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 SCOPE EYE

地方分権改革を重ねて訴える

神野直彦

論壇
現代会計の論点――原価と時価の混在する会計を考える 興津裕康

Accounting  連続インタビュー

斎藤静樹 企業会計基準委員会委員長に聞く〈第7回〉

コンバージェンスに向けた日本の態勢

特 集 棚卸資産会計の論点と課題
 去る7月5日に,企業会計基準委員会より「棚卸資産の評価に関する会計基準」が公表された。従来の原価法と低価法の選択適用から,収益性低下により簿価を切り下げるなどの評価方法となり,実務への影響もさることながら,会計理論上も多くの論点をはらんでいる。
 本特集では,今回の新会計基準設定を契機として,棚卸資産の評価理論や,評価基準をめぐる国際的動向,さらに金融商品会計や税務会計との関連など,さまざまな切り口から考察を行った。
棚卸資産評価法の本質観とクライテリオン 平敷慶武
棚卸資産会計と金融商品会計の比較検討 古賀智敏
国際動向からみた棚卸資産会計 杉本徳栄
棚卸資産と税務会計 鈴木一水
OPINION
集団投資スキームの法律・会計・開示・監査を巡る動向と課題 橋上 徹
時事解説 企業会計基準委員会
実務対応報告第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」及び企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」について 高津知之
実務対応報告第20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」について 江藤栄作
実務対応報告第21号「有限責任事業組合及び合同会社に対する出資者の会計処理に関する実務上の取扱い」について 五反田屋信明
論 文
リスク情報に見る期待ギャップとギャップの解消 柴 健次/本間基照
管理会計による組織文化マネジメントの可能性 伊藤克容
経営破たん予測モデルの構築 丸山博哉

Color Section

三角波
 日本租税総合研究所設立のインパクト
アウトサイド
 始まる株式の夜間取引 前田昌孝
会計時評
 企業活動のグローバル化と無形資産――わが国の移転価格税制における新たな動き 藤田晶子
経理・財務最前線
 内部統制システム整備奮闘記 野村裕昭
IRはどこへ行く?
 始まったIRブログ 米山徹幸
サロン・ド・クリティーク
 非営利組織と管理会計システム(1) 松尾貴巳
ASBJ 企業会計基準委員会ニュース
会社法あれこれ

 会社法は誰のためにあるのか? 清原 健


学会ルポ

日本会計研究学会第78回九州・沖縄部会 野 学
日本監査研究学会第29回西日本部会 藤岡英治
日本監査研究学会第28回東日本部会 小俣光文
日本簿記学会第22回全国大会 中島稔哲

相談室

〔会計実務〕 無形固定資産を巡る会計問題(その2) 木下徳明
〔法人税務〕 平成18年度税法等の改正に伴う自己株式の取得・処分・消却 長岡勝美
〔会社法務〕 法の適用に関する通則法とは? 早川 学
BOOK REVIEW  
『無形資産の会計』伊藤邦雄 編著  徳賀芳弘
『トヨタの連結財務情報』末政芳信 著 青木茂男
『進化する環境会計』柴田英樹・梨岡英理子 著 國部克彦



編集室より
△棚卸資産をいかに評価するかは,会計理論の根幹に関わる問題といえるでしょう。7月に公表された新会計基準では,従来の原価法と低価法の選択適用から,収益性の低下を考慮し簿価を切り下げる,低価法の強制適用とも言うべき評価法が規定されました。特集では,棚卸資産評価をめぐる論点を改めて掘り下げ,これまでの評価理論からみて新基準がどのような意味を持っているか,また,国際的動向や他の会計基準との関連でどのような位置付けにあるか等,多角的に考察しました。
△ライブドア事件などを契機として,ファンドを利用した不透明な資金の流れが問題とされたことは記憶に新しいところです。その後ファンドの開示規制が重要視され,これまでに金融商品取引法の制定や企業会計基準委員会による実務対応報告第20号(本誌69頁に解説記事掲載)の公表など,制度面の整備・対応が図られてきました。ただ,今秋に予定されている信託法の改正が「投資組合に代わる新たな箱(ビークル)を提供する可能性」(橋上氏・103頁)も否定できず,今後の動向が注目されます。
△2008年4月より適用される内部統制の評価と監査の制度(いわゆる日本版SOX法)では「ITへの対応」が求められることとなりました。各企業では,内部統制への取組みが進められているところでしょうが,ITへの具体的な対応については頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。次号特集では,IT統制の構築と評価について,先進企業の事例を挙げながら考察します。

お詫びと訂正
 企業会計9月号に誤りがございました。ご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げると同時に下記のようにご訂正願います。
p.118 経理・財務最前線
肩書き
伊藤忠商事株式会社IR長→伊藤忠商事株式会社IR

『企業会計』2006年12月号のご案内

特集=日本版SOX法を見据えたIT統制の構築と評価
 

 2008年4月より実施される内部統制の評価と監査の制度(いわゆる日本版SOX法)では,「ITへの対応」が求められることとなりました。ところが,「ITへの対応」は,米国の先進実務にはない,わが国制度独自の対応ということもあり,金融商品取引法適用会社各社とも,どのように,どこまで対応すればよいか頭をかかえている問題です。 本特集では,この実践上の問題に対して,「IT統制の構築と経営者評価」に焦点を当て,理論,政策,実務という角度から総合的に検討を行います。


IT統制の構築と評価の全体像 堀江正之/情報セキュリティ施策の方向性 村野正泰/IT統制ツールの体系 薮内史子/会計士の立場からみたIT統制の構築と評価のポイント 森 貴弘/企業におけるIT統制の構築にかかる実務上の課題 朝川 充/法的観点からみたIT統制の構築と評価のポイント 稲垣驤黶^インタビュー:NECにおけるIT統制構築と評価の実践 北村秀二・力 利則