特 集

包括利益の多角的検討

 

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包括利益概念と利益観---佐藤信彦

 

Summary★

   資産負債利益観と収益費用利益観の妥協の産物としての「その他の包括利益」の出現により、理論、基準および実務の各領域で企業の業績の意味が問われている。現在では、稼得利益概念に近い当期純損益から包括利益概念に重点が移行し、損益計算書の位置づけの変化と経営者が責任を持つべき事象の範囲拡充とがもたらされつつある。

 

Profile★

さとう・のぶひこ■1982年明治大学商学部卒業、1987年明治大学大学院商学研究科博士後期課程退学。同年4月、市邨学園短期大学専任講師。その後、日本大学経済学部専任講師、助教授を経て現職。著書に『国際会計基準精説(第2版)』(共編著、白桃書房)、『財務諸表論の要点整理(第3版)』(中央経済社)がある。