SCOPE EYE
ステーツマンとポリティシャン 川田 剛
会計時評
IFRS任意適用について 杉本徳栄
論壇
資本主義精神の終焉――公共会計学の勧めの背景 黒川行治
特集 IFRS再公開草案「収益認識」の実務への影響 
さる2011年11月,IASBは再公開草案「顧客との契約から生じる収益」を公表した。これは2010年6月に出された公開草案が見直され,公表されたものである。基本的な考え方は公開草案を踏襲している一方で再公開草案で変更や新たに提案された点も存在する。
特集では,収益の概念について整理しながら,本再公開草案について公開草案からの変更点を中心に認識,測定,開示上の問題について考察するとともに税務,経営上の影響について検討する。
資産負債アプローチによる収益の概念 桜井久勝
IASB収益認識改訂公開草案がわが国の収益の「認識」に与える影響 大久保孝一
/波多野伸治
売上高の測定――IASBにおける議論を踏まえて 秋葉賢一
再公開草案「顧客との契約から生じる収益」で要求される開示項目 鈴木理加
収益認識と法人税務 勢〆健一
/松永夏也
収益認識における経営上の影響――再公開草案に基づく考察 藤原 圭
/右田将徳
特別企画 業績予想開示はこうなる 
業績予想開示に関する実務上の取扱いの見直しについて 加藤 賢
財務諸表利用者から見た業績予想開示の柔軟化 吉井一洋
座談会
IFRS主要論点への実務対応<後編> 畑修一
/山床眞一
/湯浅一生
解題深書
IFRS(FASB/IASB)概念フレームワーク考 郡司 健
論文
業績(行政成果)公監査の展開方向 鈴木 豊
危機管理と管理会計――震災時における会計担当者の役割について 岡崎路易
学会ルポ
日本監査研究学会第34回全国大会 兼田克幸

Column
海外会計Review
 国際財務報告基準における金融資産の分類の再検討について
                    あらた監査法人アカウンティング・サポート部


ASBJ便り

 
三角波
 社会保障・税一体改革関連法案の行方
OUTSIDE
 決算期変更から始まる変化  前田昌孝
経理・財務最前線
 現在進行形のIFRS実務対応  砂川 潤
IT初心者のための会計システム教室
 経理部長が知っておきたい会計システムプロジェクトの推進  榎本義広
IFRSエッセンス講座
 IFRSと財務報告  秋葉賢一
              
相談室
〔会計実務〕 債権管理について 石野研司
〔法人税務〕 評価益の計上 上西左大信
〔会社法務〕 ピンク・レディー事件 上村哲史

編集室より
△特集ではさる2011年11月にIASBが公表した再公開草案「顧客との契約から生じる収益」について取り上げました。本再公開草案は2010年6月公表の当該公開草案から基本的な部分は踏襲されていますが,たとえば認識における進行基準の適用対象や測定における回収可能性,また開示の拡充など変更されている点もあります。収益の認識や測定が変われば税務や経営システムへも影響が及び実務上のインパクトは大きいといえます。ご一読ください。
△従来,わが国では,企業の将来的な財務指標や経営成績の見込みを,決算に併せて開示してきました。投資者に対するより多くの情報提供を意識したものですが,経済社会の構造変化により,従来通りの業績予想開示は困難になってきており,制度の見直しが進められてきました。特別企画では,さる3月に公表された「業績予想開示制度の見直し」に焦点を当て,実務上の取扱いやその留意点,財務諸表利用者からみた業績予想開示のあり方について検討しました。
△昨今,さまざまな企業の会計不正が報道され
ています。その中には,不正操作を指揮したトップの人間だけでなく,本来,不正を指摘すべき立場である監査役も加担していたケースもあり,改めて企業としての倫理観が問われています。会計不正はなぜ絶えないのか――次号特集では,「会計倫理」をテーマに取り上げ,その現状や不正事例を分析しながら,今後の課題について考えます。
◇企業会計2012年8月号のご案内

特集=会計倫理の現状と課題
       

◇倫理監査と統合報告のフレームワーク 浦崎直浩
◇国際会計士倫理基準の概要 関根愛子
◇企業不正の事例分析 吉見 宏
◇財務諸表利用者からみた企業倫理 北川哲雄