SCOPE EYE
金融監督におけるマクロプルーデンスの視点と会計 翁 百合
論壇
監査業務に対する信頼の確保 脇田良一
特集 IFRS対応に向けた企業年金制度の再検討
 退職給付会計の見直しが国内外で進んでいる。IASBは未認識項目の即時認識を柱とした見直しを提案しており,2010年4月に公開草案を公表した。一方日本でも,IAS19号とのコンバージェンスが進められ,3月に見直し案が公表されている。このような会計基準の改正は,今後企業に年金制度の見直しを迫ることになる。特集では,企業年金制度と会計や法律との関係に注目しながら,そのあり方について考察する。
わが国企業年金制度の変革と会計 山口 修
国内外における退職給付会計基準の見直しの動向について 三輪登信
退職給付会計基準が英国の年金制度運営に与えた影響 北野信太郎
退職給付の期間帰属方法の選択――期間定額基準と給付算定式に従う方法 大山義広
受給権の法律問題――JALの事例から考える 森戸英幸
座談会
投資家はIFRSをどう見るか
――日本企業のコーポレートガバナンスの観点からの検討
スコット・キャロン/木村祐基
/渋澤 健/柳 良平
時事解説
国際会計基準に基づく四半期連結財務諸表開示例の解説 平松 朗/武澤玲子
企業内容等の開示に関する内閣府令の改正の概要
――上場会社のコーポレート・ガバナンスに関する開示の充実について
谷口義幸
OPINION
役員の対第三者責任の事例における最近の動向と今後の展開 近藤光男
新連載
ミニ・プロフィットセンター・システムに関する実証分析(1)
――導入促進要因の探索的分析
渡辺岳夫
連載 日本の主要企業の原価企画(第6回・終)
原価見積とコストテーブル 田中雅康/田中 潔
/大槻晴海/井上善博
海外News&Topics 
確定給付制度についての会計処理の改訂の動向
――IAS19号の改訂公開草案
あらた監査法人
企業会計研究会
学会ルポ
日本会計研究学会九州部会 金田堅太郎

Color Section
三角波
 単体会計基準の行方
アウトサイド
 揺れる金融市場と年金会計 前田昌孝
会計時評
 S会計研究の未来 中野 誠
経理・財務最前線
 会計監査と監査役 佐藤一博
IFRS導入への道
 金融商品取引法・会社法開示制度とIFRS
                     有限責任監査法人トーマツIFRSサービスセンター
リタイアに向けた「マネープラン」
 株価変動で見られる「平均への回帰」
サロン・ド・クリティーク
 セグメント情報をめぐる実証研究(1) 中野貴之
ASBJ 企業会計基準委員会ニュース

相談室
〔会計実務〕 後発事象の発生とその取扱いについて 木下徳明
〔会社税務〕 ヘッジ取引の有効性判定における会計と税務の違い 長岡勝美
〔会社法務〕 育児・介護休業法の改正 高谷知佐子
書評
『IFRS財務会計入門』 広瀬義州 著 河ア照行
『暖簾の会計』 山内 暁 著 黒川行治
『公的組織の管理会計』 大西淳也 著 藤野雅史

編集室より
△JALの経営破綻時,OBの年金減額問題が多く報道されました。その際,実質的に債務超過に陥っていることが早期に明らかにされていれば……という声もありました。ASBJが3月に公表した退職給付会計の見直し案では,IFRSとのコンバージェンスの観点から未認識項目のBS即時認識を取り入れようとしています。このような会計基準の変更は,企業年金の制度運営に大きな影響を与えることになるでしょう。英国では,「制度の運用方法をスリム化するよう,対応を取った企業年金も散見された」(北野稿)ようです。特集では,企業年金制度をめぐる会計・法律問題について取り上げるとともに,企業が対応すべき項目について考察しました。お役立ていただければ幸いです。
△本年3月決算より任意適用が認められたIFRS。今後やってくる強制適用時代に向けて,基準の理解や実務への影響など作成者側の視点での対応は重要となっておりますが,「IFRS適用を投資家はどう見るか」という利用者側の視点も興味深いところです。そこで本誌座談会では財務情報の利用者である投資家の方々にお集まりいただき,IFRS適用が投資判断にどう影響するのか,注目される論点を中心にお話いただきました。ご一読ください。
△原則主義からなるIFRSでは,詳細な規定や数値基準が示されていない基準であるがゆえに,作成者側自らが会計処理判断をしなければならない場面も出てくる可能性があります。この原則主義の基礎となっているのが「概念フレームワーク」で,作成者側は基準からの判断に迷ったときは,このフレームワークに立ち返って判断することになります。そこで次号特集ではIFRSの概念フレームワークについて,現在行われている議論の経緯を整理するとともに,内在する論点,実務での活用法や会計教育について検討します。
◇企業会計2010年8月号のご案内

特集=IFRS概念フレームワークとは何か

◇概念フレームワークの改訂の経緯と議論の方向性について 山田辰己
◇「目的及び質的特性」の論点 川村義則
◇公開草案「報告エンティティ」の概要と連結の問題 梅原秀継
◇概念フレームワークの実務での使い方 阿部光成
◇概念フレームワークと会計教育 柴 健次