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商法改正に伴う計算書類規則、金融庁関係内閣府令の改正案公表


 第151回通常国会において成立した商法改正では、自己株式の取得及び保有制限の見直し、法定準備金制度の改正、額面株式の廃止、端株券の廃止等などが盛り込まれている。先般これに伴い法務省から計算書類規則の改正案が、金融庁からは財務諸表規則や中間財務諸表規則などを含む関係内閣府令の改正案が相次いで公表された。

 本改正案は、意見募集を経て商法等の一部を改正する等の法律の施行日から施行予定。

 なお、主な改正の概要は以下のとおり。 

〈計算書類規則の改正案〉

 1 自己株式の貸借対照表上の計上方法

 現行規則では、期末に保有する自己株式の貸借対照表上の形上方法については、原則として流動資産として計上し、例外的にストック・オプション目的のものについて投資等の部に計上すべきとしている。

 本改正案では、改正法により自己株式の取得が実質的に会社財産の払戻しとも考えられ、自由化により一時的に相当数の自己株式を保有する事態の発生が考えられることから、資本の部における控除項目として計上することとしている。

 2 法定準備金の減少手続の創設に伴う手当て

 今回の商法改正により、法定準備金から資本の四分の一に相当する額を控除した額を限度として、資本準備金または利益準備金を減少させることが認められた。

 これに伴い、資本準備金以外の資本剰余金が発生することが想定されるが、改正案では剰余金の部に「その他の剰余金」を設けその中で表示することとしている。また、利益準備金が減少した場合には、その減少相当額は再び未処分利益として扱われ、損益計算書上は当期利益または当期損失の次に記載される。

 また、今回の改正により資本準備金の項目から減資差益が削除され、減資差益は剰余金の部で計上されることとしている。 

〈金融庁関係内閣府令の改正案〉

 1 自己株式の取得及び保有の解禁に伴う所要の規定整備

 自己株式の取得及び保有の解禁に伴い、財務諸表規則につき、自己株式を資本に対する控除項目として記載することとしている。

 2 額面株式制度の廃止に伴う所要の規定整備

 額面株式の廃止に伴い、証券取引所に関する内閣府令が定める組織変更契約書等について、額面・無額面の別の記載を不要とする等の整備を行なっている。

 3 端株券制度の廃止等に伴う所要の規定整備

 端株券の廃止に伴い、証券会社の行為規制等に関する内閣府令等について、所要の規定の整備を行なうこととしている。

 4 その他の商法の規定を引用・準用する関係

 政令の整備を行なっている。