査読付き論文コーナー創設にあたって
―ACC Peer-Reviewed―

近年,インターネットの普及により,内外問わず会計に関する様々な情報に容易に触れることができるようになり,雑誌媒体にはそれらの情報とは差異化された付加価値のより高い情報が求められています。小誌では,その情報ニーズに応えるために新たな試みを模索し,この度そうした試みの1つとして,これまで以上に信頼性の高い研究の成果を読者の皆さまに提供するため,「査読付き論文コーナー」を設けることといたしました。
(※)この査読付き論文については,通常の論文その他特集等の記事と区別し,掲載いたします。

「査読付き論文コーナー」編集委員会を代表して   編集長 斎藤静樹(東京大学名誉教授)

このコーナーは,会計の機能や制度に関する基礎的な研究成果の発信を目的に査読付きの論文を掲載します。編集にあたっては,@学術誌としての性格を堅持すること,A基礎的な研究を重視すること,B海外の研究動向に留意しつつ,日本語での発信に期待される役割を考慮すること,を基本原則とします。会計の基礎研究にとって重要な課題でありながら,海外で情報発信の機会が限られているものを含めて,この趣旨に沿った投稿を歓迎します。
(※)制度や実務の解説や提言を中心とする論文は対象ではありません。

投稿方法

投稿要項,執筆要項をご確認のうえ,専用ウェブサイトの投稿フォーム,またはメール(acc-pr@chuokeizai.co.jp)にて投稿してください。詳細は専用ウェブサイトをご確認ください。

「新型コロナ危機下のビジネス実務」
ウェブサイト設立のお知らせ

当社・中央経済社は,新型コロナ危機で噴出するビジネス実務(法務・会計・税務)の疑問点に関する情報を発信していくべく,このたび「新型コロナ危機下のビジネス実務」(アクセスはこちら)を立ち上げました。
 弊誌とあわせて,本サイトもご活用いただけますと幸いです。

《連載「Pythonではじめる会計データサイエンス」データのダウンロード》


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Scope Eye
デジタル環境下の国立国会図書館 国立国会図書館長
吉永元信
会計時評
暗号資産の会計問題 池田幸典
Salon de Critique
監査報告書が同業他社に与える影響 坂根純輝
特集

数字と組織で考える
不確実環境下の
サステナビリティ経営
イノベーションとサステナビリティを両立させる「隙のない経営」 北川哲雄
サステナビリティ経営の変遷
――コロナ禍で加速する世界,トーンダウンする日本
夫馬賢治
先進事例に学ぶサステナビリティ・ガバナンス
――独立社外役員の活用
内ヶア茂
神山直樹
機関投資家のサステナビリティ考慮
――ブラックロックのスチュワードシップ活動
藤木 彩
サステナビリティを織り込んだ企業価値の算定 伊藤晴
将来財務情報を活用した資本市場の企業価値評価 清水大吾
日立製作所の実践事例
――社内外のステークホルダーと連携した価値創造
増田典生
不二製油の実践事例
――事業内容にマッチしたESG経営
乙川真一
特別企画

コロナの影響で採用企業が増加
業績予想のレンジ開示
不確実状況の説明手段に
20年3月決算の日本企業の開示例分析
猪熊浩子
先行する米国企業のレンジ予想開示の動向 浅野敬志
連載
会計「諺」則
 守破離
櫛笥隆亮
事例でわかる 収益認識会計基準等の代替的な取扱い
 最終回・代替的な取扱い等を設けなかった項目
森間純平
主要論点をピックアップ 収益認識のポジション・ペーパー記載術(後編)
 履行義務の充足に係る進捗度の見積り
高田康行
ニュートンの力学で考える企業会計
 会計制度と企業の会計行動
田村威文
Pythonではじめる会計データサイエンス
 会計データを使って機械学習に挑戦しよう
小澤圭都
稲垣大輔
相談室Q&A
〔法人税務〕海外勤務社員が一時帰国した際の給与課税上の留意点 廣瀬壮一
〔会社法務〕デジタルプラットフォームに対する透明化法・独禁法による規律の要点 高宮雄介
書評
水口啓子『本気で取り組むガバナンス・開示改革』 岡田譲治
稲見亨『国際的会計基準論』 弥永真生

COLOR SECTION

三角波
 Withコロナ時代の監査のあり方
OUTSIDE
 役員の資格・報酬に厳しい目 前田昌孝
経理・財務最前線
J-POWER Generation (Thailand) Co. Ltd.
 新型コロナウイルス流行時にタイ国に滞在して 鈴木卓也
簿記普及の知られざる立役者たち
 遠藤敬止(上) 松本和明
鳥羽教授走る!
What’s Accounting/Auditing Research?
 会計研究の人的インフラ 鳥羽至英

            
              
 編集室より
△夏休みシーズンですが,東京在住ゆえ外出が難しいため,某ゲーム内の無人島へ。休みの日は,一日中魚釣りや虫取りをして自由気ままに過ごしています。もし本当の無人島なら,生き残るために毎日シビアな生活になるでしょうが…。昨今のビジネス環境も,まさにサバイバル状態。従来の常識が一変するなか,どう企業が存続していくべきかを検討したのが,本号特集「不確実環境下のサステナビリティ経営」。これまで,日本企業のサステナビリティは,「社会貢献活動型の意味合い」だった(夫馬稿・32頁)ものの,今後は「イノベーションも両立」(北川稿・20頁)させることが重要です。特集内で紹介した企業の取組みも参考に,生き残り戦略の立案にお役立てください。
△無人島とビジネス環境の違いは,外部との関係の有無。特集内でも,資本市場や機関投資家の考え方を紹介しています。外部関係者との対話で特に重要になるのが開示。特別企画「業績予想のレンジ開示」は,2020年3月期に業績予想を幅をもたせて開示する企業数が,前年の2倍になったことを受け企画しました。猪熊稿では,開示例を詳細に分析。みえてきたのは,先行きがわからないなかでも何とか現状を説明しようとする企業の開示姿勢。先行する米国企業について,アナリスト予想への影響などに関する研究を紹介する浅野稿とあわせて,開示方法を改めて考える契機にしていただければ幸いです。
△先のゲームでは,様々なアイテムをDIYで活用します。どんな環境下でも生き延びるには,手に入るものを最大限活用する精神が必要ですね。次号特集は「リモート決算・監査の課題」をテーマに,コロナ禍の決算を乗り切った経理部・監査役・監査人にその経験を語っていただく予定です。他者の経験に学ぶことが,自社にマッチした新たな業務体制を築くヒントになるはず。
 『企業会計』2020年10月号のご案内
〈特 集〉
リモート決算・監査で
みえてきた課題

会えない・動けないを乗り越える
■企業に聞く! コロナ禍の決算突破ルポ
■監査役に聞く! コロナ禍の決算・監査突破ルポ
■3月期決算企業の監査を終えての課題
■ウェブミーティング話し方のコツ
■ウェブ会議資料作成のポイント
(タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)