Scope Eye
人口減少より怖い企業消滅,乗り越えるカギはあるのか 藤森  徹
会計時評
日本研究の意義と一方法論 角ヶ谷典幸
Salon de Critique
会計の社会学的分析とは(2) 堀口真司
Accounting News
特集 蘇える旧商法 会社法世代のためのコーポレートガバナンスの歴史
取締役会の誕生:
経営の監督をいかに実現するか
岸田雅雄
監査役制度の変遷:
ガバナンスの歴史は取締役会改革へ!?
高田晴仁
会計監査人の導入:
制度への不信感をどう払拭するか
手塚仙夫
委員会等設置会社制度の発足:
3つの委員会はなぜ生まれたのか
中村直人
執行役制度の創設:
機動的な意思決定と監督強化の実現に向けて
石井裕介
内部統制システムの構築義務:
2つの裁判から考える法的責任論
山口利昭
経営判断原則の誕生:
法令との向き合い方を変えた野村證券事件
大杉謙一
ストック・オプション制度の展開:
報酬規制のあり方を考える
久保田安彦
総会屋と利益供与規制:
株主との対話の本質を探る
牛島  信
論壇
簿記教育異聞:簿記の教科書と会計の歴史 中野常男
時事解説
設例でわかる! 譲渡制限付株式交付時の会計・税務のポイント 荒井優美子
論文
中国で実践すべき環境管理手法の検討 王  志
馮巧根
連載
IFRS第0号「用語」
 第5項 共同支配事業
熊木純子
会計「諺」則
 Public Interestへの奉仕
藤沼亜起
資本の兵法
 第八篇 経営権維持のための種類株式活用
鈴木卓也
為替リスク管理の効果的実践
 第2回 日本企業の為替リスク管理の実態
加賀谷哲之
小柳陽一朗
じっくり語ろう監査のはなし
 第4回 監査報酬が高ければ,品質は高いのですか?――監査報酬開示の意義
町田祥弘
相談室
〔会社法務〕パラレルキャリアにどう対応するか 竹岡裕介
書評
伊藤嘉博〔編著〕『サービス・リエンジニアリング』 青木章通
上總康行/長坂悦敬〔編著〕『ものづくり企業の管理会計』 挽  文子

COLOR SECTION
三角波                                           
 「日本再興戦略2016」で描かれた諸課題は?                   

OUTSIDE                                         
 ガバナンス改革,多様な課題                       小平龍四郎

経理・財務最前線                                    
 勘定科目と会計システムのグループ統一化 アサヒプロマネジメント  土屋浩二

企業会計BTTF                                      
 償却基金法:逓増償却は認められない?                 秋葉賢一

会計不正防史学                                     
 フォルクスワーゲン・スキャンダル――専門家の倫理観の醸成  伍井和夫

Accounting Great Books                              

 久保田音二郎『適正表示の監査』                      阿部光成

長期投資家を口説く数字                               

 活用しなければ価値がない不動産の含み益               窪田真之

市場が動く Economic News                            
 期待高まるイスラーム経済圏                       久保田一正

私の学問遍歴                                      
 A外貨換算会計の定式化                          中居文治

            
              

 編集室より
▽「形質よりも実質を」といわれるコーポレートガバナンス。そのために一体何をすべきか,お悩みの方も少なくないはず。そんなときは温故知新!  コーポレートガバナンスの歴史を旧商法にまで遡って,今に生きる手がかりはないか,本号特集で検討しました。株主総会がひと段落したところで,制度の原点に立ち戻ってみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があるはずです。ちなみに編集子がわかったことは己の不勉強さでした(泣)。
▽先日,近所の公園にアジサイを見に行きました。数多のアジサイが咲き誇る様子は,憂鬱な梅雨どきの数少ない楽しみの1つ。その花の色は土壌によって決まるそうですが,育った土壌に影響を受けるという点では人間も同じかも。育ってきた環境が違うと,だからこの人とは相容れないという思いに陥ることが多々あります。でもその環境を理解しようとすれば,その人の考え方の背景がわかって,わだかまりもやわらぐのでは。会計基準だって然り。会計時評(角ヶ谷稿,4頁以下)では,日本の会計環境を明らかにする方法について論じていただきました。
▽あのゴーストライター騒動の佐村河内守氏の現在を実録した「FAKE」(森達也監督)を鑑賞。映画の公式HPでは,この騒動を「社会全体が安易な二極化を求めていることの徴候と見ることもできる」とも。その根底にはおそらく,視聴者の期待によって報道が「つくられ」ているとの問題意識があるのではないでしょうか。最近ではパナマ文書などで「租税回避」悪玉報道が過熱しています。そんな悪い奴らを「会計」視点でみるとどうなるか。次号特集にご期待ください。
 『企業会計』2016年9月号のご案内
租税回避と会計学 

かねてより租税回避(税制濫用)を問題視していたOECDはBEPS行動計画を進めている。そのようななかで,パナマ文書により租税回避に対する不満が噴出したかたちとなった。他方で,会計学の実証/実験研究の分野においてもタックスコンプライアンスやコーポレートガバナンスとの関係において,租税回避(租税負担削減行動)のメカニズムを解明する研究が蓄積されつつある。本特集ではそれらの研究を紹介するとともに,「会計」という視点から,租税回避問題について改めて検討を行う。

  
〈ASBJ解説〉 実務対応報告第32号「平成28年度税制改正に係る減
          価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」の解説  
                
            (タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)