している。かかる状況をふまえ,株主総会の運営の観点からは,株主総会当日に,議長が社外取締役を回答者に指名すべきかを適切に判断でき,また,社外取締役を指名する場合には当該社外取締役において適切に回答することができるよう,事前準備を行うことが求められる。

実務解説
民事訴訟のデジタル化の実務
――訴状提出からウェブ尋問まではどう変わるか
争訟・紛争解決

大坪和敏

2026年5月21日から,令和4年改正民事訴訟法が全面施行される。インターネットによる訴状提出,訴訟記録の電子化,ウェブ尋問などが可能となり,すべての民事判決のデータベース化と相まって民事訴訟の姿が大きく変わることが見込まれる。本記事では,デジタル化された民事訴訟について,ビジネス法務において押さえるべき実務対応のポイントを解説する。

会社法 サステナビリティ・人権

サステナビリティ・人的資本・総会前開示
開示府令等改正の概要と対応
安井桂大・吉田光太郎

2026年2月20日,開示府令および企業内容等開示ガイドラインについて,サステナビリティ情報開示,人的資本関連開示および有価証券報告書の総会前開示等に関する改正が行われた。本稿では,改正の概要を紹介しつつ,実務対応上のポイントについて解説する。

会社法

「有価証券報告書の総会前開示」2年目の動向分析
山部 侑・橋本明侑

2025年3月期決算会社では政府の要請を受け有価証券報告書の総会前開示が進展したが,多くは総会前日の開示にとどまった。今回の調査では,次回総会において総会前開示を行う会社は増加する見込みである一方,開示のさらなる早期化や総会後倒しを検討する会社は限定的となっている。上場会社においては,投資家ニーズや法制度改正の動向をふまえ,総会前開示を未実施の会社はその第一歩を,すでに実施済みの会社は,第二歩として,開示タイミングを含め,自社にとっての最適な対応を検討することが求められる。

国際

「EU企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令」改正の要点
――採択版からの変更点と日本企業への示唆
福原あゆみ

2024年7月に発効したCSDDDは,EUの競争力低下等の批判を受けて2026年2月に改正され,2029年7月から適用開始予定である。同改正では対象企業の範囲が大幅に縮小され,モニタリング頻度の緩和や気候変動移行計画策定義務の削除等がなされた一方,リスクの優先順位づけに基づく対応や,ステークホルダーとのエンゲージメント義務等の本質的な枠組みは維持されている。本稿では,改正CSDDDの主要な変更点と日本企業への示唆を解説する。

連載
【新連載】
「正しい」が生む組織の死角――沈黙・緊張・不安を読み解く視座
第1回 ハラスメント対策が生んだ組織の沈黙
コンプライアンス

木曽 裕

会議室が,静かだ。怒号が飛び交うことはない。表面的にはきわめて穏やかで,議事は滞りなく進行している。異論は出ず,誰もが頷き,順調に決定事項が積み上がっていく。
一見すると,コンプライアンスが行き届いた「健全な」組織だ。だが,この静寂には違和感がある。誰も本音を口にせず,リスクのある発言を避けているだけではないか。それは合意というより,「回避」に近い。

LEGAL HEADLINES
森・濱田松本法律事務所外国法共同事業編

2026年2月、3月の法務ニュースを掲載。

■新株予約権付融資に関する検討会,報告書を公表
■環境省,「生物多様性国家戦略2023-2030の実施状況の中間評価」および「生物多様性条約第7回国別報告書」のとりまとめを公表
■中国,対日輸出規制を強化
■厚労省,カスタマーハラスメント防止指針を公表
■国際取引所連合,トランジションファイナンスの発行者向け実務ガイドを発行
■金融庁「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」,コード改訂案を公表
■最高裁,AIを発明者とする発明の発明該当性を否定(上告不受理)
■金融庁,「企業価値担保権信託契約等の書式例」を公表
■公取委,「知的財産権・ノウハウ・データを対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」および「知的財産取引適正化ワーキンググループ報告書」を公表
■公取委,「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」改正案等に対する意見募集および公聴会を実施
■政府,産業技術力強化法の一部を改正する法律案を閣議決定
■法務省,「インターネット上の誹謗中傷書き込み削除依頼の手引き」を公表
■政府,外為法改正案を閣議決定
■法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会,会社法改正に向けた中間試案(案)を公表

テクノロジー・AI

事例でわかる「AI活用」ことはじめ
最終回 AI活用と法務の未来
――組織変革と働き方の新時代
坂 昌樹・山田健介

生成AI技術の登場は,法務業界にとってインターネット普及以来の情報革命といわれている。従来のAIリーガルテックが単なる「補助ツール」にとどまっていたのに対し,生成AIは業務の「代替」を可能にする。実際に,日本経済新聞の調査1をふまえると,より多くの企業で生成AIがさまざまな法務実務を代替するようになると考えられる。

M&A

最新判例アンテナ
第95回 買収者・対象会社による二段階買収の説明がスクイーズアウトの確実な実施に関する少数株主の正当な信頼を惹起するとはいえず,スクイーズアウトの不実施について信義則上の義務違反を否定した事例(東京高判令7. 7.16金判1731号18頁)

三笘 裕・高村真悠子

非公開会社Y1社は,その株主であるY2社によるY1社の完全子会社化のため,X社を含むY1社の株主に対し,一段階目の取引としてY2社の株式および金銭とY1社の株式の交換(以下「本件譲渡」という),二段階目の取引として本件譲渡に応じなかった株主のスクイーズアウト(以下「本件SO」という)を行う計画を記載した提案書を送付した。また,Y1社はその株主に本件譲渡への応否の意向を尋ねる電子メールおよび本件譲渡に応じない選択をしたことを前提に,本件SOの手続へ協力する同意書への署名を求める電子メール(上記の提案書とあわせて以下「本件説明」という)を送付した。本件説明においては,本件SOを確実に実施する旨の記載はなかった。

企業法務総合

ビジネスはワインとともに~ソムリエ社労士の発想法~
第2回 幹事はソムリエのように
石田恵三

ビジネスシーンにおいて,歓迎会や懇親会の幹事を任された,会社や業界などの重要なパーティを主催しなければならない......特に初めて務める時には悩む方が多いのではないでしょうか。今回は,「ソムリエ流 幹事」の実践を紹介します。

会社法

商業登記実務基本マスター
第6回(最終回) 商業登記の申請
鈴木龍介・真下幸宏・中村翔太郎

会社等における役員の就退任,本店移転,資本金の増減等の重要な経営判断を伴う変更については,実体法に基づいた手続が適切に行われていても,最終的に会社等が登記を申請し,登記されなければ,外部に公示することはできない。
連載第1回から第5回にかけて,商業登記の概要や義務等について解説してきたところ,最終回の第6回では,商業登記の申請について取り上げることとする。

サステナビリティ・人権

業種別 環境法務の最新トレンド
第2回 金属・鉱業
荒井正児・横山優斗

本稿では,近時の環境課題もふまえ,両業界において留意すべき環境規制の動向等について概説する。

知財

法務担当者のための著作権入門
第3回 資料の共有は難しい
竹内 亮

かつて,社内や学校で資料の多くはコピー機により物理的なコピーが作成され,紙媒体により配布された。しかし,現在は,紙媒体の資料が配布される機会は大きく減った。ほとんどの場合,資料はパワーポイントやPDF形式のデータとして作成され,共有ドライブ内に保存されリンクとして「共有」される。このような場面において著作権はそれぞれどう機能するか。あわせて,重要概念である「公衆」について説明する。

テクノロジー・AI

AI時代のコーポレート変革
第3回 「事故対応力」を設計する
――AIトラブルを学びに変えるリアリズム
守田達也・淵邊善彦・照山浩由

生成AIの「導入」は,多くの企業で一巡した。環境は整い,利用は解禁され,研修も実施された。それでも現場には,どこか「踏み出しきれない空気」が残る。こわい。怒られそう。だから触らない。あるいは,こっそり個人のスマホで使う――第1回・第2回でみてきたのは,まさにその「静かなる拒絶」と「地下化」だった。
第2回で議論したのは,「禁止」ではなく"条件付きOK"を設計し,現場が安心してアクセルを踏める境界線を引くことだった。だが,境界線を引いたからといって,事故がなくなるわけではない。むしろ,AIが「仕事の奥」へ入っていくほど,事故は"想定外の形"で起きる。そこで問われるのは,事故の有無ではなく,事故が起きた瞬間に止血し,証跡を守り,学びに変えていく「事故対応力(レジリエンス)」だ。
第3回は,双日株式会社でAI活用とリスクの実務を担う守田達也氏を迎え,AIトラブルの"主犯"がどこにいるのか,そして法務・経営が何を設計すべきかを掘り下げる。

会社法

企業法務のための外為法入門
第7回 経済制裁①
大川信太郎

本連載の第7回・第8回では,法第3章(支払等),法第4章(資本取引等)および法第6章(外国貿易)に関する規制のうち,経済制裁に関する部分について解説する。

国際

一口海外法務ニュース
石田雅彦・那須田恵司・内田朱音

人工知能(AI)の利用に関して,近時労務分野における規制が整備され始めている。米国では,現在は主に州レベルでの立法がなされており,たとえばカリフォルニア州では,改正公正雇用住宅法が2025年10月1日付で施行された。

民法・PL法等

基礎の基礎から始める要件事実・事実認定の徹底的入門
第8回 第6章 要件事実の具体的現れ方(第1節)
伊藤滋夫

まず,訴訟で問題となる「物」ということから,たとえば,売買契約に基づく引渡請求訴訟における目的物である特定の機械や所有権に基づく明渡請求訴訟における目的物である特定の建物を思い浮かべる方もおられるかもしれませんが,それらには,普通は,「係争物」(争いに係る〔なっている〕物)という言葉を使い,それらは訴訟物ではありません。係争物とは,有体物に限らず,ときに対象となる権利も含みます(中野貞一郎『民事裁判入門〔第3版補訂版〕』〔有斐閣,2012〕102頁参照)

特別収録
ビジネス実務法務検定試験® 2級模擬試験問題
企業法務総合