特 集 |
JWG基準案 「金融商品の全面時価評価」の検討 |
★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc★acc |
金融商品と包括的公正価値会計−理論上からの意見---古賀智敏 |
★Summary★ |
近年の金融商品の目ざましい発展を背景として、金融商品の時価会計が大いに注目されるところとなった。周知のように、わが国内外における金融商品に関する会計基準は、デリバティブやトレーディング目的の金融資産などについてのみ時価評価を認めた部分時価会計であり、評価差額の取扱いについても統一的処理は行われていない。 今回、主要先進諸国基準セッターのジョイント・ワーキング・グループ(Joint Working Group of Standard-Setters、以下、JWG と略す。)が提唱した金融商品の包括的公正価値会計モデルは、評価差額を原則として損益として認識し、ヘッジ会計の存在すら不要とするほど画期的なものとなった。そこで、本稿は、「ファイナンス型会計理論」の展開を視野に入れつつ、会計理論の立場から本公開草案の論点と問題点を検討することを主たる課題とするものである。 |
★Profile★ |
こが・ちとし■1947年福岡県生まれ。神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。神戸大学教授・博士(経営学)。税理士試験委員などを歴任。主要著書は、『情報監査論』『デリバリティブ会計』『価値創造の会計学』『会計基準のグローバル化戦略(共著)』など。日本公認会計士協会学術賞、日本会計研究学会太田・黒澤賞を受賞。 |