
会社法の改正やコーポレートガバナンス・コードの影響で、社外取締役の選任が広がっています。今や、社外取締役の選任比率は全上場会社の約99パーセントに上っていますが、それが真にモニタリングの強化につながっているかはやや疑問です。社外取締役が業務執行の適法性や妥当性さらには利益相反のチェックといった役割を十分に発揮するには、情報収集等の仕組み作りや内部監査部門との連携などが課題となりますが、それ以上に重要なのは、社外取締役にふさわしい人材を確保することです。昨今のコーポレートガバナンス改革の理念を正しく理解するとともに、会社の財務や法務に精通し、しかも、会社にとって耳障りなことも厭わず発言する力量を持った人材を得ることが大切です。さらに言えば、社外取締役を務める会社の不祥事の発生が、社外取締役自身のレピュテーションの低下につながるような人物を選ぶことが大事です。そういう人物は、日ごろから会社の業務に厳しく目を光らせるとともに、万一の時には厳しくブレーキを踏んでくれるに違いないからです。その意味では、現経営陣の限られた人脈から選んだり、単に肩書や経歴で選ぶのではなく、アンテナを高くして出会いの機会を広げることが肝心だと思います。