現場で役立つM&Aの勘どころ
―戦略策定からデューデリジェンスまで

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目次

 プロローグ―M&Aに欲しい「価値創出」力 

第1章 いまなぜM&Aか
 第1節 ロケーション(立地型)ビジネスの勝ち残る道8
  1.ロケーション(立地型)ビジネスとエフィーシェンシー(効率型)
     ビジネス
  2.企業戦略の3つの重要ポイント 「収益性」「新規性」「成長性」
  3.ロケーションビジネスと「ブティックイズム」の考え方 ……ほか
 第2節 世界的企業とのグローバルな競争
  1.さらにグローバル化が加速するM&A
  2.日本企業独自のマネジメント体制に誇りを見出す時
 第3節 M&Aブームのさらなるグルーバル化
  1.日本企業のM&Aは,今,第3期に入りつつある
  2.バブル崩壊直後の第1期の「再生型」
  3.第2期の「株価至上型」は「株高」利用によるまさに下剋上の
     世界
 第4節 企業価値を極大化させる経営
       ―「価値創出」とは「無」から「有」を生み出すこと
  1.チェンジマネジメントがもたらしたもの
  2.「価値創出」の視点が見えないM&Aプレーヤーたち
  3.新たな「意味づけ」で生まれた「ベンチャーキャピタル」という業態

第2章 M&Aの多くが失敗している理由 
 第1節 企業の発展ステージに合致したマネジメント人材を配置
       できない失敗
  1.自分の会社と,相手の会社の今いるステージを考える
  2.それぞれのステージにふさわしい経営者を見極める
 第2節 大企業では優秀だったはずのベンチャー経営者の失敗
       ―ベンチャー経営の世界では必ずしも優秀ではあらず
  1.業務分化ができていないベンチャーの現場
  2.仕事の3つの世界
  3.3つの階層と役割分担
 第3節 M&Aで社内の人間模様,企業風土が変わり果てての失敗
  1.感情的な部分の影響力と人間関係の再構築
  2.自我を畳める人と畳めない人
 第4節 高い買収価格(プライシング)ゆえの失敗
  1.「選択と集中」戦略に立脚して実施されるM&A
  2.買収価格の設定の高さが原因のひとつ
  3.割高になりがちな買収案件
 第5節 PMI(Post Merger Integration)の成否がM&Aのカギ
  1.文化の違う2社のインテグレーションこそ命題
  2.統合後のプロセス管理の甘さが失敗をよぶ
  3.PMIには強いキャプテンシーが求められる

第3章 M&Aの基本ポイントは?
 第1節 会社法普及で多様化するM&A手法
  1.M&A手法の選択肢を充分把握することに企業価値向上の
     基本がある
  2.新たな会社法により「対価の柔軟化」が認められる
 第2節 M&Aの具体的手法
  1.株式買収は「TOB」が主流に
  2.事業の一部を切り出したいなら「事業譲渡」
  3.もっともポピュラーな手法「合併」 ……ほか
 第3節 M&Aの新手法
  1.M&Aの新手法によって成長を期した企業
  2.行き過ぎたM&A戦略により破綻
  3.バブル時の不動産信仰と重なる時価総額信仰
 第4節 市場環境の変化の中でのM&A
  1. 野家がM&Aに走ったのはなぜか?
  2.BSE問題が野家の戦略転換を後押し
  3.花形事業だけでは企業を運営できない
 第5節 目的によって違うM&A事業再編パターン
  1.「垂直統合型」「水平統合型」が注目
  2.アパレル業界の「垂直型M&A」
  3.製薬業界の「水平型M&A」 ……ほか
 第6節 M&A交渉プロセスでの成功ポイントは?
  1.M&A交渉のスタートは候補探しから
  2.交渉がスタートすると専門進行役が登場することも
  3.基本合意後はトップ判断でスピーディに ……ほか

第4章 企業価値を最大化させるM&A戦略のケース
 第1節 本質的なM&A戦略とは
   《買収企業別のM&Aの特徴》
 第2節 事例@:TSUTAYAのケース
       ―「文化」を「便利」なものにしたTSUTAYAの戦略
  1.「蔦谷書店」での出店
  2.成長の礎にM&Aあり
  3.CCCのM&A戦略3つの狙い ……ほか
 第3節 事例A:阪急阪神東宝グループ
       ―後年の電鉄経営の原型をつくった阪急阪神東宝グループ
  1.沿線開発の先駆け,阪急電鉄
  2.阪急との合併で「エイチ・ツー・オーリテイリング」に
 第4節 事例B: 野家のケース
       ―逆境から生まれた野家の「こだわり」というマーケティング
   《味へのこだわりが野家の企業文化》
 第5節 事例C:ルイ・ヴィトンのケース
       ―ラグジュアリー産業を創出したLVMH
  1.ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーとの経営統合によって発足
  2.ブランドイメージに徹底的にこだわる
 第6節 事例D:日本たばこ産業
       ―「レピュテーション」獲得に躍起になる消費財メーカー
  1.近年の「健康」志向を意識
  2.「嫌煙」ブームが加速化する中でJTが採った戦略とは
  3.マーケットとの融和を目指す食品分野でのJTのM&A戦略
                                     ……ほか

第5章 M&Aの適正なるデューデリジェンスとは
 第1節 M&A成否のカギを握る「デユーデリジェンス」の考察
  1.デューデリジェンスとは?
  2.市場性と競合性の2つの軸を動くものとして捉える
  3.海外進出とグローバル化 ……ほか
 第2節 目に見えないが有効な経営リソースを獲得するには
 第3節 よいデューデリジェンスとは?
  1.デューデリ・ワークの手順
  2.どのようなデューデリ実施者を選べばよいのか

第6章 デューデリジェンス
     (ビジネス,法務,人事,経営管理)のポイント

 第1節 ビジネスデューデリジェンス@
       ―市場性や顧客に関係すること
 第2節 ビジネスデューデリジェンスA
       ―流通チャネル,コンペティターに関係すること
 第3節 ビジネスデューデリジェンスB―調達に関係すること
 第4節 法務デューデリジェンス
 第5節 人事デューデリジェンス―人事,組織に関係すること
 第6節 ITデューデリジェンス―IT,テクノロジーに関係すること
 第7節 経営管理に関係すること
 第8節 期待したい「戦略的デューデリ」へのチャレンジ

第7章 プライシングとPMI戦略について
 第1節 プライシング―高値を掴む3つの落とし穴
  1.情報の非対称性
  2.不確実性
  3.時間切れでデューデリもままならず ……ほか
 第2節 PMI戦略について
  1.成功するM&A,失敗するM&A
  2.日本企業の生い立ち,組織風土,マーケットの醸成度に応じた
     M&Aがある

第8章 日本型CEOのあり方とは?
 第1節 独善性の強い米CEO体制
  1.日米で14倍の差があるCEOの報酬
  2.CEOの高額報酬は米エンロン事件が発端
  3.株主価値至上主義がゆがみを生む ……ほか
 第2節 日本的CEO体制の光明
  1.わが国を経済植民地化するのに必須だった米国型ガバナンス
     体制
  2.会社の大きな意思決定を要する3つの事項を独占
  3.大切にしたい日本企業の収益やその配分に対するスタンス
                                     ……ほか

第9章 「M&Aとブランド」戦略こそが価値創出を生む
 第1節 コモデティ(商品)ブランドとコーポレートブランド
  1.コーポレートブランドをあえて前面に出さない欧米企業
  2.「社名・松下」を捨て「パナソニック」になったのはなぜか
  3.ブランドは国境を越える
 第2節 事例@:LVMHグループ
   《注目されるラグジュアリーブランド企業グループの御三家
    ―LVMH・リシュモン・PPR》
 第3節 事例A:ホテル業界のケース
   《ポートフォリオ戦略へ移行する大手ホテルチェーンのブランド
    戦略》
 第4節 事例B:ネスレのケース
   《重要ブランドはスイス本社で一元管理するネスレグループ》
 第5節 事例C:スウォッチ・グループ
   《「価格帯」でブランドを管理するスウォッチ・グループ》
 第6節 事例D:レクサスのケース
   《「レクサス」ブランドの確立へのチャレンジ》

第10章 買収ファンドの横顔
 第1節 投資ファンドという名の黒船
  1.米国のバイアウト(買収)ファンドの動き
  2.08年金融危機後のPEファンドの状況
  3.「モノ言う株主」の代表格,スティール・パートナーズ ……ほか
 第2節 膨張する投資ファンドの活動範囲
  1.投資ファンドの潤沢な資金
  2.カネ余りが生んだファンド膨張
  3.「投資ファンド日本上陸」の背景 ……ほか

第11章 投資ファンドは何を目指すのか?
 第1節 投資ファンドの狙い
  1.IPOを目指す投資ファンド
  2.「公開ファンド」に求められること
 第2節 投資ファンドが日本企業にもたらしたもの
  1.デビュー戦に完敗した「村上ファンド」
  2.最後はあっけなく退場
  3.村上ファンドの功罪 ……ほか

第12章 経営者のエグジット(出口)戦略
 第1節 「IPOは魅力がいっぱい」のウソホント
  1.IPOに走る目的は?
  2.IPOの効用は依然として資金調達と良質な人材確保
 第2節 デメリットも目立ち始めたIPO
  1.「公開したら借金だけが残った」という例も
  2.公開企業に敵対的買収のリスクが増大 ……ほか
  3.増加するMBO ……ほか
第13章 M&Aと日本企業の今
 第1節 企業は誰のものか
  1.「企業は従業員のもの」という考え方
  2.ザ・リッツ・カールトンの「ES=従業員満足」
  3.次代のキーワード『サスティナビリティ(持続性)』と
     日本人の伝統精神
 第2節 求められるマーケット(顧客)の創造
  1.日本企業のよくできた仕組み
  2.「インビジブル(見えざる)な世界」にチャレンジを

 《参考文献》

 《索 引》


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著者プロフィール
小林 一郎(こばやし いちろう)
経営コンサルタント・青山学院大学客員教授
略歴
1960年生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒。
味の素株式会社,国際会計事務所プライスウォーターハウス(現プライスウォーターハウス クーパース)を経て,
98年よりE.C.A 代表取締役CEOとして,戦略コンサルティングを提供。
主にインキュベーション(事業開発)や企業再生のミッションをもって,活動している。
2006年度より青山学院大学客員教授(M&A分野の講義・研究)。
また,青山学院大学が出資する,青学コンサルティンググループ取締役として産学連携モデルの事業開発も担っている。
全国の商工会議所,経済同友会,国際協力機構(JICA),外務省管轄各団体などでの国際経済問題に関わる講演も多数。

主な著書
『e時代のマネジメントモデルがわかる本』かんき出版
『企業価値を高める戦略財務シナリオ』かんき出版(共著)