SCOPE EYE
空白の期間を避ける準備を 清家 篤
論壇
公的部門の会計改革 山本 清
特集 IFRS金融商品会計が変わる
 2009年11月,国際会計基準審議会(IASB)はIFRS9号「金融商品」を公表した。これは,金融商品の保有区分及び測定に関するもので,IAS39号「金融商品:認識及び測定」の置き換える3つのプロジェクトの第1部。減損処理の方法を扱う第2部に関しては,公開草案「金融商品:償却原価及び減損」が公表されている。特集では,これら置き換えプロジェクトの動向や論点を明らかにするとともに,IFRS金融商品会計のあり方について検討する。
IFRS9号「金融商品」の概要 加藤 厚
IFRS9号の論点と課題 坂本道美
公開草案「金融商品:償却原価及び減損」の概要と論点 吉田康英
金融商品会計基準の改訂と金融規制改革 熊谷五郎
非上場株式の公正価値測定と監査可能性
――IFRS9号の公表を踏まえて
越智信仁
特別企画 日本版ESOPの導入状況と会計上の検討課題
日本版ESOPの概況と導入に当たっての留意点 菅 良彦/橋本基美/加賀信行
従業員持株会を活用するスキーム(いわゆる日本版ESOP)に関する会計処理の検討 秋葉賢一 
時事解説 企業会計基準委員会
企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する
会計基準」及び同適用指針について
前田 啓
「無形資産に関する論点の整理」について 豊田俊一
時事解説 
共通支配下における企業結合会計基準および
会社計算規則の適用について――吸収合併の場合
中村慎二
連載 日本の主要企業の原価企画(第3回)
目標製造原価の細分化 田中雅康/田中 潔/大槻晴海/井上善博
IFRSReview
リース会計に対する新たなアプローチの特徴と問題点
――IASBとFASBのディスカッション・ペーパーを中心として
加藤久明
新連載 日本企業における管理会計・第2部・(1)
非製造業の実態調査と製造業との比較 吉田栄介/妹尾剛好/福島一矩
Academic Eye
企業研修  加登 豊
学会ルポ
日本監査研究学会第32回全国大会 宮本京子
日本会計教育学会第1回全国大会 菅原 智
第5回アジア太平洋管理会計フォーラム 西村 明
第3回財務会計研究学会 齊野純子
日本会計研究学会第57回関東部会 海老原 諭
日本会計研究学会第59回関西部会 宮武記章

Color Section
三角波
 上場会社等のコーポレートガバナンスに関する開示の見直しについて
アウトサイド
 「公開会社法」が問う日本社会の質 末村 篤
会計時評
 環境報告書に見るCO2削減活動実績 阪 智香
経理・財務最前線
 財務諸表の作成・開示の新しい潮流 北村喜美男
IFRS導入への道
 連結グループ会計方針の作成 有限責任監査法人トーマツIFRSサービスセンター
リタイアに向けた「マネープラン」
 自宅不動産に関する「2つの錯覚」―その1―
サロン・ド・クリティーク
 連結会計基準の展開と研究動向(2) 上田晋一
ASBJ 企業会計基準委員会ニュース

相談室
〔会計実務〕 金融商品の時価の開示について 西田俊之
〔会社法務〕中小企業金融円滑化法について 田中光江
書評
『企業統治の会計学――IFRSアドプションに向けて』 今福愛志 著 伊藤邦雄
『包括利益の実証研究』 若林公美 著 榎本正博

編集室より
△「理解したと言う人は,基準を理解していない人であると云われるほど」(坂本稿)難解なIAS39号。その見直しのプロジェクトは,金融危機を受けて加速化し,昨年11月には金融商品の保有区分及び測定に関するIFRS9号「金融商品」と公開草案「金融商品:償却原価及び減損」が公表されました。ただ,このようにプロジェクトが進む一方で,FASBが異なった方向性を示したり,欧州委員会が承認を見送ったり,議論が続きそうです。特集では,IFRS9号や公開草案の内容を明らかにするとともに,FASBや欧州の金融規制当局との間で見解が分かれている論点について考察しました。日本のコンバージェンスのターゲットとして,金融商品会計基準に関する今後の議論の動向から目が離せません。
△特別企画では,日本版ESOPについて従業員持株会を活用するスキームを中心に導入における留意点について検討しました。2008年の政府の追加経済対策によって導入促進が打ち出されてから,昨年12月には金融庁の開示布令等でその内容開示が義務付けられるなど,制度整備が進んでおります。従業員へのインセンティブの付与や安定株主の確保による敵対的買収防衛策といった効果が期待できる一方で,会社法や金商法など法制度上の論点や明確な会計処理が存在していないという点で導入に際しては慎重な検討が必要です。導入検討の際の一助にお役立てください。
△持株会社設立が解禁され連結重視の企業経営の重要性が叫ばれるようになって以来,親会社のマネジメントの対象範囲は企業集団全体を見据えたものへと拡大しています。その中で近年,純粋持株会社を利用したケースが増加してきており,事業会社を親会社とする従来のグループマネジメントでは生じていなかった新たな課題も出てきているようです。次号特集では管理会計の視点から,グループ経営管理の課題を事例を交えながら考察します。
◇企業会計2010年5月号のご案内

特集=新しい企業グループのマネジメントとは

企業グループの新しいマネジメント 園田智昭/企業グループ経営と移転価格税制 高久隆太/ロイヤルティ・プログラムを用いた企業グループ全体の競争戦略 青木章通/企業統合の人事・経理業務の標準化について 御座勉/宇部興産グループにおけるCMSの活用 徳光眞介