特 集 |
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会社法制現代化を検証する |
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LLC制度の導入 大杉謙一 |
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◇ Summary ◇
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会社法現代化要綱試案の第6部の1が提案する「新たな会社類型」は、組合課税・私法上の法主体性・定款自治・有限責任の4特徴を備える米国LLCに類似する組織体をわが国に導入しようとするものである。LLCは、先端技術の共同開発・商業化、化学業界の再編、投資ファンドの媒体としての活用が見込まれるが、その有用性は特定の業界に限られるものではない。要綱試案は全体として妥当な方向を指向しているが、細部にはなお詰めるべき論点も少なくない。 |
◇ Profile ◇
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おおすぎ・けんいち◇1967年生まれ。1990年東京大学法学部卒業。1993年10月より現職。1997年から2年弱、コロンビア大学ロースクールにて客員研究員。専門は会社法、証券取引法。主要論文に、「いわゆる不良債権問題とデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)」ジュリスト1240号、「ベンチャー企業と商法改正・証券市場改革」ジュリスト1218号などがある。 |