Scope Eye
生産性向上の難しさ 学習院大学教授
宮川 努
会計時評
管理会計情報の信頼性は大丈夫か? 梶原武久
Salon de Critique
Who’s Really in Charge?
――監査人を選んでいるのは誰なのか
笠井直樹
特集   追悼 井尻雄士先生
   
The Accountant: Destined to be Free
   自由であることを運命づけられた会計人
     
井尻雄士先生を偲ぶ 桜井久勝
井尻雄士,より良い社会のための会計
Yuji Ijiri: Accounting for a Better Society
シャム・サンダー
訳:福井義高
会計測定論:基礎研究のレガシー 斎藤静樹
思い出の井尻先生,そして三式簿記・利速会計 伊藤邦雄
企業規模分布と統合理論:
ミクロとマクロの橋渡しを目指して
福井義高
ヒストリカル・コスト・アカウンティング:
Historical Cost Accounting and its Rationality を読む
金田直之
知の巨人,井尻雄士先生 伊丹敬之
Accounting News
時事解説
定義の明確化等で実務判断を支援!
「重要性」に関するIFRS実務記述書と公開草案のポイント
長谷川茂男
公開草案「会計方針及び会計上の見積り」のポイント:
IASBが両者の区別の明確化を提案
川西安喜
BEPS防止措置実施条約の影響分析:
多元化した租税条約の戦略的活用
矢内一好
仮想通貨時代の資金調達手段!
ICO(Initial Coin Offering)の特徴と活用検討時の留意点
鈴木智佳子
檜垣  寛
和田山孝洋
日本版スチュワードシップ・コード改訂の意義 葭田英人
連載
IFRS解釈の気になる論点
 第3回 継続企業の前提に関する開示
熊木純子
会計上の見積りに関する実態調査2017
 第5回 工事契約に関する項目別アンケート結果の分析と検討
伊藤龍峰
じっくり語ろう監査のはなし
 第20回・終 監査の品質を高めるにはどうしたらいいのですか?
町田祥弘
インタビュー 組織内会計士が会社を変える!
 資格をチャンスにつなげて幅広い活躍を
池田  悟
予約権評価のブラックボックス問題
 第3回 有償ストック・オプション評価:会計基準上の問題点
岩田悦之
解題深書
 エージェンシー理論を理解する――適切なガバナンスを目指して
中村亮介
Accounting Great Books 2nd
 太田哲三『実践原価計算』
阿部光成
相談室Q&A
〔会社法務〕相談役・顧問に関する開示制度の新設 松村謙太郎
書評
坂本孝司・加藤恵一郎[編著]『中小企業金融における会計の役割』 家森信善
学会ルポ
日本原価計算研究学会第43回全国大会 中島洋行
日本監査研究学会第40回全国大会 堀古秀徳

COLOR SECTION

三角波
 データ利活用促進に逆行する不正競争防止法改正
OUTSIDE
 株式持合いはいつまで続くか 小平龍四郎
経理・財務最前線
 富士通財務経理部門のビジネスモデル変革 富士通
酒向潤一郎
会計グローバル化のジレンマ
 企業再編会計 榊  正壽
会計と数の小話
 フランスはベーコン? 太田浩司
キーワードでひもとくコーポレートガバナンス
 株式会社 清水  剛
WRONGMAN経理英語辞典
 Take notes about notes. 大場潤一
交渉学でこうしよう!
 交渉の基本は誠実さ 望月明彦
私の学問遍歴
 B「連続意見書」第3と商法改正 諸井勝之助

            
              

 編集室より
◇ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏は,1954年に長崎で生まれ,60年に渡英されたそうです。登場人物の主観(によって歪められた記憶)を効果的に使った表現方法から,独特の世界観が生み出されています。会計も,井尻雄士先生が『自由であることを運命づけられた』と表現されたように,測定者や利用者,研究者の主観によって,数字の解釈だけでなく,認識する対象すらかわりうる点で,イシグロ作品に通ずるものがあるかもしれません(時価は歪められた記憶?)。なお,59年に井尻先生も渡米されていて,シンクロニシティかも…(強引)。
◇複式簿記は絶対完全だという定説に対し,『三』の次元を探究された井尻先生。インタビューのなかで,数と数との関係を追っている段階(簿記屋),数字の裏にあるものとものとの関係を追っている段階,そのものを通して表される人と人との関係を追っている段階と,ご自身の研究の成長段階についても『三』の区分で説明されています(田中章義編『日本における会計学研究の発展』)。数の表面的な美しさだけでなく,醜いところもみつめる,そんな人間くさい会計学を志向されたのかもしれません。ご冥福をお祈りするとともに,多くの遺産を与えてくださったことに感謝いたします。
◇井尻先生ご自身はノーベル賞を受賞されませんでしたが,本号読者の方のなかから,将来の受賞者が生まれれば,先生もきっと喜んでくださるはず。受賞された折には『企業会計』を読んでやる気を随分もらったとスピーチしてくださいね(笑)。――そして,本号はなんと12月号。一読者として楽しみにしていた連載コラムも最終回を迎え,さびしい限りですが,皆さまのお気に入りは何でしたか。弊誌へのご要望等,ぜひ年末恒例アンケート(80頁)にご回答いただけるとうれしいです。
 『企業会計』2018年1月号のご案内
〈特集〉
会計の誕生
◆会計記録の誕生
◆複式簿記の誕生
◆フランス商事王令のもとでの会計報告
◆証券市場規制のもとでの財務報告 
◆株式会社の誕生と会計報告
◆会計専門職としての監査人の誕生
◆大規模会計専門職集団としてのBIG4の誕生
◆商人教育と会計教育(中世イタリア)
◆高等教育機関(大学)における会計教育
◆近代会計学の誕生 
◆会計学研究に対する方法論の誕生

         
(タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)