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SCOPE EYE

大手銀行のニュー・ビジネスモデル

高木 勝

論  壇

会計・監査社会の変容のインプリケーション

黒川行治

特集  事例研究「自律的組織」と管理会計

Summary  今日の企業組織では,職能別組織であれ事業部制組織であれ,市場のめまぐるしい変化に柔軟に対応し,絶えざる革新を行うことが重要になっている。そのため,優れた実績をあげている企業の多くが,従業員の自主的判断を重視するとともに,従業員間および顧客や取引先との相互依存性,関係性を強調する自律的組織となっている。
本特集では,そのような組織によって優れた業績をあげている日本企業の経営システムの具体的事例を踏まえながら,自律的組織における管理会計のあり方を探る。


自律的組織と管理会計
・・市場志向のマネジメントの観点から

廣本敏郎

京セラアメーバ経営
・・自律的組織とその統合の視点から

谷 武幸
ジャストインタイム管理会計
・・トヨタ生産方式と整合する管理会計フレーム
河田 信
花王の組織と経営システム 

挽 文子

自律的組織と関係性のパターン 木村彰吾
自律分散型組織と原価計算システム  尾畑 裕
 連載   新会社法――その運用のあり方を探る(第4回)

 定款自治の拡大――株式会社の機関設計 

稲葉威雄

時事解説  企業会計基準委員会・公開草案

1株当たり当期純利益基準(案)について 
――企業会計基準公開草案第10号「1株当たり当期純利益
  に関する会計基準(案)」の概要
出田吉孝

新会社法Review

 新会社法と資本コスト経営 

 古川浩一

OPINION

 知的財産とライセンス損益
中野貴久

故事に学ぶマーケットacc  

  人の行く裏に道あり――安値買いの長期投資 

羽村 進

Color Section


三角波
 公開買付期間の伸張について 
アウトサイド
 エコノミスト吉野俊彦さんを偲ぶ 末村 篤
会計時評
 戦略マネジメント・システムとしての管理会計の再構築(3) 清水 孝
経理・財務最前線
 コクヨグループのCSR会計 手塚則子
JICPAレポート
 税務の分野で活躍する公認会計士をサポート 小見山満
IASB・・基準設定の舞台裏
 コンバージェンスとは 鳥飼裕一
ゲーム理論で考える企業会計
 継続開示と会計情報の信頼性 田村威文
サロン・ド・クリティーク
 税効果会計の有用性と裁量性(2) 中島稔哲

 


学会ルポ

  日本会計研究学会第64回大会
   日本会計研究学会第76回九州・沖縄部会 赤城諭士 
  日本経営分析学会第21回秋季大会 田中敏行
  国際会計研究学会第22回研究大会

赤塚尚之・海老原崇

相談室

〔法人税務〕 役員退職慰労金の支給について他 

斉藤伊知郎

 〔会社法務〕 会社法の下における種類株式制度  石綿 学

BOOK REVIEW

 『金融機関の会計政策』星野一郎 著  醍醐 聰
 『新潮流 監査人の独立性』川北 博 編著
  盛田良久
 『財務諸表分析と証券評価』S. H. ペンマン 著 

 田中隆雄



編集室より
△市場や技術の変化が激しい現代においては,企業は日々の活動や業務プロセスの中で微調整を行いながら変化に対応することが求められています。そのためには,従業員間や顧客・取引先との相互依存性・関係性を重視し,従業員の自主性を重視する自律的な組織が必要となります。「自律的組織」というと,やや耳慣れない表現かもしれませんが,優れた業績をあげている多くの企業では,すでにこうした組織を持つようになっています。特集では,「アメーバ経営」の京セラ,「ジャストインタイム」のトヨタ,人的要素を重視する「H型パターン」の花王を,自律的組織を持つ代表的企業としてとり上げ,その運営プロセスを明らかにするとともに,管理会計の新しい役割について考察しました。
△近年,会計制度は大きく変革しつつあります。新会社法の成立や,会計基準の国際的コンバージェンスの動きに対応して,新たな会計基準が整備されつつあります。また,企業の不祥事や監査基準をめぐる国際的動向を受けて,監査基準の改訂,内部統制基準の策定が進められています。次号特集では,こうした変革期にある企業会計制度のこれまでの動向を整理しながら,今後の展望と実務への影響について抱括的に考察します。
△先般のカネボウの事件を受け,中央青山監査法人は「違反事件を受けての,今後の改革について」を公表しました,「カネボウ事件調査委員会」を設置し,早急に法人内部の責任と問題点を明らかにすることとした他,監査体制,内部監査体制,法人経営体制,審査機能,コンプライアンス意識,リスク管理体制について強化することなどを盛り込んでいます。これらの施策が着実に実施され,会計士監査の信頼回復につながることを期待したいところです。

『企業会計』2006年1月号のご案内


特集=会計制度変革の影響と展望


 近時,会計基準・監査基準は大きく変革しつつある。会社法改正などを契機として,また,国際的コンバージェンスの動きに対応して,新しい会計基準が整備されつつある。そして有価証券報告書虚偽記載問題や粉飾等の不祥事を契機として,また,監査基準の国際的動向を受けて,改訂もしくは新基準が策定されつつある。
 本特集では,いままさに変革期にある企業会計をめぐる制度のこれまでの動きを整理するとともに,今後の方向性を展望する。


新会計基準の会計学への影響/斎藤静樹 会社法の企業会計への影響/神田秀樹 会社法成立に伴う新会計基準の実務への影響/小宮山賢 国際的動向と日本の資本市場の対応/加古宜士 「会計の2007年問題」と日本の対応/加藤厚 監査基準をめぐる国際動向と今後の展望/山浦久司 内部統制をめぐる今後の展望/多賀谷充