雑誌詳細

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2020年6月号

2020年4月21日発売号   1,700 円(税込)

緊急特集

新型コロナウイルス感染拡大に伴う
株主総会の準備と検討

特集1

新人弁護士・法務部員が知っておきたい
企業法務の「周辺学」

特集2

米国カリフォルニア州消費者プライバシー法への対応実務

特別企画

Lawyers、be ambitious!
ビジネス弁護士の「プロボノ」活動

緊急特集
新型コロナウイルス感染拡大に伴う
株主総会の準備と検討
会社法

会社が採り得る選択肢は?
開催可否の判断ポイントと開催方針・工夫
原 正雄

新型コロナウイルス感染が拡大するなか、2020年2月20日、厚生労働省がイベントの自粛を要請するメッセージを発表した(イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ)。3月26日には東京都など1都4県の知事がイベント自粛を求める共同メッセージを発表した。これから株主総会シーズンが到来する。本稿では株主総会を開催すべきか、自粛か、延期か。開催するとしても、安全確保のための工夫とはどのようなものが考えられるか、以下解説する。
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会社法

総会想定問答作成の際の留意点
──事業継続性、リスク評価・備え、従業員の感染防止策等
塩崎彰久・濱口耕輔

多くの企業において、現在6月に開催予定の定時株主総会の準備を進めているところであるが、今年は例年想定される質問項目に加え、新型コロナウイルスに関連して株主から多くの質問が寄せられることが予想される。そこで本稿では、本年の定時株主総会において新型コロナウイルスに関連して株主から聞かれる可能性がある主要なテーマを取り上げ、想定問答を準備するうえでのポイントや留意点を紹介する。なお、本稿執筆時点である3月31日において新型コロナウイルスの感染拡大状況は日々大きく変化しており、6月総会の時点では本稿の前提が大きく変わったり、新たな質問テーマや留意事項が生じたりしている可能性もあるため、企業担当者においては、想定問答の準備にあたり、総会直前までのこまめな見直しとアップデートの必要性にご留意いただきたい。
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会社法

2月20日開催「接触回避」「時間短縮」に配慮
マネーフォワードの株主総会対応
坂 裕和

Q1.2月20日に開催された第8回定時株主総会について、当初ご予定されていた内容から、新型コロナウイルス感染拡大に伴い変更された点を教えてください。 基本的には大きく変更したところはありません。当社総会の招集通知校了時点である1月下旬から開催日である2月20日までの期間、現在(注:3月27日時点)ほどの感染拡大はなかったことに加え、会社法上の観点からも、実務上の準備の観点からも、とれる選択肢は多くなかったことが理由としてあげられます。
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会社法

3月13日開催 ハイブリッド出席型バーチャル株主総会の実施
富士ソフトの株主総会対応
赤松 理

Q1.3月13日に開催された第50回定時株主総会について、当初ご予定されていた内容から、新型コロナウイルス感染拡大に伴い変更された点を教えてください。 まず、インターネットを用いて議事進行を視聴し、質疑応答および議決権行使を行う「インターネット出席」(注:後掲・経産省「実施ガイド」の「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」)を急遽取り入れました。また、当初は200名を収容する1つの会場で実施する予定でしたが、座席間隔をあけ密集を避けるべく、4つの分散会場とし映像・音声を同時中継しました。そして、受付や会場内にマスク・消毒液を用意し、感染予防に取り組みました。
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会社法

LEGAL HEADLINES 特別版
新型コロナウイルス感染拡大に伴う各省庁等別主な施策一覧(4月2日現在)
森・濱田松本法律事務所 編


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特集1
新人弁護士・法務部員が知っておきたい
企業法務の「周辺学」
契約書レビューでは、一見法律とは関係のない知識をいかに早く身につけるかが肝心です。しかし、国内・国外取引の流れや税務・会計的な視点等、法務実務に役立つ周辺知識をまとめて学ぶ機会というのは、あまり多くないのではないでしょうか。また、法務部門の業務が多岐にわたる今、他部門への適切な法的アドバイスを行うために、どのような想像力が必要なのか......。本特集では、これから法律実務家として活躍する新人弁護士・法務部員に向け、法務部門に必要な「周辺学」の基礎につき、丁寧に解説しました。
企業法務総合

将を射んと欲すればまず馬を射よ!
法務パーソンに求められる「周辺学」とは?
小林洋光

民法、契約法など個別の法律論や類似判例は理解していても、いざ事業部との打ち合わせや契約書ドラフトなどの実務を担当すると、それらの理解と実務との歯車がうまく噛み合わない現実に直面することが多い。歯車を回す潤滑油として必要なのは、法律論と実務の現場をつなぐ周辺部分であり、言語習得と同様に、法務業務に隣接する周辺部分をいかに早期から学ぶかが「周辺学」への理解において必須となる。

企業法務総合

モノの流れ・ヒトへの想像力を養う
国際取引実務の「周辺学」
中川裕一

筆者は、約20年前にアメリカのロースクールを修了してからヨーロッパの企業で長らく企業内法務を経験している。この20年間は、外国人とやりとりをしない日はない日々を過ごしており、ある意味では毎日が国際取引の連続である。本稿では、筆者の経験してきた国際取引の周辺学について新人法務部員に向けて述べたいと思う。なお、本稿は筆者個人の見解であり、現在・過去に所属した団体や組織の見解ではない。

企業法務総合 税務

契約審査における着眼点 
一般取引にかかわる税務の基本
入谷 淳

会社が行う取引には、常に税務が関連しており、税務の問題が取引の形態を決める要因となることもある。したがって、法務部員が取引に関する法的アドバイスを求められた場合に、税務を無視したアドバイスを行うと、法的には正しくとも、税務の観点からは的外れな助言となってしまうこともあり得るため、法務部員も税務について一定の知識と感覚を持つことが求められている。

企業法務総合 税務

"契約書"に該当する文書とは?
印紙税の判断枠組みと具体的留意点
山田重則

企業はその活動に伴い、日々、さまざまな文書を作成しているが、その際、避けて通れないのが印紙税の問題である。印紙税が課されることを知らないまま文書を大量に作成してしまった結果、後に数千万円から数億円という多額の過怠税を課されるケースが後を絶たないため、本稿で印紙税判断の基本的な考え方を身につけていただければ幸いである。

企業法務総合

取引やM&A の視点が深まる
貸借対照表・損益計算書の読み方
宇賀村彰彦

本稿では、日ごろ経理業務に携わっていない法務部門を対象に、いわゆる財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)のうち貸借対照表および損益計算書を中心として、その構成や読み方といった基本的な点について解説していく。

特集2
米国カリフォルニア州消費者プライバシー法への対応実務
国際 AI・個人情報

2020 年7 月1 日に執行開始
総論 CCPA 規制の全体像
井上乾介

2020年1月に施行されたカリフォルニア州消費者プライバシー保護法は、アメリカ合衆国で初めての包括的な個人情報保護法である。同法は、カリフォルニア州の住民である「消費者」に対して、①開示請求権、②削除請求権、③個人情報の販売からのオプトアウト権、④権利行使による差別を受けない権利等を与え、事業者に対し、情報提供、権利行使への対応などの義務を課すものである。

国際 AI・個人情報

「事業者」「サービス提供者」「第三者」への該当性
規制の適用範囲と適用除外
水越政輝

カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act of2018、以下「CCPA」という)は、カリフォルニア州内の法人に限らず、カリフォルニア州内に拠点を持たずに事業活動を行っている日本企業や日本の親会社にも適用される可能性がある。すでにCCPAの適用を受けることを前提に対応を進めている日本企業も多くみられるが、その一方で、自社またはそのグループ企業においてCCPA対応を行う必要があるか判断に迷うケースも少なくないように思われる。本稿では、CCPA対応に関する検討の入り口である、適用範囲および適用除外について、実務上の留意点も交えつつ概説する。

国際 AI・個人情報

事業者に課せられる義務の概要と対応チェックリスト
キャサリン・マイヤー・奈良房永

CCPAの対象となる事業者には数多くの義務が課せられるため、組織全体にあるカリ フォルニア州住民の個人情報を把握したうえで対策を立て、必要な措置を講じていくこ とが重要である。

国際 AI・個人情報

専任組織設置の重要性
楽天のCCPA 対応
楽天株式会社情報セキュリティ・プライバシーガバナンス部グローバルプライバシーオフィス

米国のカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が2020年1月1日に施行を迎えた。最終規則のパブリックコメントの募集も終わり、カリフォルニア州司法長官によるCCPAの執行が可能となる2020年7月1日までのカウントダウンが始まっている。本稿では、楽天がEUの一般データ保護規則(GDPR)対応から学んだことも含め、CCPAにどのように対応を実施したのかを説明する。説明には実施した対応の背景にある考えにも焦点を当てた。所属する組織は違うとしても、同じくCCPA対応を進める方々、または進めようとしている方々にとって何か役立つ考えを共有できれば光栄である。

特別企画
Lawyers、be ambitious!
ビジネス弁護士の「プロボノ」活動
企業法務総合

ビジネス弁護士・法律事務所の姿勢に変化
世界と日本のプロボノ活動の現状とこれから
木下万暁

プロボノとは、ラテン語で「公益善のために」という意味を持つ「Pro Bono Publico」を語源としており、主に職業上の専門性を活かした形での社会貢献活動を指します。このプロボノについて法曹業界において世界的にもっともよく引用されるのは、年間50時間のプロボノ活動を推奨しているAmerican Bar Association(以下「ABA」といいます)のプロボノの定義です。ABAの規定では弁護士が行うべきプロボノ活動として、この50時間の大半を①資力の乏しい個人または②資力の乏しい個人のための活動を行う慈善団体、宗教団体、市民団体、地域、政府もしくは教育機関に対して、無償または報酬を受領する期待なしに法律事務の提供を行うこと、と規定しています1。

民法・PL法等

魅力は「出会い」と「多様性」
齋藤宏一

私は、2001年10月の弁護士登録以来、その弁護士人生のほとんどを企業法務に捧げてきました。現在も、いわゆる大手渉外法律事務所に所属しつつ、日々企業の依頼者から多方面にわたる法律相談をいただき、その対応に忙殺される毎日を過ごしておりますが、そのような状況のなかでもかかさず実践している活動があります。それが「プロボノ」活動です。

民法・PL法等

事務所を挙げた積極的なプロボノ活動
根本剛史

私がアメリカに留学した際、ロースクールにおいても法律事務所においても、プロボノ活動が推奨され、活発に行われている実態を目にして、日本の状況と大きく異なると感じ、プロボノ活動に関心を持つようになりました。どういう形でプロボノ活動に携わるのがよいかを模索していたときに、BLPネットワークという、ビジネス法務を専門とする弁護士がそのスキルや知識を活かしてプロボノでNPO等を支援しているネットワークがあることを知りました。

企業法務総合

本業・プロボノの相互作用で広がる活動領域
山本龍太朗

私がプロボノ活動を積極的に行っているのは、弁護士を志望したきっかけが大きく影響しています。私は、法学部出身ではなく、大学入学時には法曹になるつもりなど一切なかったのですが、大学1年生の時に関わっていた学生団体を法人化する際、NPOの定款を起草し、神奈川県庁に何度か足を運んだり、事業に関する規制を調査したりするうちに、新たに事業を行うにはさまざまな法律が関係してくることを実感し、それをきっかけに、弁護士という職業を意識しました。

企業法務総合

アジアプロボノ会議への参加と若手のネットワークづくり
中山佑華

私が所属しているリンクレーターズ東京オフィスには、プロボノ・コーディネーターという役割があり、私は入所以来、コーディネーターとして東京オフィスでのプロボノ活動の推進に励んできました。コーディネーターの主な役割は、①支援先のNPOや他オフィスからのプロボノ依頼の連絡窓口、②所内の弁護士に対するプロボノプロジェクトの割振り、③他のアジアのオフィスのプロボノ活動状況の情報共有、④所内の新規プロジェクトの企画等です。

企業法務総合

勤務先との関係は?
インハウス弁護士のプロボノ活動
渡邊 賢

三度の飯よりもプロボノが好き。若干言い過ぎましたが、本稿では、そんな私がインハウス弁護士として企業勤めの傍ら、楽しくプロボノ活動に取り組んでいるところをご紹介します。プロボノ活動に積極的に取り組んでいるインハウス弁護士は現状ではあまり多くないと感じています。しかしながら、若手を中心に、直接的な社会貢献活動がしたい、社外で自身のスキルを誰かに提供したい(試してみたい)、と考えている方は多いのではないでしょうか。

地平線

民法・PL法等

動産・債権を中心とした担保法制の見直し
佐久間 毅

(公社)商事法務研究会に「動産・債権を中心とした担保法制に関する研究会」(座長・道垣内弘人専修大学教授)が設けられ、担保に関する法律の改正または制定を視野に入れた検討が進められている。資金調達手段の多様化のため、動産、債権等の不動産以外の財産を用いた担保の活性化が望まれる。その活性化のためには、資金の供給側にとって、担保価値(優先順位)の客観的な把握、目的財産の安全な管理、必要時の担保価値の十分な実現が容易でなければならない。

トレンド・アイ

ファイナンス

投資を通じた環境・社会への貢献
グリーンボンド発行で広がる投資家との対話
安藤紘人

国内外のグリーンプロジェクト(環境改善効果のある事業)の資金を調達するために発行する債券を、グリーンボンドと呼ぶ。一定規模のESG(環境、社会、ガバナンス)投資を行うことにコミットしている機関投資家や、ESG投資に関心を持つ個人投資家などが投資主体として想定されており、国内発行体によるグリーンボンドの発行が急速に増加している。2014年の日本政策投資銀行による発行を皮切りに、2014年に約337.5億円であった発行実績は2019年には約8、238.3億円に達した1。また、住友林業が2018年に世界初のグリーンCB(転換社債型新株予約権付社債)を発行するなど、新たな種類のグリーンボンドも生まれている。そこで、2020年3月に公表された最新版のグリーンボンドガイドラインの紹介を中心に、グリーンボンド発行のいまを概観する。

LAWの論点

会社法

買収防衛策をめぐる近時の動向
──ガバナンス改革の推進ともの言う株主の活発化をふまえて
矢﨑淳司

近時では、わが国の上場会社において買収防衛策を撤廃する傾向が続いており、買収防衛策をめぐる状況に変化がみられる。このような変化は、コーポレートガバナンス・コードおよびスチュワードシップ・コードの策定・改訂や株主アクティビズムの興隆などの会社法分野における大きな潮流のなかで生じてきたように思われる。本稿では、これらの背景に触れながら、買収防衛策をめぐる近時の動向について検討する。

実務解説

会社法

ESG要素が「スチュワードシップ責任」に追加
改訂スチュワードシップ・コードの概要と企業対応
山口拓郎

2020年3月24日にスチュワードシップ・コードの再改訂版が公表された。スチュワードシップ・コードは、機関投資家および機関投資家向けサービス提供者に向けられたコードであるが、今回の改訂により、機関投資家の行動に変化が生じることが予想される。これをふまえて、上場会社が留意すべき事項について解説する。

会社法

プライム市場企業に求められるガバナンス水準は?
「市場構造の見直し」の概要と企業に求められる対応
翁 百合

今般の東京証券取引所市場区分見直しは、上場企業がその株式の流動性とガバナンスを向上させ、持続的な企業価値の向上を目指すことを、TOPIXと市場区分の切り離しは、日本を代表する指数の機能性が向上することを目指しており、両改革により内外の投資家にとりより魅力ある市場となることが期待される。

争訟・紛争解決

企業法務への影響は?
民事裁判手続IT化の現状と民事訴訟法改正のゆくえ
平岡 敦

民事裁判手続IT化フェーズ1が、2020年2月3日から開始された。約1カ月後の時点で、すでに153件でウェブ会議により期日等が開かれていて、おおむね好意的に受け容れられている。新型コロナウイルスの流行を受けてリモートアクセスの重要性が認識されている状況も、ウェブ会議での期日等の開催を後押ししている。期日等をウェブ会議で開催したり(e法廷)、書面や証拠をインターネットを経由してデータで登録したり(e提出)、事件情報や事件記録をデータベース管理して閲覧できたり(e事件管理)する民事裁判手続IT化については、訴訟実務に直接携わる弁護士等が最も強い関心を抱くところであるが、その依頼者となる企業にとっても直接・間接に大きな影響を与える。本稿では、民事裁判手続IT化において想定されている3つのeと言われる機能ごとに、企業法務がどのような影響を受けるのかを順次説明する。更に、民事裁判手続IT化に必要となる民事訴訟法の改正を契機として、必ずしもIT化とは直接の関連を有しない事項についても改正の議論が進んでいるので、そのうち企業法務に影響を与える事項について解説する。

危機管理

企業のアンケート結果をもとに検討する
内部通報制度認証(自己適合宣言登録)の課題と今後
田島正広

「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」改訂を受けて導入された内部通報制度認証制度(自己適合宣言登録制度)は運用開始から1年余が経過したが、その認証を取得した企業が2020年3月時点で50社となっている点は、積極的にも消極的にも評価される。そこで、認証取得済み企業(全企業対象)と認証を取得していない企業(比較対象として100社を抜粋)のそれぞれにアンケートを実施し、制度の実態と企業側の受け止め方を調査し、さらには制度の課題と改善への期待を抽出することとした。以下にはその概要を報告する。なお、調査対象の母数が必ずしも多くない点は、統計的評価にあたっての留意点であることをあらかじめ申し添える。

会社法

「コーポレート・ガバナンスの虚偽報告」に対する初の課徴金事例の分析と自社への教訓
渡辺 徹

金融庁は、初めて、有価証券報告書におけるコーポレート・ガバナンスの記載が虚偽であることを理由とする課徴金納付命令を決定した。本稿は、当該命令がなされた事例の概要を分析するとともに、今後同種の課徴金納付命令が決定されるおそれがあるか、また、当該命令の事例における問題点とその対応策について検討する。

会社法

日本企業が知っておきたい
米国における株主総会のトレンドと機関投資家・アクティビストの最新動向
依馬直義

米国の株主総会のトレンドを知ることは、将来における日本の株主総会の動きを予測するうえで非常に意義がある。筆者の経験によれば、米国の株主総会において過去にみられた買収防衛策の導入とその後の廃止、株主総会のイベント化・規模の拡大とその後のダウンサイジング、役員報酬インセンティブの拡大、取締役会のダイバーシティ促進といったさまざまなテーマが、その後になって日本の株主総会でも話題となり、日本の行方を示唆する内容が多くみられる。本稿では、米国の機関投資家、市場関係者、金融機関、コンサルティング会社等への現地取材をふまえ、米国における株主総会のトレンド、2019年総会のトピックス、最近の機関投資家およびアクティビストの動向について解説したい。

連載

企業法務総合

LEGALHEADLINES
森・濱田松本法律事務所

2020年2月〜2020年3月

会社法

最新判例アンテナ
第25回 株式会社の社外役員で構成される調査委員会作成の調査報告書が自己利用文書(民事訴訟法220条4号ニ)に該当しないとされた事例(大阪高決令元.7.3金判1574号8頁)
三笘 裕・石本晃一

国際 AI・個人情報

「個人情報保護法」世界の最新動向
第5回 インドネシア
Luky Walalangi・吉本祐介・町田憲昭・ 杉本 清

インドネシアにおいては、個人情報保護に関する統一的な法律は存在せず、業種ごとに定められた法令が重畳的に適用される。これらの法令のうち、適用範囲が比較的広範囲にわたり、近時インドネシアに進出する日本企業の関心を呼んでいる個人情報保護に関するルールとして、2019年10月10日に公布され、即日施行された電子システムおよび取引の実施に関する2019年政令71号(以下「2019年政令」という)があげられる。

企業法務総合 会社法

対話で学ぶ 法務対応の勘所
第7回 プロジェクト案件(リスク分担)
朝倉 亮

先日いろいろと教えていただいた、石油化学プラントを建設・操業する合弁案件1について、おかげさまで、パートナー候補と共同開発契約(Joint Development Agreement:JDA)を締結することができました。現在、締結したJDAに基づきプロジェクトの実行可能性・採算性を検証しています。営業部によれば、プラントから生産される予定の石油化学製品について、顧客との間でオフテイク契約(長期引取契約)を締結することが案件推進の前提とのことです。オフテイク契約におけるリスク分担(リスク・アロケーション)について相談したいと営業部から言われましたが、オフテイク契約というのも、リスク・アロケーションというのも、カタカナばかりでピンときません......。

ファイナンス

トークン・ビジネス法務入門
最終回 セキュリティ・トークンおよびステーブルコインの規制上の取扱い
芝 章浩

今回(最終回)はセキュリティ・トークンおよびステーブルコインの規制上の取扱いについて、2020年1月14日にパブリック・コメント手続に付された令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等(以下「パブコメ案」という)をふまえて概説する。なお、パブコメ案の内容については変更があり得る点にご留意されたい。

会社法

株主・株式からみた中小企業M&Aの実務
第2回 中小企業の株式の基本知識
松岡 寛

事業承継を目的とした中小企業M&Aで圧倒的多数を占めるスキームは、株式譲渡によって買収の対象となる株式会社の経営権を獲得する方法である。したがって、中小企業M&Aを成功させるためには、中小企業における株式の実態を把握しておくことが不可欠となる。本稿では、かかる中小企業の発行する株式に関する基本的な内容および実務で登場する特徴的な部分について概説する。

国際

世界の法律実務・遊歩録
第7回 英国編 「クラフトビールと法律」
佐々木祐介

筆者は、イングランド北部のダラム大学(創立1832年)に1年間留学していました。大学があるダラム市はロンドンから北に車で6時間、日本で例えると、青森県や岩手県のような立地になります。人口5万人のうち学生が3万人を占める学生の街で、現地の人はGeordieやYakkaと呼ばれる強い訛りの早口英語を喋りますが、ある新聞の調査では英国で最も魅力的な方言として選ばれたこともあります。

争訟・紛争解決

ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(刑事編)
第1回 捜査の端緒等
沖田美恵子・本多茂雄

企業にとっても従業員にとっても、刑事事件に巻き込まれる、あるいは関与するということは可能な限り回避したいところではあるが、ときにその被害に遭い、あるいは関与するということがある。近時は企業内における不正を早期かつ的確に発見するための体制整備が進み、業務に関係する犯罪も露見しやすくなっていると言えよう。一般論としては、刑事訴訟における時間の流れは民事訴訟のそれと比べて早く、早期の判断が求められることが多い。また、企業にとってもその法務担当者にとっても、民事と比べてもなおのこと、刑事訴訟手続にかかわりを持つことは少ないと思われる。本連載は、架空の事例に基づいて刑事訴訟手続の流れを解説し、対応時の留意点を示すものである。

争訟・紛争解決

知って、活用! 国際仲裁・国際調停
第4回 国際仲裁の手続(仲裁申立・仲裁人の選任・審理計画の策定)
岡田春夫

前回(第3回、2020年4月号掲載)では、主要な仲裁条項および緊急仲裁人手続について解説した。第4回となる本稿から、仲裁手続について解説する。本稿では、仲裁申立・仲裁人の選任・審理計画の策定までを解説する。

競争法・独禁法

証拠からみる 独禁法違反認定の鍵
第6回 多摩談合事件
向 宣明

本連載は、独占禁止法違反を疑われる行為の当時の文書が、証拠としてどのように評価されることになるのか、実例をふまえた検討を行うことで、同種事案への対処についての示唆を得ようとするものである。今回は、違反の成否について最高裁の判断が示された事例である多摩談合事件1を取り上げる。なお、証拠の状況を理解することは、判示の趣旨を理解するうえでも有用であり、参考になる。

債権法改正 企業対応の総点検
最終回 システム開発契約に関する債権法改正の留意点
林 光男

ビジネスのさまざまな場面においてIT利活用が普及し、システム開発契約は、システム開発会社(ベンダ)のみならず、システムを業務に利用する発注者(ユーザ)企業にとってもその重要性を増している。システム開発契約は、一般に、いくつかの段階を経て契約締結に至る。システム開発契約締結以前に実施されるユーザからベンダに対する提案依頼に始まり、完成したシステム検収後のシステム利用にかかる指導や保守契約を含めると長期間にわたる種々の契約関係が認められる。ここでは主に、要件定義(ベンダが実施する要件定義書作成支援業務)フェーズ、外部設計・詳細設計・システム開発フェーズを中心として、これらに関わる契約実務上重要と思われる民法(債権法)改正のポイントについて解説する。