Scope Eye
トランプ次期大統領とポピュリズム 東洋英和女学院大学客員教授
中岡  望
会計時評
契約理論が切り開く会計研究の可能性 椎葉  淳
Salon de Critique
利益マネジメントの国際比較研究(2):金融発展,IFRS,文化的要因の影響 山口朋泰
Accounting News
特集 「監査の失敗」の本質
   ボタンのかけ違えはどこで生じているか?

「監査の失敗」の発生原因
――実験研究でわかったリスク・アプローチの問題点
加藤達彦
監査の失敗が企業価値に与える影響
――実証研究から得られる教訓と示唆
武田史子
法律上の「監査の失敗」 片木晴彦
プロフェッショナルの職責と職域
――監査の失敗は会計士の失敗か
西脇暢子
監査リスクとプロフェッショナリズム
――監査人に求められる職業的気質とは
結城秀彦
「重要な虚偽表示」とは何か 住田清芽
「監査の失敗」事例からの学び方 竹村純也
時事解説
株懇提案書を踏まえた基準日変更時の実務上の留意点 浜田  宰
トランプ次期政権下の米国税制改革の見通し 小林秀太
論文
CSR活動によるマネジメント・コントロール・システムの活性化
――富士メガネの事例研究
篠田朝也
丸田起大
ファーストリテイリングの本業収益力
――利益ポテンシャルとCCCによる収益性分析
山本宣明
連載
IFRS第0号「用語」
 第11項 不利な契約
熊木純子
会計「諺」則
 Think Straight, Talk Straight.
小宮山 賢
じっくり語ろう監査のはなし
 第10回 監査法人のガバナンス・コードで品質は高まりますか?
町田祥弘
現場で生きるKPI
 第2回 目標達成に向けて算段はついていますか?
神田  誠
鈴木隆之
解題深書
 退職給付会計の歴史をひもとく
中根正文
相談室Q&A
〔法人税務〕リストリクテッド・ストック発行時の会計・税務処理 佐久間裕幸
〔会社法務〕定年後再雇用者と正社員との賃金格差の違法性 宇賀神 崇
学会ルポ
中小企業会計学会第4回全国大会 生島和樹
日本監査研究学会第39回全国大会 藤原英賢
書評
金子康則/平田光義『金融機関のROE戦略』 谷守正行

COLOR SECTION
三角波                                           
 フェア・ディスクロージャー・ルール報告書を読む                 

OUTSIDE                                         
 政治リスクの高まりに身構える市場                  小平龍四郎

経理・財務最前線                                    
 丸井グループの「共創」IR活動            滑ロ井グループ  寒竹明日美

会計グローバル化のジレンマ                             
 繰延税金資産                                  榊  正壽

会計と数の小話                              
 対数変換                                     太田浩司

キーワードでひもとくコーポレートガバナンス                    

 株主主権                                    清水  剛

WRONGMAN経理英語辞典                             
 Maybe OK.                                   大場潤一

交渉学でこうしよう!                          
 まず問いからはじめよ                            望月明彦

私の学問遍歴                                      
 Aフラクトゥールは拡大コピーで克服                  戸田博之

            
              

 編集室より
▽某ドラマの影響で,本号は原稿の事実確認等にも力が入りました。出版物に間違いがないのは当たり前のこと。ただ,誤植がないからこの本を買おう,とはそうそうなりません。そんな守りの作業に時間も人も多く割くわけにいかず,ドラマ同様日夜奮闘しております。監査の仕事はどうでしょうか。監査リスクをゼロにするためには膨大なコストがかかります。そのうえ,リスクのなかには意図的な不正も含まれています。そんな状況のなかで証券市場の「当たり前」を支えているわけで,やっぱり会計士の仕事は「地味にスゴイ!」
▽先日,軟式野球の新公認球が発表されました。高校で軟式野球部だった編集子は現役当時に公認球変更を経験し,その感覚の違いに難儀したものです。本号時事解説浜田稿(97頁)の基準日変更も従来の現場感覚を変えるものです。決算や監査のスケジュールにも影響しそうですが,企業と投資家の「建設的な対話」に向け,近い将来,決算日≠基準日がスタンダードになるかも。変化には準備が肝心。ぜひ本稿をご活用ください。なお,新公認球は2017年末の発売ですので,編集子の準備はしばらく後かな。
▽東京都美術館で開催された「ゴッホとゴーギャン展」に足を運びました。2人は「黄色い家」で過ごした2カ月という短い共同生活のなかで,お互いに刺激し合い,その影響は共同生活終了後も続いたそうです。そういえば弊誌の表紙も,長い間黄色を使ってきました。読者の皆さまの「黄色い家」のような存在となって,日々の研究や実務に刺激を与えられるような記事を提供できるよう,本年もがんばりますので,2カ月といわず末永くお付き合いいただけましたら幸いです。
 『企業会計』2017年3月号のご案内
〈特集〉 会計基準のポリティクス
                
総論 小野武美

  古今東西,いかに会計基準が政治的に形成されてきたか例証するとともに,そのプロセスを
  検証することの重要性を解説する。

各論 佐藤信彦・小形健介・草野真樹・大石桂一・大塚成男・森 洵太
   
  各論では,とりわけ日・米・欧の政治化が際立った個別の会計基準(リース,減損,のれん,
  金融商品等)の設定プロセスに焦点を当て,問題となった論点をめぐり関係するステークホ
  ルダーがいかに行動し,最終基準に落ち着いたかを描く。

           (タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)