特 集  

 会社法制現代化を検証する

                    

社債の管理

森 まどか

 

 

 

Summary ◇

「会社法制の現代化に関する要綱試案」は、社債の管理について、従来より広範な権限を社債管理会社に与えることを可能にするとともに、社債権者集会決議を成立しやすくしようとする。実務の要望にこたえる「規制緩和」の一環をなすといえるが、社債権者にとって、より重要な意味をもつであろう社債管理会社の責任追及の具体的方法に関しては、依然として不明確であるといわざるを得ない。

 

Profile ◇

もり・まどか◇1998年名古屋大学大学院法学研究科博士前期課程修了、2000年同後期課程中退、神戸学院大学法学部専任講師を経て、2003年4月より現職。主な著作は,「社債の「イベントリスク」に関する法的研究(1)――(3・完)アメリカ法の立場から」名古屋大学法政論集176号(1998年)、177号、178号(1999年)、「新株予約権付社債――新株予約権の発行価額をめぐる問題を中心に」田邊光政ほか編著『最新会社法をめぐる理論と実務』(新日本法規、2003年)。