雑誌詳細

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2022年6月号

2022年4月21日発売号   1,700 円(税込)

特集1

広告ガバナンス強化に対応する
業界別 広告表示規制の勘所

特集2

法務のナレッジ・マネジメント
──導入と実践

特集3

活用メリットに注目!
「株式交付制度」

特集1
広告ガバナンス強化に対応する
業界別 広告表示規制の勘所
昨今は不当表示・誇大広告などをめぐる広告トラブルの相談件数が増加傾向にあり,各監督官庁の取締りも厳しくなっているとのこと。企業はさまざまなステークホルダーの視点を考慮した広告ガバナンスの強化が求められています。しかし,種々の法令やガイドラインが出されており,広告表示をめぐる実務がわかりにくい,との声もあります。そこで,代表的な業界の広告表示規制について,関連する法令やガイドラインはもちろん,各監督官庁の指導・勧告事例もふまえた実務対応を解説します。
企業法務総合

業界を問わず押さえておくべき勘所
〔総論〕実務担当者が持つべき不当表示の視点
渥美雅之・大滝晴香

適正な広告・表示を確保するためには,景品表示法の正しい理解および実際の案件における適用が必要だが,同法は,違反要件がシンプルに設定されており,「一般消費者」を基準とした判断が求められ,実際の案件において難しい判断が求められる局面も少なくない。本稿では,景表法の一般的な内容を概説した後,最近の事例をふまえた審査における勘所を紹介する。

企業法務総合

優良誤認表示にあたらないよう細心の注意を!
食品業界における広告表示規制
江夏康晴

食品業界における不当表示は,社会からの関心が高く,歴史的に景品表示法の優良誤認表示に該当するとされた事例が多い。関係する法令,公正競争規約,自主基準が多数にわたり存在し,消費者庁の公表するガイドラインの数も多い。

企業法務総合

薬機法上の「何人も」規制に要注意!
ヘルスケア・美容商品における広告表示規制
染谷隆明・川﨑由理

いわゆる「何人も」規制(薬機法の広告規制)に強い関心が寄せられている。これは,2021年8月の改正薬機法の施行により違反広告への法執行が強化されたことに加え,ここ数年,広告代理店やアフィリエイター等の広告作成者が警察に摘発される事件が大きく報道されていることに起因している。本稿では,問題とされやすいヘルスケア・美容商品の表示を例に「何人も」規制の考え方について説明したい。

企業法務総合

表示すべき事項・してはいけない事項の把握が肝要
金融業界における広告表示規制
湯川昌紀

金融サービスにおいては,各業法で定められている広告に表示するべき事項および表示してはならない事項が定められていることがあり,まずはこれらを把握する必要がある。また,特定の金融サービスに関して過去に問題となった事例もあり,これらについても紹介する。

企業法務総合

契約条件の不明瞭な広告が消費者トラブルの原因に!
通信業界における広告表示規制
山郷琢也・呉竹 辰

通信業界は,日進月歩で進化を続けているが,変化が激しい業界であるがゆえに,料金体系やサービスの提供条件が複雑化しやすく,広告表示をめぐるトラブルが少なくない。本稿においては,最新の政策動向をふまえ,通信業界における広告表示のあり方について,具体的な事例を交えて解説する。

企業法務総合

「一般消費者が広告から受ける印象」にまで留意
広告審査実務への取組み
若松 牧

当社では,制作・配信する広告の適法性・適切性を担保すべく,毎月多くの広告審査を実施している。本稿では,当社が広告審査を実施する背景,広告審査体制,広告審査における留意点,具体的な広告審査項目の一例等,当社の広告審査に係る取組みの概要をご紹介する。

特集2
法務のナレッジ・マネジメント
──導入と実践
契約書作成時の職人的な文節の記述,相手方の意を汲みつつも自社目的を達成する交渉のテクニック等々,法務は個々の能力が発揮されるところですが,先達の知恵とスキルが埋もれてしまう「もったいなさ」は,どの法務組織も経験をお持ちではでないでしょうか。そうした状況を改善する一助として,テクノロジーの進化も背景にして,昨今「法務のナレッジ・マネジメント」に脚光があたっています。 本特集では,法務においてナレッジ・マネジメントを構築する際の考え方・進め方を,先進的に取り組まれている方々にご紹介いただきます。組織規模の大小を問わず導入でき,できるところからスタートすることも可能。業務が多様化し,量的に増え,スピード向上も求められ......と,手一杯な現状も変わるはず。ぜひ実践しましょう!
企業法務総合

法務組織を強化する
ナレッジ・マネジメントとその仕組みづくり
門永真紀

ナレッジ・マネジメントは,法務機能の強化や組織の発展に不可欠な要素であり,法務組織において取り組むべき重要な課題の1つとして近年注目されつつある。本稿では,主に組織としての「仕組みづくり」という観点から,法務組織におけるナレッジ・マネジメントについて考察する。

企業法務総合

法律事務所におけるナレッジ・マネジメントの取組み
石原遥平・水井 大

クライアントから求められる「スピード&クオリティ」の高まりを受け,法律事務所におけるナレッジ・マネジメントの必要性も強く意識されている。現状,専任弁護士を設置しているわけではない法律事務所が多数であり,取り組み内容・方法は手探りの状態であると思われる。筆者らもその例外ではないが,固有の弁護士業務に係るナレッジを中心としたナレッジ・マネジメントの外延を明らかにするとともに,可能な範囲で実践例を紹介したい。

企業法務総合

コラム
ナレッジ・マネジメントにおける法務マネージャーとしての役割と責任
──実務経験をもとにした活動実践例
石川文夫

本稿では,民間企業で法務部を立ち上げ,責任者として業務遂行をしてきた筆者の経験から,ナレッジ・マネジメントにおける法務部のリーダーとしての役割と責任について述べてみたい。

企業法務総合

契約法務におけるナレッジ・マネジメント
――バージョン管理・差分表示の自動化で進む契約書業務の効率化
山田広毅・谷中直子

法律事務所におけるナレッジ・マネジメントとして重要度が高いのは,文書関連業務の大半を占める契約書における取組みである。事務所としてナレッジ・マネジメントに意欲的に取り組んでいる東京国際法律事務所の山田弁護士・谷中弁護士に,契約書におけるナレッジ・マネジメントについて話を伺った。

企業法務総合

㈱コロプラ法務における取組み
――社内イントラに法務ポータルサイトを整備
山崎聡士

ナレッジ・マネジメントという言葉は,いささか古く,2000年頃にはよく耳にするようになったと思う。しかし,法務業務でナレッジ・マネジメントを意識的に活用している話はあまり聞かなかった。そこで,筆者が考えるナレッジ・マネジメントの必要性と役割,そして実践方法を簡単にご紹介したいと思う。

地平線
「パーパス」が指し示すもの
企業法務総合

名和高司

サステナビリティが世間を賑わせる。いまや世界的な潮流となり,日本もこぞって前のめりになる。しかしながら,サステナビリティはもはや「規定演技」であり,当たり前として存在する概念である。この,いわば入場券を握りつつ,経営の方角を指し示すものこそが「パーパス」である。

Trend Eye
今後のサプライチェーンの動向を示唆する
世界各国のワクチン接種証明手段の制度比較
企業法務総合 国際

中田マリコ

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け,世界各国は人の移動の自由と公衆衛生との間で難しい舵取りを行ってきた。本稿では,ワクチン接種証明手段に焦点を当て,各国の統治構造や政策的アプローチの違いから来る制度の違いを分析し,日本企業のサプライチェーンへの影響について考察してみたい。

特集3
活用メリットに注目!
「株式交付制度」
令和元年の会社法改正で新設された株式交付制度。株式を対価とした新たな買収手法の1つであり,その活用メリットが注目されています。完全子会社にしない買収,株式の段階的な取得など,柔軟な組織再編が可能になりました。税制上も有利な取扱いとなっており,株式交換等,他の買収手法に比して優れている点も少なくありません。企業における活用事例もみられるようになり,今後はますます増加することが見込まれます。買収手法の新たなトレンドを,本特集でキャッチアップしておきましょう!
会社法

株式対価の買収手法の比較,手続上の留意点ほか
株式交付制度Q&A
邉 英基

令和元年改正会社法により創設された株式交付は,自社株式を対価とした他社の買収手法として有力な選択肢の一つである。本稿では,株式交付の特徴,自社株式を対価とした他の買収手法との違いおよび手続上の留意点について,Q&A形式にて解説を行う。

実施上のポイントを示唆
上場会社における株式交付事例の分析
坂㞍健輔

株式交付制度の創設後,1年超が経過し,株式交付を活用したM&Aの事例も一定数集積されてきている。そこで,本稿においては,公表されている上場会社の株式交付事例を概観し,各事例の共通点や相違点に着目のうえ,株式交付を実施する際に検討が必要となる主要な論点について解説を加えることにより,今後株式交付を検討・実施する際の一助となることを目的とする。

会社法 税務

税務からみた 株式交付制度の活用可能性
小山 浩

令和3年度税制改正において,株式交付に関して株主の課税を繰り延べる措置が導入されたことから,株式交付の活用促進が期待される。本稿では,株式交付の課税関係,活用方法および税務上の留意点を説明したい。

実務解説
利用者保護の観点からみる
M&Aマッチングサイトにおけるプラットフォーマーの法的責任
企業法務総合

植松貴史

中小企業における深刻な事業承継問題が続く現状において,インターネットを用いたM&Aマッチングサイトの重要性が高まっている。利用者は,M&Aマッチングサイトを自己責任により利用すべきものとされているが,M&Aについて専門的な知識・経験がない場合,不測の損害を被るおそれがある。本稿では,M&Aマッチングサイトの社会的要請と有用性を前提に,M&Aマッチングサイトに期待される役割とM&Aプラットフォーマーの法的責任について,利用者保護の視点から検討したい。

企業法務総合 競争法・独禁法 国際

米国ウイグル強制労働防止法の概要および日本企業への留意点
中島和穂・平家正博・根本 拓

2021年12月23日,米国においてウイグル強制労働防止法が成立した。米国は,中国の新疆ウイグル自治区のウイグル族等の少数民族に対する人権問題を理由として,近時,中国に関するさまざまな取引を規制している。ウイグル強制労働防止法は,米国関税法307条に基づく既存の輸入規制を強化するものであるため,本稿では,まず米国関税法307条に簡潔に触れたうえで,ウイグル強制労働防止法を概説し,最後に日本企業の留意点を解説する。

国際 テクノロジー・AI

「外国における個人情報の保護に関する制度等の調査」をふまえた企業対応
杉浦健二

2022年1月24日,個人情報保護委員会は,外国における個人情報保護制度等の調査結果として「情報提供文書」を公表した。情報提供文書は,外国にある第三者への個人データ提供時に必要となる本人への情報提供のほか,安全管理措置に新たに追加された「外的環境の把握」を実施するに際しての指標となるものである。本稿では,情報提供文書の内容をふまえた企業対応を紹介する。

企業法務総合 知財 テクノロジー・AI

NFTアートをめぐる
取引の仕組み,法律関係,活用可能性(下)
野瀬健悟

近年急速に注目が集まっているNFTアートについて,「実物」が存在しないデジタルアートを,ブロックチェーン技術の活用によってアナログなアート作品と同様に譲渡できる仕組みが提示されたことの法律関係や社会に与える影響について解説する。その前提として,これまでファインアート(純粋芸術)の世界で通用してきた取引の実務についても紹介し,NFTアートの世界との接続を試みる。また,さらなるNFTの活用方法や,ブロックチェーン技術を利用したNFTアートの契約設計の可能性についても検討する。

企業法務総合 ファイナンス コンプライアンス

PICK UP法律実務書
プロが教える
キャプティブ自家保険の考え方と活用
マーシュ ブローカー ジャパン株式会社【著】 [評者]柳瀬典由慶

本書は,事業会社のリスクマネジャー等を主な想定読者とする自家保険の入門書だ。他の自家保険に関する実務家向けの解説書と比べ,本書には3つの特徴がある。

企業法務総合

サーキュラーエコノミーの実現へ
プラスチック資源循環促進法の概要と企業対応
町野 静

2021年6月,「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下「本法」または「法」という)が制定され,2022年4月1日より施行された。この法律は,プラスチック廃棄物の排出抑制,リサイクルのための企業の自主的取り組みにさまざまな影響を与える法律である。本稿では,本法の概要を解説したうえで,企業が求められる実務対応につき検討する。

企業法務総合

弁護士が知っておきたい SNS利活用のススメ!
北 周士

弁護士がSNSを利活用するにあたり,目的に応じたSNSの選択方法および各SNSの特性,「広告」を行う際の注意点に加え,利活用により発生し得る問題とその対処法について解説する。

企業法務総合 コンプライアンス

2022年1月消費者庁ウェブサイト公表
「内部通報に関する内部規程例(遵守事項+推奨事項版)」の解説
中原健夫・横瀬大輝・結城大輔・福塚侑也

事業者にとって改正公益通報者保護法(以下「改正法」という)ならびに消費者庁指針および指針解説への対応の中心の1つが,内部規程の改定である。本稿では,消費者庁ウェブサイトに掲載されている「内部通報に関する内部規程例(遵守事項+推奨事項版)」(以下「規程例」という)について,多くの事業者が規程改定に際し検討する箇所を,規程例を作成した弁護士4名が解説する。

企業法務総合

事業再生の動向と再生案件の現状分析
田中新也

新型コロナウイルス感染症による影響が長期化し,企業は厳しい経済環境に置かれる一方,各種の資金繰り支援が講じられ,表面的には倒産件数や事業再生件数は増えていない。本企画では,コロナ禍における事業再生の動向を整理し,現状を分析するとともに,取引先が倒産・再生局面に陥った場合の対応について解説する。

企業法務総合

ベンチャー投資における連帯責任条項の考察
辻口敬生

岸田政権は2022年を「スタートアップ創出元年」と称し,2月には経済産業省が「事務局説明資料」(以下「説明資料」という)を公表,日本のスタートアップエコシステムの現状認識と課題を説明している。今回はその課題の1つであり,起業の阻害要因でもある「個人保証が起業に与える影響」を検討する。ベンチャー投資契約での創業株主に対する連帯責任のトレンドを追い,弊社のひな形契約書において定める起業家の負担軽減施策について紹介する。

連載
最新判例アンテナ
第47回 市場買集めに対して導入された有事導入型買収防衛策のルール違反に基づき,株主意思確認総会におけるいわゆるMoM決議により発動された対抗措置としての差別的新株予約権無償割当てが認められた事例
会社法

三苫 裕・秋山 円

X社ら(債権者・抗告人)は,2020年6月9日から市場内でY社株式の買集めを進め,同年7月21日には株券等保有割合が32.72%に至り,保有目的を純投資から支配権の取得へと変更した。同年8月6日,Y社取締役会は,有事導入型買収防衛策の導入を決議・公表したものの,その後も,X社らは,同防衛策に定められた手続をとることなく買集めを進めた。同年8月30日,Y社取締役会は,同防衛策に基づく差別的行使条件付新株予約権無償割当て(以下「本件対抗措置」という)の実行を決議し,同年10月22日に実施されたY社の株主意思確認総会(以下「本件株主意思確認総会」という)において,X社らおよびY社取締役ら以外の出席株主の議決権の過半数の賛成を得て,本件対抗措置の発動が承認可決された。これに対し,X社らは,本件対抗措置には株主平等原則に違反する「法令」(会社法247条1号)違反があり,また「著しく不公正」(同条2号)であるとして,その仮の差止めを求めた。原々審は,仮の差止めを認めなかったため,これを不服としてX社らが抗告した。

企業法務総合

LEGAL HEADLINES
森・濱田松本法律事務所編

企業法務総合

新連載 社会人資格のつまみ食い!
第1回 司法試験・予備試験
平木太生

本号より6回にわたり,資格紹介の連載をさせていただく,弁護士・公認会計士の平木太生(jiji)と申します。主に社会人の方に向けて,仕事に役に立つ資格の紹介をさせていただきます。また,私が各種試験で培った勉強経験から,各資格について私が考える効率的に合格する方法についても紹介できればと考えております。

企業法務総合

企業法務のための経済安全保障
第5回 経済安全保障推進法案(上)
経済安全保障を読み解く主要11分野――サプライチェーン強靭化,基幹インフラの機能維持
大川信太郎

本連載では,先日まで行政官として経済安全保障分野で政策立案・審査に従事していた弁護士が経済安全保障分野の法令について体系的に解説する。連載の第5回目および第6回目では,2回に分けて,2022年2月25日に国会提出された経済安全保障推進法案について解説する。経済安全保障推進法案の主要部分は,経済安全保障を読み解く主要11分野のうち,サプライチェーンの強靭化,基幹インフラの機能維持,技術基盤強化,非公開特許に相当する。

企業法務総合

続・業種別 M&Aにおける法務デュー・ディリジェンスの手引き
第5回 建設業②
宮下 央・田中健太郎・岡部洸志

前号につづき建設業を取り上げる。建設業においては,国,地方公共団体等の発注案件が多い,下請取引が当然に予定されているといった特殊性があり,法務デュー・ディリジェンスの内容もこれらの事業上の特殊性をふまえたものになる。なお,建設業許可の根拠法である建設業法に関しては,直近でM&Aに関係する重要な改正が行われているため,必要な範囲で改正事項にも触れる。

企業法務総合

解説動画でらくらくマスター! 新入法務部員が覚えたい契約英単語・表現
第10回 株式譲渡契約で頻出する英単語その②
本郷貴裕

今月は,先月号に引き続き,株式譲渡契約(M&A契約)で頻出する英単語をご紹介します。特に,価格調整,財務諸表,そして表明保証(レプワラ)に関する英単語を多く掲載しました。

会社法

マンガで学ぼう!! 法務のきほん
第4話 株主総会準備と法務部門
淵邊善彦・木村容子

株主総会は会社の最高意思決定機関です。以前は,株式を若干数保有して株主としての権利行使を濫用することによって 会社等から不当に金品を収受・要求したり,総会会場で不規則発言をする総会屋の存在が問題となっていましたが,近年は利益供与の禁止が強化され,総会屋はほぼ存在しなくなりました。代わりに,議決権を積極的に行使する「物言う株主」(アクティビスト)や一般株主の参加が増え,会社もコーポレートガバナンス・コードやIRの観点から積極的に情報提供や対話をする,いわゆる開かれた総会になってきました。そのため,株主提案権の行使や,総会当日の質問や動議も増加しています。

国際

中国における近時の重要立法・改正動向
最終回 外商投資法

章 啓龍・刁 聖衍

2020年1月より正式に施行された外商投資法は,中国に現地法人を有する日系企業に大きな関心を呼んだ。その後,今日まで法令そのものに改正はないものの,実務上の取扱いにはさまざまな変更,変化が生じており,重要な法令であることにかわりはない。そこで今回は,改めて外商投資法のポイントを確認するとともに,執筆時点(2022年3月)における実務の最新動向なども含めて,解説することとしたい。

コンプライアンス

類型別 不正・不祥事への初動対応
第4回 反社会的勢力との取引
山内洋嗣・山田 徹・白根 央・増成美佳

連載第4回では,反社会的勢力との取引をテーマとする。反社会的勢力との取引の疑いが生じたという事例を題材に,あるべき初動対応と押さえておくべきポイントを解説する。

労働法 国際

変革のアジア諸国労務――最新事情と対応策
最終回 台湾
木本真理子・呉 曉青

本連載では,これまで,タイ,ベトナム,シンガポール,インド,インドネシア,中国の最新の労働法制について紹介してきた。最終回となる今回は,コロナ禍においても,卸小売,金融,保険,テクノロジー,サービス業などの分野において,日系企業による投資が増加している台湾を取り上げる。台湾では,解雇規制を中心に労働者に有利な労働法制がとられている。近年,実体法,手続法ともに改正や新法制定が相次いでいることから,法改正とその運用の動向について注視する必要がある。

特別収録
ビジネス実務法務検定試験
3級 演習問題
企業法務総合