SCOPE EYE
日本監査役協会会長就任にあたって 関 哲夫
論壇
 「財務会計概念フレームワーク」の新局面と会計研究の課題
津守常弘
退職給付会計基準改訂の検討課題
退職給付会計基準の見直しをめぐる議論が進められている。FASBとIASBとの間ではMOU項目の一つとして検討が進められており,本年第一四半期中のディスカッション・ペーパー公表が予定されている。また,わが国でも国際的なコンバージェンスの一環としてASBJで見直しに向けた議論が進められている。
本特集では,いまなぜ退職給付会計が注目されるのか,国内外の年金制度変革に触れながら,その主要な論点を明らかにし,新たな会計基準のあり方を考察する。

退職給付会計基準のフレームワークの転換――退職給付会計の問題性
今福愛志
海外における退職給付会計基準をめぐる動向
小澤元秀
わが国における退職給付会計の現状と今後の課題
三輪登信
年金制度改革と退職給付会計の論点 藤井康行
シリーズ 会計教育の現代的課題・第10回(最終回)
会計教育研究の発展を目指して
泉 宏之/
堀江正之/
柴 健次〈司会〉
論文
中国の病院における財務業績管理システムの現状と特徴 荒井 耕
誠実性を備えた財務報告――イギリス(ICAEW)の試論 沖野光二
財務諸表監査におけるビジネス・リスク・アプローチ 小澤康裕
京セラ・アメーバ経営の時間当たり採算公式と利益連鎖管理 潮 清孝
対談
環境経営イノベーションの推進に向けて
植田和弘/
國部克彦
Symposium Report
国際会計シンポジウムin東京韓国における国際会計基準(IFRS)の導入
時事解説
会計基準及び監査を巡る国際的な動向と我が国の対応 関口智和
非財務情報を中心としたディスクロージャーの国際比較 金子裕子
学会ルポ
国際会計研究学会第24回大会 小西範幸
日本原価計算研究学会第33回全国大会 内山哲彦

Color Section

三角波
 会計基準のコンバージェンスについて・97
アウトサイド
 証券税制は複雑すぎる前田昌孝・98
会計時評
 監査はどこへ行く吉見 宏・100
経理・財務最前線
 SOX法対応の先にあるもの柳橋勝人・102
知っておきたい環境会計
 財務諸表のなかの環境問題――環境負債について菅生直美・104
不正経理の手口と対策
 横領事例における不正経理甘粕 潔・106
サロン・ド・クリティーク
 医療法人における会計・監査研究の課題(1)藤岡英治・108
ASBJ 企業会計基準委員会ニュース・110
相談室
〔会計実務〕 親会社と存外子会社の会計処理の統一について 西田俊之
〔法人税務〕 適格分割と非適格分割の税実務 斉藤伊知郎
〔会社法務〕 防戦買いの要請とその実務上の留意点 篠原倫太郎

編集室より
△退職給付会計基準の設定から9年。この間,確定拠出年金の導入や厚生年金の代行返上解禁など,企業年金制度をめぐるさまざまな変革が行われてきました。同様に,海外諸国でも年金制度が変貌し,それとともに従来の年金会計情報が投資家のニーズに応えていないとの批判が,近年高まりつつあります。こうしたなか,FASBとIASBの共同プロジェクトの一つとして退職給付会計が取り上げられ,日本でもコンバージェンス作業の一環として改訂に向けた検討が進められています。複雑な年金制度と関連する基準ということもあり,議論の焦点が簡単には見えにくいテーマといえます。本誌特集が参考となれば幸いです。

△環境問題への取組みが重要さを増すなか,企業活動が環境へ及ぼす影響に対しては,ますます厳しい目が向けられるようになりつつあります。本誌対談では,植田和弘氏(京都大学)と國部克彦氏(神戸大学)に,環境負荷に配慮した経営のあり方と,その促進の可能性についてお話しいただきました。利潤追求を第一目的とする企業が環境配慮型に転換するにはどうすればよいか。「企業だけではなくステークホルダーと一緒に変わらなくてはならない」(植田氏・71頁)とすると,社会システム全体が環境配慮型に転換していくことが必要と言えそうです。

△昨年12月6日,企業会計基準委員会より新たなプロジェクト計画表が公表されました。東京合意で示された2011年のコンバージェンス達成に向け,取組みが本格化しつつあります。次号特集では,会計をめぐる国際動向を踏まえ,実務上の課題や国内法との調整問題を含めた日本のとるべき対応について考察します。

◇企業会計2008年4月号のご案内
特集=会計基準国際化と日本の対応


会計基準国際化の歴史的経緯と今後の課題 平松一夫/IFRSをめぐる国際動向と日本の対応 山田辰己/EUによる同等性評価の最新動向 小津稚加子/IFRS受入れをめぐる米国の対応 杉本徳栄/コンバージェンスに向けた日本の対応 坂本道美/コンバージェンスによる国内法への影響 弥永真生