雑誌詳細

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2019年5月号

2019年3月21日発売号   1,609 円(税込)

特集1

不当表示を防ぎ、効果的な宣伝を促進する
広告審査法務の実践

特集2

M&A契約書審査の基礎

特集1
不当表示を防ぎ、効果的な宣伝を促進する
広告審査法務の実践
2016年の景品表示法への課徴金制度導入以降、消費者庁による同法執行件数は増加し、「広告・表示コンプライアンス」強化の必要性が高まっています。法務部門には、法規制や各種ガイドラインの趣旨を適切に理解し、広告・表示の違法可能性を指摘することはもちろんのこと、商品の訴求力を損なわずにビジネスをサポートする姿勢も必要です。本特集の前半では、近時執行傾向をふまえた広告審査の着眼点を解説し、後半では3社の実例をもとに社内審査プロセスのあり方、審査担当者の心構えをご紹介します。
企業法務総合

不当表示規制の執行状況と課徴金制度により顕在化した実務上の課題
木川和広・後藤直之

2016年4月、景品表示法上の不当表示に対する課徴金制度が施行された。本稿では、不当表示規制の執行状況に関する統計データを概観したうえで、消費者庁による行政調査に対して事業者を代理している立場から、不当表示規制の運用に関する実務上の課題を紹介する。

企業法務総合

媒体の変化に対応したガイドラインにみる
打消し表示の執行状況と最新実務
染谷隆明

消費者庁は、打消し表示に関する実態調査(【図表1】)を行った後、現在に至るまでの間に延べ25社の企業に対し、打消し表示が不十分であることを指摘し、不当表示を認定して措置命令を行った(【図表2】)。このため、従前の見づらい打消し表示をすることが原則の広告制作実務から転換する必要がある。本稿は、その一助として、打消し表示をめぐる最新動向や表示を適正化するコンプライアンス体制について概説したい。

企業法務総合

「最近相当期間」といえますか?
二重価格表示の執行状況と最新実務
古川昌平

近時の二重価格表示に関する執行事例をふまえると、消費者庁は、特に過去の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示に関し、価格表示ガイドラインを、ガイドラインの示す基本的な要件を満たせば有利誤認表示と判断しないというセーフ・ハーバーとしてでなく、同要件を満たさなければただちに有利誤認表示と判断するという規範として位置づけているように思われる。議論の余地はあるものの、実務的には、1日単位で価格表示ガイドラインを厳守することが肝要である。

企業法務総合

広告審査の着眼点と具体的な修正提案
松田知丈・嶋村直登

法務部などの管理部門が広告審査を行う場合には、事業部門と協議しながら、「一般消費者」の目線に立ってアドバイスをすることが求められる。広告審査は知識の応用が求められる場面であり、担当者が最も頭を悩ます場面でもあるため、いくつかの事例をもとに、その着眼点と修正提案の一案を示すこととしたい。

企業法務総合

花王株式会社
消費者目線の優良誤認防止の工夫
小川英子

花王は「消費者ベースでのもの作り」を行っており、表示は消費者が商品を選択するうえで重要なツールと捉えている。今回は主に「優良誤認」を防ぐためにどのような社内取組みをしているかを中心にご紹介する。

企業法務総合

パナソニック株式会社
表示管理体制の構築・徹底と担当者の心構え
中尾雄一

過去の2度にわたる景品表示法(以下「景表法」という)の大改正を受け、当社では表示コンプライアンスを的確に実践できる体制の整備や方針の徹底を行った。その概要について紹介するとともに、筆者が広告宣伝確認を行うにあたり心掛けていること、特に留意が必要と考える事項について、私見を交えながらとり上げる。

企業法務総合

サントリーホールディングス株式会社
時代の変化に対応する表示審査と法務組織
明司雅宏

景品表示法(以下「景表法」という)をはじめとする広告関連の法規は、商品やサービスによって、その内容・細かさが異なる。その規制は、一般消費者の感覚とずれていることもあるが、何より重要なのは、消費者目線である。さらに、グローバル化、テクノロジーの進化、法律以外の新たな視点など法務部門が取り組むべき課題は日々変化しており、法務部門はその変化に対応するとともに、一貫した考え方を持つ必要がある。

特集2
M&A契約書審査の基礎
会社法

M&A契約書の読み方と契約交渉の基本
――株式譲渡契約を中心に
江本康能

本稿は、M&Aのなかでも国内の非上場会社株式の譲渡を念頭に、株式譲渡契約の読み方の基礎を解説する。契約は、契約当事者の権利と義務を定めるものであるから、株式の売り手、買い手のそれぞれの視点を理解したうえで株式譲渡契約を読むと、その構造・チェックポイントがみえてくる。本稿は、その主要なポイントをいくつかとり上げる。

会社法

6つのチェック項目を押さえる
海外M&A契約書のレビューポイン
根橋弘之

本稿では、海外M&Aにおいて特に留意すべきリスクを概観し、当該リスクをふまえ、英文M&A契約書をレビューする際に重要なポイントを6項目のチェックリストにまとめている。交渉ポイントの全体像を把握し、社内での議論や法務アドバイザーとの協議を効率的に進めるための一助として、本稿で示すリストを活用していただきたい。

会社法

三井物産株式会社
M&A案件を効率的に進める体制とマインドセット
大串嘉誉

筆者は、2008年に外資系法律事務所に入所し、主に国内外のM&Aを担当していた。その後、2014年に当社に入社し、米州法務を担当する室、取締役会・株主総会・コーポレート・ガバナンスを担当する室、および米国LawSchoolへの留学を経て、現在は化学品・食料流通事業の法務を担当する室でチームリーダーを務めている。本稿では、まず、当社の法務体制(人員・組織および社内教育)について紹介した後、前記の経験をふまえた私見として、M&A案件を効率的に進めるための工夫について述べたい。なお、法務担当からみたM&Aの各プロセスにおける留意点については、本誌2015年2月号に「M&Aに法務部員がコミットする方法~事例で考える弁護士との役割分担」として寄稿している。これらの記事が、法務担当の方々の一助となれば幸いである。

実務解説

コンプライアンス

法務部門は防げるのか?
日産自動車事件にみる「経営者不正」への向き合い方
山口利昭

日産自動車前会長の不正疑惑報道は、一社員にすぎない法務・コンプライアンス部門が、経営者不正に立ち向かうことの苦労を痛感させる。法務部員が面と向かって経営者不正と対峙することにはレピュテーションリスクが潜んでいる。しかし経営者不正を放置すれば、企業は重大な危機に陥る可能性が高い。本稿では、法務・コンプライアンス部門が、自身の安全を確保しつつ、経営者不正を阻止するための方策について検討する。

テクノロジー・AI

個人情報保護委員会「補完的ルール」をふまえた
十分性認定以後のGDPR・個人情報保護法対応
野呂悠登

平成31年1月23日付けで、欧州委員会の日本に対する「十分性認定」が発効するとともに、個人情報保護委員会の「補完的ルール」の施行が始まった。本稿においては、日本企業が、十分性認定以後にどのようにGDPRと個人情報保護法に対応することが求められるかについて解説する。

企業法務総合 税務

取引形態、事業目的、法令の趣旨等を確認
税負担減少をもたらす取引の契約審査上の留意点
手塚崇史

法務部が契約書を審査するにあたって、その契約書が税負担を減少させるという効果が生ずる取引内容のものである場合には、経理部といった専門部署等と連携をとりながら、取引価格、取引態様、取引目的、適用のある租税法規の趣旨といった観点から審査を行うことが重要である。このような審査を行っておくことで税務調査対応がスムーズになったり、あるいは思わぬ課税リスクを低減することができる。

会社法

2つのパターンにみる
事業報告等と有価証券報告書の一体的開示に関する記載例の解説
中村慎二

平成30年12月28日付で関係諸官庁が公表した「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組の支援について」は、2種類の記載例をとおして会社法に基づく事業報告・計算書類と金融商品取引法に基づく有価証券報告書の開示の一体化(一体的開示)のイメージを具体化し、今後一体的開示に取り組もうとする企業に有益な指針を提供するものである。本稿はその概要と今後の一体的開示の展望に関する私見を述べるものである。

国際 コンプライアンス

国内外におけるリスクマネジメントを図るには?
国際的不祥事に対応した第三者委員会の運用モデル
蔵元左近・真杉敬蔵

近年、日本企業(グループ)の経済活動が国内・国際両面で活発化しているなか、日本企業の不祥事の件数は増加し、内容も多様化している。そのようななかで、日本企業により設置され、企業から独立した委員で構成される第三者委員会は、数多くの企業不祥事で利用されてきている。後記のとおり、第三者委員会はわが国の法制度・社会的特質ないし文化に適う優れたシステムであり、その意義・役割は今後も大きいと考えられる。もっとも、日本企業が、国際的不祥事の場合に、弁護士・依頼者間秘匿特権の活用を意識せず、通常の第三者委員会における調査や報告書の公表と同様の対応を行ってしまうと、海外当局の調査や海外での訴訟・国際仲裁の当事者となった際に、大きなリスクに直面するおそれがある。そこで本稿では、日本企業が国際的不祥事の場合に、第三者委員会をどのように設置・運営すべきかについて、運用モデル(案)を示しつつ解説を行うこととした。なお、本テーマは多面的な分析が重要なため、筆者の所属する法律事務所の同僚弁護士(ディビッド・ケイス米国ニューヨーク州弁護士、ならびに、髙取芳宏弁護士および矢倉信介弁護士)からもコメントを得ることとした。

企業法務総合

デジタル・プラットフォームをめぐる取引環境整備の現状と課題
小川聖史

「未来投資戦略2018」(同年6月閣議決定)に基づき経産省・公取委・総務省が設置した「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」が、プラットフォーム事業者を取り巻く課題や対応について検討し、同年12月に「中間論点整理」を公表し、これをふまえ、経産省、公取委および総務省がルール整備の「基本原則」を策定した。さらに、本年2月の未来投資会議をふまえて、今後の具体的検討項目が示された。本稿は、これらの動向を解説したうえで、事業者にとっての留意点等を概説するものである。

コンプライアンス

対立を超えて、建設的な議論を導くためのアプローチ
不祥事対応における法務部門・広報部門の連携
鈴木悠介

弁護士として企業不祥事案件を多く扱っていると、クライアントの法務部門と広報部門との間に緊張関係が生じる場面に遭遇することがある。近時では、不祥事対応の成否を大きく左右する危機管理広報の場面において、その傾向が顕著である。危機管理広報の失敗が企業の存続すら脅かし、その判断の誤りに対する法的責任が問われるケースも出てきたことを受けて、「危機管理広報は広報部門の専門領域」と捉えられていた時代は過ぎ去り、法務部門としても危機管理広報に無関心ではいられなくなった。その結果、危機管理広報のあり方をめぐって両部門の意見が分かれ、緊張関係が生じやすい状況にもなっているが、本来、法務部門と広報部門は、企業が不祥事という危機に対処していくうえで両輪となる部門である。両部門の関係がぎくしゃくしていては、企業として、不祥事対応という難局を乗り切れない。そこで、以下では、元報道記者の弁護士として、法務部門・広報部門の双方に"取材"した成果をもとに、不祥事対応における法務部門と広報部門の緊張関係の実態や背景に触れながら、両部門が、そのスタンスの違いを超えて、建設的な議論を導くための方策についてとり上げてみたい。

コンプライアンス

契約、コンプライアンスの視点で検討
自然災害発生に係る法務担当者の平時対応
落合孝文・森田樹理加

2018年も企業活動に影響が及ぶ自然災害が断続的に発生した。災害によるビジネスへの影響を最小限に食い止めることは必要不可欠である。本稿では、法務部等のバックオフィスが大規模自然災害に備えて、契約上の処理、コンプライアンスの関係で事前に準備すべきと思われる重要な点につき、具体例を交えつつ説明する。

地平線
産業革新投資機構の挫折に日本経済の将来を憂う
企業法務総合

宍戸善一

誰の効用も損なうことなく、誰かの効用を引き上げられるのなら、それによって社会全体の効用を拡大することができる。産業革新投資機構の挫折の報に接し、ミクロ経済学で必ず習う「パレート効率」の概念が頭に浮かんだ。

トレンド・アイ
近時の高齢者雇用の傾向と法的課題
労働法

岡芹健夫

人事、労務においても、現在のわが国の少子高齢化は深刻である。人口でいえば、平成2年と平成28年との比較をするに、15~64歳の人口は、実数では平成2年で約8、614万人、平成28年で約7、656万人(約11.1%減)、総人口に占める割合になると、平成2年が約69.7%、平成28年が約60.3%(約13.4%減)となっている。しかも、この間、15歳未満の者の総人口に占める割合は約18.2%から約12.4%と3割以上の減少であり、抜本的施策なくしては労働力不足の進行に歯止めがかからない状態である(以上、数字は総務省統計局「人口推計」)。

連載

企業法務総合

LEGALHEADLINES
森・濱田松本法律事務所

2019年1月〜2月

労働法

最新判例アンテナ
第13回 業務手当(定額残業代)の割増賃金該当性の判断枠組みを示したうえで、これを肯定した事例(最一小判平30.7.19労判1186号5頁)

三笘 裕・坂口将馬

企業法務総合

ロイヤーの使い方を押さえる!法務のための英単語辞典
第1回「責任」はResponsibility?Liability?
豊島 真

「辞書を引いたら単語がいくつか出てきたが、どちらを使ったらよいのだろう......」このような経験をされる方は多いと思う。正確性が要求される法務においては特に、正しい単語を使うことが重要である。本連載では、法務英語においてその意味や使い方を正確に押さえておきたい単語を解説していく。

企業法務総合

法務部に伝えたい"実効的"内部監査のコツ
第1回 他社に学べ、過去に学べ
樋口 達

うちの会社は、しっかりとしたルールがあるから、不正・不祥事は起こらないと思っていませんか。自分が不正・不祥事を起こすはずはないし、監査の仕事をしているわけではないから、内部監査は無関係だと思っていませんか。しかし、これからの企業活動において、どのような企業にとっても、また、どのような方々にとっても、内部監査はますます重要になってきます。

会社法

異業種M&Aの成功ポイント
第1回 総論:異業種M&Aのポイント
井上舞香・田中大貴・森詩絵里

昨今、新規事業開発を目的とした、異業種企業の買収が増えている。一般的に異業種M&Aは同業種M&Aよりも成功確率が低いと考えられている。しかしそれは、同業種M&Aと同様のプロセスや論点を異業種M&Aに適用した場合である。異業種M&Aの特性や留意する点を押さえておけば、買収先が異業種であっても成功確率を高めることができる。そして、それは法的観点においても同じである。本連載では7回にわたって、異業種M&Aの留意点をお伝えしていく。まだ異業種M&Aに携わったことのない方も、来たる異業種M&Aに備えて、本連載にて心構えをしておいていただければ幸いである。

労働法

会社がすべきこと・しなくてよいこと
メンタルヘルス不調者への対応実務
第2回 復職・退職判定の勘所②
──産業医判断と主治医診断が異なる場合の対応等
向井 蘭

復職判定の際、会社が産業医に意見を求めることが多いが、産業医と主治医の意見が異なる場合もまま見受けられる。産業医は医師でありながらも、患者の治療を行うものではなく、専門家として就労可能性や労働環境について意見を述べるものであり通常の医師の診断書とは異なった角度から会社も意見を考慮する必要がある。その場合にどのような観点から産業医の意見を判断すればよいか、本稿で記載をした。

企業法務総合

第2キャリアとしての弁護士
第2回 週刊誌記者の行動力でASEAN法務を開拓
團 雅生

学生時代と同様の私服姿で昼過ぎに編集部に出勤し、雑務を終えて担当するテレビ局内の記者室に移動する。局内を回り、新番組の制作発表や番組収録に顔を出し、時には出演者にインタビューを行う。夜が更けてから編集部に戻り、取材の結果を原稿にまとめて朝方に帰宅。就職氷河期の2001年に運よく出版社に入社した私は、希望どおりテレビ情報誌編集部に配属され、2002年当時は前記のような生活を送っていた。

会社法

会社法改正後の株主総会電子提供制度への実務対応
最終回 Q21〜Q24
伊藤広樹・清水博之

Q21:会社は、株主から書面交付請求を受けていない場合であっても、株主に対して株主総会資料一式を書面で交付することができるのでしょうか。その場合における実務上の留意点についてもあわせて教えてください。

民法・PL法等

いまさら聞けない登記実務の基本
第4回 商業登記:アウトライン
鈴木龍介・立花 宏

本連載の4回目は、商業登記のアウトラインについてとり上げます。商業登記は、取引の相手方となる会社や個人商人を知るための基本となる情報を提供するなど、ビジネスにおいて重要な役割を果たしています。企業の法務担当者にとって、その基本を理解しておくことは、必要不可欠です。

企業法務総合

若手弁護士への箴言
第8回 来世も輝き続ける魂であれ
髙井伸夫

旧知の出版関係者の紹介で面識を得た倫理学者から、「倫理学は、人間がどうしたらよりよく生きられるのかを考える学問です」と教わった。私が考え続けている事柄も、突き詰めれば、よりよく生きるにはどうするかということに帰着するだろう。リーダーシップの要は「夢愛誠」であり、「真善美」であり、志を持たねばならないと言い続けているのも、これらは人間の魂を表す核心の言葉であり、よりよく生きるための指標だからである。何かを心の支えとして生きるという点では、祈りとも宗教心とも似通っているかもしれない。

会社法 国際

法務が主導するアジア子会社管理
第3回 会社法・労働法令遵守体制の構築方法
藪本雄登・遠藤裕介

第3回となる本稿では、各論としてアジア各国における会社法および労働法令遵守体制の構築方法について述べる。会社法や労働法は前回の贈収賄に関する規定と比較しても改正のスピードが早く、日本本社としては、アジア特有の法令と実務との間の乖離や、各国における細かな法令改正のスピードに追いつけないケースが多いと思われる。常に適法な体制を構築するためには、定期的な最新法令情報の入手・確認、および現地の専門家などによるコンプライアンス監査の実行が地道だが有効であると考えられる。

民法・PL法等

債権法改正企業対応の総点検
第1回 不動産売買契約における債権法改正の留意点
平本正則

2017年5月26日に成立した「民法の一部を改正する法律」(本連載においてこの法律による改正後の民法を「改正民法」という)は、2020年4月1日から施行される予定である。現行民法制定から約120年ぶりとなる、民法第3編債権編を中心とする抜本的な見直しであり、改正民法施行によって実務に少なからぬ影響が及ぶものと思われる。本連載では、実務上重要と思われる改正民法のポイントを12のテーマに整理しており、その第1回として今回は不動産売買契約をとり上げる。まず、今回民法(債権法)が抜本的に改正された背景等に触れつつ改正の趣旨を確認した後に、不動産売買契約にまつわる重要な改正ポイントを解説する。

ファイナンス

スッキリわかる金商法の基礎
第3回 大量保有報告制度・公開買付制度
谷澤 進・矢田真貴子

第3回は一般の事業会社にも関わりがある大量保有報告制度および公開買付制度について、具体的事例をもとに解説を行う。なお、当該制度の条文は相当程度詳細にわたるため、以下の説明は概略となっていることに留意されたい。また、以下で紹介する事例は、小職らが所属する法律事務所で扱った案件とは一切関係がなく、小職らが作成した架空の事例である。