Scope Eye
最近の国立大学改革の動向 小林雅之
会計時評
資本剰余金の利益剰余金への振替問題 野口晃弘
Salon de Critique
内部統制報告制度の改正に対する批判的検討 藤原英賢
ASBJ便り / Accounting News
特集 戦後会計史 9大事件 ――現行制度の源流を探る

「制度で決まっているから」「慣行としてずっとこのように処理しているから」粛々とルーティンをこなす――典型的な(ステレオタイプの)経理・財務あるいは会計・監査のイメージだ。制度や慣行が生まれてきた《歴史》すなわち経緯や趣旨の理解にこそ,実は会計の面白みがあるのではないか。そのような思いから,現在の会計・監査の制度や常識等に影響を与えた重要な9つの事件を取り上げ,事件の概要とその現代的な意義を整理する。

解題 町田祥弘
山陽特殊製鋼事件 阿部光成
不二サッシ事件 鳥飼裕一
山一證券事件 手塚仙夫
足利銀行事件 小笠原 直
西武鉄道事件 山田善隆
カネボウ事件 中嶋克久
オリンパス事件 加藤  厚
エンロン・ワールドコム事件 間島進吾
金融危機―リーマン・ショック 井上寅喜
長谷川直彦
連載
新人教育係のための経理のお仕事
 第7話 借入れ
真鍋朝彦
ひょっとすると役に立つかもしれない会計のはなし
 R 根源的無知のもとでの《仮説検定》
福井義高
ケースでわかる会計実務 固定資産をめぐる会計諸問題
 D 企業結合における無形固定資産の認識
西田俊之
解題深書
会計史へのいざない 清水泰洋
ASBJ解説
「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の解説 小賀坂 敦
紙谷孝雄
時事解説
発効日延期と基準明確化を提案
IFRS15号適用前改訂の最新動向
井上雅子
論文
IASBの概念フレームワーク公開草案の意義と課題〔前〕 豊田俊一
デリバティブ・仕組債取引における「公正価格」
――金融商品取引業者等は何を説明すべきか
渡辺宏之
会社法務
年内におけるマイナンバーへの準備対応 北山  昇
石川貴教
学会ルポ
日本内部統制研究学会第8回年次大会 沼田真紀子

COLUMN
三角波
 IASB概念フレームワーク公開草案への意見発信

OUTSIDE
 注目される報酬ガバナンス                       小平龍四郎

経理・財務最前線
 海外腐敗行為防止法対応の最前線                  衞藤秀三郎

これからの日本基準を議論しよう
 事業投資の認識・測定(3):投資の保有                   秋葉賢一

会計不正予防学
 内部通報制度の有効化――予防と早期発見のために        中西和幸

Accounting Great Books
 会計学の存在
 ――田中耕太郎『貸借対照表法の論理』を読む            阿部光成

深読み!会計トピック
 開発費は資産計上すべきか?                       窪田真之

海外会計Review
 概念フレームワーク公開草案――OCIの表示等 PwCあらた監査法人ACS

私の学問遍歴
 原価理論研究から戦略的管理会計研究への道@          小林哲夫

            
              
相談室
〔法人税務〕グループ再建計画に関する課税上の問題点 近江清秀
書評
『中小企業の会計制度』河ア照行〔編著〕 平松一夫
『租税負担削減行動の経済的要因』大沼 宏〔著〕 鈴木一水

 編集室より
会計の歴史は不正との戦いの歴史(!?),戦後70年,どこをとっても金太郎飴のように大規模な不正会計事件に直面しています。本号の特集を読んでいるうちに「あれっデジャヴ?」とお感じになったのは私だけでないはず。利益をつくり,会社を守ろうとするビジネスマンの本能と証券市場の規律を正そうとする監査人の正義(と個人としての優しさ?)等々,いろいろな感情の狭間で歴史が繰り返されています。歴史から何を学ぶことができるか,今私たちの知性が問われています。
▽夏といえば甲子園。今年は世間が注目する選手率いる強豪校を破り,東海大相模と仙台育英が決勝戦に進出しました。結局はチーム全体の力が大事ということなのでしょうか。雑誌の編集もチーム作業。この夏に「企業会計」編集部に異動になったばかりの未熟者ではございますが,このように感じております。この編集部のチームの一員として,よりよいものを読者の皆さまにお届けできるよう,日々の業務に励んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
▽雑誌の編集に没頭するなかで,ときには最終作業を終えてからも「発売日を遅らせられれば」「もう少し作業を」と思うことも。しかし「テーマがテーマなので今回は異例の措置を!」と言ったところで,どうにかなったためしがありません。そんな《若造》の卑近な考えとは全く次元が異なりますが,基準発効前のIFRS15号では異例の改訂作業が進んでいます。時事解説(97頁以下)では7月30日公表の公開草案を含め,本誌5月号特集以降の動向を取り上げました。ぜひご一読を。
 企業会計2015年11月号のご案内
特集:「株主との対話」の実践法
           
           伊藤邦雄/安藤  聡/関根愛子 
           森  洋一/円谷昭一/尾崎安央

  

     (タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)