Scope Eye
国際化と社会心理 村田光二
会計時評
IASB改訂概念フレームワークにおける「認識」論のルーツとゆくえ 藤井秀樹
Salon de Critique
業績への影響可能性を推定する:階層線形モデルという考え方 新井康平
ASBJ便り / Accounting News
特集 徹底比較 IFRS・日本基準の収益認識
  2014年5月にIFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』が公表されたのち,共同移行リソースグループ(TRG)が設置され,新基準の導入に伴う課題の検討が続けられている。奇しくも任意適用会社が拡大するなか,IFRS適用を検討中または検討予定の会社にとっては,このIFRS15号の内容および最終基準書公表後の動向も踏まえたうえで,再度実務的な影響を分析し対応策を講じる必要がある。そこで,本特集では基準書の内容および公表後の動向を整理し,日本の現行実務とIFRS15号の取扱いについて,設例を用いて徹底比較する。
総論 IFRS15号の適用をどう進めるか
IFRS15号の5つのステップと問題となる契約・取引類型 下村昌子
基準書公表後の関係動向と適用プロセス 岩崎伸哉
各論 問題となるのはどのような契約・取引か
工事契約 柴谷哲朗
ソフトウェア開発・販売契約 辻野幸子
ライセンス契約 岡部健介
返品権・ポイント付き販売契約,製品保証契約 鈴木理加
経理・財務最前線 Interview
企業理念が経営を動かす
花王・カゴメ 2社の取組み
 ■企業理念と経営管理
 ■統制環境とコーポレートガバナンス
 ■M&A後のPMIを成功させるために
 ■経理人材の育成
藤田喜徳
 花王
 経営監査室長
佐伯  健
 花王
 トマト事業カンパニーCFO
《聞き手》
松田千恵子
連載
ひょっとすると役に立つかもしれない会計のはなし
 M 伊藤レポートはMM定理がお嫌い?
福井義高
新人教育係のための経理のお仕事
 第2話 帳簿組織
真鍋朝彦
わが国管理会計の実態調査
 第5回 東証一部とその他上場企業との比較:原価管理編
吉田栄介
福島一矩
妹尾剛好
ケースでわかる会計実務
 〈M&A経営戦略と会計問題:ケース5〉M&A実行プロセスとその留意点について
西田俊之
論文
会計監査の概念形成に影響する現代哲学の諸相 任   章
OPINION
現場からのコーポレートガバナンス・モデル論(下) 内村  健
解題深書
統合報告と財務報告制度 古庄  修

COLUMN

三角波
 収益認識基準のコンバージェンスに向けて

OUTSIDE
 増えるか監査等委員会設置会社                  前田昌孝

経理・財務最前線
 IFRSのエンドースメント手続の継続と発展に向けて       畑修一

これからの日本基準を議論しよう
 後入先出法                                秋葉賢一

会計不正予防学
 八百屋と駄菓子屋に学ぶ不正防止の態勢構築          岡    健

Accounting Great Books
 資産とは何か――太田哲三『会計学研究』を読む        阿部光成

深読み!会計トピック
 「収益認識基準」の内外差縮小へ検討始まる           窪田真之

海外会計Review
 料金規制に関して考えうる4つの財務報告アプローチ あらた監査法人ACS

私の学問遍歴
 管理会計の発展を期待してA                     宮本匡章
             
            
              
相談室
〔法人税務〕生産性向上設備投資促進税制等の適用上の留意点 近江清秀
〔会社法務〕景表法の改正 宇都宮秀樹
書 評
『ドイツ商法現代化と税務会計』久保田秀樹〔著〕 弥永真生

 編集室より
昨年9月号に引き続き,本号特集では,IFRS15号の概要説明から一歩踏み込んで,日本基準との比較検討を中心に据えて,適用上の留意点,基準書公表後の動向,適用プロセスの考え方などを各監査法人のエキスパートにご執筆いただきました。期せずしてASBJでも基準開発の検討が始まり,収益認識はIFRS適用企業以外の企業も無視できない課題となってきました。新しいことを始めるには絶好の季節となりましたが,先んじての対応を図る方々の一助となりましたら幸いです。
▽読者の皆様のなかには,この春にお子様が卒業を迎えられたといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。IFRS15号“的”にいうと,「卒業」は履行義務の充足といったところ,親が子どもに『大学は出なさい』と言った場合には,少なくとも「入学する」「単位を取る(卒業する)」という2つの履行義務が生まれるなあ…。いやまてよ,単位を取るには「通学する」「勉強する」「試験を受ける」…などと特集原稿の編集作業を続けながら思案した次第です。とにもかくにもご卒業・ご入学(?)おめでとうございます。
▽本号Interviewでは花王鰍フ藤田氏,カゴメ鰍フ佐伯氏をお招きし,それぞれのお立場から,お話いただきました。この記事をお読みになった方で企業理念の重要性を痛感し,自社の企業理念を再度確認された方もいらっしゃるのではないでしょうか。単なるお飾りではなく,現場でどうやって活かしていけるか,参考となれば幸いです。
 企業会計2015年6月号のご案内
特集:会計監査の心得
 ■監査基準の要点
 ■ビジネスリスクの考え方
 ■対象会社との付き合い方 他
 
(タイトル・テーマは予告なく変更する可能性がございます。)